
2025年3月のゲストは長野県東御市の「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」代表取締役社長(栽培醸造責任者)の小西超(こにしとおる)さんです。大学卒業後は京都が拠点の宝酒造に就職しますが、紆余曲折あって長野県に。
ここでも紆余曲折あって・・・(全4回 3回目)
辰巳:3月3週目、今月のお客様は長野県東御市の「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」代表取締役社長の小西超さんです。
そしてプリオホールディングス総料理長、井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネと白が続きましたが、今日は赤ワインです。
全員:カンパ〜イ🎶
【ピノ・ノワール 2020】
https://villadest.shop-pro.jp/?pid=140606756
辰巳:これはなんでしょ?
小西:ピノ・ノワールの2020年です。
辰巳:色は少しレンガ色になり始めた感じですが?
小西:そうですね。少し熟成が始まってる感じですけど、まだまだ若々しいと思います。
辰巳:ピノ・ノワールのワインは何種類造ってるんですか?
小西:基本は1種類、あとはロゼがあります。ピノ・ノワールはオーナーの玉村豊男が1992年に畑始めた時に植えてるんです。その時はほんの少し。2004年にワイナリーをオープンして畑も広げたんですけど、その時に植えて、そこから少しづつ増やしていきました。
辰巳:手応えはどうですか?
小西:非常に皮が薄いので、雨が降ったら割れてしまったり栽培は難しいと言われてますけど、東御市は雨が少ないし、(ピノ・ノワールは)涼しい気候を好むので、日本の中ではかなりいい場所だと思っています。
井村:ライトな口当たりで飲みやすいと思います。ということで、今日は魚料理を合わせました。
【真鯛のポワレ カブのピューレとサラダ添え】
井村:真鯛をシンプルにポワレしました。野菜は八王子の中西ファームのほうれん草とカブ、ソースはエシャロットをバルサミコ酢で煮込んだコンディマンです。グリーンのピューレはカブの葉っぱです。
辰巳:カブのスライスが千枚漬けみたい笑。
井村:ちょっとフランボワーズの香りをつけた千枚漬けです笑。
辰巳:洋風千枚漬けですね、京都といえば千枚漬けですから。朝ドラで千枚漬けの社長もやったことあるし笑。(←「京 ふたり」1990年)
全員:いただきます!!!
辰巳:このコンディマンがちょっと酸味も効いてていい感じ。
井村:グッと赤ワインに寄せてくれるんで。
辰巳:魚料理もソースや調理法によっては赤ワインに合う場合もけっこうあるんですよね。
小西:白ワインに合いそうな料理かとも思ったんですけど、このピノ・ノワールの、そこまで厚みのあるワインではない赤ワインと、このソースのちょっとお酢の感じが非常に合うなぁと思いました。
辰巳:この洋風千枚漬けにも合います、ちょっとお醤油垂らしてもいいかも笑。
辰巳:中学は松江でそれから滋賀に移られたと。その先に進みたいんですけど(幼少時代をもう少し掘り下げたいらしく・・・)
小学校はどこ?
小西:滋賀県です。両親は共に滋賀県なので。
辰巳:おじぃちゃんおばぁちゃんも?
小西:そうです。同居はしてませんけどすぐ近くに住んでました。両親は東海道五十三次の石部宿というところの、道挟んで向かい同士だったんですよ。
辰巳:ほぉぉぉぉ!幼馴染?
小西:はいまさに。それで結婚したという。その近くに私も住んでましたので、おじぃちゃんおばぁちゃんは近所。
辰巳:じゃぁ一生滋賀県でもよかったのに、、、。膳所高校から京大農学部(修士まで)。で、就職は?
小西:1996年に就職した先は宝酒造。
辰巳:日本酒の「松竹梅」。京都の中では「月桂冠」と並ぶ大きな所。なんでそこに就職?やっぱり微生物やってて酒を造りたかったから?
小西:日本酒、というよりは、大学で微生物、遺伝子、酵素とか、そういうのを勉強してたのでそっちの方向で。宝酒造は「宝バイオ」っていう部門がありまして、その仕事をしたくて入りました。
辰巳:そっから(現状まで)話が展開するとは思いますが、最初はどんなことやってたんですか?
小西:最初はバイオの方に配属されたんですけど、「営業企画」。マーケティングとか、商品化したりとか。バイオの中でも本社、みたいな。その話があった時にはまだ研究をしたかったんで「すごくイヤ」だったんです笑。
それで会社に希望を出して、次の年はお酒の方の研究所に移動になりました。
辰巳:それはどこにあったんですか?伏見?
小西:いえ、大津です。そこに研究所があった。
辰巳:じゃ、家から通えた?
小西:はい。今は伏見にありますけど。
辰巳:それで自分のやりたいことは出来るようになったんですか?
小西:日本酒(松竹梅)ですけど、その商品開発、技術開発とか。
辰巳:日本酒は好きだったんでしょ?
小西:、、、好きは好きなんですけどね笑、やっぱりバイテクみたいなことやりたかったんでイマイチ・・・。
辰巳:だって宝酒造に入って酒造りって(フツー、真っ当)笑笑。
小西:その当時はなんか違うなー。ま、今から思えば😅
辰巳:それからその宝酒造が「長野県にワイナリーを作ろう」というプロジェクトがあったんですよね?
小西:その前に赤ワインブームが来て、すごい赤ワインが売れて、宝酒造もワイン部門に参入しようと。
『新しいことやる』ってんですごく気持ちがワクワクして、会社からも「ワインのこと勉強しなさい」と。
辰巳:でもそれまではワインそんなに飲んでなかったんでしょ?前回、学生時代一緒に飲んだ友人が酔っ払って吐いた時、赤ワインを飲んでいて「血を吐いた(と思った)」、という話を聞きましたがそのトラウマが?笑笑。
小西:多少はありました笑。でも就職してからはワインもたまに飲むようになって、その参入が決まった時は”ワインのことも勉強したいな”と思って。宝酒造にはワインの技術のことがわかる人いなかったので、、、。
辰巳:それで、メルシャンを退職された麻井宇介さんをオファーして宝酒造さんが引っ張ってきたんですね?
小西:そうですね、ま、顧問として。1998年にその「麻井先生について勉強しなさい」。ということになりました。
辰巳:そこから話はまた変わってくるんですけど、ここでちょっとリクエスト曲を。今日はなんにしましょうか?
小西:Mr.Childrenの「花」っていう曲です。
辰巳:「花」といえば隅田川思い出すんですが笑笑(←瀧廉太郎ですね)、まずはお聴きいただきましょう。
Mr.Children「花-Memento-Mori-」(1996年)
https://www.youtube.com/watch?v=mdo-oEZ5_24
辰巳:こんな曲やったかな?っと思いながら聴いてました。
小西:「メメントモリ」の・・・。
辰巳:なんでこの曲?
小西:最初に会社入った時「あんまり面白くないなー」と思って、
辰巳:腐ってたんですね笑。
小西:その腐ってた時、会社行く前に聴いてました。電車の中で、当時はWALKMANで。それで『頑張ろうっ!』みたいな曲です。
辰巳:その入社から3年後、ワインの話があったんですか?
小西:そうです。
辰巳”実は『シグナチャー』という映画にも小西さん、出てるんです。「日本を世界の銘醸地に」というメルシャンの安蔵さん主役の映画なんですけど。メルシャンを辞めた麻井宇介さんが長野に新しく「宝酒造」の畑を作ろうと動き始めたところに、小西さんが弟子として登場してるんです。
小西:(私役は)確か堀井(新太)さんという役者さんだと思います。
辰巳:結婚式のシーンで安蔵さんが小西さんに紹介するー、みたいなところがあったんですけど、あれは?
小西:あのシーンは事実ではないです。
辰巳:よくあることです笑。
小西:でも麻井先生が安蔵さんを紹介してくれたってことは実際にありました。
辰巳:そのころ。小西さんはまだ結婚されてなかった?
小西:そのころは・・・まだですね。
辰巳:滋賀県、京都時代の話までは(恋愛話は)ないんで、、、。
小西:結婚したのは2003年、ワイナリーがちょうど出来るタイミングぐらい。宝酒造の時に出会ったんですけど、当時私が1人で長野に来てて、ワイナリーができるタイミングで、追いかけて。。。
辰巳:京都のかた?
小西:滋賀県の大津、会社の同僚です。
辰巳:その後その、『宝酒造のワイナリー計画』が頓挫したんですよね?ハシゴ外されて麻井さんも小西さんもどうしよう???
後で聞いたらけっこうね・・・。
小西:そのときはまだ滋賀県にいて、出張で(長野に)来てました。長野では年間100日ぐらいは長野市か小諸市のホテル暮らし。
辰巳:かなり夢を持って新しい事業に参入して、、、だったんでしょうけど。なんで止めたんでしたっけ?
小西:赤ワインブームってすぐに去ってたんですね。一気に売れましたけど急に売れなくなって、大手さんが缶酎ハイが出し初めて、宝酒造のドル箱だった缶酎ハイを(圧迫?)・・・。それもあって中止になったんだと思います。
辰巳:宝酒造はその缶酎ハイで(先陣切って)潤って、それで”ワイン”に なったと思うんですが・・・。
また時間がなくなってしまいました。このつづきはまた来週!
全員:ありがとうございました!!!
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2025年3月20日放送回
- ワイナリー
VILLA D’EST GARDENFARM AND WINERY
https://www.villadest.com- 収録会場
エネコ東京
https://eneko.tokyo/