2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年11月のゲストは山形県の株式会社高畠ワイナリーの村上健(たけし)会長です。
2週目は隠れファンも多い「ピノ・ブラン」で乾杯!生まれも育ちも高畠町の村上さん。地元の酒蔵に就職するも・・・。
(全5回 2回目)
辰巳:11月のお客様は山形県の高畠ワイナリー、村上健会長にお越しいただいております。そして、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:先週は美味しいスパークリングから始まりましたが、今週のワインはなんでしょうか?
村上:こちらは2022年に収穫されました「ピノ・ブラン」という品種です。爽やかな酸がしっかりあって、いろんな料理に合わせやすいんじゃないかなぁと思っております。
辰巳:まずはいただきましょう。
全員:カンパ〜イ🎶
【高畠クラシック 上和田ピノブラン2022】
https://takahata-winery-club.com/item-detail/1456819/
辰巳:ぼく好きなんすよ♡。高畠ワイナリーといえば、まず「ピノ・ブラン」。
村上:私も、大好きなんですよ♡。
辰巳:高畠ワイナリーは一般的に(白は)”シャルドネ”のワイナリーとして認識されてますし、実際そうなんですけど。ぼくはピノ・ブランはわりと好きで初期の頃から飲んでました。でもなんで高畠でピノ・ブランを造ることになったんですか?
村上:山形は冷涼なエリアなので、スイスとの国境近くのブドウが合うんじゃないか、ということで3軒の農家さんにお願いして作ってもらうことになったんです。今は2軒の農家さん。
辰巳:ワイナリー設立最初の頃から?
村上:はい。
辰巳:そういうブドウのセレクトなんかにも村上さんはタッチされてたんですか?
村上:そのころは単なる外交員で笑、営業してましたんでまったくノータッチ。
辰巳:シェフ、このワインいかがですか?
井村:香りがいいなぁと。お花のような、でもブドウらしい青っぽい香りも。
辰巳:久しぶりに飲みましたけど、以前のヴィンテージよりもっとキリッとした印象があります。これはおいくらですか?
村上:税別1800円。
辰巳:ほら、(安くて)びっくりするんですよね。これは何本ぐらい?
村上:2500本ぐらい造っております。
辰巳:これはいいなぁ。樽も使わず、ほんとにブドウの旨みだけで勝負してる。この辺も好きなんすけどね。
村上:ピノ・ブランに関しては、樽に入れたのもほんの少し出してるんですけどね。でもこのステンレスタンクだけで造ったピノ・ブランが私はいちばん好きですね。グレープフルーツやレモンの雰囲気もあって、”酸がキレイ”ってのがいちばんの特徴ですね。
辰巳:「ピノ・ブラン」といえば、北海道ワインさんが「ヴァイスブルグンダー」として出してるのと、井筒(ワイン)さん、あとは丹波ワインかな。ピノ・ブラン、なんとなく惹かれる。さ、このピノ・ブランに合わせたお料理はなんでしょうか?
井村:今日はイナダをスダチでマリネしたお料理。イナダは出世魚でハマチの小さいやつです。
辰巳:関東地方ではイナダ、なのかな?僕のルーツの北陸ではフクラギ、。全国でいろんな言い方あるみたいですけど。で、それを?
井村:ツルムラサキと”洋風お浸し”というか、まぁマリネしたものと自家製ピクルス、日本ワイン(このピノ・ブランではないそうです)で作ったゼリーが乗ってます。
全員:いただきま〜す!!!
【イナダとつるむらさきのマリネと地元野菜のピクルス添え 甲州ジュレ】
村上:ほんとに美味しいですね。
辰巳:お料理的には”マリネ”?
井村:ですね。
辰巳:この番組が始まって3年半、毎週毎週ワインを飲みながら美味しいお料理をいただける類稀な番組なんですけどね笑。このレストランに来ていただくと同じワインと同じお料理のペアリングが楽しめます。
村上:サイコーですね笑。
井村:だんだんご要望が増えてきましたので、今年のクリスマスは日本ワインとのペアリングディナーにしようと思ってます。
(←昨年11月の放送のため、このイヴェントはすでに終了しています。2024年のクリスマスをお楽しみに!)
辰巳:さ、今日は村上さんのお話を伺います。この高畠ワイナリーに入る前もいくつか職を経験してるそうですが。高畠にはいつ入社ですか?
村上:27歳の時です。
辰巳:ご出身は?
村上:生まれも育ちも高畠町。生粋の高畠町っ子で高畠ワイナリーに入って社長までさせてもらっちゃって。その前は16歳上の奥山さんが6年社長していて、私は48歳の時に社長になりました。
辰巳:奥山前社長も地元の人なんですか?
村上:奥山は山形でも東根なのでちょっと遠いですね。
辰巳:そういえばその話も聞いたことあります、”さくらんぼの東根”笑。村上さんは、地元高畠にワイナリーができると聞いて「ぜひ!」と?
村上:そうでございます。その前は食品会社。いろいろあってなかなか名前は言いづらい。
辰巳:大手なんですか?
村上:いや、地元資本のちっちゃな食品会社なんですが・・・🤫
辰巳:その前は?
村上:「米鶴」という日本酒メーカーです。
辰巳:米に鶴?あの辺も日本酒メーカーいつくかありましたっけ?
村上:高畠町には3社あります。「米鶴」「錦燗」「辨天」。その中でも当時はいちばん大きいメーカーだったんです。当時の日本酒ってのは非常に穀数も大きくて伸びてたんですね。昭和55年以降ですが、まだまだ伸びてる時期。その頃私は高校野球やってたんです。で、その酒蔵が野球部を作ると。
その野球部の一つ上の先輩と一つ下の後輩と3人で”野球部推薦”みたいな感じで入ったんですよ。ところが。。。(昭和)59年、60年ぐらい過ぎると、日本酒ってのはどんどんどんどん消費量が落ちてったんですよ。「こりゃ野球どこじゃない汗」と、「じゃ、いてもしょうがないな」と。
辰巳:その時は蔵元に入って野球ばっかやってたんすか?
村上:いやいや、普通に営業さしてもらったり、仕込みの手伝いをしたりしてました。
辰巳:(野球の)ポジションはどこだったんすか?
村上:キャッチャーです。
辰巳:高校どこだったんすか?
村上:高畠高校。野球は県で優勝して東北大会に出るぐらいの力はあったんです。でも残念ながら甲子園には行けなかった。
辰巳:日大山形が台頭してくるちょっと前あたりですか?
村上:そのころは酒田南かな。
辰巳:子供の頃から野球?
村上:いやいやいやいや、わたしは高校に入ってからです。
辰巳:その高畠町の小学生は将来何になろうか、とか?
村上:考えてなかったですねぇ。(サラリーマン家庭の)実家と通う高校が自転車で3分!(←はい、想像できますね)
チャイムが鳴ってから家を出る。お昼は家でメシを食うという。(当然)みんなの溜まり場になったんですね。「こりゃマズい!」ってんで野球部に入ったんです。
辰巳:高校生の頃溜まり場になってー、お酒は飲んでたんですか?
村上:土曜日は同級生が近所のスーパーから納豆を1パック買ってうちにくるんですよ。うちのお袋は白いご飯を出して各々買ってきた納豆でご飯を食べてるという笑笑。でもオレは野球の練習があるのでいなかった爆。
辰巳:オレはいないのに?それはすごいすねぇ笑。お母さんが優しかったんですね。
(はい、ここで目の前を大きな蚊が飛んでいきました。辰巳さんこの日だけで3箇所刺されてるのでなんとしても捉えたい・・・失敗)
辰巳:すいません、戻しますね。
村上:そんなこんなで野球をやれる企業ができるというんで入ったんですけど、一つ上の先輩は「東京の営業所へ行け」と。私は本社でしたけど一つ後輩も「東京へ行け」。だからぜんぜん練習できないんですよ。
そのうちどんどん日本酒の消費量が落ちて、そんなとこじゃない(野球どころじゃない)ってなったんで、「野球やれないんならもういいや」。
辰巳:野球やれないならここにいる必要もない?
村上:そそそ、そん時は。今になってみればけっこう日本酒も飲みますけど笑。あの時の苦労がわかるんで今は飲みますね。夜中に冷たい麹を返さなきゃいけないとか米研がないといけないとか。
辰巳:営業だったのにそういうこともした?
村上:やってますよ。高畠でもワンシーズンやりましたし。
辰巳:ぁ、ワンシーズンだけ?笑笑。
辰巳:ではこのへんでリクエスト曲を。こんな昔話するとどうしても古い歌思い出してしまうんですが。
村上:そうですね。先週もお話しさせていただきましたが、「高畠クラブ」というクラブのメンバーで、年に1度東京の下北沢の「*音倉(おとくら)」に集まっていただいて慰労会をするんです。そこの女将が庄野真代さん。
(*音倉:https://www.otokura.jp/)
辰巳:へっ???
村上:ま、真代さんのライブハウスですね。ワインとお料理は(お店に)お願いするんですけど、あとは勝手にステージに上がって歌ってます。
(←このイヴェントは不定期、次回はまだ未定だそうです)
辰巳:ってことは今日は庄野真代さん?どっち笑?「飛んでイスタンブール」か「乾杯モンテカルロ」ですね。(←ベストテン時代の人ならわかります笑)
村上:「乾杯モンテカルロ」のほう。(←「お二人とも残念「モンテカルロで乾杯」です、「日本ワインで乾杯!」じゃなくてもっと残念笑)
庄野真代「モンテカルロで乾杯」(1978年)
https://www.youtube.com/watch?v=W91nAyLCFdg/
辰巳:僕は大学2年生の頃かなー。この辺の歌は聴いたらすぐわかるんすけどね、最近のはぜんぜんわかんなくてね笑。
村上さんは?
村上:ですね。もう最近の若い人、グループはまったくわかんないっす笑。
辰巳:高畠ワイナリーってのは地元からの支持率ってのはどれぐらい?どれぐらいワインを飲んでるって感じですか?
村上:具体的に言えば東北3県、山形、岩手、宮城。ここでの消費というか出荷量が全体の3割ぐらいですかね。それにワイナリーの売り上げが3割ぐらいありますから6割ぐらい。ですから東北だけで半分以上消費していただいてると。
辰巳:でも全国に廻ってるのは確かですよね?
村上:そうですね。都内でも、関西でもやらしてもらってます。
辰巳:営業やられてたんでしょ、全国各地に?
村上:南は九州まで行きました。飲食店回りましたけど、まぁ場所によって。ワインの消費量の多いところは受け入れてくれるんですけど、焼酎の多いところなんかは・・・。
辰巳:九州なんかは?
村上:苦戦しましたね汗。
辰巳:でも元々は九州の会社(本坊酒造)なのに。
村上:ですから、本坊系のファミリーマートなんかにお願いして。入るは入るんですけど’なかなか回転しない’と。そんなこともあって以前はカットされることもありました。ワインってまだまだ日本人に浸透してないですもんね。年間一人当たり5L もいってない。
辰巳:もっと昔は2Lもいってなかったですから。そういう意味では増えてはきてますよね。現状はどう思いますか?
村上:コロナ禍があって、各ワイナリー大変な思いをされたと思うんですけど、うちは(コロナが)明けて、なんとかプラスではきてます。1次会需要は間違いなく増えてますが、2次会3次会需要がなかなか。
辰巳:「2次会需要」という言い方があるんですね。でも1次会でちゃんと飲んでもらえればいいんじゃないんですか?
村上:まぁその通りです。
辰巳:シェフどうですか?このお店はワイン飲む人は?
井村:まぁ・・・
辰巳:ワインじゃなくビールとか?
井村:車で来る方が多いので、そもそも「アルコールを飲むか飲まないか」。でも飲める3割の人はほとんどワインです。
辰巳:ほとんどの人が日本ワイン?
井村:だってそれしかない爆。
辰巳:11月のお客様は山形県高畠ワイナリー、代表取締役会長の村上健さんでした。また来週〜。
全員:ありがとうございました!!!
お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
高畠ワイナリー
https://www.takahata-winery.jp/
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年11月9日放送回
- ワイナリー
高畠ワイナリー
https://www.takahata-winery.jp/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/