ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年12月8日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年12月のゲストは山梨県「塩山洋酒醸造株式会社」代表取締役社長 萩原弘基さんです。
その意味を問われると実にシンプルな名前なんですが、イタリア語にするとカッコイイ「Lespedeza(レスペデーザ)」。
もしかしたらラストヴィンテージになるかも?の、このワインを飲みながら「樽使い」について語ります。
(全5回 2回目)

辰巳:はい、12月8日といえば・・・。「真珠湾攻撃の日」。日本人としては想いが溢れる日、かもしれませんが。
今月のゲストは、山梨県甲州市からお越しいただきました塩山洋酒の萩原弘基さんです!
(いつも通り、この番組の会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」井村貢シェフにもご同席いただいてます)

全員:よろしくお願いします!

辰巳:前回はワインを飲まずず~~~っと喋ってた気がしますが、今回はまず乾杯しましょう。

全員:カンパ~イ🎶

「Lespedeza Koshu 2020」
https://store.shopping.yahoo.co.jp/enzanwine/s0007.html

辰巳:今日も白ワインです。ちょっと膨よかめ?樽が入ってるような。

萩原:樽はしっかり使ってるタイプです。名前は「レスペデーザ」。

辰巳:「レスペデーザ」?これは何語ですか?イタリア語っぽいですけど?

萩原:ですね、”萩の花”。

辰巳;ほぉぉぉ。

萩原:萩原の”萩”と、合併前の塩山市だった時の「市の花」が萩だったんです。

辰巳:それは(元)塩山市の中に萩原姓がたくさんいたからですか?

萩原:地名も”萩原”地区、があるんですよね。

辰巳:だから、萩がたくさんできる土地だからそうなったのかもしれませんね。

萩原:それもあるかもしれません。

辰巳;だって萩原(姓)多いでしょ?山梨県の知り合いの方で萩原さんってけっこう多い気がします。
イタリア語はレスペデーザ、その響きがカッコいいですよね。萩(の花)は萩で僕は好きですけどね。
万葉集では梅とか桜よりも最も好まれて歌われてた、ような、確か。。。
ご興味ある方は自分で調べてください笑笑。
(万葉集に登場する植物参考サイト:https://www.flower-db.com/ja/features/plants-and-trees-mentioned-in-manyoshu
←これが正しければピンポンピンポ~ン♪)

辰巳:で、シェフどうですか、このワイン?

井村:すごい樽が効いてて、でも飲み口が安心するワインですね。

辰巳:やっぱりフランス料理をやってると、樽入ってる方が料理とマッチさせやすい?そういう安心感はある?

井村:そうですね。合わせやすいんです。

辰巳:逆に言ったら日本の料理には樽のワインは合わせづらい気はしてますけど。

辰巳:さ、では今日の料理はなんでしょうか?

井村:自家製のスモークサーモンです。その上に地元のカブとレモンの皮を少し削って。
このワインが持ってる香りとマッチするんじゃないかなと思って作ってみました。

辰巳:ではいただきます!

「自家製スモークサーモン 八王子産もものすけのマリネ添え」

井村:ちょっと分厚くサーモンを切ってみました。

辰巳:美味しい!このスモークの香りがワインの樽ともマッチしてますよね。

萩原:メチャクチャ美味しい!このワインけっこう樽強いんですけど、(サーモンの)旨味がぜんぜん消えない。

井村:この樽効いてる感じがサーモンの脂と・・・。

辰巳:スモークも自家製でしょ?

井村:はい、桜のチップで4~5分ですかね。

辰巳:美味しい♡これもっといっぱい食べたい(←食いしん坊万才!)

井村:では後ほど笑。

辰巳:このワインはおいくら?

萩原:これはうちの中ではいちばん高いんです。3000円。

辰巳:3000円がいちばん高いって良心的なワイナリー!

萩原:そうですかね。もともとワイン造り始めた時から「こういう造りをしたい」って思ってた造りをしたのでちょっと高い。

辰巳:これ樽発酵?

萩原:、のブレンドです。ステンレス発酵と樽発酵の。

辰巳:、を樽熟させた?

萩原:いや、樽熟はしてないんですよ。

辰巳:!!!

萩原:樽発酵は新樽使ってますけど。スキンコンタクトで果汁のプレスをしてるので元々の果汁が強いってのと、
このブドウがメチャクチャいいブドウなんです。契約栽培でイレギュラーで入ったブドウなんですけど、、、。
その畑は”シャインマスカットに植え替える”ということで2022年で終わってしまいました。

辰巳:えぇぇぇぇ!?

萩原:今そういうところ多いですからね。

辰巳:なんてことをするんでしょうね苦笑。

萩原:そこは『斜面にあって小粒で皮が厚い』(良い)甲州だったので、そういうブドウが手に入ったらこれを造ろうと思ってました。

辰巳:これは2020年のヴィンテージですけど、2021年まで仕込んだんですか?

萩原:実際(2021年は)ちょっと足りなかったんで、「レスペデーザ」という名前ではなくなります。

辰巳:実質このヴィンテージで最後?

萩原:ま、他でいいブドウが入るようになれば(復活)。それまでは欠番ということで。

辰巳:その木は切ってしまった・・・。なんか切ないですよね。そういう時に誰かファンディングして、
畑買い取るなり引き取るなりして・・・。そういうのできないもんですかね?

萩原:農家さんの意思がいちばん大事笑。「シャインマスカット植えたい、生食用でちゃんと作りたい」って言われたら
「やめてください!」とは言えなかったですね。

辰巳:シャインマスカットもね、今や苗木も中国の方にどんどん流れていってしまって。そして向こうのやつがどんどん出てきて、、、。
いずれ値崩れするんじゃないかと思うんですけどね。

萩原:もう、あと数年じゃないですかね。次は赤色のシャイン(マスカット)ができたり・・・。そっちに移行するんじゃないすかね。

辰巳:これは決して批判ではないですが。やっぱり”地に足つけて”長く続けていただきたい、とは思います。
なんかそんな話を聞くと、このワインがますます美味しく感じられます笑。このワインは何本ぐらい?

萩原:1000本ぐらい。

辰巳:じゃぁもう残ってないんじゃ?

萩原:いや、2019年が終わったので、実質リリースはしてますけど大々的にはまだ。

辰巳:このワインの初リリースはいつですか?

萩原:2019、2020、の2年だけ。

辰巳:2回だけ!?それで知らなかったのか。2019と2020比べたらどうですか?

萩原:2019も良かったんですけど。僕はこの2020、シャルドネに近いイメージで造ってるので、
ある意味甲州らしくないボリューム感だったりとかがあるので(←理想のイメージに近い、と思われます)。

辰巳:またちょっと専門的な話になってしまいますが、樽発酵をして、その後樽熟成をしなかった?

萩原:これに関してはそれぞれ発酵(ステンレスと樽)してからのブレンド。熟成は樽に入れてない。

辰巳:そこ!そこなんすよ。熟成は樽に入れずにステンレスででしょ?

萩原:そうです。熟成は1年まではいかないですけどステンレス。

辰巳:シュール・リーでもないし?

萩原:はい、でも実際はオリは抜いてないから”シュール・リー状態”ではあります。
2010年に「樽熟成100%」の商品造ろうと思って一樽だけやったんですけど、思いっきり失敗しまして苦笑。
「全部無駄にした」っていう経験があるんです。

辰巳:樽熟成にワインが耐えられなかった?

萩原:香りが強すぎちゃって・・・。僕が無知だったってのもあるし、ただ「樽に入れればいいや」ってのもあったのは事実です。
僕元々白ワインはあまり強すぎる樽香って好きじゃないんですよ。
そこで、樽熟を造るの1年やめて、じゃ、樽発酵して(ステンレス発酵のものと)とブレンドして(この商品になりました)。
これも樽けっこう強いですけど、自分でブレンドすることで加減できるじゃないですか?

辰巳:ブレンド比率は?

萩原:樽40%です。

辰巳:「樽発酵」と「ステンレス発酵&樽熟成」を比べると、樽発酵の方が(樽香)がつきにくいと言われてますよね?

萩原:そうですね。

辰巳:だからそれも一つの手ではあるかもしれませんけど、でもあんまりそういう人いませんね。

萩原:このレスペデーザに関しては発酵終わって1ヶ月ぐらいは(樽に)入ってますよ。だけど”熟成として”数ヶ月っていうことはしないです。

辰巳:これもうちょっと瓶熟させるといいでしょうね。

萩原:今飲んでも十分いい気もするし、もう少し経つとコッテリして来る気もします。

辰巳:ではここでリクエスト曲に参りましょう。今日は何を?

萩原:セリーヌ・ディオンの「パワー・オブ・ラヴ」。

辰巳:これなんか思い出あるんですか?

萩原:これまた中学生の時に、女性のセクシーな、透明感のある声に・・・笑

辰巳;先週は男性のセクシーな声に、今週は女性ですか?笑。
(←先週はMichael Bolton「 When a Man Loves a Woman」でした)

萩原:この透明感のある美しい声に中学生がハマってしまった笑笑。

辰巳:コンサートにも行った?

萩原:そこまでではなかったですね。ただずーっとリピートして聴いてた。

辰巳:高校受験の頃ですね。ではその懐かしい思いに浸っていただきましょう。

Celine Dion「The Power of Love」(1993年)
https://www.youtube.com/watch?v=Y8HOfcYWZoo

辰巳:どんな中学生だったんですか?陸上やってたのは中学時代から?

萩原:ですね。

辰巳:公立の地元の学校でしょ?他には何か?

萩原:フツーの、女の子とも喋れないような男の子でしたよ笑笑。

辰巳:でもお姉ちゃんがいたんでしょ?女姉妹いる人は女の人と喋り慣れてるっていうイメージをボクは持ってますけど?

萩原:僕は違いましたね、そんなにペラペラ喋るタイプではなかった。っと記憶してます爆。

辰巳:好きなのは、陸上競技と?

萩原:あとは水泳をやってましたね、小学校から中学に上がるぐらいまで。その頃ブームでみんなやってた。

辰巳:海のない山梨県で?

萩原:だからですかね笑。

辰巳:ワイナリーの息子として生まれて、お手伝いして。ワイナリーの中にも行ってたんでしょ?

萩原:そうですね。中学高校までは収穫と仕込みは手伝って、、、ましたけど(ワイン)造るまでは・・・。
高校2年生の時にちょっと気持ちに変化はありましたけど。

辰巳:子供の頃にお父さんがゴクゴクじゃぁないにしても「これ味見してみろ」とかいう英才教育はあったでしょ?

萩原:ありました(←ウィスパーヴォイス)笑。「ちょっとは飲めた方がいいよ」っていう教えではありましたね。

辰巳:その頃、そうやってワイン飲まされて(?)どう感じました?美味しいな?

萩原:いや、まったく。ブドウからできるものなんでブドウをイメージするじゃないですか?
でもブドウの味はまったくしないので「ナンジャコリャ!?」笑。

辰巳:こんなことを仕事にして、これが売れて???・・・ってな感じ?

萩原:「ワインってなんなんだろ???」
日本酒ってなんかイメージつくじゃないですか?日本酒も飲みました、子供の頃から笑。(←だんだん剥がれてきました)

辰巳:日本酒も梅酒も美味しいと思いましたし、赤玉ポートワインもね♡

萩原:いろいろちょちょこっと舐めてはいましたけど、でも日本酒は「ナンジャコリャ!?」とは思わなかった。
・・・っていいんですか、こんな話?笑

辰巳:いいんです、昔の話ですから。まぁワイナリーだし、特に海外のワイナリーは赤ちゃんの時から指にワインつけて舐めさせて、っていう
現場を僕も見てきましたし、それはそれでいいと思います。
じゃ、高校2年生で「ワインの道でもいいかな」っとちょっと思った話は次回にしたいと思います。

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

塩山洋酒醸造株式会社
http://www.enzanwine.co.jp

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年12月8日放送回

ワイナリー

塩山洋酒醸造株式会社
http://www.enzanwine.co.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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