ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年6月1日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年6月のゲストは山梨県勝沼の「丸藤葡萄酒工業」代表取締役の大村春夫さんです。
日本で最も古いワイナリーの一つの4代目が満を侍して登場!昨年公開された日本ワインを題材にした映画、「シグナチャー」では大村さん役を辰巳さんが演じるという縁も。
その撮影時の「辰巳さんならあるある」エピソードが早々に暴露されてしまいます。(全5回 1回目)

辰巳:6月です!今月は(放送日が)5回あるんでどなたをお呼びしようかと思っていたんですが、いちばんたくさんお話ししてくださりそうな大村さんをお招きしました。

山梨県勝沼の「丸藤葡萄酒工業株式会社」、大村春夫さんです!(←ネタ持ってそうですねぇ笑)
「シグナチャー」っと言う映画がありまして、ワタクシが大村さん役を演じさせていただいているというご縁もありまして、、、。今月はよろしくお願いします!

そして、この番組の会場「Villas des Marriages多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています。

全員:よろしくお願いします‼︎!

辰巳:さ、まずは乾杯して始めたと思います。これはどんなワインでしょうか?

大村:「クレマン・ド・ルバイヤート」というスパークリングワイン。’クレマン’ですから泡は控えめ、通常のスパークリングよりは気圧は低い。っというワインです。

全員:カンパ〜イ🎶

【2022 クレマン・ド・ルバイヤート】
https://www.rubaiyat.jp/item/298/

辰巳:すごいソフトタッチ!でも完全なる辛口、のワインです。シェフこれはいかがですか?

井村:非常に柔らか〜い、上品なワインですね。

辰巳:これは、品種は?

大村:マスカット・ベーリーAです。

辰巳:大村さんはマスカット・べーリーAが嫌いとかそんなのあります?

大村:ないですよー。地元にあるブドウですから、甲州と共にわれわれにとってはとっても大事なブドウ。
カベルネとかメルローとかもちろん大事なんですけど、(地元では)一般的に作ってきてますから。

辰巳:中央葡萄酒の三澤(茂計)さんがこの番組に来てくださった時、「(マスカット・ベーリーAは)いいブドウだと思うけど、嫌いなんだから仕方ない」と爆。

大村:これは好みなんだから仕方ない笑笑。

辰巳:ワインはすべて好みですからね。三澤御大とは年齢的には?

大村:三澤さんの方がちょっと?、3つぐらい?上。

辰巳:大村さん、4月に誕生日迎えられて72歳!

大村:もうこの業界の長老になってきましたね笑。

辰巳:井村シェフは大村さんは初めて?

井村:初めてです。でも「ルバイヤート」とか「丸藤葡萄酒」とかは聞いた事あります。

辰巳:「*シグナチャー」って映画がありまして、こないだ山梨でも上映会あったんですけど、
(↓映画のロケ地は主に勝沼界隈です)

大村:その時の裏話。辰巳さん、得意先のバイヤーがちょうどうちの座敷に来て飲んでた時、撮影の休憩中にそれ嗅ぎつけて乱入してきた笑笑。
それで一杯飲んでまた監督に呼ばれて戻って撮影してまた戻ってきた(←飲みにね)爆。

辰巳:撮影のワンシーンって短いんですよ。「待つのが仕事」って言われるぐらい待つ時間の方が長い。大村さんちは『最高の待つ場所』だった爆。

大村:そこそこいいワイン開けてたら嗅ぎつけてくる辰巳さん笑笑。

辰巳:だってすごくいい匂いした爆。なんならそこに(映画の)控え室あってもよかったんじゃ?笑笑。
あれはもう2年前ぐらい?映画が去年公開でしたからもうおととしだ。

大村:でも今年のゴールデンウィークまでやってて、だからブルーレイを「全国放映終わるまで貸し出せません」って言われてて。

辰巳:おととしの暑い夏に撮影してたんですねー。

ラジオのお聴きの皆さんで、まだ「シグナチャー」をご覧になってない方?どっかでなんとか見つけて観てください!けっこうい〜い映画です。

大村:「日本をワインの銘醸地に」っというのが軸にあって、(表向き)安蔵光弘くんと麻井宇介さんの話なんですけどじつは安蔵くんと奥さん(正子さん)の純愛物語笑。多分それが6割笑笑。なかなか面白いですよ。

辰巳:これでさらに日本ワインが盛り上がればいいなと思ってるんですが。
(*シグナチャー:https://signature-wine.jp/#

辰巳:さてこのスパークリングは’クレマン’っということですが、以前シャルドネでスパークリング造ってませんでしたっけ?

大村:あれは「*エチュード」。いわゆるスパークリングワインなんですけど、うちはスパークリングワイン始めるのけっこう早かったんですよ。
ブルース(・ガットラブ)が最初にやってたんですね、COCOファームの「NOVO」。それから山梨では最初に機山(葡萄酒工業)、山形ではタケダワイナリーさんが「キュヴェ・ヨシコ」。
(*エチュード:https://www.rubaiyat.jp/item/322/

辰巳:その前に十勝。

大村:十勝その前にやってました?瓶内2次?そうか。それらを見て僕らもスパークリングを。瓶内2次発酵ってものがうまくいくもんか見てみたくて。
低いアルコール度数のワインを造って澄ませて、そこに砂糖と酵母入れて瓶に入れて再び発酵させる。そしたらどうしても澱が溜まりますよね?
そこからルミュアージュ→デゴルジュマンをするんですけど当時は結構不発弾も多くって・・・。

辰巳:これをあえてクレマンにしたのは?

大村:スパークリングワインとしてはすでに「エチュード」がありますので、これはもうちょっと初心者向きに楽しんでもらおうってことで。
マスカット・ベーリーAなので香りも甘いじゃないですか、でもあまり’キャンディキャンディ’しないように気をつけて少しガス圧を低くして。

辰巳:これは2022年ですけどファーストヴィンテージは?

大村:3年ぐらい前です。

辰巳:ちなみにこれはおいくらですか?

大村:2400円+消費税。

辰巳:いいお値段ですね(←お手頃と言う意味ですよ)。

辰巳:さてシェフ、このワインには紫色のブルーテ?

井村:はい、今日は紅くるりという赤い大根を使ってます。

辰巳:大根?なんか冬のイメージですけど?

井村:そうですけど、でもまぁ種を蒔く時期をコントロールしながら農家さんもやってらっしゃるんで。

辰巳:ではいただきまーす!

大村:いただきます!

【中西ファーム 紅くるりのヴルーテ】

辰巳:これ大根の甘みだけでしょ?このクレマンの紫がかった色にもすごくマッチしてる。大村さんいかがでしょ?

大村:美味しいです♡”(料理とワインの)マリアージュは色で合わせる”の鉄則に合ってる。
昔服部料理学園に呼ばれて行ったことがあったんです。そのときに野菜炒めが出た。
山本益博さんいわく、「とにかく安いワインを」持ってこいと。
でも僕らは「(甲州の)シュール・リー」を合わせたいじゃないですか?でも結局合ったのはヴィンテージもない一番安いロゼだった。
(←黄色いラベルのヴィンテージもない安いルバイヤート(おそらくこちら:https://www.rubaiyat.jp/item/265/

でも野菜炒めって豚肉が入っててキャベツが入って、ピーマン、ニンジン、もやし・・・。いろいろ入ってる。
その時に「シュール・リーは合わない」、を実感しました。野菜炒めには(ロゼの)ドライが合うことがわかったんですが、少し甘味残したこれはこのブルーテと合うと思います。

辰巳:いやぁ美味しいな♡もっと食べたい。(←番組中の試食はスモールポーションなのですぐ食べ切ってしまいます)

大村:「もうちょっと食べたい。」で、やめとくほうがいいんですよ笑。

辰巳:今日いただいているお料理とワインのグラスはこちら(「Villas des Marriages 多摩南大沢」)のお店で召し上がれます。ぜひ肉眼で見て、香りを嗅いでいただきたいなと。

大村:彩りもとてもキレイでいいです😍

辰巳:さぁ、何から伺いましょうか?すごい古いワイナリーですよね?1890年〜でしたっけ?

大村:今年で133年目です。明治23年から。

辰巳:現存する勝沼界隈のワイナリーで何番目?

大村:メルシャンさんがいちばん古いんですよね。その次ぐらい。

辰巳:まるき(葡萄酒)さんは?

大村:、は、うちより1年後。

辰巳:”まるきさんの前身が最も古い”って聞いたことあるんすけど?

大村:いや、メルシャンさんの方が古いですよ。メルシャンの土屋龍憲さんから派生したのがまるきさんなんで。
(メルシャンの)最初は「大日本山梨葡萄酒会社」。そこにうちの4代前のじぃさんが出資してることがわかってるんです。
1877年に2人の少年がフランスに渡る(高野正誠・土屋龍憲)時に、「株式会社組織にしないと連れて行けない」と。当時の山梨県知事も一口出してた。

伊藤博文のときに”殖産興業”ってのを起こすんですね、後に富国強兵にもつながってくんでしょうけど。
富岡製紙工場もそうだと思いますが、全国にブドウを植えさせたのもその一環。青森とかにも植えさせられたんですが、それがだんだんフィロキセラにやられていくわけですよ。
兵庫の播州葡萄園や内藤新宿?今のなんでしたっけ?園遊会やるところ・・・新宿御苑だ。そこもそうでしたよ。

(話戻ります)

その2人の青年をフランスに連れてくために、当時のうちのじぃさんにお金があったかはわかりませんが、一口出したと。
それから100年経って僕とマンズワインの松本信彦がボルドーに行くことになるんですよ。

辰巳:ちょうど100年?1977年ですね。僕は受験勉強してちょうど大学入った頃。

大村:でも僕がフランス行って帰ってきて覚えた言葉は「ジュテーム」だけ笑。

辰巳:もうちょっと色っぽく発音してくださいよ笑笑。

辰巳:ここでリクエスト曲を。今日はなんにしましょ?

大村:「また逢う日まで」。

辰巳:尾崎紀世彦さん。これはなぜ?

大村:うちに時々来てたんですよ(←!!!)小淵沢に馬場があってそこにくるついでに。。。

辰巳:そうですよ。尾崎さんにその馬場でしょっちゅう会ってました(←!!!)

大村:まだ高速道路今みたいに繋がってないころ、甲府の寿司屋さんの紹介でうちに来てたんです。そのころ東京駅で「駅コン」ってのをやってるよって噂で聞いてた。
「だったらワイナリーの中でやった方が面白いじゃん」ってことでうちで’ワイン蔵でコンサート’、「*蔵コン」ってのを始めたんです。
当時サッポロワインに勤めていた辻綾子さんの知り合いのシャンソン歌手で水織ゆみさんってかたがいらして、彼女が「蔵コン」の1回目。

2度目が尾崎さんってことになってたんです。なのにその話の進行中に彼が祖師ヶ谷大蔵からどっかに引っ越したんですよ。
それから連絡がつかなくなっちゃったんですけど、しばらくして彼から電話があって「あの話はどうなった?」笑。
「いやいや待ってましたっ!」笑。その2回目とあとは10回目、出ていただきました。
(*蔵コン:https://www.rubaiyat.jp/kuracon/

辰巳:まずは聴きましょうか。

尾崎紀世彦「また逢う日まで」(1971年)
https://www.youtube.com/watch?v=-4OJ78bZVsA

辰巳:いやぁ、いい歌ですねぇ。彼の声も若いですね。まだ最初の頃、これでブレイクしたんですもんね。シェフが生まれた頃の歌?

井村:そうですね、多分。

辰巳:今スタッフが調べたところ1971年の曲でした。シェフが生まれる1年前!

辰巳:勉強はどちらでやってたんですか?

大村:僕は東京農大。4年生の時に卒論で*醸造試験場というところに行ったんです。7研究室あって清酒の研究室が多い中、第3研究室ってところが **大塚(謙一)先生のところだった。
(*醸造試験場:独立行政法人酒類総合研究所 現在は広島にありますが、当時は東京都北区の滝野川にありました)
(**大塚謙一参考サイト:https://asevjpn.jp/web/wp-content/uploads/2022/06/vol05_-no3_11.pdf 当会の前身、「日本ワインを愛する会」初代会長でもありました。)

辰巳:ってことは大塚先生の教え子でもあるんですね。

大村:そうです。そのころニッカウィスキーとサントリーからも優秀な研究生が来てて、「こいつらすごいなー」っと思ってましたよ。

辰巳;どなた?

大村:藤原孝行(ニッカ)と佐藤賢次(サントリー)。この2人は他の研究室からも羨ましがられたっすよ、「技官と同じレベルが2人いる」。
2人とも会社から送り込まれてきてるんですけどとにかく華やか。ワインもやってましたけどブランデーだったりウィスキーもやってる。
大塚先生も”サケ・ムスー”なんていう日本酒のスパークリング造ったり(←今は普通にありますが、当時は画期的だったと思います)。おもしろかったですよ。

辰巳:あれ、大村さんは5代目?

大村:4代目。出資した例のじぃさんから数えると5代目なんですけど、創業したのはその次の代からなんで。

辰巳:次回この話の続きは大村さんの若い頃の話からたっぷりとお伺いしたいと思います。
今日のお客様は山梨県勝沼の「丸藤葡萄酒工業」の4代目社長、大村春夫さんでした。また来週よろしくお願いします!

全員:ありがとうございました!!!

お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

丸藤葡萄酒工業株式会社
https://www.rubaiyat.jp

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年6月1日放送回

ワイナリー

丸藤葡萄酒工業株式会社
https://www.rubaiyat.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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