2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年9月のゲストは東京・御徒町の「葡蔵人(ブックロード)」の醸造責任者、須合美智子さんです。
最終回は辰巳さんも大好き、ヤマブドウ系の「富士の夢」で乾杯!ブックロードのラベルデザインは、「このワインにはこのお料理」を提案した須合さんならではのアイディアですが、、、。「富士の夢」にはキャラメルポップコーン!?(全4回 4回目)
辰巳:9月の最終週になってしまいました(←今月は公開収録で、9月分の収録は8月20日に行いました)。夕立が来るかなと思ったんですが、まだまだ晴れてます。このクソ暑い中お集まりいただきありがとうございます!ゲストを新ためてご紹介します。東京御徒町「ブックロードの」醸造責任者、須合美智子さんです!
須合:よろしくお願いします!(大拍手〜👏)
辰巳:回を追うごとに拍手の音が大きくなってきたような笑。そしてこの会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです!
井村:よろしくお願いします!(大拍手〜👏)
辰巳:この公開収録、1年ぶり?
井村:1年ちょっと経ってます。(←昨年は4月開催でした)
辰巳:さ、まずは乾杯したいと思います。今日は赤ワインです。
全員:カンパ〜イ🎶
【富士の夢 1806−69】
https://www.bookroad.tokyo/items/70741871/
辰巳:今度はかなり色の濃いぃ、紫色に近いようなワインです。ラベルには、ん?ポップコーン?
須合:これはキャラメルポップコーンです。
辰巳:キャラメルポップコーンに合わせたいワインってことですね。なるほど。言われるとちょっとキャラメルっぽい味わいはありますね。「富士の夢1806-69」。18が会社の創業年、06がワイナリー創設6年目、69番目の製造アイテム。カンペキ覚えました!
この収録でわかりましたが、須合さんがヒジョーに’数字に弱い’笑笑。
須合:その通りです笑。
辰巳:だからワインの定価も全部おんなじ(←税込3190円均一、ほぼ)。
辰巳:今日のお料理です・これはなんですか?
井村:八王子で育ったジャージー牛。牛乳を搾乳するような牛です。牛乳が採れるってことはすごいコクがあるお肉なので。
辰巳:国産牛?
井村:そうです、和牛ではないですけど。これは雄牛です。
【磯沼牧場のジャージー牛サーロインのグリエ 奥多摩わさび添え】
辰巳:雌牛は搾乳あるんで雄牛はお役御免?
井村:いやいや、雄牛はこうやって”食卓を喜ばせる”というお役が💦
辰巳:何歳馬?(←馬ちゃいます)
井村:そこまでいうと悲しくなるんで😢・・・(←若いそうです)
辰巳:須合さんどうですか?
須合:美味しいものを食べたい・・・あれ、なんか悪い人みたい笑💦
辰巳:「大事に食べる」。物を残したり捨てたりしない!廃棄される食材がホント多いので。この店(のお客様)、残すお客様多いですか?
井村:いや、みなさん残しません。
辰巳:美味しいからですね。美味しくない時に、抗議の意味でたまに残すことはありますけど。
井村:そういうときはワタシが裏で食べる時もあります。「なんで残したんやろ?」
辰巳:でも”残す”のはある程度豊かな証拠。「少ないと足りない」けど「残すのはもったいない」から、(日本人の場合は)少し足りないでいいんですよ。海外で「残すのはもったいない」で全部食べるとえらいことになりますから笑。
辰巳:ジャージー牛、ソースは?
井村:いわゆるグレービーソース。わさびをつけてさっぱり召し上がっていただきたいな、で、奥多摩のわさび。(←シェフが奥多摩に出向いて
収穫してきたわさびです。↓シェフ、そのワサビを直前に下ろす、の図)
須合:お肉美味しい♡
井村:柔らかくはないんですけど噛むと旨みが出てくる。
辰巳:このワインも’噛み応え’というか、口の中で馴染んでくるというか・・・。『富士の夢』も日本で作られた品種。「行者の水(ヤマブドウ系)✖️メルロー」でしたっけ?
この品種でどんどんいいワインができてますが。造り手としてはいかがですか?
須合:今飲んでいただいている富士の夢は、今まででいちばん美味しくできました。
辰巳:旨みがあります。先日もヤマブドウのワインコンクールがあったんですけど、今年第1回。出しました?
須合:いや、出さなかったです。
辰巳:出しゃ金賞取れたかもしれなかったのにー笑。
須合:そうなんですか!?
辰巳:審査しててね、意見が2つに分かれまして。僕は「ヤマブドウ自体味わいもあるし旨みもあるし、樽に入れる必要なし」派。審査員の中でも樽が好きな人がいるんすよ、誰とは言いませんが笑笑。でもねぇ、樽効かすとヤマブドウの(絶)妙な味わいが消えてしまうような感じがしましてちょっともったいない気が。
辰巳:ちなみにブックロードさんでは樽使ってるワインもあるんですか?
須合:いえ、’樽に入れてる’ワインはないんですが、’樽を入れてる’ワインはあります。樽に入れて熟成するスペースがないので、樽材のオークをスティック状にして浸してる・・・。
辰巳:いわゆる”チップ”。
須合:チップもコルクも「こういうワインにしたいっ!」がためにいろいろ相談して、(オークの)スティックは木材屋さんにもお願いして造ったオリジナルワインがあります。
辰巳:どうでしたそのワイン?
須合:時間を置くとそのスティックがワインに移っていくのが面白い。
辰巳:ブドウ品種は?
須合:2020年はカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの2種類で造ったんですが、2022年はメルローだけ。このメルローは造ったばっかりなんで、もう少ししたらリリースできると思います。
辰巳:では今日は早めですが、お料理を食べながら曲を聴きたいと思います。今日はなんでしょうか?
須合:今井美樹さんの「Goodbye Yesterday」。
井村:これはもうぅ、世代です。(←50代前半にはピンとくるらしいです)
辰巳:あれ、今井美樹ちゃんもそれぐらい?
須合・井村:いや・・・60とかじゃ?(←1963年4月14日生)
辰巳:汗。では聴いてみましょう。
今井美樹「Goodbye Yesterday」(2000年)
https://www.youtube.com/watch?v=BRj02gEjgGk/
辰巳:はい、今井美樹さんの「Goodbye Yesterday」でした。なんか不思議な空間。公開収録ってのもあるんですけど、だんだん空気が和んできて。いつもも月一での4本(or OAの木曜日が5回ある時は5本)収録なんですが、今日はさっさとぶっちゃけたこの開き直り(?)がよかったのか、まわりもどんどん柔らかくなってきた空間がなんか心地いいというか。(↓こんなまったり空間でした)
辰巳:さ、この収録中に何遍も言ってますが、ワインすら興味なかったパートのおばちゃんが急遽ワイン造りをするという。今回イチバンのキーワードです笑。”ワインにハマった”という言葉は僕はあんまり好きじゃないんですが、でもやっぱり「ワインに魅せられた」んですか?
須合:そうですね。まずは「”造る”ことをまっとうしなくちゃ」っていう思いでやってるんだけど、「なんでこんな香りになるんだろ?」「味になるんだろ?」とか、「?ナンデナンデ?」がどんどん増えてくるので、、、
辰巳:そういうのに対しては、他のワイナリーと意見交換したりだとか訪問したりだとかはやってます?
須合:やってます。お伺いする時には(身分を)名乗らずに行くこともありますし、名乗って、向こうも’それなりの対応’をするときもある。
辰巳:どっちがいい?
須合:どっちだろ?(電話等で)アポとっていく場合は名乗りますけど、そうじゃない場合で行った時に、あまりにもシロウトじゃない質問するんでバレちゃって、結果醸造担当の人が来てくれるという笑。だったら「最初から言ってください!」と笑。
辰巳:各地のワイナリーを周ってたりも?
須合:してるんですけど、(自分のワイナリーの)タンクにワインが入ってる間は留守にしづらいので、タンクが空の状態が年に数ヶ月は欲しい。
辰巳:春ぐらい?
須合:ですね、5月ぐらいには。でも今年(2022年ヴィンテージ)は瓶の生産が間に合わなくて「瓶が届かない」ということがとても多かったので、ついこないだまで瓶詰めしてました。でも、そういう”困った時”、いろいろ教えて欲しいというお願いは、ワイナリーを訪問する度に言って周ってます。
辰巳:周ってるうちに「ここのこのワイン好きだー」とか「こんなワイン造りたいー」とか出てきたりしますか?
須合:はい。(基本的に)「綺麗なワイン」が好きですね。濾過するとかしないとか、それはどっちでもいい。とにかく「キレーイな」。
辰巳:亜硫酸も入っていた方が?
須合:「そのほうが”好きな味”」。
辰巳:(亜硫酸)使わずに自然発酵でも「これは飲みたい」ワインもありますしね。そこがなかなか難しいところで。
須合:「こんなワインができたらいいな」っと勝手に思ってるワインはありますけど、そのときそのときでいろいろありますから。
辰巳:最近だったら?
須合:奥出雲ワイナリーさんで、カベルネのロゼを造ってたんです。色は淡いんですけど香りが良くて「沁みるように美味しかった」。そこで「カベルネのロゼを造りたい!」と思って。(←先週のOAもテイスティングは「カベルネロゼ」でした)
辰巳:そういえばあんまり聞いたことなかったんですけど、シェフはどんなワインが好きなんですか?
井村:そーぅですねぇ。
辰巳:フレンチのシェフだからフランスワインばっかり飲んできたでしょうけど、この番組が始まって(3年)。今は日本ワインばっかりでしょ?笑。
井村:はい、大量に笑。
辰巳:おそらく”日本一大量に『日本ワイン』を飲んでるフレンチのシェフ”だと思います笑笑。
井村:月に20種類ぐらいは飲んでます。どれが好きって・・・。それぞれ個性もあるし造り手の努力の背景もいろいろ、考え方持ってやてるんで、一言では言えないんですけど。
辰巳:ラジオでは毎回美味しい美味しい言ってますけど?笑。
井村:だって美味しい笑。
辰巳:この「美味しい」を言った後にどうするか?『食いしん坊万才!』のときも「美味しい言うたらアカン」言う人もいたんですけどね。
でも「美味しいものは美味しい」し。ね。
辰巳:こっから先『日本ワイン』、どういうふうになっていくといいと思いますか?
須合:ワインを難しくなく感じて欲しくて。「とにかく気軽に」飲んで欲しいと思っています。家に帰って「プシュっ」ってビール開けるように、ワインも同じように。
辰巳:最初はプシュっ、なんですか?
須合:最初はビール開けて、そのあと「何飲もっかな〜」。そのぐらい近くにワインがあればいいと思ってます。いろんなことを知ったら(知っただけ)楽しく飲めると思います。それを知らないから「飲めない」「飲みづらい」になる。
辰巳:そうはいうけどワインってなかなか”敷居が高い”と思われがちで。
須合:(ブックロードのワインの場合)まずはラベルについてるデザインの食材と合わせて飲んでみる!
辰巳:今回のラベルの”キャラメルポップコーン”ですが、ワインに合わせようとしたことがないんですよ。
須合:ワインってお食事の時には飲むけど、じゃぁあとはどんな時?ってなって「映画観るとき」。「ゆっくり観る(映画)✖️ゆっくり飲む(ワイン)」でいいんじゃない?
普通考えないことをこちらから提案して、実際やってみて「面白かったゎ」って言う人が一人でも二人でもいれば”ワインの入り口”は難しくないんじゃないかなと。
辰巳:そうですか!4回にわたってお送りしました9月のお客様は、東京・御徒町の街中ワイナリー「葡蔵人(ブックロード)」の醸造責任者、須合美智子さん。この’葡萄の葡’、’蔵人の蔵’’飲み人’の3文字でブックロード。
須合:「ブドウと農家さんと醸造する人、そして飲んでくれる人」、です。
辰巳:三位一体、みたいな。
その「ブックロード」の醸造責任者、須合美智子さんでした!
全員:ありがとうございました!!!
(大拍手〜👏)
お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
葡蔵人〜Book Road〜
https://www.bookroad.tokyo/
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年9月28日放送回
- ワイナリー
葡蔵人〜Book Road〜
https://www.bookroad.tokyo/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/