ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年12月1日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年12月のゲストは山梨県「塩山洋酒醸造株式会社」代表取締役社長 萩原弘基さんです。
まずは自社畑100%の甲州、「重川」で乾杯!オモカワではなくオモガワですよ。ワイナリーのある旧塩山市は2005年に勝沼町と合併されて
甲州市になりましたが、お互い思うところがあった模様で。。。(全5回 1回目)

辰巳:はい、12月になりました。今年もほんっっっとうにあっという間だなという気がするんですけど。
その12月のゲストは、山梨県甲州市からお越しいただきました「塩山洋酒」代表の萩原弘基さんです。
(←ハギハラヒロキさんと紹介しました)

(いつも通り、この会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています)

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:ハギハラさんですよね?

萩原:ハギ’ワ’ラです。しかもワタクシ「コウキ」、と申します。

辰巳:汗。失礼いたしましたー。ま、いいね、別に(←良くありません)、「ヒロキ」だと思ってる人も多いでしょうから笑。
でも「コウキ」ってカッコいいですね。

萩原:まぁまぁ(ヒロキと呼ばれるのは)慣れっこですけどね笑。

辰巳:ずっと山梨の人でしょ?

萩原:生まれは北海道なんすよ。親父がもともと北海道にいたんです。

辰巳:でも雰囲気は大阪人っぽい。

萩原:そういえばこないだ電話でもそんなことおっしゃってましたね。

辰巳:井村シェフも大阪出身ですけど、関西人の雰囲気しません?

井村:何となくわかります。

辰巳:僕も大阪出身だし。大阪弁はまったく喋られへんのでしょ?

萩原:まったく喋れません、甲州弁だけですね笑。

辰巳:このノリといい何となくいちびりそうな雰囲気笑笑。
あー話逸れてすんません。お父さんが北海道(の人)?

萩原:いえ、山梨県人なんですけど。自衛隊に入り、辞めて、北海道でHONDAの営業やってたんです。

辰巳:最初自衛隊?

萩原:そうです。「家を出たくて」って言ってました笑。父親は次男。

辰巳:ご長男(父上のお兄さん)は?

萩原:叔父さんは八王子に出てました。父親はHONDAなんで転勤族で、三重県にいたりもしましたけど「北海道で(身を)埋めるか」と。
だから母親は北海道出身。北海道に居住を決めてたらしいんですけど、うちの祖父の長男(先の叔父さんですね)が
”後を継がない”ってことになったので、急遽北海道のうちの親父が山梨に帰ってきた。僕はその北海道にいるときに生まれたんです。

辰巳:生まれは北海道、どちら?

萩原:札幌です。

辰巳:萩原家のルーツから入ってしまいましたが。
塩山洋酒はね、今は甲州市ですけどもともとは塩山市で創業。何年ですか?

萩原:1959年です。今の会社名はこの年から。その2年前(1957年)からワイン造りはしてたんですけど。

辰巳:僕が生まれたのは1958年ですから、その頃ですねぇ。で弘基さんが3代目?(萩原:頷)
お父さんはもう引退されたんですか?

萩原:ま、まだ籍はありますけど今「塩山自動車教習所」の代表やってます。

辰巳:は ?????笑笑。なんか話があっちゃこっちゃいってややこしいゎ笑笑。

萩原:元々親戚がやってた教習所があって、そこの叔父さんが亡くなって・・・。

辰巳:お父さんもいろいろ忙しいかたですねぇ笑。で、2018年に代替わりした?

萩原:そうですね、今私3代目。。。

辰巳:最初の紹介が長くなりましたが笑、乾杯をしたいと思います。

全員:カンパ~イ🎶

「甲州 重川2021」
https://store.shopping.yahoo.co.jp/enzanwine/s0002.html

辰巳:今日は白ワインです。あ、いいですねこれ。まずは井村シェフに感想を伺おうと思います。

井村:このスッキリした飲み口がたまんないすね。

辰巳:酸味もかなりあってキリっ系ですね。その辺意識して造られてます?

萩原:これがうちの「重川甲州」。

辰巳:ずっと”オモカワ”だと思ってたら”オモガワ”。濁るんですね?

萩原:自社畑が*重川の川沿いにあるんです。
(重川参考サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/重川_(山梨県)

辰巳:富士川の支流ですよね?

萩原:はい、その自社畑の甲州100%です。

辰巳:これは塩山洋酒の中ではどういう位置づけなんですか?

萩原:僕「テロワール」という言葉が元々好きじゃないんです。こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが笑。

辰巳:フランス語なんでそんな言葉はフランス人に任せておけばえぇ!日本人は使う必要は僕はないと思ってますけどね笑笑。
(←辰巳さんフランスキライ)

萩原:元々は”酒屋さんで売りやすい文句”。「畑がちょっと違うくらいで味なんて変わらないでしょ?」っていう考えがちょっとあったんです。
2008年までうちは作業重視であちこちのブドウ(甲州)をごちゃごちゃにブレンドしてたんですけど、
あるとき、「重川の畑が良さそうなんで単一で仕込んでみなさいよ」と恩師に言われて翌年(2009年)初めて単一で仕込んだんです。
やっぱり(川沿いだから)水はけがいい畑なんです。できたワインはけっこうしっかりした酸と、洋梨系の香りとか、、、

辰巳:柑橘系も、、、。香り高い甲州。ちなみに恩師ってどなたですか?

萩原:勝沼に県のワインセンターがありまして、そこに1年間勉強し直しに行った時の当時の所長さん。もう亡くなってしまいましたけど。
(←山梨県工業技術センター支所長 原川守氏)
その方のアドバイスを受けたところ、酸がしっかりした特徴的なものができたんで、そこで初めて「テロワールってあるのかな?」って。
だからこの畑は単一で仕込むタイプにしてます。

辰巳:なるほど、そういうことですか。これは何本ぐらい造ってるんですか?

萩原:2500~3000本ぐらいですかね。

辰巳:畑もそんなに広くないですしね。3反(約30a)?

萩原:そんなにないです。2反弱ぐらいで3t弱ぐらいの収量なんで。

辰巳:じゃ貴重なワインじゃないですか。

萩原:うち元々のシーリーズが2000本とか、少ないものは600本とかなので。

辰巳:トータル本数は毎年どれぐらい?

萩原:720mlの換算で大体5万本ぐらい。

辰巳:5万本を少ないというかどういうか、、、。最近ほんとに小さなワイナリーが増えてきたんでね。
昔の感覚でいうと5万本はまぁまぁ少ない方?中堅ぐらい?

萩原:今そうですねぇ、新しい小さいワイナリーさんが増えてるので、、、。ただ、甲州市の中でいえば(生産量)少ない方ですね。

辰巳:もう何十年続いてるワイナリーさんとしては少ない方ですね。

辰巳:そういえばお料理食べるの忘れてました。

井村:はい、ぜひ!今日はズバリ大根!大根のブルーテを用意しました。果肉の部分と葉っぱの部分を使って、
冬らしくゆずと生姜をアクセントにしました。香りがいいのであったかいうちに。

「中西ファームの大根のヴルーテ 生姜と柚子のコンフィ」

辰巳:ではいただきます!
やはりワインを意識して柚子の香りを入れたんでしょうね。

井村:そうです。ワインにすごく柑橘の香りを感じたので、うまくミックスできないかなと思って。

萩原:ありがとうございます!

辰巳:ブイヨンは野菜の甘さだけで「重川」の酸が際立つ感じがしますね。お互いが”寄り添う”というより”際立つ”。

井村:食事のスタートにはいいんじゃないかなと。

辰巳:この番組始まって2年、超えましたよね(2020年7月~)。毎週1本のワインに1つのお料理を作っていて今やすごいレシピの数。
この「Villas des Marriages 多摩南大沢」では日本ワインのグラスワインがダァーッと並んで、飲むことのできる”日本ワインの聖地”。

萩原:先ほども店に飾ってあるボトル見させていただいたんですけど、日本のワインばっかり笑。

辰巳:山梨からも近いし。今日も塩山からあずさでいらっしゃったんでしょ?

萩原:もう、すぐです。50分はかからない。

辰巳:八王子(駅)からはちょっとありますけど、それでも近いので、ゲストは2回に1回ぐらいの割合で山梨からお越しいただいてます。

辰巳:ちょっとマニアックな話になりますが。塩山ってね、今は勝沼と一緒になっちゃいましたけどどうなんですか?
勝沼というと一応”甲州”ワインの中心地じゃないっすか?塩山はそのすぐ横にあって、それが一緒になったってどうなのか?
、を聞いてみたくて。(←2005年、塩山市、勝沼町、大和村が合併して現在の甲州市になっています)

萩原:正直、、、勝沼は多分イヤだったと思います笑。塩山は当初ワイナリーは6~7社しかなかったと思うんですよ。
だから僕ら(塩山者)としてはメリットあったと思います。「勝沼にあるブドウの施設(ブドウの丘など)に我々も入れる」とか。
でも勝沼ってもともと歴史のあるところなんで、ブドウの栽培者もワイナリーもプライドがあるし。
「いいものを造ろう」っていうのが先に始まってた町なんで、『一緒にすんなっ💢」ってのは聞いたことあります笑笑。

辰巳:でも一緒になってしまったもんはしかたない。

萩原:一緒になっても勝沼は勝沼で”ブランド”は残ってますし、やっぱ「勝沼は勝沼」。

辰巳:塩山もいいワイナリーいっぱいあるじゃないですか!?

萩原:機山の土屋さん、奥野田の中村さん、今飛ぶ鳥落とす勢いのKisvinさんとか。新しいところでは平山さんの98WINEs。
あと甲斐ワイナリーもあります。

辰巳:(ペイザナ農事組合法人)中原ワイナリーは?

萩原:あそこはギリギリ塩山ではないんですよ。

辰巳:ぁ、五味さんとこの駒園ヴィンヤードもそうですね。塩山すごい力ありますよね。

萩原:少ないからこそ「塩山も一つのワイン産地にしたい」っていうのがあって、今コロナで止まっちゃってますがアピールの活動はしてます。

辰巳:そろそろリクエスト曲をお願いしたいんですけど。今日は何にしましょ?

萩原:マイケル・ボルトンの「When a Man Loves a Woman」。
これ僕が中学校の時にですね、この方のセクシーな声に驚きを受けたもので。

辰巳:では早速聴いてみましょう。

Michael Bolton「 When a Man Loves a Woman」(1991年)
https://www.youtube.com/watch?v=MUuNDb-nm5M

辰巳:これが中一ぐらいの時?

萩原:ですね。洋楽のオムニバスっていうんですかね?海外の方のアーティストが詰まったアルバムを買って聴いた時に入ってたやつです。

辰巳:これを聴いていた頃は将来何になりたいと思ってた?

萩原:設計士。

辰巳:!!! 

萩原:もうワインなんてまったく頭になくて。

辰巳:兄弟は?

萩原:姉が一人。

辰巳:じゃぁお姉さんに継いでほしいとか?

萩原:それもまったく考えてなかったっすね。会社のことは何も考えてなかった笑。

辰巳:でもワイナリーの息子として、”家業”のイメージはなかったんですか?

萩原:なかったです。収穫の時期に手伝ってたってぐらいしか感覚はなかった。

辰巳:「自分はゼッタイ継ぎたくないっ!」、そんな感じ?

萩原:思ってました。

辰巳:でも親は継がしたいんでしょ?

萩原:それも一切言われなかったですね。

辰巳:じゃ、じゃ、設計士になろうと思って勉強して?

萩原:いや、部活ばっかりやっててそんなに勉強もしなくて気持ちだけ設計士笑。

辰巳:カラダはスポーツ?何しはってた?

萩原:陸上部、短距離を中高と。あとはマニアックですけど棒高跳び驚!

辰巳:最高記録は?

萩原:4m60cmですね。

辰巳:けっこうじゃ!?

萩原:でも関東大会行ったらみんな5m超えますから。山梨県内では1位ではありましたけど。(←すごーい!)

辰巳:それでも4m飛ぶって・・・。
今月は放送が5回ありますから、またこれからゆっくりと掘り下げていきたいと思います。

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

塩山洋酒醸造株式会社
http://www.enzanwine.co.jp

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年12月1日放送回

ワイナリー

塩山洋酒醸造株式会社
http://www.enzanwine.co.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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