ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2023年5月25日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2023年5月のゲストは長野県高山村の「信州たかやまワイナリー」、鷹野永一さんです。

今回はボルドーブレンドの赤ワインで乾杯!ワインのフィネスって?鷹野さんの目指すワイン造りって?
いろんな「?」に応戦していただいた最終回。(全4回 4回目)

辰巳:5月最後の週になってしまいました。今月のお客様は信州たかやまワイナリーの鷹野永一さんです。
(いつも通り、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています)

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:ぜんぜん話が進まないまま最終回笑笑。最後なに話したいですか?笑

鷹野:ま、これからどういうとこ目指していくか?ってなところになるかと。

辰巳:高山村には何年ぐらい前から?

鷹野:その「特定任期付職員」になって2015年から高山村に。1年間は村の地方公務員になりまして、そのあと2016年の4月からワイナリーに転籍しました。

辰巳:メルシャンに別れを告げて?笑。けっこう引き止められたでしょ?

鷹野:いやいやいや、快く送り出してくれましたよ。

辰巳:ま、職人の世界ですから’独立するのは応援しよう’という気風はあるんですかねぇ?

鷹野:まぁ、、、どうなんすかねぇ。応援してくれる方の意図は読み取りづらいんですけど、「がんばってねー」と。
こちらの背景も全部承知していただいてたんで。

辰巳:高山村ってどんなとこ?

鷹野:最初にワイン用のブドウを植えられた頃(1996年)から見続けてきたってのもあって、赴任した瞬間はそんなに新鮮な気持ちはなかったです。
ただ、やり出すことは「まったく新しいこと」なんで、かなり緊張感を持ってこの地に臨んだってのは覚えてます。
最初は2月の初旬だったんで雪降ってましたけどね。「ぁ、やっぱ雪の降る地域なんだ」っと実感するところからのスタートです。

辰巳:寒がり?

鷹野:寒さダメですね、年々弱くなってる笑。

辰巳:でも景色もいいし、「いい産地だなぁ」ってのはつくづく感じます。

鷹野:本当に素朴で牧歌的な景色。

辰巳:そういえば、ワイン飲むのを忘れておりました。シェフが(我慢できずに)香り嗅ぎ始めてしまいました。
まずは乾杯したいと思います、今日は赤ワインです!

全員:カンパ〜イ🎶

信州高山ワイナリー「Merlot&Cabernet 2019」
https://www.shinshu-takayama.wine/post-1014/

辰巳:ぁ!美味しいっ。シェフいかがですか?

井村:香りは”グイっ”っときますけど、でも飲み口はすごいエレガント。上品なワインだと思います。

辰巳:これはどういったワインですか?

鷹野:メルロー&カベルネ、典型的なボルドーブレンド。メルローとカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フランをブレンドした2019年のヴィンテージです。9ヶ月樽の中で熟成しております。

辰巳:何本ぐらい造ってます?

鷹野:8000本、かな。これとちょっと違うロットがあってそっちは1300本ぐらい。こっちの方は澱下げと濾過をしてます。
そのワインは高山村の平飼いされてる鶏の卵白で清澄してるんです。シェフからも伺いましたけど、コンソメスープを澄ます時に卵白入れることってなんていうんでしたっけ?。

井村:クラリフェ。

鷹野:あ、そうだ。で、余った卵黄はボルドーではカヌレになる。

辰巳:澱を染み込ました卵白もなんかに使えないんすか?笑。

鷹野・井村:笑。いやぁどぅでしょう。

辰巳:さて、今日のお料理は?

【牛フィレ肉のプロヴァンス風】

井村:赤身のオーストラリアのお肉を使ったプロヴァンス風っていう料理。ラタトゥイユを上に乗せたオーブン焼きです。
このワインには”赤身”のお肉を合わせたいなっていうのと、初夏なので香草6種類を効かせたバターソースに仕上げました。

辰巳:バジルの香りが強いですね。

井村:あとはミント、チャービル、イタリアンパセリ、、、。

全員:いただきます!!!

辰巳:(映像映らない)ラジオではお聴きの皆さん、どんな風に聴いてらっしゃるのか?美味しいお料理と美味しいワイン頂いてます、すいません!
鷹野さん、いかがですか?

鷹野:・・・すいません、まだ上の野菜から肉に到達してませんっ💦

辰巳:んー、でもボルドーブレンドとはいえボルドーのワインとはぜんぜん違いますね。この柔らかさというかしなやかさというか。

鷹野:瓶詰め、リリース時点はもっとカッチカチに硬かったんですよ。線も細かったし。この2019年というヴィンテージは台風の被害があって、千曲川が氾濫して新幹線の基地が水没した年。
その仕込み中の真っ最中だったかな。このワインを飲むたびに思い出します。でもだんだん熟成して柔らかさが出てきて、だいぶ安心してます☺️。

辰巳;リリースしたのは去年?

鷹野:そうです。

辰巳:これはおいくらぐらい?

鷹野:これは税込で3300円。

辰巳:日本ワインってね、3000円ちょっとで同じ値段の輸入ワインに比べて割高。高いっちゃ高いんですけど、最近そうでもない気がしてきたと思いませんか?
ガツンっとくるのはありませんがある種の”フィネス”がある。
フィネスってね、フランス語ですが、フランスに行かれてた鷹野さん、どう訳しますか?

鷹野:日本語にするのは難しいですけど、’クリーンでバランスがいいこと’、に通ずるところがあると思うんですけど。

辰巳:クリーンってイメージは僕は持ってなかった。

鷹野:表現的にはアレかもしれないですけど、「ちょっと”薄化粧”して人前にでる」。その心構え、姿勢が必要なんじゃないかな。
それがワインにあると”方向が合ってる”って感じる。

辰巳:なかなか哲学的、「薄化粧」。サンダル履きのようなワインも最近は多いですけど、”軽いオシャレ”もね。

鷹野:自分自身をさらけ出すようなワインももちろんありますし、牧歌的なスタイルもありますけど、それとはちょっと違う「素直さ」。

辰巳:素直さか。シェフどうですかこの”フィネス”という言葉?

井村:料理の世界でも聞きます。

辰巳:今日のマリアージュはラジオの説明ではなかなか難しいかもしれません。ぜひこの「Villas des Marriages 多摩南大沢」で試していただければと思います。

辰巳:ではここでリクエスト曲を聴きたいと思います。今日はなんにしましょう?

鷹野:最終回は「未来の歌」。吉井さん、っていうより’イエモンのヴォーカリスト’って言った方がわかりやすいですかね。

辰巳:聴いたら(僕にも)わかりますかね?ではどうぞ。

吉井和哉「みらいのうた」(2021年)
https://www.youtube.com/watch?v=SpxVD1bwd3A

辰巳:曲調はちょっと暗いですけど「みらいのうた」、でした。

鷹野:ここまでワイン造りやってきて何一つ未完成な状態。これから新しい世界も作っていくんだけど、自分を鼓舞するような思いを込めて。
ある人から「この曲弾き語りできたらカッコいいよ」っとか言われて、ギターやったことないにもかかわらず、昔もらったギター実家から引っ張り出してきて、弦も張り替えてやり始めた笑。

辰巳:じゃ、この曲できるんすか?

鷹野:だからまだまだなんですよ笑、去年の11月からですから。

辰巳:一応お披露目できる期限決めときましょうよ、いつ?爆。その頃にはまたワイナリー見学行ってBBQでもしながらそこでお披露目♡

鷹野:ま、ま、お、お待ちしとります汗爆。

辰巳:これからの話。これからどんなワイン造りを?

鷹野:世界中でワイン産地がある中「なんで日本でワイン造ってんの?」ってなった時、(日本人にとっては)環境と言葉にアクセスしやすい。
食にも安心感があって繋いでくれるんじゃないかなと。今後それを「ワイン」&「食」を一つの”文化”として成熟させていくためには、まずは「多くの人に関心を持ってもらうこと」。「現場を見てもらうこと」。そして僕もずっと考えてたことですけど将来の子供達に、過去から現在、未来に繋ぐ『美味しさ』とは何か?を追求することを担っていける方がいたらいいなぁと思っています。

辰巳:それは飲み手として?造り手として?

鷹野:両方。

辰巳:ですよねぇ。飲み手いないとね、いくらワイン造ってもね。

辰巳:高山村に引っ越して8年目?どうですか、高山村への思い入れ、地元意識ってあります?骨を埋めんのかなぁとか?

鷹野:不思議とそういう覚悟もないんですよ。すごくね、フラット。重心はいつも真ん中。

辰巳:実家の山梨、とか?

鷹野:いや、山梨どうこうじゃないですよ。でも、行けるような立ち位置にはいる。北海道にも行くかもしれないですし、またフランス戻るかもしれないし、イタリアかもしれないし、または南半球かもしれないですし、、、。縁を強く感じればどこにでも!

辰巳:あの。。。悪い言い方すれば今は”高山村に腰掛け”?爆。

鷹野:いやいや、そういうわけじゃないです。だって飲んでいただく方もそういうところは見抜きますからね、我々の本気度は必ず伝わってますから。
真剣勝負はしてますよ。ただ。”固執しすぎない”。

辰巳:難しいね、’しすぎない’って。料理人もそうでしょ。シェフもこの会社の料理を仕切ってるわけでしょ?

井村:そうですね。今はこの八王子の店で、地元の生産者と一緒に料理を作っていきたいなっと思ってます。それが今後どこの場所になるか?
縁があった場所でまた料理を作りたいと思います。

辰巳:運命というか出会いというか、本当にわからないものですしね。まさかシェフもここでラジオのレギュラーで喋ることになるとは思わなかったでしょうし爆。

鷹野:僕もここにいなかったでしょうし。状況と流れがうまく・・・。

辰巳:鷹野さん血液型はなんですか?最後に畳み掛けますが笑。

鷹野:A型。カミさんがAB。

辰巳:なんか飄々としてるんでAじゃないと思ったんですが。

鷹野:母親がOなんでAOなんですよ。

辰巳:今後もワインのお仕事をするつもりで?

鷹野:それ以外何もないんで。

辰巳:かっこいいっすね。

鷹野:ワインを造ることでしか社会見ることができない人間ですから。

辰巳:定年ないでしょ?いつまででも造れるのは造れる。私もそうですけどいつまでも(体動く限り)できるのはありがたいし誇りでもある。

辰巳:今月は信州高山ワイナリーの鷹野栄一さんにお話を伺ってまいりました。まだまだ話し足りないので、またどっかで続きができれば。

全員:ありがとうございました!!!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

信州たかやまワイナリー
https://www.shinshu-takayama.wine

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2023年5月25日放送回

ワイナリー

信州たかやまワイナリー
https://www.shinshu-takayama.wine

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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