2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2023年1月のゲストは大阪の「カタシモワイナリー(カタシモワインフード株式会社)」代表取締役、高井利洋さんです。
(高井の”高”は正しくは”はしご高”です。)
杯を重ね、饒舌絶好調の高井社長。ご家族の話、西日本と温暖化の付き合い方など、盛りだくさんで大爆笑の最終回です。(全4回 4回目)
辰巳:さぁ、高井社長、今回が最終回になりますがよろしくお願いします。
(いつも通り、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにもご同席いただいてます)
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:今月は「八王子のFMで大阪弁が飛び交う」というシリーズになっております笑笑。(←3人とも大阪出身)
辰巳:カタシモワイナリーさんは大正3年創業、ブドウ作りは明治時代からという、西日本で最も古いワイナリーなんですけど。
高井社長は3代目で後継は?子供さんは何人?
高井:娘が2人なんですよ、2人とも継いでくれてまして。もうやかましぃやかましぃ笑笑。
辰巳:奥さんも女性やし、家族で男独り?
高井:んもぅ、大変ですよ笑。細かいですよね、女の人ってねぇ爆。
辰巳:誰がいちばん?
高井:次女。
辰巳:今おいくつ?
高井:歳言うたら殺されるんで爆。
辰巳:殺されようが僕には関係ありませんので爆。(←酷っ!)お名前は?
高井:長女は麻記子、次女は千華子です。結婚して2年目にできましたので、(歳は)だいたいわかるでしょと笑。
辰巳:結婚したのいつですか?
高井:よろしやん、やめてもう~爆。
辰巳:で、お嬢さんたちはもう結婚されてるんすか?
高井:ですね、孫4人。
辰巳:ご主人たちは?
高井:別の仕事してます、エンジニア。一人は飛行機の設計、もう一人はシステム設計いうんですか、、、。
辰巳:そういえば、先週の話にでたヘリコプター持ってるホーライサンワイナリーの3代目にもお嬢さん2人いて、
あそこはダンナさん2人ともワイナリーに入った強固な家族経営。
高井:いいですねぇ。うちは娘2人だけが。長女が醸造全部、次女が経理総務。
辰巳:もう盤石ですね。
高井:ま、そうですね。細かいですけど爆。
辰巳:そりゃ経理は細かないと困りますやん笑。でもまだまだ社長を?
高井:もうそろそろクビになりそう笑笑。
辰巳:それも大雑把すぎるけど笑、そこがまた社長のいいとこですからね。
奥様は会社の手伝いは?
高井:ぜんぜん。’ゴーイングマイウェイ’ですね。
辰巳:何されてんですか?
高井:何もしてません笑。
辰巳:してるでしょ?
高井:してますけど、そんなん言うたらまた怒られます、家帰ったらエラいことになりますからー笑笑。
”いろいろ趣味を持ってます”。
辰巳;高井さんはいろいろ怒られることしてるわけちゃうんでしょ?
高井:してませんっ、仕事ばっかり。ただ「海外旅行は独りだから荷物持ちおらん💢」とかで怒られますけど笑笑。
私あんまり海外行かない、飛行機怖い爆。
辰巳:そういえば先週言ってましたね。でもワインやるなら海外のワインも知らなきゃじゃ?
高井:若い時もう全世界ほとんど回ってきましたから。船ちゃいます飛行機で笑。
辰巳:どこの国がお好きなんですか?
高井:どこも一緒ですね。国々でぜんぜんちゃいますし、自分とこのワインが「まだまだ頑張らなアカン」って思うぐらい。
辰巳:なるほど。ではワインを飲みながら話進めたいと思います。
今日のワインはなんでしょうか?色の濃い赤ワインです。
高井:ブラッククイーンです。川上善兵衛の3部作のひとつ、”ゴールデンクイーン×ベーリー”(の交配品種)。
我々がもう100年やっていこうと思ったら、これからは”ハイブリッド”の時代ですね。
「温暖化」とは切っては切れない大きな問題で。私がワイナリー継いでから(47年前)平均気温2度上がりましたしね。
あと20年間にあと2度上がるやろな、というところで、ヨーロッパ系(品種)だけ植えといたら残れないんじゃないかな。
”テロワール”ってのを考えると、、、。「ピノ・ノワール」って、イメージは皆さんお持ちだと思うんですけど(例えばブルゴーニュ?)、
僕は、その「ピノ・ノワール」と同じ味せぇへんでもいいと思ってる。その地域で美味しいワインになれば。
辰巳;別にブルゴーニュを追い求めんでもえぇんちゃうかと?
高井:先週のマスカット・ベーリーAも日本の各地域で思い思いのワイン造ればいいし、今回のブラッククイーンも
北日本とはまったく違うのになってると思うんで。
辰巳:ではこの「利果園 ブラッククイーン 2020」限定570本をいただこうと思います。
全員:カンパ~イ🎶
カタシモワイナリー[利果園 ブラッククイーン 2020]
辰巳:(番組始まる前に)普通のブラッククイーンとは「ちょっと違う」って言ってましたけど、
これはやっぱりブラッククイーンでっせ笑。
高井:でっせって笑。どう言ったらいいんかな、完熟の度合いが西日本は違うんです。
辰巳:この色の濃さと酸味はブラッククイーンの特徴ですし。なのにタンニンがガツーンっとこなくてスルっと入るから
僕はこのブラッククイーン好きなんですけど。どうですか、井村シェフ?
井村:そうですね、飲みやすいですね。
辰巳:井村シェフなんでも「飲みやすい」笑。味わい的には?
井村:香りに深みのあるワインだなと思いました。
辰巳:今思うとカタシモワイナリーさんのブラッククイーンって初めて飲んだかも。
高井:今39種類のブドウ作ってるんですよ。僕の仕事ってほとんど畑なんで、「これからの時代どないなるか?」を予想しながら
次の品種を植えていってる中でー。「今後この気象と同時にどうなって行きよるのか?」っていうのがすごっ興味があって。
そっちばっかり走ってるもんやから、王道っていうかピノ(・ノワール)とかはあまり力入ってない。ほっといてもいいわけで。
辰巳:ピノもやってるんですか?
高井:ま、いろいろと。ピノは温室で。
辰巳:メルローもやってましたよね?
高井:メルローもシャルドネもカベルネ・ソーヴィニョンも。
辰巳:最近「これオモロイなぁ、いけるんちゃうかなぁ」というブドウはどの辺ですか?
高井:あーそうやね、白やったら「モンドブリエ」面白いですね。あとは大阪では「甲斐ノワール」面白いかも。
今「85%メルロー×15%’シークレット’」な新しいハイブリッド作ってまして。
辰巳:またシークレットですか?笑。
高井:シークレット大好き❤︎シークレットだらけ爆。これ酔うた勢いで言うたらまた怒られます笑笑。
辰巳:奥さんに対してもシークレット?
高井:いやいや、ゴニョゴニョ・・・女性は怖い汗。爆。
辰巳:85%メルローで、ってことはブレンドですね、ハイブリッドじゃなしに?
高井:いやいや、ハイブリッド。
辰巳:だって15%だけ掛け合わせるのおかしいじゃないですか?50:50を何回か?
高井:そういうことです。
辰巳:その掛け合わせはどこでやってるんですか?
高井:大阪でいろいろ頑張ってる人がおるじゃないですか。そういう人たちのブドウを”品種登録”してあるんですよ。
「*大阪R N-1」って知ってはりますか?それが今度ワインとして出てくると思いますゎ。
(*大阪R N-1:https://www.knsk-osaka.jp/nourin/info/doc/2022040800011/)
これかなりポリフェノールあって、普通のメルローの倍以上あるかな。大阪ワイナリー協会で作ってるんですけど、
名前も今考えてるところです。
もっと面白いのは。こんなん言ったらまた怒られるかもしれませんけど、「紫葡萄のJr.」ってのが未梢でありまして。
辰巳;でもそれはまだどうなるかわからんじゃ?
高井:そうなんですよ。その中で面白いのをピックアップしてやろう!ってこともやってまして。
これから大阪からすごいいろいろ面白いものが出てくると思いますよ。”温暖化の被害が出る”ってところも面白い。
北よりも南の方がハンディキャップ大きいですから。このハンディキャップを乗り越えるためにはやっぱりイノヴェーションしなきゃアカンでしょ。
だから西日本で、これからとてつもないワイナリーが出てくる可能性が高いですね。
辰巳:この高井社長の前向きな発想が面白い!久しぶりにゆっくり話してますがもうワクワクします。
高井:「何が起こるかわからん」、のが西日本。その中から日本を救うものが出てくると思うてます。
辰巳:ではお料理を食べながら、リクエスト曲も聴いてみたいと思います。
まず今日のお料理はなんでしょう?
井村:ニュージーランドの子羊をシンプルに焼いただけ。ソースはマディラ酒を使ってみました。
辰巳:ではいただきます。
[ニュージーランド産仔羊のコートレット 香草風味]
辰巳:柔らかい。香草がよく効いてます。
井村:ニンニク、パセリ、エストラゴンなどです。ま、王道の(お料理です)。
辰巳:こうやって香草使うとワインの味もまた広がっていきますね。
高井:噛みしめれば噛みしめるほどどんどん旨味が広がってきます。
辰巳:では今週のリクエスト曲を。
高井:松任谷由実さんの「春よ、来い」。
辰巳:・・・なんで?笑。前回の「学生街の喫茶店」とぜんぜんちゃいますやん笑。
高井:それ聞かれると返答に困るというか笑。妻に「これ頼んでこい!」と言われまして。
辰巳:ぁ、そうなんですか。奥さんのお名前は?
高井:もうよろしぃやん笑笑。その次から次への質問が怖い爆。
辰巳:だって隠せば隠すほど知りたくなる笑笑。
高井:千鶴子と言います。(←観念しました)
辰巳:車でナンパして(学生時代6年間付き合って)結婚した千鶴子さん。
高井:あの頃は本当に楽しかったですね。先週聴いていただいた曲もそうですし。
辰巳:喫茶店でデートしたり。でもこの「春よ、来い」はなんか思い出あるんですかね?
高井:やっぱり我々ワイナリーは”春を待ちます”のでね。芽吹いたら本業が忙しくなるので。桜と同時に葡萄の花が咲いてそっからは本当に忙しい。
辰巳:今は(ブドウの木は)眠ってて剪定の時期なんでしょうけど、力蓄えてる大事な時期なんですよね。
高井:葉っぱから光合成してた~んとエネルギー蓄えて。
辰巳:なんかいい話になってきました笑。
高井:サイコーによろし笑笑。葡萄の葉っぱって伸びるスピードはホンマ新幹線みたいでっせ。毎日毎日葉っぱ出していく。
その先っぽを天ぷらにするとサイコーです笑笑。芽かきの最先端をパツーンと切って元気いただくわけですゎ。すでにワインの味がする。
その中でも一番美味しいのは「堅下本葡萄」笑笑。
辰巳:山梨では「甲州」言うらしいです笑笑。
辰巳:では曲に参りましょう。高井利洋社長社長の、”奥様の”リクエストです笑。松任谷由実さんの「春よ、来い」。
松任谷由実「春よ、来い」(1994年)
https://www.youtube.com/watch?v=qX7pFYH9O04
辰巳:まもなく春なんですね。コロナがあって戦争があって、ずっと暗い感じですけど「必ず春はやってくる」。
高井:待ち遠しいです。
辰巳:この社長の元気さが日本ワインを引っ張ってますね。今月4回お話聞いてどんどん刺激されます。
シェフの(大阪の)大先輩、いかがでしたか?
井村:楽しかったです!
辰巳:大人気商品の「*たこシャン」もありますんでね。(←番組収録時には売り切れにつきご紹介できませんでした)
(たこシャン:https://www.kashiwara-wine.com/product/product_takocham.html)
井村:それ気になってしょうがない。
辰巳:最近タコしゃんの上のランクもあるらしいじゃないですか?
高井:「たこシャンゴールド」爆。
辰巳:この昭和な感じ笑笑。
高井:「変な名前つけすぎやっ!」「もうちょっと上品にやってこられへんのかっ!?」ってみんなに怒られてますけど笑。
辰巳:今度はぜひ奥様と娘さんにお会いしたい。
今だいぶ若手が出てこられましたけど、社長の世代がまだまだ頑張ってもらわねばいけませんし。
山梨でいったら(中央葡萄酒の)三澤(茂計)さんとか(ルバイヤートの)大村(春夫)さんとか、の間?
高井:あんなおジィちゃんと一緒に・・・爆爆。(←お察しください)
辰巳:でも実際は仲いいんですよね?まだまだこれから楽しいことが待ってるような気がします。
今年も日本ワイン、いいことがある気がしますし、また大阪にもお邪魔しますんで楽しみにしております!
2023年1月のお客様は、大阪 「カタシモワイナリー」の高井利洋社長でした!
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
カタシモワインフード株式会社(カタシモワイナリー)
https://www.kashiwara-wine.com
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2023年1月26日放送回
- ワイナリー
カタシモワインフード株式会社(カタシモワイナリー)
https://www.kashiwara-wine.com- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/