ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年9月9日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
9月のゲストは栃木県足利市、有限会社ココ・ファーム・ワイナリーの専務取締役 池上知恵子さんです。前半は当時の特殊学級の先生だったお父上が「こころみ学園」を立ち上げ、さらにワイナリーを設立、そして今に至るまでの変遷を。今やネットで聴くことも購入することもできる音楽ですが、後半はそのちょっと前の「CD全盛期あるある」ネタが爆裂します。(全5回 2回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:9月のお客様は、栃木県足利市のココ・ファーム・ワイナリーの池上知恵子さんにお越しいただいてます。今日もよろしくお願いします!

池上:よろしくお願いします。

辰巳:さぁ、まずは飲みながら始めたいと思います。今日はまたいい色!オレンジ色?琥珀色?、のワインでございます。これはなんでしょうか?

池上:「甲州F.O.S(ファーメンテット オン スキン)」です。

辰巳:”皮仕込み”。最近「*オレンジワイン」というのが世界的にも流行ってますけど、このF.O.Sってだいぶ前からですよね?
(*オレンジワイン 参考サイト:https://www.enoteca.co.jp/article/archives/1503/

池上:そうですね、2004年から。

辰巳:世界に「オレンジワイン」が出回る前からものすごく斬新な、独特な造りをされてますけど。これは*ブルースが始めたんですか?
(*ブルー・ガットラヴ氏:北海道でカスタムクラッシュワイナリー「10R 」を営む元ココ・ファームの醸造責任者。現在もココ・ファームの取締役:http://www.10rwinery.jp
このラジオ番組の前身にて辰巳さんと対談しています。

八王子FM「辰巳琢郎の一緒に飲まない?」2019年12月5日、19日OA
掲載記事はこちらから↓
https://jpwine.jp/topics/1463
https://jpwine.jp/topics/1468

池上:ん、そうそう。その頃(メルシャンの)「きいろ香」ってのが流行っててね。だからこれを最初は”茶色香”とかって呼んでたんですよ笑笑。

辰巳:甲州というブドウ品種は白ブドウでも黒ブドウでもなくね、ちょっとグレーがかったピンク色のブドウでポリフェノールもたっぷりなんですよね。
では乾杯しましょー!

全員:カンパ~イ🎶


2019 甲州F.O.S
https://cocowine.com/ds/3533/

辰巳:いいですね、少し苦味があって独特の味わい。今日も「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにもお付き合いいただいていますが、いかがですか、このワイン?

井村:完熟した洋梨の皮をかじってるような感じがしました。

辰巳:僕はリンゴの皮ならかじったことあるんですけど、まぁそんなニュアンスですよね?皮のニュアンスを伝えるのに「洋梨」が出てくるのがやっぱりフランス料理のシェフですよね笑。料理人として、こういうワインに出会うとイメージ湧くんじゃないですか?

井村:そうですね。これは何に合わせようか・・・、

辰巳:で、考えた結果がこちらでございます。これは?

井村:プロヴァンスでよく食べる「ブランダード」という魚をペースト状にしたお料理です。


ニーム風ブランダードとトースト

辰巳:元々は干し鱈を(水分で)戻して作ったりするんですよね。今回はちょっとワインの色に似た、オレンジがかった色ですけど?

井村:そうです、通常は牛乳を使ったりして戻すんですけど、今回はプロヴァンス風に作りたかったんでブイヤベースを。旨味のある方がワインにマリアージュしやすいんじゃないかなーということで。

辰巳・池上:いただきまーす!

池上:素晴らしい!!!

辰巳:簡単そうに見えますけど、手間暇かかってますよね?

井村:ですね、まずブイヤベース作るところから始まるんで。

辰巳:いいな、前菜なんかに出てくるとワインが進みそう。これ作ったの初めて?

井村:これはわりと定番です、このワインに合わせてちょっとアレンジしましたけど。

池上:これだけずっと食べ続けられそう笑。

辰巳:ワインや季節によって魚変えるんですね?

井村:そうです、今日は真鯛を使ってます。

辰巳:干し鱈は使ったりするんですか?

井村:干したものよりもフレッシュなものの方が美味しくできるような気がします。

池上:贅沢ね、でも白身魚系よね?

井村:そうです。

辰巳:さ、今日も先週に引き続きココ・ファームのお話を聞こうと思ってるんですけど。(先週のお話)知的な障害者の生徒さんのためにたくさん仕事を用意しようとして始めたブドウ畑ですけど、ワイン造りも当初の頃から?

池上:畑は辰巳さんの生まれた年(昭和33年)に始めたんですけど、その時は食用ブドウ。

辰巳:その頃池上さんはもう手伝ったりしてた?

池上:まだ小学校低学年でしたから、お兄ちゃんやお姉ちゃんの仕事ただ見てるだけでした。
母(の実家)が酒屋で父(の実家)が果樹園なんです。だからもう(ワイン造りは)”宿命”だと思って・・・笑。

辰巳:ぁ、川田先生(池上さんの父)は元々果樹園?足利の?

池上:隣の佐野(市)。と、足利の酒屋の娘が一緒になった笑。ですからワイン造りをゆくゆくやることは頭の中に入ってたんじゃないかと笑笑。

辰巳:最初はどんな品種を?

池上:キャンベル・アーリーとかナイヤガラ。甲州も植わってたんだけど、今はそれが台木になってプティ・マンサンを植えたり・・・。甲州はやっぱりね、”適地適品種”でうちより上手に作ってくれる所(山梨、勝沼など)にお願いした方が、、、。

辰巳:今日のこの「甲州F.O.S」は勝沼の方のブドウ?

池上:そうです、勝沼の契約栽培です。

辰巳:甲州、以前は植わってたけどそれを台木に今はプティ・マンサン。面白いもんで接木するともうその年からブドウできるんですよね?枝の先っちょだけ(別の品種に)付け替えてもすぐ別の品種のブドウができるらしいっすよ。すぐにプティ・マンサンが出たりタナが出たり、そんなこともできるらしい。そんなことまた近年増えるんじゃないか、した方がいいんじゃないか、っという気がしてまして。

池上:いろんな可能性があるんですよね。古くからやってるところは「うちはこれでやる!」って(頑強に)なっちゃうかもしれないけど、うちの場合は「あーやってみたりこーやってみたり」。”可能性”探り。

辰巳:長いこと「ブルース・ガットラヴ」というアメリカ人がココ・ファームにいらして価値も品質も高めてこられたんですけど、彼はいつから参画されたんですか?

池上:正式には1989年なんですけど、その前から来てもらったりなんかして。本当は6ヶ月の契約だったんですけど・・・。

辰巳:そんなに長いんですか!?じゃぁ彼も20代そこそこの頃?

池上:30歳ぐらい?今も「こころみ学園」の評議委員で、こないだも来てくれてましたけど。

辰巳:今は北海道でワインを盛り上げてますけど、長らくココ・ファームの醸造責任者としてね。

池上:色んな人も育ててくれましたしね。

辰巳:たくさんの弟子たちがいて。「ドメーヌ・タカヒコ」の曽我君も一緒にやってて『ブルース・チルドレン」の一人ですよね。

池上:”甲州を切ってプティ・マンサンを植える”っていう決断も貴彦さんだったんです。(辰巳:驚)「え~、もったいないんじゃないの?」って思ったんですけど、今考えてみると”やる気のある若い人”でしたよね。

辰巳:そういうチャレンジ精神がね。

池上:だって「こころみ学園」ですから!

辰巳:Try!、ですよね。

辰巳:「こころみ学園」、っという名前が出てきましたけど、こちらは何年からですか?特殊学級の先生だった川田さんが、独立してご自分で学校を始めたんですよね?

池上:そうです。だからね、昭和33年に(畑の)開墾をやって、昭和44年に「こころみ学園」を作って、昭和55年にココ・ファーム・ワイナリーができて・・・。

辰巳:ゾロ目ゾロ目ゾロ目笑笑。

池上:覚えやすい!

辰巳:ココ・ファームが昭和55年、1980年なんですね~。そうか、じゃ、(川田先生は)10年間は教員をやりながら畑の開墾をして、定年でもない(昭和)44年に、

池上:「こころみ学園」を作って。でもそれだけじゃ(醸造)免許もらえないんです。ですから有限会社を作ってワイン造りを始めたのが昭和55年。

辰巳:ワイン造り自体はこころみ学園の頃から始めてたんですか?

池上:それはほら、ナイショにしないと(←声がちっちゃくなってますよー)笑笑。

辰巳:ではヒソヒソ話をしてる間にリクエスト曲を聴きたいと思います。今日はなんでしょ?

池上:石川セリさんの、

辰巳:石川、さゆりさん?能登半島?

池上:それも好きですけど爆、(井上)陽水さんの奥さんの方。

辰巳:はいはい、いま福岡にお住まいでノリのいい方で、僕も何回か飲んだことあるんですけど。

池上:ステキですよね~彼女、の「三月の歌」。

辰巳:飲みに行くばっかりで彼女の歌をじっくり聴いたことがないかもしれない、申し訳ない💦今日はちゃんと聴きたいと思います。


石川セリ「三月の歌」(1995年)
https://www.youtube.com/watch?v=6INUgdL0zgA

辰巳:はい、石川セリさんの「三月の歌」。これ谷川俊太郎さんの作詞で武満徹さんの作曲なんですね。なんか最初「暗いな」と思いながら聞いてたんですが、なかなか深みのある・・・。

池上:いいでしょ?セリさんが料理研究家の平野レミさんと一緒にワイナリーに来てくださったことがあって、その時畑を案内した時に”カラス追い”としてCDをぶら下げてたんです。(周囲:あーーーあれね、わかるわかる)

辰巳:ま、CD自体を最近見ませんけど笑、ブドウ畑のCD吊るしてあるのはね。あのキラキラが鳥が、

池上:、カラスが嫌がるとか。今はそんなことしてないんですけどね。その頃(石川)セリさんがいらしてお土産に(ご主人の井上陽水さんの)CDをくださって、うちの父に「園長先生、CD聴きますかー?」って仰ったら父「あぁ、よく効くよー」って爆。

辰巳:「キク」って”Listen”じゃなしに”鳥避けに”笑。

池上:そしたらセリさんがね、「吊るさないでくださいね」って爆。

辰巳:セリさんよくわかってらっしゃる笑。当時は実際に(CDが)吊るされてたんですね。でも陽水さんの曲はよく聴きそう(効きそう)な気はします笑笑。

池上:どっちの「キク」???笑笑。ちなみに私陽水さんの大ファンだから、CDはすべて持ってます。

辰巳:それは吊るしてないんすか、ブドウ畑に?笑笑

池上:とんでもない笑。

辰巳:近頃はAKBのファンなんかは(同じCDを)たくさん買ってプレミアム権をゲット、とかなんとかありましたけど”ブドウ畑にCD”はかなり古い手法ですよね、いつ頃の話?

池上:20年ぐらい前かなぁ。

辰巳:そのもっと前はCD自体がまずなかったし。「CD?こんな新しいものが出るなんて!?」って思ってた世代ですよね。

池上:(頷)、っと思ったらあっという間に陰を潜めて。今はタワーレコードも日本に残ってるだけとか?

辰巳:こないだ部屋の整理をしてたら古~いポータブルデッキが出てきて。昔はキャンプとか浜辺に置いてたような、、、あ、カセットデッキだ、CDも両方使えるやつ。まだ動いてましたね。そう言えばあれが30年近く前の物なんだろうなと思いながら今日は浸ってましたけど。でも懐かしさに浸ってちゃダメなんですよね、先を見つめないと。あーぁ、また話が進まない笑。

池上:脱線笑。

辰巳:石川セリさんが陽水さんのCDを持ってこられたのは「自分のCDは吊るされたくない」と思ってたのかなぁ爆、っという気もしないでもないですが。。。また来週楽しい話を伺いたいと思います。
9月のお客様は、栃木県足利市、ココ・ファーム・ワイナリーの池上知恵子さんにお越しいただいております。ありがとうございました!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、お招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが造るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、コロナ対策の政府の対応によってはこのサービスが提供できない可能性があります。詳しくはお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年9月9日放送回

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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