ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年1月25日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年1月のゲストは新潟県の「フェルミエ」代表取締役の本多孝さんです。
最終回は4種類のカベルネのブレンド「アルタイル」で乾杯!日本ワイン、フェルミエのこれからを語ります。(全4回 4回目)

辰巳:1月最後の週でございます。新潟県から来ていただきました「フェルミエ」代表、本多孝さんです。そして、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:この番組も3年半を超えまして、毎回毎回ワインに合わせたお料理を作っていただいていますが、今月のワインは生産本数も少なくてお値段もちょっとお高めなんですが、このお店でグラスで出せますか?

井村:大丈夫です汗。

辰巳:ちょっとグラスの量は少なめになるかもしれませが、できるだけこのフェルミエのワインは飲んでいただきたいですよねぇ。

本多:ぜひ「えいやーっ!」でよろしくお願いします笑笑。

辰巳:いい言葉ですね「えいやーっ!」笑。ラジオをお聴きの皆さん、ぜひお越しください!

辰巳:さ、今日のお料理は?

井村:牛肉を冬野菜で巻いた、’ガランティーヌ’っていうお料理。真ん中に冬の味覚のゴボウ、とほうれん草、間には牛頬肉を煮込んだものをかませてます。それを牛肉でグルっと巻き上げて焼いております。ソースはゴボウです。

【牛ささみ肉と冬野菜のガランティーヌ じゃが芋のグラタン添え】

辰巳:ぁ、お料理先に紹介しちゃいましたけど、ワインまだでしたね笑汗。

辰巳:このワインの名前、鷲座の一等星のアルタイルですね。「カベルネ・ジャポネ」と書いてありますが、これはどういうワインでしょうか?

【アルタイル】
https://fermier.jp/products/altair/

本多:私どもは新潟と、一部北海道の余市の農家さんにいただいたブドウがありまして、このワインは両方をブレンドして造っています。品種は4種類。ドイツ系のカベルネが2種類(←こちら余市産)、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フラン(←こちら新潟産)。お料理も「フレンチのお肉料理に合わせることができる日本ワイン」としてお使いいただけるといいなと。

辰巳:これ多分ね、ソムリエの人が聞いてもよくわからない品種だと思うので、詳しく聞くのはやめておきますが、カベルネ・ミトスとかカベルネ・ドルサーとか、、、。世界中で作られてるカベルネ・ソーヴィニヨンはその交配新種はもちろん日本でもいろいろあるんですよね。こういう面白い品種も余市の畑で作ってるんですねぇ。このワインはどういうのを目指して?

本多:北海道の’酸があるカベルネ’っていうのが一つの魅力ですね。それと、新潟のカベルネをブレンドして”それぞれのいいところを高め合う”。

辰巳:ま、ブレンドっていうのはそういうものなんでしょうね。この「アルタイル」というネーミングは?

本多:北海道のカベルネを使っているワインが3種類ありまして。「アルタイル」「ベガ」「シリウス」という星の名前をつけたシリーズになっております。その中の一つです。

辰巳:12星座のうちの自分の星座とかありますけど?

本多:実はあまり意味はないんですね笑、シリーズになってるだけ。

辰巳:アルタイル→ベガがきたらそのあとは白鳥座のデネブじゃないですか?

本多:一応いろいろ調べて、語呂というか、発音した時に、

辰巳:デブとか?爆。

本多:そういうのちょっと考慮して、はい笑。

辰巳:それで「シリウス」になったんですね?

本多:はい笑。

辰巳:では乾杯🎶

辰巳:色目も濃いかと思いきやそうでもないですね、紫がかってはいますけど。ヴィンテージは2020年で樽の香りがします。

辰巳:なるほどなるほど。線が太いわけではありませんけど、どっちかというとエレガント系、フィネス系のワインかもしれません。

井村:濃厚です。最初にグラスに注いだ時はもう少し柑橘系のフルーティーなイメージするんですけど、飲んでみるとぜんぜん。

辰巳;酸味もしっかりしてますしね。ってところのこのお料理。まずはいただきましょう。

辰巳:外側の牛肉がすごい脂が乗ってて、火入れもロゼ。

井村:これは和牛を使ってます。

本多:お料理そのものが美味しくて。ワインに(カベルネ)フランが入ってるんで、ごぼうを使っていただいて(合わせると)オリエンタルな感じになってます。

辰巳:このワインはおいくらですか?

本多:5400円です。

辰巳:このお店にお越しいただくと、番組でご紹介しているワインとお料理のペアリングを楽しんでいただけます。日本ワインを押し売りしているお店です笑。

井村:今や日本ワインしか置かない。やってみたらうまくいったんですよね〜笑。

辰巳:じゃ、このお料理を食べながら今月最後のリクエスト曲をお願いします。

本多:今日はオペラ。「トゥーランドット」の、

辰巳:「誰も寝てはならぬ」?

本多:まさに。僕は(歌唱が)パヴァロッティぐらいしか知らないんでそれで。

「誰も寝てはならぬ」ルチアーノ・パヴァロッティ
(「Nessun Dorma」Luciano Pavarotti)

https://www.youtube.com/watch?v=EwlE_qNSWLw/

辰巳:これはあれだっけ?荒川静香さんの、

本多:イナバウアー。

辰巳:あの時(トリノ五輪)一世風靡した曲ですよね。どうして急にオペラ?

本多:(2023年)11月12日に「サロン・ド・ヴァン・ジャポネ」っていって、日本のワインをフランス人に知っていただくため、同業者、レストラン、メディア、プロの方に紹介して飲んでもらうっていうイヴェントを(ブルゴーニュの)ボーヌで機会があったんです。それに行って参りました。

辰巳:SNSでは見てましたけど、日本からは何軒ぐらいのワイナリーが?

本多:8軒。楠さん(長野県・楠ワイナリー)、ウッディファーム(山形県)、ココ・ファーム(栃木県)、ナゴミヴィンヤーズ(長野県)、木谷さん(奈良県・木谷ワイン)、福山わいん工房(広島)、ドメーヌテッタ(岡山県)。それ以外にワインだけの提供もあって全部で70数種類。

辰巳:大好評、すごい盛り上がってたって話は聞いてますけど?

本多:そうですね。想定してグラス300用意してたんですけど、450ぐらい出まして。

辰巳:実際日本ワインに対する興味ってどうなんですか?そこまで強いものがあるんですかね?

本多:(ブルゴーニュの)ボーヌといえば。ワインの本場じゃないですか。自分たちのワインに誇りを持ってる人たちなんですけど、でも「日本から自分たちのワインを持ってくる?いったいどんなワインがくるんだろ?」っという興味がまずあって。我々の関心は”ヴィニフェラとそうじゃないもの”。例えばピノ・ノワールとかシャルドネはもう彼らには相手にされないだろうという考え方があるし、一方でデラウェアとかスチューベンとか(ラブルスカ系等)も相手にしてくれないんじゃないか?・・・いろんな仮説があったんですけど、結局はヴィニフェラでもそうでなくても、彼らは『美味しいか美味しくないか』。そこでしたね。
ですから、品種に関わらず「”いいもの”を造れば評価してもらえる」のが結論だと思います。

辰巳:フェルミエはいかがだったんですか?

本多:うちはアルバリーニョやピノ・ノワールを持っていきましたけど、いちばん関心の高かったのはやっぱりピノでしたね。あとはちょっと特殊な造りをしたアルバリーニョには興味がある感じでした。

辰巳:変わったワインを飲みたいってのがあるみたいで。ずいぶん前の長野県の原産地呼称を選ぶ時、フランス人はヤマ・ソーヴィニョンに興味ありましたから。

(あれ、結局リクエスト曲の所以は聞けませんでしたね笑)

辰巳:日本もワイナリーがどんどん増える中、でもそこまで生産量が増えてるわけでもないし。この状況をどう思うのか?最終回で伺いたいんですけど。

本多:おっしゃる通りで。日本ワイン全体としては、評価されたり人気のあるワインがあるのはなかなか手に入らないんですよ。それはやっぱり量が少ない。だからある程度畑の面積を増やして量を造っていかなければいけないのが課題だと思います。

辰巳:まずはね。フェルミエ的にはどうなんすか?

本多:フェルミエ的にはですねー、なんかこういう狭〜い話になってくんですけど。今15000本ぐらい造ってるんですけど、畑も今広げてるし20000本ぐらいにして、そこから先、その20000本をどうできるか?、はこの先突き詰めていきたいなと思ってます。

辰巳:40手前でワイナリーを始めて、今50代半ば。これからどうするか?ですよね?このあと息子さんが継いでくれるかどうか、だとか、そういう時期にそろそろなるんじゃないっすか?

本多:そうですね、承継してくれればいいなとは思ってるんですが。それもいいワインが造れて、いい会社になってないといけませんから。そこは足元をしっかりと。

辰巳:奥様はどう考えてらっしゃるんですか?

本多:いやぁ、ちょっとわいかんないっすね。

辰巳:併設してるレストランもやってらっしゃって、以前伺った時ピザを食べた記憶あるんですけど?

本多:今もあります、リピートしてくださるお客様もいらっしゃるので。残しつつ、フレンチを。ワインツーリズムだとか、実際に足を運んでもらうことがワイン好きにとってはいちばんの贅沢だと思いますので。
そういうスタイルは続けていきたいと思います。

辰巳:大きな銀行を辞めてこの世界に入ったことは全く後悔してないし楽しんでる、っと前回言ってましたけど、我々の業界もシェフも、コロナで大変だったじゃないですか?

本多:レストランはけっこう大変ですよね、ビジネスはそこでしかないので。ですけどワインは、うちの場合、当初から個人のお客様との繋がりを大事にしていきたいってのもあって、流通を通さない直販の率が高いんですよ。それが7割ぐらいあるんで。逆にいうと営業も私しかいないんでなかなか出来てなくて、でもそこももう少し頑張ると新しく取引先もできて。。。コロナに関してはあまり問題なかったです。お客さんのおかげです。

辰巳:造ったワインは常に売り切れて在庫はない状態?

本多:そうですね、おかげさまで。

辰巳:なかなかいいお値段するんですけど、すごいことです。

本多:ほんとありがたいです。

辰巳:人徳ですか?

本多:いやいや、辰巳さんに紹介してもらってるからじゃないですか?笑笑。

辰巳:なんかここらへんが少し銀行マンの片鱗?(←ヨイショ上手?)

辰巳:いろんなワイナリーがあっていろんな特徴があって、こちら側から見ててとても楽しいんですけど。番組始まってもう四十数人のゲスト、、、

井村:それぞれ個性があって面白いです。本多さんはなんで銀行から?、って未だに思います。

辰巳:でも、その銀行マンの時代とヴィニュロンになってからはそんなに変わらなくなってるでしょ?

本多:ワイナリーの方が長くなりました、なんと!

辰巳:もう立派なヴィニュロンとして日本ワインを牽引してるお一人。まだまだ聞かなかった話があったりして。昔の彼女の話とかしてくれるゲストとかいるんすけどね〜。なんでその話にならなかったんですかね〜笑。あんまりそういう話(昔の恋愛話とか)なかったんすか?

本多:どうなんすかねぇ汗。(←セ〜フ?)

辰巳:じゃ、その話はまた飲んだ時に笑。

2024年、最初のお客様は新潟の「フェルミエ」の代表、本多孝さんでした。

全員:ありがとうございました!!!

お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

Fermier(フェルミエ)
https://fermier.jp/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年1月25日放送回

ワイナリー

Fermier(フェルミエ)
https://fermier.jp/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

「日本のワインを愛する会」入会申込

登録無料

入会申込フォーム