
2025年3月のゲストは長野県東御市の「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」代表取締役社長(栽培醸造責任者)の小西超(こにしとおる)さんです。最終回は「これぞヴィラデスト!」という「ヴィニュロンズリザーブ」のメルローで乾杯!
長野の、東御のワイナリーのこれからを語っていただきました。
(全4回 4回目)
辰巳:3月も終わり、最終回です。今月のお客様は長野県東御市の「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」
代表取締役社長の小西超さんです。そして、プリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:なかなか話が進まなくて、最終回でようやく(滋賀・京都から)東御にやってきたという笑笑。この後の話どうしましょうかね笑。まずは乾杯しましょう。今日も赤ワインです。
全員:カンパ〜イ🎶
【ヴィニュロンズリザーブ メルロー2021】
https://villadest.shop-pro.jp/?pid=139950359(←こちらのヴィンテージは2022)
辰巳:ヴィニュロンズリザーブのメルロー?
小西:はい。その2021年です。
井村:見た目も鮮やか、渋み、味わいも結構しっかりと。でもどこかに軽さがあるというか。飲み応えあるのに飲みやすい。
小西:「ヴィニュロンズリザーブ」はヴィラデストを代表するシリーズで、シャルドネとメルローがあります。
オーナーの玉村(豊男)が最初に植えた2種、(と、ちょっとピノ・ノワールがありますけど、)それなりの厚みがあって、かつ、東御の冷涼な空気を感じられる酸が。2021年は特に酸が残る涼しい秋でした。”冷涼感も感じられながらしっかりしている”赤ワインです。
辰巳:それに合わせたお料理は?ビーフウエリントン?
井村:ウエリントンというか、パイ包み。ウェリントンはフォワグラ。今回は鶏の胸肉のムースとキノコのディクセルというしっかり炒めたキノコを纏わせてあります。
辰巳:ラジオをお聞きの皆さんは想像しかできないので、わかりやすく説明すると?
井村:パイ生地の香ばしさと纏わせたキノコの香り、あとはお肉の香りを閉じ込めてありますんで。それが口の中で広がった時にこの赤ワインを飲んでいただければいいんじゃないかと。マディラ酒を使って少し甘みのあるソースにしてあります。
全員:いただきます!!!
【牛フィレ肉のパイ包焼き】
辰巳:美味しい♡ワインを飲む前からマリアージュををなんとなく想像できます。
小西:この赤ワインの中にはキノコみたいな香りと、樽熟成もしてあるのでその香ばしい香りにパイ生地がしっかり合って。
辰巳:元々フランス料理はお好きなんですか?
小西:大好きです。こういうちょっとライトな、軽めのフレンチも。。。
辰巳:このお料理も見た目重いんですけど食べると軽いんですよ。そこら辺がウェリントンと違うところ?
井村:そうです。ウェリントンはすごい重厚な作りになってますんで、手間もかかってますし。
辰巳:そうなんですね。あまり詳しくは知りませんが、ウェリントンってイギリスの将軍でしたよね?
井村:そうです。
辰巳:こちら食べるのに時間かかりそうなんで、リクエスト曲を食べながら聴いて、後半話をじっくり聞きたいと思います。
今日はなんにしましょ?
小西:ユニコーンの「素晴らしい日々」。
辰巳:シェフ知ってます?
井村:ユニコーンはよく聴いてましたんで、聴いたらわかると思います笑。
辰巳:僕はぜんぜん想像つかない笑。ユニコーンって、、、グループですよね?(←ぇw)、お笑いじゃないですよね?(←ぇww)
なんかお笑い(コンビ?)でありそうじゃないですか?
小西:ありそうですよね(←ぇw)
井村:ユートピアとか?・・・
(なんだか話がすごい方向になってきました)
小西:奥田民生さんですよ。
辰巳:・・・ちょっと聴いてみます笑💦
ユニコーン「素晴らしい日々」(1993年)
https://www.youtube.com/watch?v=3hdQiOsAVNY
辰巳:はい、ユニコーンで「素晴らしい日々」でした。これも学生時代に聴いてた歌なんですか?
小西:ユニコーンは大学時代にすごい流行っていてよく聴いてましたし、社会人になってからも。奥田民生さんが大好きなんです。
京都から長野に通っていた頃よく電車の中で聴いてました。(Walkmanで)
辰巳:名古屋まで新幹線、そこから「(特急)しなの」で?
小西:はい。「しなの」で長野か篠ノ井まで行ってまた乗り換えて、、、。
辰巳:で、、、。今日は最終回なので走りますが笑。結局長野の東御における宝酒造のワインプロジェクトが頓挫して、そこからどうなったのか手短にお願いします。
小西:当時はすごくやる気になっていて、「宝酒造がワインやるぞー!」ですごく期待に胸が膨らんでたんですけど、、、。会社が急に「計画は中止」と。かなり落ち込んでました。
辰巳:麻井宇介さんもガックリだったでしょう?
小西:かなり落ち込んでました、し、(ヴィラデストオーナーの)玉村も。
辰巳:当時から玉村さんもある程度参画されてたんですね?
小西:はい、バックアップしてくれてたのでかなりガッカリしてました。そのタイミングで麻井先生が病気になられて・・・。
辰巳:それがショックで病気になったんじゃないか?。っとちょっと僕は思ったんですけど。
小西:その翌年には亡くなってしまって・・・。どうなるかはわかんない状況ではあったんですけど、でも麻井先生から”ワイン造りの面白さや魅力”を毎日のように聞いていて、「やりたい!」って気持ちにはなっていたんで、この時点で他に何かできる方法はないのかなと考えてはいましたし、玉村も同じことを考えていて。。。それで「一緒にワイナリーをやらないか」っていう話をしてもらって。
辰巳:そこで玉村さんも思い切ったわけですね、大きな決断だったと。それで小西さんは(玉村さんに)身を預けたと?
小西:そうです。
辰巳:そこから徐々に、「派手ではないが、地味に順番に押さえていった」。その後に「*アルカンヴィーニュ」を創って、この東御地区、あるいは長野のために、民間で勉強する環境を整えた。
(*アルカンヴィーニュ:https://jw-arc.co.jp)
小西:「千曲川ワインアカデミー https://jw-arc.co.jp/academy」。栽培・醸造の他にワイナリーの経営のことを学ぶ環境も始めました。
辰巳:”人を教える”。そこが玉村さんの素晴らしいところ。それが今の長野のワインの隆盛があるわけで。
小西:今卒業生が300人ぐらいいて、そのうちワイナリー興した人は30人ぐらいいます。
辰巳:小西さんはその後社長を引き継いで活躍されてますけど。この日本ワインが増えて、長野県でも80件を超えた今、次の課題とか何をしようとか、どういうことを感じてますか?
小西:長野県で80軒、全国では500軒超えたワイナリーがありますので、それぞれが精を出し、魅力をちゃんと伝えていかないと。
単に”ワインを造る”だけではなかなか難しくなってると思います。一方で。海外の産地、例えばカリフォルニア、ニュージーランドみたいに、ひとつの産地にワイナリーが集まれば、いろいろアピールできますし土地の個性も出てくると思うんです。そういったものをしっかり出して”(東御を、長野を)認知してもらう”。
辰巳:関西から長野に移ってね。ぁ、そういえば京大出身のドクターってけっこう長野に集まってるんですよね。
小西:そうですね。星野さんとか箕輪さんとか。
辰巳:なんか不思議な所。もう長野に移住して20年超えましたけど、「ズッポリと長野の人間になってきた」という感覚はありますか?笑
それともまだ何か?
小西:もう20年ですし子供も3人いますけど、全員東御生まれですし。
辰巳:子供さん関西弁喋られへんでしょ?
小西:そうですね。ただ、娘は今京都の同志社大学行ってますから、少し関西弁勉強中です笑。
辰巳:あと2人は?
小西:高校生と小学校。
辰巳:今回話をいろいろ聞いてきて、ワインを一つの軸として交流するってのがいいところでもありますね。だって新しい産地で玉村さんが開く前までは東御のワイナリーはゼロ0だったんですから。まったくないとこからこれだけのもの作り出すのはやっぱりすごいこと。
小西:ヴィラデストの元社員たちも今東御でワイナリーやってますし。波多野(信孝さん)もそうですし。(←羽田野さんは現在Cave hatanoを営んでいらっしゃいます。https://www.c-hatano.com)
あとは中田(庸介)くん。まだワイナリーは持ってないんですけど、畑をやって委託でワイン造ってるし。そういう人も何人かいます。ま、そういうコミュニティーが(ワイナリー内で)出てきてます。
辰巳:その中でも、これからの課題・問題点はありますか?
小西:やっぱり温暖化、とか、環境に優しく、とかそういう風潮が強くなってるので。病気に強い品種、暑いところに強い品種、そういうのを試していかないといけないなーと。少しずつですけど試してはいます。
辰巳:ほか、政治的政策的に「長野県こんな風になったらいいなー」とかをまとめてかなきゃいけない立場だと思うんですけどそのへんはどないですか?
小西:ワイナリーはどんどん増えてますし、「長野に人がたくさん来て盛り上げる」ことも必要ですし、「最近増えてるインバウンドの人たちに(地元のワインを)アピールする、輸出も含め」とか。
辰巳:輸出!?にしては生産量少ないんじゃ?
小西:量はそんなにないので、まずはインバウンドの人に飲んでもらうのが大事かな、とは思ってます。
辰巳:その前にね、日本人がもっと飲まないと苦笑。
小西:確かに。そうですよね。日本人の消費するワインの80%以上が海外のワインですから。
辰巳:80%海外のワインで、残りの20%は日本のワインですけど、その中での80%ぐらいは原料は海外だったり(←国内製造ワインですね)。
小西:だから純粋な『日本ワイン』の消費は5%ぐらい。
辰巳:20本に1本。これをなんとかしたい。
小西:それでも日本人はそれなりにワイン飲んでますから、「時々でもいいから🙇日本ワイン飲んでもらいたい」。5が10%になるだけで
違うんで。
辰巳:年間平均5〜6本でしょ?我々下手したら一晩でそれぐらい(ギャラリー全員爆)。もっと飲まなアカン笑。裾野を広げなければ、、、。でもヴィラデストはレストランも持ってるから、観光客を引っ張ってこられるのは強みですし、玉村さんの功績が改めて大きいなぁと思います。玉村さんにも来ていただきたいんですけどなかなかね。彼の裏話を小西さんにいろいろ聞こうと思ってたんですが、
小西さんの話でいっぱいいっぱいになってしまいました。「誰も知らない玉村さんの欠点」とかなんかないんですか?
小西:なかなか言いづらい💦笑。
辰巳:大丈夫ですよ、誰も聞いてませんから(←大嘘)笑笑。
小西:玉村さん今年80歳ですけどまだまだ元気なので頑張ってくれると思います。そしてすごいもの知り。私も20年一緒に仕事してきて、勉強させてもらいました。料理のことも何も知らなかったのに教えてもらって、、、。結局いいことばっかり話しました笑笑。
辰巳:なんだか優等生💯。もうちょっと飲んでから話してもらったほうがよかったかも。
では玉村さんによろしくお伝えください。3月のお客様は長野県東御市の『ヴィラデストファームアンドワイナリー」の小西超さんでした。
全員:ありがとうございました!!!
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2025年3月27日放送回
- ワイナリー
VILLA D’EST GARDENFARM AND WINERY
https://www.villadest.com- 収録会場
エネコ東京
https://eneko.tokyo/