
2025年1月のゲストは新潟県「カーブドッチ」取締役・ワイン部門担当の掛川史人さんです。
今回は「砂」と言う名の白ワインで乾杯!1992年に落(おち)さんと掛川さんのお母様とで始めた「カーブドッチ」ですが、その落さんが十余年前、辞めてしまいました。(全5回 2回目)
辰巳:2025年1月のゲストは新潟県「カーブドッチ」の取締役、掛川史人さんです。そしてプリオホールディングスの総料理長、井村貢シェフにも同席いただいています。
全員:よろしくお願いします!
辰巳:前回は素晴らしく美味しかったアルバリーニョだったんですが、こちらもまた白ワインですね。
掛川:サブルの白です。「砂(の意味)」ですね。私たちが砂浜みたいなちょっと珍しい土壌でブドウを作っているので、その特徴をボトルに詰め込みたいなぁと。
辰巳:では乾杯しましょう!
全員:カンパ〜イ🎶
【2023 サブル白】
https://nwinecoast.thebase.in/items/54151221/
辰巳:混醸ですか?
掛川:別々に仕込んだものをブレンド。10月終わりぐらいの発酵が終わるか終わらないかの時期に。
辰巳:2023年、かなり暑い年でしたからボリューミーですよね?以前飲んだサブルとは違う気がします。
掛川:そうですね。もうね、”30年に一度”みたいな天候で、7月の19?20日?ぐらいから9月の15日まで50日間ぐらい一滴も雨が降らないという。砂浜枯れに枯れました。アルバリーニョも枯れました。
辰巳:水撒いたりはしなかったんですか?
掛川:んもうそんなレベルではない。どうにもならない。
辰巳:収量も5分の1とか?
掛川:いや、そこまでではなかったですけど、やっぱ酸が落ちてしまって。特にアルバリーニョは収穫前に全ての葉っぱが落ちてしまう樹がたくさんあるだとか、、、。
辰巳:暑すぎて?
掛川:暑すぎて、水がなさすぎて・・・。9月の頭には干し葡萄状になってるとか、非常に”酸が厳しい”年でした。
辰巳:そうでしたか。で、このサブルの品種はなんですか?
掛川:やはり砂地のブドウで、アルバリーニョとリースリング、セミヨン、ヴィオニエ、です。アルバリーニョがいちばん多くて半分ぐらい、次はリースリング、で、セミヨン、ヴィオニエ。
辰巳:リースリングも作ってるんですね。
掛川:はい。酸がそんなに残らないですから土地に合ってるとは思わないんですけど、それでも、リースリングの酸というのは、”とてもとても貴重な酸”。分析値は低いんですけど”存在感’がある。アルバリーニョの酸とはちょっと違うイメージですよね。このワインには3割ぐらい入ってます。
井村:すごい厚みというか甘みというか、、、今の話を聞いていて、やっぱり暑さのせいの甘みかと。それにしてもすごい厚み。
辰巳:残糖ではないですもんね。これに合わせたお料理は?
【八王子産菌床栽培椎茸のマリネとカンパチのカルパッチョ ルッコラのピューレ添え】
井村:八王子の肉厚の椎茸を下に敷いたカンパチのカルパッチョ。ちょっと苦味のあるルッコラのピューレといっしょに。青菜は紫水菜です。
辰巳:上に菊の花とザクロがかかってる。
井村:今日は椎茸を食べていただきたいなと思って。
辰巳:・・・いつも思うんですけど、こうやって食べて飲んでって、ラジオでどうなんだろ?って笑。あとでHPでフォローはしてるんですけどね、なんか特殊な番組です笑。
掛川:すごい美味しい♡それにしても辰巳さんの今のコメントが面白すぎです。以前他のラジオ番組にも出たことがあったんでですけど、今回はお食事が出てきてちょっとビックリでした😳。
辰巳:ゲストの皆さんには喜んでいただいております笑笑。リスナーよりも自分が楽しむ、それでいいんです。(←ぇ、いいんですか?)それを実況中継しなくちゃいけないんですけど、それがまだまだ慣れません笑笑。
このエキストラヴァージンのオイリーな感じと、ワインはいい組み合わせかと思います。ルッコラのソースもいいアクセントになっていて。
井村:ワインに複雑みがあるので。
辰巳:このサーブルはおいくら?
掛川:税込で6000円ちょうどぐらい。
辰巳:(直営の)レストランではこの値段で出されるんでしょ?
掛川:あまりボトルで頼まれる方がいらっしゃらなくて、私たちのレストランにいらっしゃるお客様は(お料理との)ペアリングで頼まれる方がすごく多いので・・・。
辰巳:レストランも10件ぐらいあるんでしょう?
掛川:そうですね、東京も含めると。東京の旗艦店はミッドタウンの「バーマン カーブドッチ アタ」。虎ノ門横丁、虎ノ門ステーションタワーの中。あとは四谷の迎賓館の前に内閣府と一緒にやってるカフェがあります。
辰巳:そこでは基本的にはカーブドッチのワインを?
掛川:そうですね、メインでは。もちろん他の日本ワインも出したりしてますけど。
辰巳:それだけの数のお店を成功させてるってのは、素晴らしいですね。だってワイナリーだけでやってくのってけっこう大変。そのあたりの”出口”というか、お客さんをきちっと確保してるっていうのがカーブドッチのいちばんの強みだと思います。
掛川:コロナ前に、「来ていただいて楽しめるワイナリー」「滞在するワイナリー」を目指して様々なことをやっていこうと。例えば、宿(オーベルジュ)を作ろうとか。でも、私たちのことを知っていただくには最初はレストランがいいなと思って、2018年に日比谷のミッドタウンに第1号店の「バーマン」を。
辰巳:その日比谷はもう7年目になるんですもんね。なんという早さ。その辺りの企画にも掛川さんが?
掛川:そこは私は関わってなくて、兄(次男のシェフ)が中心です。東京のいろんなデベロッパーさんと話をしたりして、いい案件を私たちに提案してくれました。
辰巳:今全国にワイナリー500件超えて日本はこれから過当競争、アルコール離れも進んでますし、世界的にワインが落ち込んでる。これからどうやって盛り上げていくかという中、その経営センスといいますか、、、大きな一つの答えを出してる数少ないワイナリーだと思うんです。
掛川:ありがとうございます。
辰巳:これから徐々に伺っていきたいと思いますが、ここでリクエスト曲を。今日は何にしましょ?
掛川:僕の大好きな人、ヴァウンディー。
井村:知らないす笑。(←辰巳さんももちろん知りません)
掛川:ヴァウンディーはけっこう有名だと思うんですけどね。その「踊り子」という曲です。
辰巳:「踊り子」といえば村下孝蔵、でしょ。(←古っ、1983年)
外野:フォーリーブス(←もっと古っ、1976年)
辰巳:すいませんねぇ、オジサンオバサンの会話で笑笑。
掛川:まだ若い、もしかしたら大学生かもしれない。でも天才だと思います。
(↓以下、「踊り子」3連発)
Vaundy「踊り子」(2021年)
https://www.youtube.com/watch?v=7HgJIAUtICU/
村下孝蔵「踊り子」(1983年)
https://www.youtube.com/watch?v=AMqOxZcMpgM/
フォーリーブス「踊り子」(1976年)
https://www.youtube.com/watch?v=8J-i93Q7gP0/
辰巳:元々鎌倉で生まれ育った湘南ボーイ。男3人兄弟の末っ子。お母様がある日突然「ワイナリーをやる!」ということで、驚きー!だった先週のお話でした。しかもそのワイナリーは新潟!なぜ新潟?ここいちばん大事なとこ笑。
掛川:そうですよねぇ。今でこそワイン専用のブドウを自分たちで育てて、それからワインを造るのは一般的になってきましたけど、当時1990年代は”ワイン用ブドウは日本では育たない”と言われ続けていましたし、、、
辰巳:1980年半ばぐらいからは麻井宇介さん始め、大手が頑張って少しづつ認められ始めてはいましたけどね、
掛川:でもまだまだ食用ブドウが圧倒的に多かったという時代。そんな中で自分たちで(ワイン用)ブドウを育てて、それだけで(食用ブドウをまったく使わない)ワインを造ると。そこで大事なのは広い土地。もちろん山梨県という素晴らしい”ワインの聖地”はあったんですけど、そこはすでにブドウの畑たくさんありましたから。
辰巳:お母さんと一緒に始めた落(おち)さんは山梨出身でしたっけ?
掛川:いえ、落さんは鹿児島です。
辰巳:北海道ワインの嶌村さん(前社長)の甥っ子だったのが落さんでしたね。
掛川:はい。まぁとにかく山梨には土地がなかった。土地が広くないと効率がすごく悪いので、それを探したら新潟がいいんじゃないかと。
辰巳:砂地でね、ほんとに海から1キロもないような、ちょっと松林もあるような、そんな土地ですよね?「よくそんなとこでやろうと思ったな」ってのがいちばんの感想。
掛川:僕もそれを落さんに「なんで?」っと聞いたことがあって、そしたら、「日本の土壌は雨が多いので、水が多すぎる。有り余ってるものを土壌から抜くってのはもう無理に近いんだけど、足らないものを足すのはぜんぜん出来る」と。だからスカスカの砂とぜんぜん水が溜まらない砂地だったら自分たちの好きなように土壌を改良できる。そう考えたみたいですですけど、ぜんぜんそんなことはないです。机上の空論笑汗。
辰巳:何度も行きましたけどけっこう苦労されてるなと思ってました。水の流れにけっこう左右されてて、畑の中でも水脈のあるところはけっこう上手くいってて、そうでないところは枯れ始めたりしてて。。。
掛川:おっしゃる通りです。水がぜんぜんないところだと、育っても一夏60㎝ぐらいしか枝が伸びないし、そもそも栄養分が少なすぎて収穫量が少ないです。
辰巳:僕も自分で農業してるわけでもないので言い方悪いかもしれませんが、「ブドウの木も生きてるんだから、養分と水がないと生きていけないんですよ。」これをカットして「その方が美味しいブドウができる」っと思ってる。特に海外のワインに詳しい頭でっかちなワインファンは。違いますよねぇと。。。
掛川:もうちょっといろいろあってもいいと思います。
辰巳:落さんもきっとそう思ってたんですよね?
掛川:絶対言わなかったんですけど、多分思ってたと思います笑。
辰巳:その落さんは結局カーブドッチを捨てて(?)北海道行っちゃった笑笑。
掛川:(この番組)こんな話するんですね苦笑。
辰巳:聞きたかったのは。落さんが北海道に行っちゃったのは?
掛川:2013年ごろ?
辰巳:20年新潟ワインコーストで頑張ってやってきて、結局捨てて行っちゃたわけでしょ?その(落さんの名前を冠した)「カーブドッチ」という名前を変えようという議論はなかったんですか?
掛川:あーそれはなかったですね。そこは創業の人に対するすごく大きなリスペクトがあるので。ちょっと’殿ご乱心’みたいなことで(2011年の秋に「カンブリア宮殿」で取り上げられたらしいです)全国からスゴイスゴイとなりまして。実際反響はすごくて、その中に、ガビさんという方がいらして、、、。
辰巳:彼女は元々カーブドッチで働いている方じゃないんですか?
掛川:いや、(「カンブリア宮殿」見て)遠くから落さん目指してきた中の1人です。この人のためにうちのワイナリーの隣にデカいワイナリーを建てると言ってきたんですが、「さすがにそれはできないよ」と大喧嘩になりまして。
彼としては「ゼッタイやりたく、でもやれないんだったら辞める!」と。(会社的に)「だったら叶えますよー」と言うと思ってたと思うんですけど、会社はあっさり辞表を「受理」。「(今まで)ありがとうございました!」
ご本人も「カーブドッチは落さんがいないとどうにもならない」と思ってたと思うんですけど、会社ですからそんなことはない。そこは落さんの誤算でしたね。
辰巳:落さんいなくなってワイナリーはうまくいってる?
掛川:どちらかと言うとそっち爆。
辰巳:でも落さんは落さんで余市で素晴らしいワイナリーをやってらっしゃいます。
掛川:彼は”起業家”なんですね。それはものすごく思います。
辰巳:いろんなとこからお金引っ張ってきてね。形創るのがお上手。
掛川:そうなんです。そっちの方で頑張ってられるのがいいかなと思ってます。
辰巳:っということで、この続きはまた来週。
全員:ありがとうございました!!!
CAVE D’OCCHI WINERY
https://www.docci.com/
収録会場:Villas des Marriages さいたま
https://villasdesmariages.com/location/saitama//
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2025年1月9日放送回
- ワイナリー
CAVE D’OCCHI WINERY
https://www.docci.com/- 収録会場
収録会場:Villas des Marriages さいたま
https://villasdesmariages.com/location/saitama//