ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年6月29日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年6月のゲストは山梨県勝沼の「丸藤葡萄酒工業」代表取締役の大村春夫さんです。
話はワインからいつの間にか武田信玄へ、「マリアージュ」と「ペアリング」はどう違う?・・・
あいかわらず振り幅が広い大村節、今回が最終回です。(全5回 5回目)

辰巳:6月最終週、5週目。おつきあいいただいてありがとうございます。改めて、6月のお客様は山梨県勝沼からお越しいただきました「丸藤葡萄酒工業株式会社」大村春夫さんです。

そしていつも通り、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:1890年創業の4代目!ルバイヤートっていう商標は最初からなんですか?

大村:いやいや。創業から今年133年ですけど、ルバイヤートっていうブランド名がついたのは昭和31年ですから67年目ですね。

辰巳:この名前はペルシャの*オマル・ハイヤールという詩人からつけた名前。この「酒と美女」の四行詩はお酒を飲んじゃいけない歳の頃から好きで笑。今では『ルバイヤートは「酒と美女」、イコール大村さん』というイメージが笑。どうしてこの名前を?
(*オマル・ハイヤール(ウマル・ハイヤール)参考サイト:https://www.y-history.net/appendix/wh0504-022.html

大村:昭和29年に関川さんっていう方が*日夏耿之介(ひなつこうのすけ)さんという方を連れて来られて、長野県の飯田の生まれで今記念館もありますけど。
(*日夏耿之介参考サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/日夏耿之介

辰巳:何者なんですか、その日夏さん?

大村:作家ですよ。大学の先生なんかもやられてた。その29年の12月にうちに来た時に親父が、「これから本格的にワインをやりたいんでブランド名をつけてほしい」とお願いしたんです。
それまではブランド名はなく、”薬用葡萄酒”だった。ラベルには”メディカルワイン”と。(お宅にまだそのラベルがあるそうです)

辰巳:お父さんの時代ですね。昭和29年というと大村さんまだ3歳ぐらい?

大村:そんなもんですね。それから1年ぐらい経ってから名前を3ついただいた。

1「ルバイヤート」

2「シャリオドール」(←フランス語で「金の馬車」)

3「アンシャンテ」(←フランス語で「初めまして」)

ワイン初心者には「アンシャンテ」がいいだろうということだったんですけど、後に他社が商標登録してるところがあったっちゅことで今は上の2つを使ってます。

辰巳:今日のワインは「ルバイヤート ルージュ 樽貯蔵2018」。乾杯したいと思います。

全員:カンパ〜イ🎶

【ルバイヤート ルージュ 樽貯蔵 2018】
https://www.rubaiyat.jp/item/285/

辰巳:赤ワインでございます。井村シェフ、このワインはいかがでしょ?

井村:そうですね、個人的には口当たりはすごくライトだなと思ったんですけど。でも味わいはしっかりとしていてお肉と合わせてみたいなぁと思えるワインです。

辰巳:しっかりしているんですけど、ある種のエレガントさがある。

大村:個人的にはちょっと樽香が強いかな?もうちょっと早めに上げればよかったかな?っと思ってますけど。

辰巳:2018年ヴィンテージですから5年前のヴィンテージですけど、あと5年ぐらい寝かせておいてもいいかな、っというワインです。

”限定醸造9000本”って?ちょっと桁間違えたかなっていう本数ですけど?爆。樽の比率はどれぐらい?

大村:(セパージュは)メルロー90%、カベルネ7%、プティ・ヴェールド3%。これに新樽は使ってなくて、木樽で12ヶ月。それぞれの品種別々に樽に入れて12ヶ月、最後にブレンドします。メルローが多いですけど、これも一空樽二空樽、たまに三空樽も。

辰巳:でも90%ってことは、す、すごい数ですよね?

大村:はい、勝沼の畑だけじゃなくて塩尻の契約農家からも。98年に日本が赤ワインブームになるじゃないですか。それで、うちは黒ブドウが足りなくて困って、すぐに塩尻の知り合いの百瀬さんのところに行って調達。昔(塩尻の)ナイアガラやコンコードが余って困った時に、うちの親父が忍びなくて引き取ってあちこちのワイナリーに分配したんですよ。それを恩義に感じてくれてて、うちの母親を温泉に招待してくれたりしてたんです。

だけど武田信玄が(諏訪)頼重を殺して湖衣姫を略奪したのをいまだに恨みに思ってるらしく、百瀬さんの話によると、長野県民は信玄をよく思ってないらしい。「今だにそんなことがあるんだ」笑。

辰巳:逆に山梨県人は武田信玄大好き♡

大村:ま、ま、そうですね笑。もう400〜500年経つのに。

辰巳:織田信長&徳川家康嫌い👎爆。

大村:いやいや、嫌いじゃないかもしれないですけど。でも、あいかわらず信玄♡。信玄が病気で死ななかったら「ひょっとしたら?」って思ってる人いっぱいいますからね。『山梨県の誇り』、ではありますが、なんかあると武田信玄、今だに信玄に頼ってる山梨県人もどうよ!?

辰巳:でも地域の英雄ですからね。それは大事にするべきですよ、テロワールと同じくらい、、、ってなんの話でしたっけ?爆。ぁ、樽がたくさん。これ樽に入れてるものだけをブレンド?

つまり30樽でしょ?プティ・ヴェールドが1樽でカベルネ2樽、あとはメルロー。

大村:そんな感じですね。

辰巳:これが2000円台(2640円)ってかなりコスパいいですね。位置付けとしては?

大村:ヴィンテージがない低価格帯→「Rシリーズ」という樽に入ってないもの→これは「その次のランク」。でもけっこう手間かかる、目減りもするし樽代も高い。。。

辰巳:あれ、シェフ、お料理まだでしたね。今日のワインの話は聞きましたね汗。今日どこまでどんな話したのか、もう忘れてる(←ここまでわずか9分です)。もうね、最近こんなんです笑笑。台本もなければワイン(アルコール)入ってる🍷そんな番組。😆

はい、今日のお料理はなんでしょう?

【豚バラ肉のワイン煮込みをベニエに 初夏の野菜を添えて】

井村:大阪の方で言う’ブタ天’なんですけど、こっちではあんまり聞いたことない。

辰巳:学生時代’とり天’といっしょによく食べてましたけどね。

井村:ま、それにインスピレーション受けてこれにしてみたんですけど。豚バラ肉をいっぺん煮込んでから、衣付けて揚げてみました。レモンの香りのするソースで。

辰巳:美味しい、懐かしい味♡

大村:この、天ぷらみたいに揚げてる衣が赤ワインにはとってもいいですよね。ソースもいい。

井村:これは豚肉を赤ワインで煮込んだのがベースになってます。そのゼラチン質と野菜が溶けてとろみが出てます。

大村:そんなにパワフルじゃないですけど、これにはちょうどいい。

辰巳:あとはこのカブ。根菜とメルローってよく合いますよね。

大村:最近よくレストランなんかでも(お料理とワインの相性のことを)”マリアージュ”じゃなく”ペアリング”っていうんですよねー。

井村:はい、そうですね。

辰巳:なんでですかね?”マリアージュ”を説明するのがめんどくさいからですかね?

大村:あのね、こういうことらしいですよ。”マリアージュ”ってのは「カップル」もしくは「ご夫婦」の意味。レストランで食べたり飲んだりした時に、お客さんが「このワインにこのお料理、とっても合うね」っという意味で使うのはいいんですよ。

でも、「ソムリエが、お客さんの食べる前から”マリアージュ”とか言っちゃダメだよ」っというのを田崎(真也)さんのセミナーで聞きました。河口湖で言ってました笑。

辰巳:あっ、彼がそんなこと言ったんですか?

大村:シェフはまさしく”マリアージュ”してきたんですよ。でもソムリエさんが料理を食べもしないで「このマリアージュは素晴らしいですよ」、ってのは間違いですと。

でも田崎さんそれまで散々”マリアージュマリアージュ”って言ってきたんじゃ?って僕はこころ密かに思ってました。ぁ、これ言っちゃたよー爆。

辰巳:でもソムリエは”その料理に合わしたワインを選ぶ”というクリエイティヴな行為じゃないですか。それは別に悪くないと思います。

大村:ソムリエ協会の方針みたいです。

辰巳:その違いがよくわからない。フランス語の英語の違い?笑。なんかフランス語じゃ・・・なくてもいいのかな。(←辰巳さんフランス嫌い)

ま、そのときの気分で。

大村:マリアージュの方がなんとなく柔らかい感じはしますけどね、鼻に抜ける鼻母音みたいな笑笑。

辰巳:じゃぁそれに近い日本語を造ればいいんじゃ?「相性」でも「お見合い」でもそんなのあったらいいかなと思いますけど。

大村:考えてくださいよ、辰巳さん。なんかそういうことしましょうよ。(←あれ、本気で向かいますか?)「日本のワインを愛する会」の責任ですよ。(←圧)

辰巳:ではこれは宿題ということで。募集でもかけますか笑。

辰巳:時間もなくなってきてしまいましたが、最後のリクエスト曲は?

大村:都はるみさんの「北の宿から」。

辰巳:あれ、都はるみさんも蔵コンに来られたんですか?爆。

大村:ぼくはあまり都はるみって人が好きじゃなかったんすよ、あんこ椿とか唸るやつが。ところが私がフランスに留学してる時に、友達が訪ねてきた。その友人が「北の宿から」の曲がいいというんで「来るならそのCD(←なんてありません、カセットテープ)持ってきてくれ」と頼んでたんです。そしたら作曲が(小林)亜星さんじゃないですか。それまでの都はるみの曲とはぜんぜん違ってた。

そのテープを擦り切れるまでボルドーで聴きました。

辰巳:(この曲の)どこに響いたんですか?歌詞?

大村:です。今までの都はるみの歌とはぜんぜん違ってて、

辰巳:その頃好きだった人思い出してとか?笑笑

大村:一途な女の人がセーター編んでるわけですよ、着てはもらえぬセーターを笑笑。

辰巳:これ作詞誰でしたっけ?

(スタッフ:阿久悠)

大村:なかなか美しい日本語が散りばめられていて、

辰巳:この頃の歌の歌詞がねぇ、いいんですよ。では久しぶりに聴いてみたいと思います。「北の宿から」

都はるみ「北の宿から」(1975年)
https://www.youtube.com/watch?v=c4MD65V-cmQ

辰巳:年取ると演歌はいいっすね。こういうイメージは日本人はやっぱ持ってた方がいいですね。フランス料理だとかワインだとか変にハイカラになって、まぁそれもいいんですけど。ワインも、これまでの日本の心情や歴史に寄り添うようなワインであるべきだと思ってるんすけど。どうすか?

大村:そう思いますよ、僕らも。だから”マリリン・モンローのようなカリフォルニアのワイン”よりは、”抱けば骨が折れそうな着物姿の華奢な”イメージって方が甲州のイメージには合ってると思います。

辰巳:ん、、、笑。

大村:ん、、、って。。。

辰巳:山本(博)先生もそうでしたけど、以前はワインを、「男性は女性に例えて」「女性は男性に例えて」ってのが多かったんですけどね。最近はだんだん窮屈な時代になってきて。具体的に名前出しちゃいけないんです。

大村:僕は八千草薫さんが好きで(←秒で出ました)、古いなぁって言われそうだけど笑。カミさんがけっこう似てたんです、額の広さが。

辰巳:奥さまの名前はなんでしたっけ?

大村:チエコです。

辰巳:松原智恵子さんの智恵子?

大村:違います、「ち」は知恵の下に日がある智、「え」は英語の英に子供の子。(←智英子)’チエイコ〜’なんですけど、手紙でまともに書いてくる人はほとんどいなかったですね。

辰巳:八千草薫さん似の奥さんのこと、もっと伺いたかったんですけど。僕はロマンスという朝ドラデビューの時のナレーションが八千草さん、だったような。

大村:昔の女優さんですけど、でも僕はそういうワイン作りを目指したいな。

辰巳:こんなこと、どっかで公言されたことありますか?

大村:いやいや、こんなこと公共の場で言っちゃってよかったのかな?

辰巳:ぜんぜんいいんじゃないですか?これだけ500軒とか言われるワイナリーが増えてきて理解の仕方もいろいろありますが、わかりやすいのがいいと思います。

大村:「ご主人の後を3歩下がって歩くようなワインを造りたい」っちゅ憧れがあって、「シュール・リー」はそういうワインだと思ってるんですけど、そんな話をカミさんにしようもんなら「今時そんな人がいるなら会ってみたいゎ」、で夫婦の会話がそこで途切れる爆。

辰巳:チエイコ〜はそんな方だと思ってました。

大村:爆。今や旦那さまより3歩先を行く女性が多いですからね〜。

辰巳:スンマセン、話がいろんなとこにぶっ飛んじゃいましたけど、6月5回にわたってお送りしましたゲストは「丸藤葡萄酒株式会社」代表取締役社長の大村春夫さんでした。本当にありがとうございました!

全員:ありがとうございました!!!

お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

https://www.rubaiyat.jp

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年6月29日放送回

ワイナリー

丸藤葡萄酒工業株式会社
https://www.rubaiyat.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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