プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2025年2月20日OA

2025年1月のゲストは北海道三笠市の「山﨑ワイナリー」栽培責任者の山﨑太地(やまざきたいち)さんです。
4代目の太一さんになってブドウ専科の農家に転嫁、&ワイナリーのドメーヌになりました。
その過程にまたもやお馴染みの日本ワイン界の重鎮たちが関わっていて・・・。(全4回 3回目)

辰巳:今月のお客様は北海道から飛んできてくださいました。三笠市にある山﨑ワイナリーの4代目、山﨑太地さんです。そしてプリオホールディングス総料理長、井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:1回目2回目もそうでしたけど、今日も白ワインが、、、。山﨑ワイナリーの醸造で白ワインの比率ってどれぐらいですか?

山崎:赤と半分半分ぐらいです。若干赤の方が多いかな。

辰巳:ロゼやオレンジ、スパークリングは?

山﨑:もちろんそれもありますよ。でもスティルなら若干赤の方が多いかなぁ。今日はシャルドネを持ってきました。僕のいちばん気持ちのこもった、いちばん’足が向く畑’がシャルドネなのでぜひ飲んでいただきたくて。

辰巳:これは「Navy Label」。おいくらですか?

山﨑:これは4400円。いちばん高いラインです。

辰巳:前回の「フォレスト」も同じ値段だったような?

山﨑:そうです。本日は手持ちでは精一杯のワインを持ってきましたので、どうぞお手柔らかに笑。

辰巳:人気のワイナリーだからいつもあるわけじゃない。今日持ってこられるワインは限られてる中でということで。まずは乾杯しましょう!

全員:カンパ〜イ🎶


【シャルドネ Navy Label 2022】

井村:酸が最初にグッとくるんですけど、でも余韻はエレガント。「力強くてエレガント」なワインだと思います。

辰巳:前回までのワインについてはミネラル感といいますか、’硬質なワイン’ってな話をちょっとしてましたけど、
先週のソーヴィニョン・ブランはちょっと膨よか系、そして今回のシャルドネは’キリっ’ですね。
樽にはどれぐらい?

山﨑:全量樽発酵・樽熟成。でも新樽の比率は少ないです。

辰巳:何本ぐらい造ってるんですか?

山﨑:3000本ぐらいです。

辰巳:年間では全部で?

山﨑:6万本、結構大きい方かなぁと。ただ、全量を自分たちで栽培したブドウでワインを造ってるっていうのが”僕たちのこだわり”。

辰巳:そう意味では素晴らしい!いわゆる”ドメーヌ”ですもんね。ほかのドメーヌと比べてはどうなんでしょ?

山﨑:規模的には大きい方かなぁとは思います。

辰巳:そういう家族経営として北海道では最初にスタートしたと思うんですけど?

山﨑:そうですね。畑は今14ha。

辰巳:以前伺った時よりはだいぶ広くなりましたね。にしても山﨑ワイナリーってすごい独特、個性的というか。なのに安定した品質。

山﨑:ありがとうございます!派手さはないかなーとは思いますが、どこか懐かしさであったり、農村の寒さの空気感が伝わるような素朴なワインを造り続けられてるかなーと。僕は明るいんですけどね笑、ワインはちと暗めな。

辰巳:お父さんもお兄さんもほんとは暗かったり?

山﨑:父も兄も暗いですよ爆。でも僕は明るいですよーいつでも☀️、東京でも北海道でも笑。

辰巳:雪は降るところですか?

山﨑:はい、非常に。2月のこの時期にしてはだいぶ減ってきてはいるんですけど、積雪120㎝ぐらいにはなってます。

辰巳:みなさん冬場は何してんですか?

山﨑:主な業務はワインの管理。瓶詰めだったり樽で貯蔵してるワインの管理だったり。あとは意外と勉強会や講習会が多いので、ま、1年間の反省と、来年への期待を込める時期になってます。ただ僕自身は、今年決算期になってまして、、、少しお金のことを考えたりしてますけど(^_^;)

辰巳:最近の成績はけっこういいんですか?

山﨑:そうですね。どこの銀行に見せても恥ずかしくないような決算書になりつつあるとは思ってますが。

辰巳:それはサイコーですね笑。ではシェフ、今日のお料理を。


【カブのロースト 生ハムのソース】

井村:今日は八王子の中西ファームのカブとネギをシンプルにローストしまして、それぞれの葉っぱをソースにしてあります。その上にはラヴィゴットソースといいまして、生ハムが入ってるので少しコクがあります。それをシャルドネの樽の香りや力強さみたいなところに合わせたくて。

全員:いただきまーす!!!

井村:カブは3〜40分は焼いてます。ゆっくり焼くのがポイント。

辰巳:食べてるとワインのイメージも変わってきますね、柔らかく感じる。ラヴィゴットソースにもしっかり酸味がありますからちょうどいいバランスになります。

山﨑:美味しいです、ほんとうに♡

辰巳:ワインって食事があって初めて意味が出てくる。

山﨑:勉強になります!

辰巳:この番組もコロナ中に始まってもうすぐ5年。

井村:慣れたようでまだ慣れてないですねぇ、毎回大変💦

辰巳:ではこれを食べながらリクエスト曲を聴きたいと思います。前回前々回は思考を変えた吉田拓郎でしたが笑?

山﨑:「ボトルに年号が入ってそれをコルクで封印する」のがワイン。開けた瞬間の年号の時代にスリップできる。
「この年僕は何を考えていたのかなー」と思い浮かべることができるのがワインかなと思ってますのでー。

辰巳:「私は今日まで生きてきました」?

山﨑:惜しいっ笑。そんな毎回吉田拓郎さんなわけないでしょ?
では僕からリクエスト曲を紹介します。吉田拓郎さんで爆、「アゲイン」。

辰巳:どんな歌だっけ?ちょっと聴いてみましょう。


吉田拓郎「アゲイン」(2014年)
https://www.youtube.com/watch?v=SlZw1QWxXEg/

辰巳:今調べたら、拓郎さんが68歳の時の曲なんですね。僕ももうすぐ追いつく感じ笑。
これはどんな時に聴いてるんですか?ワイン飲む時?開ける時?

山﨑:初心に帰りたい時。ブドウ栽培や家業の気持ちを志した時と今の気持ちでは違ったりするので、何か大きな決断する時、一歩進む時には、「そもそも僕は何がしたかったんだっけ?」という気持ちの時に聴かせていただいてます。

辰巳:そもそも農家としては1901年から入植してるんですよね?

山﨑:はい、ひぃひぃお爺ちゃんから。

辰巳:ウリ系🍈をずっとやられてて、コメや麦もやってられたんでしょ?

山﨑:はい、父の代までは。

辰巳:それはやめちゃって?

山﨑:僕が全部やめちゃいました。やめてもらいました。

辰巳:(家族を)説得して?

山﨑:そうです。「ブドウ栽培とワインで!」と。

辰巳:そこから20年ぐらい経って今のシチュエーションになったんだろうですけど。最初はどうしてお父さんが「ワインをやろう」となったんですか?

山﨑:いろんな理由はあるかなと思いますが、ま、いちばんは北国の農村の在り方の中で、みんなで同じ肥料、同じ種、同じ作り方をしてると、どうしても『隣近所がライバル』。「隣よりもいいお米を、隣よりもいい小麦を」になってしまいますと、農村の中でギクシャクする部分があって。

本来なら「北海道のお米」と「新潟のお米」を比べるべきであって、産地全体の意識を考えた時に”誰ともぶつからない農業”が強くあったみたいです。もちろんそれがトマトジュースでもどんな農産加工品でもよかったんですけど、”何かしらの農産物を作って自分で加工して、自分で値段をつけて売りたい”。今でいう”農業の6次化”を意識してたみたいです。

辰巳:誰かの影響?レクチャーを受けたりしたんですか?

山﨑:もちろんブドウの道に進むときにお世話になった方々はいらっしゃると思いますが、おそらく、(父自身も)悶々とする中で「何かしなきゃ」っという気持ちがたまたまワインだった。

辰巳:ワインを造り始めた時はまったくのシロウト?

山﨑:はい。最初の3年間ほどは醸造を委託する形でした。栃木県でワイナリーをやられてる増子さん(Cfa Backyard Winery 増子敬公氏)にしっかり技術指導していただきました。クリーン、綺麗なワインは増子さんスタイル。

辰巳:そうかそうか、”’ワイナリー立ち上げ’に関しては増子さんの影響”が多いですね。

山﨑:衛生管理だったりワインの向き合い方は僕もきっちり指導受けました。

辰巳:これまでも何度か「増子さん」の話は出てきましたね。シェフ一回会ってみたいと思うでしょ?今度この番組にも来ていただきましょう。もう一つ。お父さんに聞いたんですけど、(新潟の)カーブドッチの落(おち)さんの影響もあるとか?落さんは今は余市でオチガビというワイナリーされてますけど。

山﨑:落さんの方が先です。岩見沢東高校の僕の大先輩で、たまたまご実家に戻られた時に当時の(我々の)畑に足を運んでいただいたら、たまたま農作業していた父を捕まえて「アンタここでブドウ植えなさいよ」と。それがきっかけです。

辰巳:たまたまって笑。何しに来たんですか?

山﨑:落さんは〜〜〜、まぁそういう方、、、常に行動して「見つけたもの、思ったこと」をはっきりしたい方なので。その恩恵を受けて、僕たちも”ワイン”ってものがあるんだと。

辰巳:落さんはもうその時からカーブドッチやってましたよね?でもその時から新たな農村地帯を見に来てたんじゃないですか?

山﨑:(落さんは)出身は三笠で、おそらくお墓参りだったんだと思うんですけど、その道すがら「ここブドウにいいんじゃないかな〜」笑。

辰巳:これはすごい話。

山﨑:「ここの農家の人かい?」っと(父に)声かけられて。偶然ですよ。いやぁ、面白いですねぇぇぇ。

辰巳:彼がいろんな人に声をかけてるのか、あるいはそうでないのかは分かりませんが、それを真にウケる人も受ける人でね笑笑。

山﨑:ワイン造る人ってどこか変なんで笑笑。

辰巳:たまたまお父さんも変だった?笑

山﨑:っと思いますよ。僕もワイン造ってますけどまともなのは僕だけ笑笑。(ぇw)

辰巳:血液型B型?

山﨑:母以外はみんなB型です。

辰巳:なんとなくわかる気が・・・(←辰巳さんB型なので)偶然性を大事にするんですよね。シェフはA型でしたよね?

井村:出会いは大事にしてないことはないんですけど、

辰巳:ブラブラ歩いてたらあっと思ってこっちに行ったりだとか、約束忘れてどっか行っちゃったとか?

井村:まれに。ありますよ💦。

辰巳:そういうところがないと、なかなかクリエイティブなことはやりづらいですもんね。

辰巳:話逸れましたが山﨑ワイナリーってそういうところ。もうちょっとお話したかったんですけど、この続きはまた来週!

全員:ありがとうございました!!!

YAMAZAKI WINERY
http://www.yamazaki-winery.co.jp/index.html

収録会場:エネコ東京
https://eneko.tokyo/

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2025年2月20日放送回

ワイナリー

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収録会場

エネコ東京
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