ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年9月21日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年9月のゲストは東京・御徒町の「葡蔵人(ブックロード)」の醸造責任者、須合美智子さんです。
世の中どこにチャンスが転がってるかわからない。パートのおばちゃんから始まったの須合さんのエノログライフが続きます。(全4回 3回目)

辰巳:はい、公開録音の3回目、放送日は9月21日(収録は8月20日です)。このクソ暑い中笑、たくさんお集まりいただきありがとうございます。9月のお客様は東京・御徒町の街中ワイナリー「ブックロード」の醸造責任者、須合美智子さんです。そして、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!(←会場から大拍手〜)

辰巳:さ、今日はロゼワインですね。カベルネロゼって書いてありますけど?

須合:はい、カベルネ・ソーヴィニヨンだけで造ったロゼワインです。

辰巳:これはどちらのカベルネ?

須合:兵庫県神戸市です。

辰巳:兵庫県って実はブドウの生産量が多いとこなんですよね。「神戸ワイン」が今縮小してるので、(全国)各地にブドウが流れてる。でもどこもブドウが足りてないんで、もう取り合いですよ。ここはもう(取引)長いんですか?

須合:いえ、(ブックロードが開業して)1〜2年目のとき一度お願いしたんですけど、それからは山梨、長野にはお願いしてました、。今年は久々に(神戸のブドウでも)造ってみたいなと思って。

辰巳:どうして?今のところは全部買いブドウでしょ?「どんなブドウでどんなワインを」ってどうやって決めるんですか?

須合:普段はほとんどが「どんなブドウでどんなワインを造りたいか」、をお話しした上で、農家さんにはお願いしてるんです。前回の「醸し甲州」も、『オレンジワインにしたいので完熟(収穫時期遅らせてでも甘いワインにしたい)でっ』っとお願いしてるし。今回の神戸のブドウは、前回のカベルネの印象があったので、久々に分けてほしいとお願いしました。

辰巳:ではまずこのワインで乾杯したいと思います。カンパ〜イ🎶

【カベルネロゼ 2022】
https://www.bookroad.tokyo/items/75920984/

辰巳:これ、なかなかいいじゃないすか。シェフいかがですか?

井村:第一印象はすごくベリーの香りがブワァァァっと口の中に広がって、スッキリ!

辰巳:カベルネってどうしてもタンニンが強いんでね、渋さが先に来ちゃうんですが、「こういうカベルネの使い方があるのか!?」という。

須合:ロゼを自分が飲みたかったので、

辰巳:自分が飲みたかったから造ったんですね、それがいちばんじゃないですか!?

須合:この季節に飲んで欲しかったので、リリースも7月ぐらいかな。

辰巳:アルコール度数9%って買いてありますが?糖度がそんなに乗らなかった?

須合:そうですね。

辰巳:逆に言ったら色づきがそこまでよくなかった?

須合:そうなんですが、”ロゼにしたい”が前提だったので、色はそこまで気にせずに。

辰巳:じゃ、収量制限もあまりせずに?

須合:そうですね。

辰巳:ブドウの栽培段階で「こういうワイン造りたい」という話はそんなにめずらしくもない?

須合:んーーー、ブックロードでお取り引きいただいてる農家さんは、そういうお話できる方が多くて。甲州だったりピノ・ノワール作ってる勝沼の農家さんがいらっしゃるんですが、その年の(ブドウの引き取りの)最後に「来年はどうする?」って笑。「いやいや、まだ今ブドウもらってばっかりでワインにもなってないから”早いよっ”笑笑」って突っ込むんですけど、

「ワインの出来」って1年の通知表みたいなものだから、一つは「美味しいワインにしてね」っと託されること。今年の収穫が終わって、来年に向けてまた、枝の付け方や手入れの仕方変えたいから、”早く情報が欲しい”と。

辰巳:すぐに来年の話になるんですね。

須合:最初の頃は「(来年の話なんて)早いよっ」の返しができなくて、かなりしどろもどろ笑。でも何年か経つうちに「いや、まずは絞るから」ぐらいは言えるようにはなってきた。

辰巳:このロゼ、ほんとになかなかいいですよ。特に自然派とかではないとは思うんですけど、柔らかいし・・・。これはお料理に絶対合わしたい。きょうの料理はなんでしょうか?

井村:地元、というか、あきるので採れた黄色と赤のビーツを2種類使って小エビのリゾットに仕上げてあります。

須合:ビーツに黄色とかあるんですね。赤しか知らない。

井村:黄色は甘味があって美味しいんです。

全員:いただきます!!!

【あきる野の野村さんのビーツと小海老のリゾット 魚介のスープを注いで】

須合:ん、美味しい♡

辰巳:ダシもよく効いてる。これは?

井村:エビの頭とかで出汁をひいてます。ワインにベリー系の香りがするんで、エビとかとは相性がいいんです。

辰巳:この’タッチ’がちょうどいい、強すぎず弱すぎず。でもこのワインのラベルにはフライドチキン🍗爆。

井村:フランス料理で”チキンとエビを合わせる”。そういう料理があるんですよ。けっこうテッパン。

辰巳:へぇ、例えば?

井村:焼いたチキンをエビのソースで煮込んだー、とか。そのチキンのラベルからインスピレーション受けてエビを合わせてみようと思って。「チキンに合うならエビにも合うだろう」笑。

辰巳:フレンチの料理人は「チキンを見たらエビを思い浮かべる」笑笑。ふぅぅぅん、ほんと、みょ〜に合います。じゃ、来年のこのワインのラベルはエビ🦐?爆。

辰巳:このラベルの数字、1806-76ってなんですかー?

須合:はい、18は会社が18歳(2005年に起業)、ワイナリーは2017年からで6年目だから06。76はこのワインが76番目に発売したから。毎年ラベルをつける商品としては12〜13種類はリリースしてます。
(表)ラベルをつけない商品もいくつかあって、ぁ、1週目で出した’ケグ’には番号ついてないです。あとは、試験栽培中なんだけど(ブドウ)50kgだけもらってくるようなワインは、裏ラベルはつけますけど(義務)、表はつけない。

辰巳:じゃ、番号どんどん増えるのは嬉しいですよね。

須合:そうですね。

辰巳:これも須合さんのアイディア?

須合:”ヴィンテージ”をつけてないんですよ。「なぜ?」ってけっこう言われるんですけど、このワイナリーは単独でできてるわけではなくて、元々会社があって、そこからワイナリーが始まったんで、「会社と一緒に(ワイナリーも)進んでるんです」っていう意思表示をヴィンテージにしたかったので。

辰巳:この数字を見れば何年のヴィンテージかわかると?あえてヴィンテージはつけない?

須合:今のところ予定はないです。

辰巳:それもすごい。まったくワインの世界じゃないところから入ってきた須合さんだし、そこらへんも面白いですね。

須合:あとは私たちのお客様は「ラベルのデザイン」で覚えてくださる方も多くて。「前に飲んだ、なんかカボチャの絵が描いてあったんだよねー」とか。その、絵を覚えててくださると、その時の味の特徴も自分たちもすぐわかるので「似たような味わいのワインをお勧めしやすい」し、話もつながっていけるので。

辰巳:逆にいうと、76種類のアイテム数の中で、おんなじ絵はないんですね?

須合:アジロン(・ダック)で造ったワインの絵はずっとハンバーガー。なんですが、中(具?)がいろいろ変わってます笑。

辰巳:今回のフライドチキンは初めて?

須合:です。

辰巳:今まだ76だからいいとして、100、200とかいったら絵にする料理ないんじゃ?

須合:そしたら辰巳さんに相談します笑。

辰巳:おもしろい’返し’されました笑。須合さんこんなに面白い方だとは。だいたいパートのおばちゃんが・・・。この辺うまいこと出したいな。「数字苦手やからワインの値段均一」とか。だったら単価高いブドウのワイン飲んだほうが得じゃないすか?

須合:(そうなんですけど)そんなことありません笑。

辰巳:ではこのへんでリクエスト曲を。

須合:「旅立ちの日に」

辰巳:「旅立ちの歌」は知ってますが、「旅立ちの日に」はどういう歌ですか?

須合:合唱コンクールなんかで歌われる曲でして。普段言うこと聞かない子供たちが(特に男の子の中学高校の頃ってね)、男の子も女の子も真剣に歌ってるんですよ。聴きに行ったらなんかやたら感動しちゃったのを思い出しちゃったので。

辰巳:自分が歌ってたわけじゃないんですね?

須合:(自分の)子供たちが。

辰巳:誰が作った曲なんでしょ?

須合:すいませんそこまでは・・・

辰巳:では聴きましょう「旅立ちの日に」

「旅立ちの日に」
https://www.youtube.com/watch?v=clp2VMJymLI/

ちなみにこの公開収録会場で「この曲知ってる人〜?(もしくは歌ったことある人〜?)と伺ったところ、30〜40台前半と思しき数人が手を挙げました。
(参考サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/旅立ちの日に/

辰巳:なんとなく懐かしい感じ、はしましたねぇ。

井村:ですね。

辰巳:歌ってその時代、世代がありますもんね。(この番組で)何をリクエストされるかが楽しみだし年代も感じますよね笑。

辰巳:ワイン造りを志して、っというか、会社のシフトでパートのおばさんから転身して8年?

須合:勉強の時間も入れてそれぐらい。

辰巳:運命だと思いますか?

須合:楽しいです。いろんな人に出会えるし、こういう機会(←この番組でしょうか?)をいただけるのも「ワイン造ったからだな」って思います。

辰巳:ワインってなんか独特の力がある。今は(造り始めた当初に比べて)ワインの考え方、だいぶ変わりました?

須合:変わりま・し・た・・・もともと何も持ってなかったので、今集めてる最中です。

辰巳:お酒は強い?弱い?

須合:フツー。

辰巳:フツーって?ビール?焼酎?

須合:梅酒、♡です。でも日本酒を飲む人と飲む機会がよくあって、そこで「日本酒って美味しいな」と。当時から自社でやってる飲食店も日本酒扱っているので、日本酒に触れる機会はなんとなく増えてってたんですけど、ワインはたまたま隣の人が飲んでて「美味しいな」って言ってた、そんな印象しかない。

辰巳:これで会社が方針変えて「日本酒造る」ってなったらどうします?笑。

須合:あ、やんないす笑笑。

辰巳;ワインだからすんなり?

須合:もともとパートのおばちゃんで、会社の人たちが「ワイン事業を立ち上げる」ってのを横耳で聞いてて、それがすごい楽しそうだったので、そのとき『一緒に仕事したい』と思ったんです。

辰巳:でもそれで手ぇ挙げたんじゃなかったんでしたっけ?

須合:挙げました。

辰巳:そのへんが人生の分かれ道。”やるべきだ!”とかなんか直感が働いたんですか?

須合:んー、直感というよりは”楽しそうな話に自分も加わりたかった”。

辰巳:それまで会社生活はそんなに楽しくなかったんすか?

須合:ぇ、いやいや、パートの時はお客様とお話しするのも好きだったんですけど、新しいところに進もうとする人たちと一緒に仕事ができたらもっと楽しいんじゃないかなーと。

辰巳:じゃ、今は楽しい毎日?

須合:はい。

辰巳:毎日大変だとは思いますけどね。こういう表情がワインに現れてるんだという気がします。っということで残りあと1回になってしまいました。今月のお客様は、東京・御徒町「ブックロード」の須合美智子さんでした。また来週!!!


お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

葡蔵人〜Book Road〜
https://www.bookroad.tokyo/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年9月21日放送回

ワイナリー

葡蔵人〜Book Road〜
https://www.bookroad.tokyo/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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