2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年11月のゲストは山梨県の株式会社Cantina Hiro 代表取締役、広瀬武彦さんです。
大手企業のIT系から実家に戻った脱サラ組の広瀬さんはなんとビックリ、お酒がほとんど飲めません。
なのになぜワイナリーを???まずは甲州のスパークリングで乾杯!(全4回 1回目)
辰巳:さぁもう12月になってしまいました。1年も終わり、早いなぁ。年々加速されてるような気がします。今月のお客様は、山梨県山梨市、牧丘から「カンティーナ・ヒロ」の広瀬武彦社長です!
広瀬:よろしくお願いします!
辰巳:社長、オーナー、広瀬さん、、、どれがいいですか笑?
広瀬:広瀬さんがいいですね。
辰巳:元々はサラリーマンからの脱サラ組?電気系でしたっけ?
広瀬:IT系ですね。
辰巳:そのIT系では何をされてたんですか?
広瀬:SE。
辰巳:またこれだ笑・・・SEってなんですか、ぁw、システムエンジニアですね汗。どうしても我々の年代だとSound Efect(音響効果)なんですよ笑。退社されたのはおいくつ?
広瀬:いっかい東京に出て、某N社というところに、、、。
辰巳:NとEとCのところ?
広瀬:FとかIもあったんですけど(←お察しください)、私はNで十数年働きましてUターンで山梨に帰り、山梨のNの系列の会社に。
辰巳:なんかイニシャルトークされると’問題あった会社’’不祥事起こしてやめた’とか?笑。
広瀬:いやいや、そんなことはないです。
辰巳:だからNECでしょ?爆。なんかあったのかなと思っちゃうでしょ、別に何もなければそれでいいです。とりあえず乾杯しましょう!今日もこの会場、「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています。
全員:カンパ〜イ🎶
【Legame Metodo Classico Koshu 2020】
https://store.cantina-hiro.jp/product/legame-metodo-classico-koshu-2020/3?cp=true&sa=false&sbp=false&q=false&category_id=13/
辰巳:今日はスパークリングワインでございます。「Legame」って”絆”とかいう意味でしたっけ?
広瀬:そうです、イタリア語で「わ」。
辰巳:昭和の和?輪っかの輪?
広瀬:輪っかのほう。このワインを飲んで「みんなで繋がっていこう」という。
井村:旨みもあるし洋梨やリンゴのフルーツのアロマティックな甘い香りがします。
辰巳:このブドウはなんですか?
広瀬:甲州です。
辰巳:ですよね。にしてはすごい香り高い。感じ方自体は確かに甲州なんですけど、ワインが「これは甲州じゃないぞ」と言ってるような。あるいは何かとブレンドしたのかなという感じがします。
広瀬:ブレンドはしてません。2020年に収穫してリリースはごく最近、瓶内2次発酵です。
辰巳:じゃ、ゆっくりと熟成?ガス圧はそんなに高くないですね。
広瀬:そ〜ぅでもないです。普通のスパークリングと同じくらい。
辰巳:でもこのソフトさはなんなんでしょうね?
広瀬:なんなんでしょうかね笑。
辰巳:オーナーの人柄?それとも造り手による?
広瀬:造り手は今はもう長男に任せてるんで。私は畑でブドウ作り。
辰巳:へぇ。息子さんのお名前は?
広瀬:泰輝(たいき)と言います、今36歳です。
辰巳:卯年ですね。(←瞬間勘定奉行)うちの娘と同い年、、、とかいうと「年バラすな」とかまた怒られちゃう笑。(←うちの娘は「辰巳真理恵さん」ソプラノ歌手です)
広瀬:36はまだ若いですよ。
辰巳:息子さんはもうご結婚されて、お孫さんも?
広瀬:そうですね、(2023年)1月に生まれたばっかり。
辰巳:僕(の孫)とほとんど一緒ですね。それが初孫?
広瀬:いや違います。三男が早くて、(その孫は)小学校1年。
辰巳:ほぉぉぉ!じゃぁお孫さんは、
広瀬:全部で3人です。その三男坊は若い頃イタリアに料理に修行に行って、東京で働いてたんですけど、今は山梨に戻ってお店開店の準備をしてるところです。
辰巳:どこらへんですか?
広瀬:ワイナリー周辺です。ジビエ料理をやりたいって言ってて狩猟で野山駆け回ってます。
辰巳:次男は?
広瀬:簿記の試験に受かってそっち方面だったんですけど、”数字恐怖症”になって今はぜんぜん違う仕事してます笑。
辰巳:ワイナリーの仕事は?
広瀬:してないです。
辰巳:代々畑を?
広瀬:そうですね。父親の代、50年ぐらい前ですかね、もともと養蚕をやってたんですけど、そこを畑を巨峰に切り替えてそっから生食用のブドウを始めて。25年ぐらい前に母親が寝たきりになってしまって、父親が介護に回ったので私が兼業で。
辰巳:それで山梨戻って就職しながら畑仕事を?
広瀬:そうですそうです。
辰巳:そういえば5、6年前にワイナリーに取材に伺った時その話しましたね。最近物忘れが・・・笑。
広瀬:わかります。
辰巳:年齢も同じぐらいですしね。
広瀬:そうですね。昭和32年10月生まれ。
辰巳:だからほぼ1歳お兄ちゃんなんですけど(←辰巳さん昭和33年8月生まれ)、雰囲気は”同世代”だなぁとわかるんですよ笑。
辰巳:さ、今日のお料理は紫色のブルーテ。
井村:はい、きょうは紫色の大根を使ってます、紅くるり。今ちょうど採れたてで発色してます✨甘みもあって。
辰巳:ではいただきます!
【紅くるり大根のヴルーテ 柚子風味】
辰巳:香りとちょっとの苦味がいいですね。いつも思うんですけど、この甘さ、砂糖は使ってないんでしょ?
井村:採れたての野菜って、基本的に甘味が強いんですよ。「鮮度🟰甘味」というか。
広瀬:その通りだと思います笑。
辰巳:広瀬さんとこは果物だけ?他にも何か作られたりしてるんですか?
広瀬:ブドウだけです。
辰巳:そう、さっきお話伺っててびっくりしたんすけど、あまりワイン飲まないんですって?
広瀬:へへ・・・。テイスティングを少々やるのと、あとは年に1回か2回ぐらいですかね。(←ぇw)
辰巳:ビールとか日本酒は飲むんすか?
広瀬:いや飲まない。(←えーーー!?)アルコール類を飲まないですね。
辰巳:(アルコールの)アレルギーとかそういうわけでもないんでしょ?
広瀬:いや、そういうわけではないんですけ、ど、、、。なんちゅんですかね、体があんまり受け付けない。
辰巳:サラリーマン時代は?
広瀬:付き合いがあったんでー、けっこう飲んでました。
辰巳:何を?
広瀬:そのころは焼酎・ビールですね。
辰巳:その頃の体ってどうだったんですか?
広瀬:やっぱ飲みすぎると体が痒くなる。そういう症状が出るんでそんなには飲めなかったんですけど。
辰巳:そんな人がどうして!?笑笑。ワイナリーを作ろうと思ったか?、が大きな疑問。
広瀬:不思議ですよね。だいたいは憧れから入ってーワインいろいろ飲んでー、なんでしょうけど、私のきっかけは・・・。2012年に会社を辞めました、55歳の時。その時実家は食用ブドウやってて私も兼業たんすけど、会社の社長から「オマエはパワハラ、セクハラひどいからもう会社辞めてくれんか」と言われ。(笑、っていいのかどうか。)
辰巳:それでイニシャルトークだったんですね爆。
広瀬:いやいや、もうそのときはN社じゃないっすよ。県内のIT企業。N社の資本は入ってますけど汗。「じゃ、わかりました、辞めます」って言って辞めて、でもその頃はある程度役職もあったからいい給料もらってたんで、それがゼロになると侘しい。。。ってことでいろいろ考えたんですね。
山梨なんで「やっぱブドウでなんか」。で、ワイナリーの計画を立てたんですが、その2年ぐらい前にうちの隣に先輩のヤマ・ソーヴィニョンの畑があったんです。その先輩ってのが元ヤンキーでとても怖い笑笑。その先輩に「広瀬ちょっと来い!」と。「オマエに話があるだけどな、ここにヤマ・ソーヴィニョンっていうワイン用のブドウ作ってんだけど、これワイナリーに持ってってもキロ80円ぐらいにしかならん、作れば作るほど赤字になる」と。
辰巳:えぇぇぇ?80円はないでしょ!?納めてるワイナリーが悪いんじゃない?笑。どこ?
広瀬:言えないっすよ。笑笑(←ですよね)
辰巳:イニシャルでいいですから爆。
広瀬:やめときます笑笑。で、その先輩が「だからオレ(ブドウ作り)止めようと思う」。今からこれ(ヤマ・ソーヴィニョン)切って巨峰植えるのもめんどくさいし、おまんがたまたま近いからおめぇが作れ」って言われたんすよ。
「なんでそんな儲からんブドウ俺が作らなきゃならんすか?」って断ったんすよ。なんぼ先輩の押し付けでも「それだけはカンベン!」。それから2年後、会社から辞めてくれといわれ・・・。
辰巳:その(セクハラパワハラ)はほんとなんですか?聞いてる人はほんとだと思っちゃうのでそこら辺はっきりしないと笑。まぁなくはなかった?笑。
広瀬:ん、まぁ半々くらい?笑。ま、それから(家業の)食べるブドウ以外を考えて、その先輩の畑を思い出した。「まだ貸してくれますか?」「いいよいいよどんどん使ってくりょ」、で始めたのがきっかけです。それが2013年。
辰巳:ちょっと話が佳境なんですが、ここでリクエスト曲を挟みたいと思います。今日は何を?
広瀬:高校時代ハンドボール部だったんですけど、その部活が終わって近くの喫茶店で彼女とよく待ち合わせしたときによくかかってた曲。スティーヴィー・ワンダーの「迷信」を。
スティーヴィー・ワンダー「Superstition」
https://www.youtube.com/watch?v=0CFuCYNx-1g/
辰巳:高校時代喫茶店でかかってた?
広瀬:そうです。
辰巳:それは今の奥さん?
広瀬:ぜんっぜん違います笑笑。
辰巳:高校はどちら?
広瀬:甲府工業。
辰巳:野球強いとこですよね?
広瀬:そうですね、昔は。
辰巳:日川高校はラグビーが強いとこですけどね。
広瀬:それも昔ですよね笑。今年は(山梨)学院に負けてしまったので。
辰巳:今は学院ですかー。
お住まいはずっと(山梨市)牧丘?今のワイナリーがあるとこ?
広瀬:そうです。
辰巳:さっきワインの詳しい話を聞いてなかったんですけど、このワインはおいくらですか?
広瀬:税込で3500円で1400本ぐらい造ってます。
辰巳:これいいですね、ソフトでなんか飲み飽きしないというか。でも飲んでるとだんだん甲州という気がしてきました。今日の野菜のブルーテなんかにも合う。若干残糖も?
広瀬:はい、若干残してます。
辰巳:すごくシェフの料理と合いそうな気がします。この「Villas des Marriages 多摩南大沢」で同じお料理とワインがお楽しみいただけます。ぜひお越しください。
辰巳:普段お酒をお飲みになられないということでしたが。ちょっと口滑らして普段しゃべらないことを話していただく番組なので、もうちょっと飲んでいただいた方が笑。
広瀬:わかりました!ではもうちょっとね笑。
辰巳:もうあまり時間ありませんが「カンティーナ・ヒロ」さんってのはものすごくマニアックなイメージがあるんですけど、これはオーナーのキャラなんすかね?ちょっと”とんがってる”というか、他にないキャラクター。伝統的なワイナリーじゃないこともあるかもしれませんが、例えばイタリア品種育てるとか。
広瀬:ネッビオーロ、トレッビアーノ、ランブルスコ、、、。バルベーラは今試験的にやってるので全部で4種類。
辰巳:それはもう製品化してる?
広瀬:いえ、ランブルスコはまだ。
辰巳:そっか、ランブルスコは多産系だから。
広瀬:そう、もっと広げたらこれはいけるかな。バルベーラは・・・うちはちょっと・・・やめようかなと。。。
辰巳:全部棚で?
広瀬:そうです。ランブルスコは辰巳さんが5〜6年前に取材に来ていただいた時に植えていただきました。
辰巳:そうでしたっけ!?それは楽しみです!ランブルスコなんて日本のお料理にぜったいいいと思います。
広瀬:あれから2年後に鹿に全部根を食われてしまって、、、だから今2年遅れです。今も果実が成ると鹿にやられてるんで、、、。ネット張ってるんですけどどっかしらから入ってきてやられてます。
辰巳:それで息子さんが猟銃を持ってズドンと?笑笑。そういう順番?
広瀬:はいその順番笑。
辰巳:牧丘は山の上ですからね、標高750mぐらい?
広瀬:畑は700〜1000m近く。ワイナリーがあるところが750m。
辰巳:眺めもいいところでね。コロナだなんだでご無沙汰してましたが、また次回以降よろしくお願いします!
全員:ありがとうございました!!!
(今週は’わかるひとにはわかる’甲州弁ちょっと多目でした。思わず朝ドラの「花子とアン」を思い出してしまいました。編集者談)
お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
Cantina Hiro
https://cantina-hiro.jp/
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年12月7日放送回
- ワイナリー
Cantina Hiro
https://cantina-hiro.jp/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/