プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年8月15日OA

2020年7月から始まった*ラジオ番組「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」。2024年7月放送分から『**プリオホールディングス提供』になりました。引き続きお楽しみください。
(*Tokyo Star Radio:https://775fm.com/ **プリオホールディングス:https://prior.co.jp/
2024年8月のゲストは熊本県から「熊本ワインファーム」代表取締役の幸山賢一(こうやま けんいち)さんです。
乾杯はシャルドネ、今回は樽熟成です。これまで醸造責任者として現場で奮闘してきた幸山さんですが、急に社長に就任することになって燃え尽き症候群に・・・?
(全5回 3回目)

辰巳:8月3周目ですが今日は終戦記念日。みなさん想いは交々だと思いますが、番組は楽しく進めたいと思います。今月のお客様は、熊本ワインファームの幸山賢一さんです!そして、プリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:今日のワインはしっかりとした白、バレルエイジド2020年です。こちらで乾杯しましょう!

全員:カンパ〜イ🎶

【菊鹿シャルドネ樽熟成 2020】
https://kumamotowineonline.co.jp/SHOP/10054.html/(←こちらの商品のヴィンテージは2022です)

辰巳:ん、まぁ熊本ワインといえば”シャルドネ”。ずっと評価されてきた品種ですよね。これは樽を使ったブルゴーニュスタイルですよね。

井村:この、シャルドネの持っているふくよかさと香りが樽の香りとふゎっと交じり合って、とても美味しいです。

辰巳:これいくらなら買います?

井村:入れ値で3000円台。(希望2000円台)

辰巳:さぁ、おいくらでしょう?

幸山:笑笑。すいません、そういったお話の中、今は税込で4972円なんですよねー💦

辰巳:そういうもんですよ。流通価格はそれぐらいで上代はもうちょっと、ね。

幸山:はい、すいません💦💦

辰巳:これは10樽以上造ってるんですか?

幸山:もうちょっと、かな。すいません生産本数は色々ございましてあまり公表してません💦💦

辰巳:「菊鹿シャルドネ」といっても畑名のやつとかナイトハーベストのナントカ丸とか笑、種類いろいろあるじゃないですか?

幸山:ぁ、五郎丸。あとは小伏野(こぶしの)とか。代表としてはそのあたりです。

辰巳:このワインはランク的にはいろいろなのが混ざってるんですか?それとも畑は特定してる?

幸山:菊鹿町の契約農家さん方のブドウです。

辰巳:畑名ついてるトップキュヴェ、の次ぐらいのワインですよね?

幸山:はい、おっしゃる通りです。

辰巳:”セカンドワイン”と言っていいかはわかりませんが、ある種のボリュームゾーン。菊鹿を代表するワインですよね?

幸山:そうですね。あとはほかにノンヴィンテージのシャルドネがあります。

辰巳:それは2000円台?

幸山:💦、これもスイマセン、3000円台になっちゃいます笑。

辰巳:さ、こちらのワインに合わせたお料理は?

井村:はい、今日は焼き茄子とイサキを使ったタルト、ソースはアンチョビバターソースです。

全員:いただきます!!!

【イサキのタルト アンチョビのバターソース】

辰巳:なんとなくバーニャカウダみたいな感じがします。樽を使ったワインには、こういうパンチのある料理が合うような気がしますね。

幸山:少しクリスプな感じもありつつ、味の濃さのバランスが樽熟成のワインには相性がいいなと思います。

辰巳:これタルトっていうよりパイっぽい感じがするんですけど。

井村:でも生地の上に具材を載せてるんでタルトで。

辰巳:幸山さん、お料理は作ったりするんすか?

幸山:・・・そ〜ぅですね、ワイン造り以外のいろんなことにあんまり興味なくって💦。ちょっとスイマセン💦💦。

辰巳:いろんなことに飽きっぽいとは前回話してましたけど、そろそろワイン造りにも飽きてきたとか?笑笑。

幸山:数年前に燃え尽き症候群っというか・・・爆。

辰巳:ん?社長になったのは?

幸山:6年ぐらい前、だから社長になってから。現場から離れちゃったもんですからー。

辰巳:そうかそうか、それまでは醸造家として頑張ってたのに。その前の社長が「辞めるんです」、と言ってビックリしたんですが、そのあと幸山さんが急に社長になっちゃった。

幸山:そうなんですよ。なんだか気が抜けちゃって〜笑。そんな時期がありました。

辰巳:社長になったらワインは造らせてもらえない?

幸山:そんなことはない、と思うんですけど、でもなんかほかにやることがある・・・苦笑。

辰巳:財務やら対国税庁の処理とかそんなやつですね(💰💰)笑笑。

幸山:(醸造に)口出すと社員も嫌がりますからね。

辰巳:だってそれまでは醸造責任者だったんでしょ?

幸山:そうです。十数年やってました。

辰巳:1999年にワイナリーがスタートしたときに入って、5〜6年後には責任者になったんでしょ?

幸山:そういう記憶はあります。

辰巳:他に誰かいなかったんですか?

幸山:人材不足ですよ笑笑。

辰巳:それを言っちゃぁおしまいよ笑。

幸山:”地元の人間を育てたい”ということで。

辰巳:その人材を育てたいというところでは誰が指導に?

幸山:当時高畠ワイナリーにいらした川邊さんはコンサル的に来てもらってました。

辰巳:そうなんですか。川邊(久之)さんもね、残念ながらおととし亡くなられて(享年59歳)。

辰巳:熊本ワイナリーも高畠ワイナリーも元々は本坊酒造の系列なんですよね?九州の南九州コカ・コーラ、でしたっけ?

幸山:元々はどっちも南九州コカ・コーラさんが作られたワイナリーです。(山梨の)マルスワイナリーは少し違う流れではあるんですけど。私が東京から帰る時に、川邊さんもちょうどアメリカから帰ったころで造りをいろいろ教えていただきました。

辰巳:川邊ISM?

幸山:その血は少し流れているかと。

辰巳:他には?川邊さんの血は相当濃いかと思いますが笑。

幸山:マルスワインの工場長をやられてた橘さん。もう結構いいお年だと思うんですけど。あとは栽培の方で昔川邊さんとタッグ組んでいらした方とか・・・。

辰巳:そうこう、入社して5年ぐらいで熊本ワインの評価がどんどん高まって注目される時代を作ってきてた?

幸山:そうですね、「ほぼそれしかやってきてない」。プライベートも何やってるんだか覚えてない感じでしたね。(←地雷踏みましたね)

辰巳:結婚はされてるんですか?

幸山:えっっっっと、、、してました💦爆。

辰巳:してました?東京時代?こっち帰ってきてから?

幸山:ま、東京時代のお付き合いで20歳ぐらいで結婚しまして、こっち(熊本)きてくれたんですけど、ま、10年ぐらいで・・・。

辰巳:東京の人だった?

幸山:そうっすね。子供は2人いまして、、、。

辰巳:そんな話聞いたことなかった。今どちらに?

幸山:熊本におります。

辰巳:ってことは元奥さんも?

幸山:そうです💦💦。

辰巳:で、ワイン造り頑張ってたのに現場から離れて(社長になっちゃって)シュンとしちゃった?

幸山:なんかやり場がなくなったっていうタイミングがありつつ・・・。

辰巳:じゃ、その後の話は曲を聴いた後で。今日は何にしましょう?

幸山:スザンヌヴェガのトムズダイナー。

辰巳:これ何系の音楽?シェフも僕もよくわかんないんですよ笑。

幸山:これも特に深くなくって、”夏の夕方ぐらいに聴くのにちょうどいいなぁ”ぐらいな。


Suzanne Vega「Tom’s Diner」(1987年)
https://www.youtube.com/watch?v=KuxuMbEn_48/

辰巳:なんか聴いたことはある。1987年の曲らしいです。昔バンドでドラムやってた話は聞きましたけど、今は聴くだけ?

幸山:ですね〜。今やっとプライベートな時間を考えだしましたけど。

辰巳:社長になってから忙しくなったってこと?

幸山:いや、現場でワイン造ってた頃がいちばん時間を費やしてたなー。

辰巳:美味しいワインを造るのもそうでしょうけど、新商品の開発なんてのもやってたんですか?

幸山:できる範囲ではトライしてました。

辰巳:こんなワインを造りたい、みたいな目標とかは?

幸山:まずは「飲み物として美味しい」こと。「ワイン」に縛られない意識を持っているといいのかな、っていうところも当時はありました。あとは食事が美味しくなる、唾液が出るようなっていうんですかねぇ。ジュワってなるような感じは意識してやってきてましたけど。

辰巳:当時(醸造の現場で)は何に気を遣ってました?

幸山:当時はすごく少ない人数だったんで、ブドウ作りは契約栽培の農家さんたちとの信頼関係でほぼほぼお任せしてたんです。それをどういう表現で醸造できるか。そこにはかなりエネルギー使ってやってましたね。自分なりに努力はしたかな。

辰巳:どんな職種もそうですけど、せっかくそうやって努力してきたのに、現場離れるって辛いもんではありますよね。シェフは?

井村:一時期現場よりも他の仕事が増えたことがあって、その時は葛藤がありました。「自分は料理を作っていたいのに・・・」っていう。

幸山:わかります。

辰巳:今でも社長やりながら自分のキュヴェを造りたいとか?

幸山:ぉ、想いはあります笑。ただ現実的にできるかってなると・・・。今は若い人たちに期待しつつ、ですね。

辰巳:で、その(現場離れて落ちた)モチベーションは持ち直した?

幸山:おかげさまで、最近じわじわ上がってきております笑。

辰巳:新たに燃える要素は?

幸山:川邊さんともよく話してたっていうか教えてもらってたことなんですけど、「いろんなことを育てていく」ことです。ワインメーカーじゃなくて『ワイングロワー』として、ブドウを育ててワインを造るのは当然で、あとは「造り手と技術を育てる」「飲み手とワイン市場を育てる」。「オマエの仕事って壮大なんだよ」って。

辰巳:それは社長になって燻ってる頃に言われたんですか?

幸山:ちょうどそのころですねー。いろいろ愚痴言ってましたから笑。

辰巳:そんな愚痴も聞いてくれてたんですねぇ、川邊さん。こういう話聞くと思い出しちゃいますね。今また上向いてきたこれからの熊本ワインのチャレンジに期待しています。ってここで終わりそうですが、今月はあと2回あるので、次回からまた別の話を伺いたいと思います。

全員:ありがとうございました!!!


熊本ワインファーム株式会社
https://www.kumamotowine.co.jp/

収録会場:エネコ東京

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年8月15日放送回

ワイナリー

熊本ワインファーム株式会社
https://www.kumamotowine.co.jp/

収録会場

ENEKO Tokyo
https://eneko.tokyo/jp/

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