ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年12月15日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年12月のゲストは山梨県「塩山洋酒醸造株式会社」代表取締役社長 萩原弘基さんです。
約四半世紀前の自身の「家継ぐ気ない」。今ご子息に降りかかってきています。乗り越えられるのか!?
今週は川上善兵衛氏の交配品種ブレンドの赤ワインで乾杯!(全5回 3回目)

辰巳:12月のお客様は、山梨県甲州市「塩山洋酒」の代表、萩原弘基さんにお越しいただいております。
(いつも通り、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています)

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:この番組も2年半が経ちました。まだここのレストランにお越しいただいてない方、ぜひいらしてくださいね。
*クリスマス・ディナーは日本ワイン付き?

井村:いや、付きはしないですけど汗・・・ペアリングはあります。もちろん日本ワインしか使いませんっ!

辰巳:東京の方、近県の方、ぜひお越しいただければと思います。

(*この収録日が2022年11月下旬だったため、昨年のクリスマスディナーは終了しております。今年のクリスマスディナーにご期待ください。)

辰巳:では乾杯しましょう、今日は赤ワインです!

全員:カンパ~イ🎶

「Japanese Blend 2021」
https://store.shopping.yahoo.co.jp/enzanwine/a0005.html

辰巳:こちらは「Japanese Blend2021」。シェフ、いかがですか?

井村:いやぁスッキリと飲みやすいワインですね。赤ワインってけっこう構える人多いと思うんですけど、これはぜひ飲んでいただきたい。
最初に味見するときに、エチケット(ラベル)も何も見ずに開けるんですけど、開けてすぐ「マスカット・ベーリーA」の香りがしてきました。

辰巳:でもこれベーリーAは22%しか入ってない。この(濃いぃ)色と酸味はブラック・クイーンですよね。(ベーリー)アリカントAもそうで。

萩原:ブラック・クイーンも濃いぃんですけどアリカントAの色がいちばん濃いと思います。飲み頃でいうと3~5年経つともっと深みが出て
日本の品種だと思わないぐらいよくなります。

辰巳:これ樽は?

萩原:マスカット・ベーリーA以外はしっかり樽熟してます。

辰巳:ベーリーA以外?樽が足りなかったとか?笑。

萩原:ぇw、いや・・・そういうわけでは汗。

辰巳:ちょっと振ってみただけですよ笑。で、真実は?

萩原:ベーリーAの果実味を単純に残しておきたかったんで。(ベーリー・A)は樽で香りをマスキングしちゃったりするんで。
これだけはフレッシュな甘い香りを残すために樽熟してないす。

辰巳:これ2021年ってことは、この秋に瓶詰めしたぐらい?

萩原:うち(のワイナリー)に一度来ていただいたんでわかると思うんですけど、「環境が古い」んですよ笑。「トタンのワイナリー」なんで。
涼しいところがないんで、どんなに頑張っても7月までぐらいしか樽に入れられない。

辰巳:瓶詰めは熱くなる前、梅雨ぐらいまでにしないと・・・?

萩原:はい、専用の樽庫がないので暑くなるとダメになっちゃう。だから6月7月ぐらいには瓶詰めしちゃってます。

辰巳:ってことは樽熟は半年ぐらい?

萩原:長い時は8ヶ月ぐらいするんですが。7月ぐらいまで樽熟してギリギリまでその年の様子をみて、
「ぁ、今年暑すぎるからもうダメだ」っと思ったら開けて瓶詰め。

辰巳:じゃぁ瓶詰め庫は涼しい?

萩原:それはエアコンがついてて冷蔵庫がある部屋があるのでそこに。そこには樽はいっぱい入らないんで・・・。

辰巳:日本のワイナリーってね、そうやって工夫しながらやってるんですよね。その段取りの中で、「どうしたら美味しワインができるか?」
っていう知恵を絞って、、、。「お金も時間もいくらでもかけられる」ってあったらつまらんもん。
僕もリフォームの番組やってますけど、いろいろあるんですよ。「元々の柱は外せないっ!」「予算決まってるしその中でどう工夫する?」
とかね笑。

萩原:まったくその通りでございます苦笑。

辰巳:俳句の世界もそうですよね。”制限があって初めて生まれるパワー”みたいな。ゴーシチゴー、季語は絶対入れなくちゃいけない、、、。
これでも無限の表現がある、みたいな、、、。前回の萩の話もそうでしたけど、昭和の日本的な香りがムンムンとしてくるワイナリー
、な気がいたします。

萩原:ホントにボロボロなんですけど、

辰巳:ホントに尊敬します。

萩原:うちのワイナリーは「クリーンなワイン造り」が基本なんです。うちのワインをまず飲んでもらってからワイナリーに来て
「こんな環境で造ってるとは思わなかった」って言われるのはけっこう嬉しいです。「環境を言い訳にしない」っをやってます。

辰巳:細かいこだわり。血液型は?

萩原:A型です。

辰巳:ね笑。絶対そうだと思いました。

辰巳:さぁ、このワインに合わせたお料理ですが、今日はなんでしょうか?

井村:佐渡島のブリ。

「佐渡島のブリのグリエ ライム風味』
(お店で提供される際のフルポーションです。番組中出演者にはスモールポーションにて提供されているため、
上記の写真と見た目の表現が違うことがありますが、味に変わりはありません。)

辰巳:ブリ!?マグロとかカツオにしては色が薄いなぁと思ったんですけど。

井村:すごい脂が乗ってて今最盛期なんで。「このワインを合わせて和食で食べるんだったらどうするか?」を考えた時に
ぶり大根とかを頭にイメージしながら今日は作ってみました。

辰巳:下に敷いてあるのは玉ねぎとジャガイモのソテー。上のソースは玉ねぎ。柑橘もかかってますね。

井村;ライムを。

辰巳:ではいただきます。
なんとなく(ブリの)照り焼きを連想するような色ですよね。

井村;てり焼きとこのワインで和食にしたら合うのかな?っと(イメージしました)。

萩原:ドンピシャですね、美味しい♡このワイン酸がけっこうしっかりしてるんで、どうかなぁと思ったんですけど、
やっぱこのソースと酸味のバランスがムチャクチャいいですね。

辰巳:一段とワインが美味しく感じられる料理です。これも十数キロのブリなんでしょ?

井村:はい。しっかりして歯ごたえのあるブリです。

辰巳:では今日は(も?)食べながら曲を聴きたいと思います。本日のリクエストは?

萩原:ザ・ブームの「星のラブレター」を。

辰巳:なんでこれを選んだか、は曲を聴いた後に(←この時辰巳さんの口の中にまだお料理が入っていたからです笑)

THE BOOM「星のラブレター」(1989年)
https://www.youtube.com/watch?v=gaLtJ9_lD_4

辰巳:懐かしい、なんとなく知ってます笑。(←辰巳さん、近現代のポップスはほぼ全滅なので、今回は奇跡に近い)
時代世代によって聴いてる曲も違うんですけど。シェフこの曲は?

井村:はい知ってます。よくカラオケで歌ってます。

辰巳:!?歌ってる!? シェフの持ち歌でしたか笑笑。じゃぁちょっと1曲笑。

辰巳:この歌には何か思い出が?

萩原:高校の学園祭でバンドでやった曲ですね。

辰巳:バンドもやってた?

萩原:バンドは大学の時もやってました。僕もともとベースやってたんですけど、「バンドやりたい」って子がいて
その子、「ベースしか弾けない」と笑。じゃぁ「(弾けないけど)僕キーボードやるよ」、になったんです。
まぁチャンチャンチャンと🎶

辰巳:棒高跳びもやってて音楽も。それは誰かの影響受けたんですか?

萩原:いや、僕らが中学高校の時っていわゆる”バンドブーム”。コピーバンド?、が流行ってて楽器弾くのが楽しかった。その流れです。

辰巳:前回、「まったくワイナリーを継ぐ気はなかったけれど、高校2年生の時にチラッと意識した」というお話でしたけど?
どのあたりで考えが変わったんでしょうか?

萩原:小中学校の頃は「設計士になりたい」という夢があって、それは何か”ものづくりに対する興味”があったんだと思います。
高校2年で進路を決める時に、理系か文系か?の分かれ道に遭って。設計士も理系だし、ワイン造りもどちらかというと理系だし、、、。
とりあえず理系行っとけば間違いないかなと思って(理系の)クラスに入ったんですけど、、、そのあとです。
「ん?ものづくりするんであればワインも一緒じゃん」「ワイン造れるな、自分」って漠然とですけど思ったのがそのぐらいの時なんです。
特に何があったわけじゃないんですけど、そろそろ大学も考えなきゃいけない時でもあったので。
少し大人になってきたってこともあるんでしょうけどね。

辰巳:高校生の頃はもう普通に(?)飲んでた?

萩原:飲んでました(←再びウィスパーヴォイス)笑。

辰巳:ですよね。学生時代の演劇部の先生と「一緒に(飲みに)行きましょう」は普通でしたからね。昔はいい時代でした。
山梨は今も笑?

萩原:さっっっすがにないと思います笑。逆に子供達の方が飲まないと思います。もうゼッタイにいけないものだと思ってるんで、
たとえ大人たちが「飲め飲め」っつっても飲まない。

辰巳:その辺の教育というか、同調圧力は良くないですねぇ。”ワイン県山梨”がダメになりますよ。

萩原:・・・ぅ、うまく、、、個々の家庭で、どうにか、頑張っていただきたい笑。

辰巳:やっぱり家庭教育は大事ですよね。

萩原:僕の母親は毎日飲んでたんですけど、それを見て育った子っていうのは多分大人になってから飲むと思います。
妻は飲まないですけど僕は毎日飲みますから。その姿を子供たちが見てるんで、そうすると自然に飲むようになるんじゃないのかなぁ。

辰巳:奥さんはあんまり飲まない?

萩原:普段は。あんまり強くないので。

辰巳:子供さんはおいくつ?

萩原:中2と小学校6年生。男、女です。

辰巳:そろそろ将来のこと考え始めるんですかね?

萩原:んー、どうなんすかねぇ。

辰巳:希望としては継いでほしいと思うもんなんですか?

萩原:いや・・・難しい。よく聞かれるんですけど。継いでくれたら嬉しい気持ちはあるんですけど、
息子の方から「あの工場だったら継がない」「あのボロい工場だったら俺やらない」ってハッキリ言われたんすよ苦笑。
今うちの工場って畑とも離れてるじゃないですか?じゃ、その畑の近くに(ワイナリーを)移転できたらなぁ、とか
機材も更新して綺麗な環境にして整えて、、、。息子がやるかやらないかは別としても、そういう時期に来てるのかなぁと。

辰巳:なるほど~、そういう時期なんだなぁ、そっかそっかそっか。

萩原:本人(息子)は直接聞かないですし言わないですけど。

辰巳:でも「あんな工場なら・・・」って言ってるってことは『継ぐ』って言ってるじゃないですか?

萩原:こっちとしてはそう思うんですけど。そのための土台作りを’何も言わずに’すればいいのかなって思ってますけどね。

辰巳:”いいワインを造る”のがいちばんでしょうけど、それだけじゃないでしょうしね。むつかしいけど大切な時期ですよね。

萩原:ここ10年、以内ですかね。動く時期に入ってくると思います。「ただ造ってるだけじゃダメかな」ってところまで来てますから。
うちの(ワイナリー)環境は今が限界、なんです。正直今の酒質(品質)が本当に限界です。
もうちょっと上を目指すんであれば、栽培もそうですけど、機材だったりタンクだったりを変えてかないと、
うちはもうこれ以上のものはできないので。今これ(品質)をキープして、新しい機材を入れてもう一段上がるか?

辰巳:このワイナリーは投資価値ありますよ、いや、ほんとに。すごいワイナリーに大化けする可能性大。

萩原:あると思います笑。

辰巳:ワイン飲んでたらそんな感じしますもん。
この続きはまた来週、今月のお客様は山梨県甲州市、塩山洋酒の代表、萩原弘基さんでした!

全員:ありがとうございました!!!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

塩山洋酒醸造株式会社
http://www.enzanwine.co.jp

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年12月15日放送回

ワイナリー

塩山洋酒醸造株式会社
http://www.enzanwine.co.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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