プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2025年2月12日OA

2025年2月のゲストは北海道三笠市の「山崎ワイナリー」栽培責任者の山崎太地(やまざきたいち)さんです。
今回は西陽の当たる畑で育ったソーヴィニョンで乾杯。その西日陽を浴びながら帰路に着く高級ヘッドホンで聴く曲とは?
(全4回 2回目)

辰巳:2月のお客様は北海道山崎ワイナリーの、山崎太地さんです。そして、プリオホールディングス総料理長 井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:まずは乾杯しましょう!今回も白ワインですね。

全員:カンパ〜イ🎶


【SAUVINGNON BLANC forest 2023】】

辰巳:なんですか、このワイン?

山崎:ソーヴィニョン・ブラン2023です。

辰巳:先週は「Navy Label」でしたけどこれは違うんですか?

山崎:これは「フォレスト」という名前をつけてまして。そう呼んでいる区画から獲れるソーヴィニョン・ブランだけを使って造った白ワインです。

井村:スッキリした優しい酸味と、飲み込んだ時に喉にすごい余韻が残る。

辰巳:なんかすごいソフトな、ふくよかなソーヴィニョン・ブランなんだけどー、これをブラインドで出されたら品種絞りにくいなー。

山崎:そうでしょうね、品種特性よりも。。。僕らの農村は石狩川の左岸にありまして、夕陽が非常に長く当たる場所なんです。

辰巳:石狩川ってうねうね蛇行しながら、この三笠のあたりでもどっかで蛇行してますよね。くの字型に曲がって日本海の方に流れるっていう。

山崎:いやぁ博学ですね、おっしゃる通り。

辰巳:で、その辺りの左岸にあって?

山崎:陽はよく当たりますし、石狩平野には広大な水田がありまして、春先は”まるで巨大な湖ができたか”のように水が入るんですね。

辰巳:もしかしてそこは元々湖だったとか?

山崎:元々は川が氾濫する場所で、住むのも耕すのも難しかった場所。

辰巳:肥沃なんですよね。世界4大文明もね、ナイル川にしても川の氾濫で土地が豊かになって文明が起こった。

山崎:ブドウ畑の方は山間にありますので痩せ地ではあるんですけど、その肥沃な石狩平野から光が反射して、夕方になったら畑がジリジリギラギラとお日様が当たる場所にあるので。これは長い日照時間の特性を活かした品種なので、これは「ながーく、じんわり暖かい」という特性を込めたワインになってます。

辰巳:北海道なんだけど、そんなに寒いところのワインって感じじゃないんですよね。

山崎:ありがとうございます。特に夕陽が長い区画なんで。

辰巳:今何種類ぐらい造ってるんですか?

山崎:栽培品種は10種類ぐらい&少ない人数で畑管理してますので、栽培と収穫適期が上手くずれるように品種構成を考えてます。例えば、バッカスという品種なら9月下旬に収穫が始まる。シャルドネやピノ・ノワールは10月下旬とか。少しずつずれることによって大きな面積を管理しています。

辰巳:なるほど。ちなみに(収穫)一番遅い品種は何ですか?

山崎:リースリングです。11月、その頃もしも雪が降ったとしてもまだ熟してこないので。

辰巳:ギラギラ太陽が当たるソーヴィニョン・ブランを今日持ってこられたのは?

山崎:ワインのいちばんいいところ、特性という部分で”加水しなくてもいいお酒”、がワインの醍醐味だと思っています。ワイン栽培地には時間や空間が込められていて、僕たちの造るワインの中には、そのヴィンテージの”1年間の”時間・記憶が込められていると考えてるんです。今日は僕らの農村丸ごとテーブルに持ってきたと思ってるし、2023年に辰巳さんがワイナリーにお越しいただいたと記憶しているので、ほのかに辰巳さんの味もあるんじゃないかと。

辰巳:何回か伺ってますが、そういえば2023年も伺ってましたね。

辰巳:元々農家はいつ頃から始まったんですか?

山崎:初めてブドウを植えたのが1998年ですけど、山崎家は1901年に富山県から入植しました。僕に富山の感じありますか?笑笑。

辰巳:なんか北陸っぽい感じはあるかなぁ笑、僕も両親は石川県(出身)なんで。入植して最初は何を?

山崎:開墾。「森を切り開いて、農地にする」ところから始まって、その後は瓜類🍈、今はスイカやメロンなんですが、当時北海道では(甘露)かんろと呼ばれるようなのを栽培しました。当時の三笠市は炭鉱の街として有名で。

辰巳:ぁ、そうでしたね。石炭の町で人が集まってて賑やかな場所。夕張なんかと同じ鉱脈なのかな?

山崎:いや、ここは行政同士で議論がありましてー、「夕張よりも三笠の方が香りが高い石炭が獲れる、よく燃える熱い石炭が獲れる」と笑。埋蔵量は夕張の方が多いらしいんですけど、”香味”は三笠だと笑笑。

辰巳:今人口はどれぐらい?

山崎:最盛期は7万人でしたが、現在は7000人。10分の1になってしまいました。

辰巳:そういう町でワインを造ることになって町を再構?

山崎:そうですね。エネルギー革命”石炭から石油へ”という中で、三笠市としては人口も学校も商店もどんどん減っていく中、今増えているのはブドウ畑やワイナリーになっていますので。この価値を地域で共有して活用することによって、三笠市の歴史や文化をワインと一緒に再発掘できたらなと。

辰巳:ここでお料理を。そういえばまだ食べてませんでした汗笑。今日は野菜のバーニャカウダみたいな感じですけど?


【中西ファームで採れた野菜の遊園地】

井村:はい、今日は”野菜の遊園地”と名づけました笑。冬から春の野菜がちょうど混ざる時期なんで10種類の野菜、と、イカをソテーしました。

辰巳:イカにも白ワインに合いそうな笑。

全員:いただきます!!!

井村:ブイヨン使ってなくて、水とバターと塩だけでそれぞれの野菜の味が変わってきますので。

山崎:美味しいです♡

辰巳:このソーヴィニョン・ブランは膨よかな感じもあるので、すごい野菜にピッタリ!

辰巳:ではお料理をいただきながら、ちょっとここでリクエスト曲を聴きたいと思います。前回は吉田拓郎さんの「元気です」という
懐かし〜い曲でしたが?

山崎:今回は少し思考を変えまして。夕陽が綺麗なブドウ畑で仕事をしてますし、僕が仕事を終えてから家には’西に向かって’家に帰りますんで、その時に見える状況を聴いていただきたいと思います。吉田拓郎さんの「洛陽」爆。

辰巳:これ思考変わってます?笑笑(←先週のリクエスト曲も吉田拓郎さんでした)これもけっこう古い曲ですよね?

山崎:苫小牧から仙台に行くフェリーの中で「一発当てたるぞー!」っていうおじさんたちの会話です。

辰巳:ぇw、そんな歌?

山崎:まぁ聴いてみてください。


吉田拓郎「洛陽」
https://www.youtube.com/watch?v=Pxr6qBORkFw/

辰巳:懐かしい!これは僕が中3の時ぐらいの歌ですけど、ほんとに聴いてるんすか?

山崎:ほんっとに毎日聴いてます。西に向かって裏道歩いて帰ってる時に。

辰巳:それは何で聴いてるんですか?ヘッドホン?

山崎:”いい”ヘッドホン笑。

辰巳:僕のイメージはラジカセですよ笑。ラジカセ手で持ちながらガンガン🔈。でもほんとに遅くまで陽が照ってることで、今ちょっと裏ラベル見ましたらアルコール度数が13%!補糖なしで?

山崎:はい。

辰巳:土地柄なんでしょうけど、北海道でこんなに糖度が上がるってなんか秘密あるんすか?

山崎:「無理をしないこと」は大事にしてます。栽培をしていて、「今年いいブドウ作りたい」ってのはもちろんありますが、来年も、5年後も、50年後もブドウが実ることが大事ですんで、以降のことも考えると、あんまり多くを実らせない、少し余力を持たせて秋、そして冬を迎えることは意識してます。

辰巳:余力持たすってことはいわゆるグリーンハーベスト?収量制限もやってる?

山崎:おっしゃる通りです。

辰巳:反収でいうと?

山崎:垣根栽培なので、一概にはいえないかもしれませんが、450kgを目処に。

辰巳:北海道にしてはそんなもんかな?

山崎:少ない方だと思います。

辰巳:多いとこだったら1t以上ですもんね。それは樹を守るため?

山崎:収穫した後、北海道は厳しい冬が待ってますので、ブドウを実らせるだけではなく、樹自体がしっかり冬を迎えるためには少し少なくしてあげないと、寒さで枯れてしまう可能性があるので。それはいつも意識してます。”お金を捨てるような気持ちで”ブドウを落としてる感じです😭

辰巳:わりと早い時期から?

山崎:早い時期から。ブドウの樹の成長が少し収まって、実に熟させようっていう時期にきっちり落としてく。

辰巳:あの地域でもほっとくとけっこう成っちゃうんですか?

山崎:800kg〜1tにはなっちゃう。

辰巳:そうですかー。どのブドウ品種も?

山崎:品種にもよりますが、ソーヴィニョン・ブランだったら800kgぐらいは成らせるんだろうなとは思いますが、それをやってしまうと翌年の400kgが獲れないっと考えられるので、、、収量調整をしているんです。

辰巳:無補糖無補酸ですが、いわゆる”自然派”ってわけではないんでしょ?酵母は?

山崎:(培養酵母は)入れてないです、野生酵母。So2は適宜、ワインのphに合わせて、そのワインに合わせて乳酸発酵してるのかしてないなか、どれぐらいの濾過をするのか、、、。で、必要であれば量を見極めて添加します。

辰巳:濾過はしっかりと?

山崎:今日は素晴らしい会場で収録させていただいていますので、輝きのあるワインが非常によく似合うなーっと思うぐらい磨いて笑笑。

辰巳:最初からこういう方針で?それともワイン造りに関しては誰かいたんですか?

山崎:2002年の創業時には教えていただいた方がたくさんいらっしゃいました。

辰巳:それにしても山崎ワイナリーって北海道でも行きやすい場所なんですよね。札幌から車で小一時間だし。番組収録(BSテレ東『辰巳琢郎の葡萄酒浪漫』)でも入ってるし、けっこう何度も行ってるんですよ。太一くん、若い頃もっととおとなしそうな感じだったんですけど?

山崎:いや、変わってないつもりですけど、少し遠慮があったかもしれないですね。今は”4代目”になりますので爆。(←前回宣言しました、お兄ちゃんいるけど)

辰巳:お兄ちゃんはそれに関して何と?

山崎:確認はしてませんが、『4代目は僕です』笑。

辰巳:心意気良しといいますか・・・。まだ30代(39歳)。いろいろ若手も出てきてますが、これから北海道のワイン、日本ワイン全体の担っていく稀有な存在だと僕は信じてます。

山崎:ありがとうございます!

辰巳:っということで続きはまた来週!

全員:ありがとうございました!!!

YAMAZAKI WINERY
http://www.yamazaki-winery.co.jp/index.html

収録会場:エネコ東京
https://eneko.tokyo/

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2025年2月12日放送回

ワイナリー

YAMAZAKI WINERY
http://www.yamazaki-winery.co.jp/index.html

収録会場

エネコ東京
https://eneko.tokyo/

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