ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年2月8日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年1月のゲストは山梨県の「ドメーヌヒデ」代表取締役の渋谷(しぶたに)英雄さんです。
今回は京都の窯元で焼いてもらったという”壺”で醸したシャルドネで乾杯!そのお値段や?(全5回 2回目)

辰巳:2月のお客様は山梨県南アルプス市にあります「ドメーヌヒデ」代表、渋谷英雄さんです。そして「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:まずは乾杯しましょう!今日はオレンジ系のワインです。

全員:カンパ〜イ🎶

【壺シャルドネ嘉祥窯×ドメーヌヒデ 2019】

辰巳:これはこれは。かなりマセラシオンというか、醸した風合。これは?

渋谷:「壺シャルドネ」と言いまして、日本の壺で少し熟成させたシャルドネです。

辰巳:甕(かめ)じゃなしに壺?甕と壺の違いは?

渋谷:甕のほうはちょっと口が広い感じ。

辰巳:あ、口が狭いのが壺?ツボまってる?笑

井村:ツボんでる?笑

辰巳:今月は大阪月間ということで笑笑。(←3人とも高校卒業までは大阪でどっぷり生活してました)

辰巳:これはどれぐらいの壺なんですか?

渋谷:だいたい30Lぐらいの小さな壺、それが7つ。それを熟成させてるんですけど。

辰巳:30L!?それは花瓶ですか?笑、それとも新しく作った?

渋谷:花瓶みたいなもんですね、人が運べるぐらいの(大きさ)。

辰巳:どこの?

渋谷:京都の嘉祥窯(https://www.kashogama.com/)さんという、普段は茶器を作ってる先生なんですけど。リッツカールトンのお皿とか焼いてるんです。

辰巳:そんなすごい先生に壺を焼かせてる?笑?口がスボまってるってどれぐらい?

渋谷:手が入るギリギリぐらいですね。

辰巳:素焼き?

渋谷:一応釉薬を。

辰巳:甕仕込みの場合ワインが染み出したりいろいろしますが(釉薬塗ってると)空気あまり通らへんでしょ?

渋谷:これは1年間’焼き’とか’釉薬’のテストをしまして、だいたい20種類作ったうちの最後を絞り込んだもの。塗り方、ヒビの入り具合、、、僕も最初わかんなかったんですけど、だんだん「壺は生きてる」ってことがわかりました。なんかすごい不思議な世界で。。。

辰巳:なんか高そうな???おいくらぐらい?

渋谷:まだお支払してないんですけどw笑笑。先生のところに見に行ったら、茶器が100万円とかするんで汗。

辰巳:でしょう?そんなん壺とか言われたら500万と1000万とかですよ。

渋谷:一応今のところツケ。「そのうち払ってね〜」と言われてますけど笑。

辰巳:「ここの壺で造ったワインですよ」って付加価値つけて先生に売ってもらうってのは?笑。

渋谷:そうですね、先生もワイン好きなんで。

辰巳:先生をうまいこと乗せたんですね笑笑。

渋谷:こっちもうまいこと乗せられました笑。

辰巳:その先生はおいくつぐらい?

渋谷:51歳ぐらい、まだ若い。清水の(3年坂のあたりにある窯元の)3代目です。

辰巳:その壺見に行きたいです。公開してるんですか?

渋谷:はい。
(壺シャルドネ参考サイト:https://wa-syu.com/products/cbo12100/

辰巳:渋谷さん、なんか一つ一つ変わった事しはるから。シェフ、このワインいかがですか?

井村:醸しワインなので香りは複雑なんですけど、飲んでみるとまろやか。料理にも合わせやすいです。

辰巳:これ2019年ヴィンテージですね。あれ、シャルドネも作ってましたっけ?

渋谷:これは友達の畑、を手伝って栽培したブドウです。

辰巳:おいくらですか?

渋谷:これは実は、、、壺の値段も少しありまして、、、。

辰巳:3万?(←周囲は’まさか!’の笑でしたが・・・)

渋谷:近い!2万円ちょっとで。😮

辰巳:笑汗。でもまだ壺代支払ってないんでしょう?

渋谷:これから。焼いてもらうときは破産覚悟!を決めて「先生、お願いします!」だったんで。

辰巳:覚悟、はわかりますがー。美味しくできたからよかったようなものの、そうじゃなかったらどうするつもりだったんですかっ?爆。

渋谷:1年間はちっちゃな壺でいろいろテストしたんで。『日本の酵母で日本で栽培したブドウで日本の造り手で、かつ入れ物も(壺)』。

辰巳:なんか今は”樽を使えば付加価値が上がるし美味しくなる”という信仰というか、そういう流れがあるんですけど。樽はね。ほとんどが輸入品なんですよ。中にはミズナラやスギを使った国産の樽もありますけど。
その輸入した樽からタンニンや味わいが出てくるのは”本当に日本ワインと言えるのだろうか?”っという疑問はずっと持ってるんです。ヒデさんは日本製の樽も使ってましたっけ?

渋谷:北海道のミズナラ使ったワインもあります。

辰巳:そうでしたか。そういうところが非常に共感するところでもあるんですよ。

辰巳:このワインに合わせたお料理は?

【中西ファームの里芋のタルト 春菊のグリーンソース】

井村:里芋のタルトです、ソースは春菊。

辰巳:パイのパリパリ感と里芋のヌメヌメ感が絶妙ですね。

渋谷:このソース。春菊がこんなに美味しいってビックリですね。シャルドネが春菊の中に溶けます。

辰巳:色合いもパイとワインの色が同じでアクセントが(春菊の)グリーン。

辰巳:こちらに来られるお客様にもぜひこのコンビをお試しいただきたい。んですがー。2万円のワインってどないします?笑笑。オードブルにして(グラス)1/3ぐらいの量に減らして出します?このお店が赤字になってもアレなんで、少し安く卸していただいて?

渋谷:わかりました!(←現在の状況はお店に直接お問い合わせください)

辰巳:こちらのワインも(生産本数)300本ぐらい?

渋谷:これは600本ぐらい。壺(30L×7)を2回ぐらい入れ替えて3ヶ月ぐらいの短期熟成で。

辰巳:3ヶ月壺に入れてまたステンレスに戻して瓶詰め?

渋谷:そうです。

辰巳:いやぁ、このワインのキャラクターに圧倒されてしまいましたが。ここでリクエスト曲を聴きたいと思います。今回は何を?

渋谷:このワインには「小さな恋のメロディ」。

辰巳:僕が中1か中2のころに公開された映画なんですけど、僕より5つぐらい若いでしょ?

渋谷:中学の頃リバイバル、2回目に流行ったときかもしれませんが、5回ぐらい観ましたね。

辰巳:トレイシーハイド、マークレスター、、、。い〜いですねぇ。当時は映画を語る上で必ずこの上を通る、みたいな。そんなに名作でもないんですけど、いや、でもやっぱり”名作”!最後トロッコ乗って・・・。これはまさしく(私の)世代です。ではお聴きください。ビージーズの「小さな恋のメロディ」。


ビージーズ「小さな恋のメロディ」主題歌(1971年)
https://www.youtube.com/watch?v=u5jIOshueg4/

辰巳:いやぁ懐かしい〜し、いい曲ですねぇ。その頃阿倍野の地下センターにやす〜い映画館があって、中学校時代に通っててよく観てたんですよ〜。そのころ近くに住んでたんですね笑(←渋谷さん高校卒業までは大阪・阿倍野区在住でした)

渋谷:その頃小学生、チョロチョロしてました笑。

辰巳:その横には美味しいみたらし団子のお店とかね。ソフトクリームとか。。。

渋谷:笑笑、よく覚えてらっしゃいますね。

辰巳:この曲聴くとその頃の光景がだーーーっと蘇ってくる、って、いやいや、僕の話じゃないんで笑。渋谷さんはどういう光景ですか?

渋谷:やっぱり憧れ。「イギリスでこんな恋ができたらいいなー」。ガールフレンドとかまだいない時代です。

辰巳:その後イギリスには行かれました?

渋谷:旅行では行きましたけど、夢叶わずで今だに笑。

辰巳:でもま、そういうのがいいんでしょうね。どっかで時間が止まってる。シェフが生まれる1年前の映画らしいですけど、今トレーシーハイドはどんなおばぁちゃんになってるのかな?まだ可愛いのかな?(遠い目)

辰巳:さ、話を渋谷さんに戻します。若い頃は何になりたいと思ってたんですか?

渋谷:小さい頃は、親が裁判所で働いてたんで(←書記官だったそうです)、弁護士とかには憧れましたけど。

辰巳:それで転勤とか?

渋谷:いや、親父裁判所辞めてからの子供だったんで。それから親父は起業家に。(渋谷さんは)東京で生まれてすぐ大阪に行って。

辰巳:ご両親が元々大阪?

渋谷:いえ、東京、名古屋(小牧)なんですけど。大阪に支店を作って地図の会社やってました、住宅地図とかそういう。今はゼンリンさんとか大手さんありますけど、そのライバル会社でしたね。

辰巳:へぇぇ。子供の頃何になりたくて、どうやってワインに繋がるのかなと。まったく関係ない方もいれば、ワイナリーの3代目4代目もいる。その中でもものすごい変わり種じゃないですか、弁護士になりたいとか。

渋谷:いやぁ、そんなに簡単にはなれないんで。ま、それは高校ぐらいの時にすぐにあきらめて。

辰巳:十分行けたんちゃいますかー、阪南高校。先週もお話ししましたけど、井村シェフの8つ違いぐらいの先輩だったという笑。

渋谷:今はその高校も入学するのが難しくなってるみたいですけど。

辰巳:大学(法政大学)では何を専攻して?

渋谷:名残惜しくも法学。教育法学。

辰巳:卒業して?

渋谷:小さな航空会社、小型飛行機の。ま、今でいう「エア・コミューター」ってやつですね。

辰巳:プロペラ機で南西諸島とか離島とかを結ぶような。で、そこに入ってパイロットになりたかった?

渋谷:憧れはしましたけど視力が悪かったもんで。

辰巳:勉強しすぎ?

渋谷:プラモデル作りすぎて・・・笑。

辰巳:プラモデル作りすぎて目が悪くなったって初めて聞きました笑笑。

渋谷:飛行機は憧れだったんで「ま、航空会社」。で入ったんですけど、沖縄の離島に新しく飛行場を開設するっていうときに、そこに行く人がいなかったんです。無人島なんで家族連れとかは行きたくないじゃないじゃないですか。

辰巳:それが慶良間?慶良間って無人島だったっけ?

渋谷:飛行場のあるところ(諸島の島の一つ)は無人島。

辰巳:誰もいないところに赴任するのは皆さん嫌だと?

渋谷:入社2年目の独身のワタシに目線が来て笑笑。

辰巳:(その話は)イヤでした?

渋谷:その頃沖縄は憧れでしたんで、「青い海、素敵な空♡」。

辰巳:僕もその立場だったら行くと思います。

渋谷:6年いました。

辰巳:独りで6年?

渋谷:・・・その時結婚しましたんで・・・。島の女性ではなく、東京の女性🫢。

辰巳:話が佳境になってきたんですけど笑、時間大丈夫?

ディレクター:❌

辰巳:ではこの話はまた次回。2月のお客様は山梨県「ドメーヌ・ヒデ」の代表、渋谷英雄さんでした。

全員:ありがとうございました!!!

お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

Domaine Hide(ドメーヌヒデ)
https://www.domainehide.com/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年2月8日放送回

ワイナリー

Domaine Hide(ドメーヌヒデ)
https://www.domainehide.com/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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