ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年10月13日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年10月のゲストは中央葡萄酒【GRACE WINE】代表取締役社長、三澤茂計さんです。
2週目のワインは「グリド甲州2021」。この白でも黒でもない『曖昧な』”グリ”について、
ワインはもとより物事(人生?愛?)についても言及します。(全4回 2回目)

辰巳:さ、10月のお客様は山梨県勝沼からお越しいただきました、「中央葡萄酒」社長の三澤茂計社長です。
(いつも通り、この番組の収録先「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにもご同席いただいています)

全員:よろしくお願いします!

辰巳:『グレイスワイン』。今や高級感、手に入らないというブランド、、、。

三澤:いや、そんなことはないです。

辰巳:中にはいくつかね。お嬢さんの彩奈ちゃんが継いでから海外でも賞をもらって。でも最近は”コンクールに出品しない”ということにしたとか。
さて、前回は若い頃の話をしました。『寡黙な神童』のお話。

三澤:、と言われてただけですよ。

辰巳:言われることが大事です、自分からは普通言いません笑笑。
で、(大学受験は)文系から理系に変わったという話でしたけど、ワインというのは文系理系、どっちなんでしょうかね?

井村:僕は”文化”なんじゃないかなと。

三澤:文化だから”文系じゃないかと?それもそうなんですよね。

辰巳:でも醸造とか発酵とか、ワインの勉強しようと思ったら”理系”なんじゃないかと?料理はどうなんですか?

井村:”文化(文系)”ですね。でも作るときは”理系”。

辰巳:化学反応ってあるじゃないですか?メイラード反応だとかタンパク質が、デンプンがどうだぁこうだぁって。
これが理系だの文系だのってわけること自体がナンセンスだって感じもしますけど。

三澤:それはそうだと思います。造り手がいて飲み手がいるわけだから、それは”文化”でならなければいけない。

辰巳:んー。ではこの”文化”、ワインで乾杯したと思います。

全員:カンパ~イ🎶

グレイスワイン「グリド甲州2021」
https://www.grace-wine.com/shop/products/detail/165

辰巳:今回のワインは「グリ・ド・甲州」。グリというのはフランス語で’グレー’という意味。甲州は皮がピンク色なので、いわゆる”皮仕込み”。

三澤:そうではないんです。甲州の皮はグレーっぽいんですが、とはいえ皮仕込みとは違うんです。この名前をつけた時に、
アルザス(フランスのアルザス地方)に「トカイ・ピノ・グリ」ってあったんです。今ではその名前使えなくなってますけど。
でもこのワインを造った頃はまだその名前使えてまして、私が実際アルザスまで行って、そのブドウを見て、
「なるほどな、『甲州』に似てるな」って思いまして、この名前つけたんです。アルザスで飲んで見て来ました。

辰巳:先日この番組の打ち合わせの電話で、この「グリド甲州」を間違えて「グリ・ド・グリ」とメルシャンの商品と言い間違えてしまいました汗。
えっと、メルシャンの(グリ・ド・グリの発売)方が後ですか?

三澤:ですね。どっちが先かはともかく、うちが”元祖”です。
(「グリド甲州」は1999年、メルシャンの「甲州グリ・ド・グリ」は2002年がファーストヴィンテージ)

辰巳:それははっきりしておかなければ。前回の「グレイス甲州」と今回の「グリド甲州」、違いは?

三澤:前回の「グレイス甲州」は勝沼のブドウだけなんですね。で、これはもう少し範囲を広げて”オール山梨”。もちろん甲州だけなんですけど
ちょっと範囲が広くなっていて醸造方法もほとんど同じ。

辰巳:お値段は?

三澤:ブルゴーニュに似てるんですけど(”AC山梨”と”AC勝沼?)。
この「グリド甲州」は2500円、前回の「グレイス甲州」は3300円。

辰巳:どんどん上がってますね笑。いやいいんですよ、「ワインには価値をつけるべき」なんで。

三澤:おっしゃる通りで。だから値段が上がるどうこうよりも、品質が上がらなきゃ意味ないですよ。
「値段より品質がどんどん上がってる」って言ってください、よろしくお願いします(圧)。

辰巳:ね、怖いでしょ?笑。

三澤:こんなにニコニコして言ってるじゃないですか笑笑。

辰巳:ラジオ聴いてる人には「ニコニコ」は伝わりません笑。だって目は怖かった爆。
でもね、客観的に値付けをするのは大事なことで。とはいえ、一方で居酒屋や家庭でも飲める(値段の)ワインは必要だし。
グレイスワインのクオリティーは当然というば当然なんですが、、、。
一升瓶ワインってもう造ってないんでしたっけ?

三澤:昔、冷蔵庫に入れることができた頃は造っていて地元の人はけっこう飲んでました。家庭で1ヶ月に一箱、だから十升注文があったんですけど
ある日突然その注文がなくなるんですよ。「おじぃさんが亡くなった」とかそういうことで。

辰巳:そのおじぃさんが一人で消費してた?

三澤:そう、朝昼晩と。畑仕事の合間とかね。

辰巳:湯飲み茶碗に入れてお茶がわりにね。それもまた文化。
じゃぁもう10年ぐらい前にやめてしまった?

三澤:いや、30年ぐらい前。

辰巳:あれ、どっかで見たことあるんだけどなぁ。

三澤:そりゃ売れ残ったワインでしょう笑。

辰巳:そういうえば、お料理いただくの忘れてました。
シェフ、今日のお料理はなんでしょうか?

井村:今日は佐渡のスルメイカ。さっと火を入れるミキュイという料理法で、ミョウガと合わせてみました。

「佐渡島のスルメイカのミキュイ サラダ」

辰巳:ミキュイのこのアルデンテ感がいい感じですね。このケッパーとかの味付けがなんか地中海的な雰囲気のお料理。

井村:この甲州にはミョウガが合うんじゃないかなと。果実の皮をかじったようないい意味で苦味を感じながら、それでいてスッキリする。。。

辰巳:(このワイン)”プレスは強め”とかそんなんあるんですか?

三澤:若干強いです。本来のブドウの強みは”産地”にあるんですけど、これは「オール山梨」、”コストを少し下げたい”ってのもあって。

辰巳:そんなにしょっちゅう飲んでるわけではありませんけど、凝縮感が増してる?だいぶ変わってきているような気がします。

三澤:人生と一緒じゃないですか?奥さんと長く付き合ってるとだんだん良くなってくるでしょ?

辰巳:・・・・・。それは一概に・・・・・。人によりますからね爆。
三澤さんとこは仲いいんすか?笑笑

三澤:あのね、プライベートはね。さっき(先週のお話です)の”神童”と同じ。「人が言うかどうか」。
自分が「(夫婦)仲良いか?」なんて言ってった意味ないですもん。

辰巳:先週ちょっと計算間違えしたご結婚の年は、確認の結果31歳だったんですね。じゃぁ31歳まではアレだったんですか?

三澤:童貞?(爆、の前に数秒凍りました)

辰巳:三澤さんの口からその言葉が出るとは頭の片隅にも置いてませんでしたっ笑笑。

三澤:だって「31歳までは」って言われたらその言葉しかないでしょ?爆。

辰巳:えっと、このまま話を流すと聴いてる人はそう思っちゃいます。

三澤:笑。ともかく運よく結婚できましたよ(っと)笑笑。

辰巳:えっと、もう一杯飲みましょうかね汗。その間に(リクエスト)曲を聴きましょう。
今日はなんにしましょう?

三澤:じゃ、ジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」。

辰巳:、のテーマ曲?

三澤:♪The hills are alive…(あら、歌ってます)

「The Sound of Music」(1965年)
https://www.youtube.com/watch?v=dVs71KOMnME

辰巳:はい、ジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」のテーマでした。
僕もね、14~15年前このミュージカルで「トラップ大佐」をやったことがありまして。やっぱこの作品いいですね。

三澤:いいですね。じゃ「エーデルワイス」とか歌ったんですね?

辰巳:歌いました。ナチスドイツに侵略されてきて逃げ出すんですけど。

三澤:でもまずいですね、さっき(先週のリクエスト、ビートルズの「Yesterday」)から反戦の歌ばっか。

辰巳:そーんなこともないですよ。だってそんな世代ですし。三澤さんの世代はほとんど左翼じゃなかったですか?

三澤:・・・中にはヤクザみたいな人がほんの一握りいたり。いわゆる”番長”と言われるのは大体そっち系。
そういう人たちは学校も社会も認めないですよね、別人種。

辰巳:ケンカはした?

三澤:ワタシ?いや、相撲はしましたけど笑。ルールに従ったことはやるんですよ。

辰巳:血液型は?

三澤:ABだけどそれよりもっとはずれてるんでC型って言ってます笑。

辰巳:でもやっぱり希少性のあるタイプですね。シェフ、この御大になんか聞くことないですか?

井村:貴重な(ナイショな)お話を放送外でも聞くことができて・・・。
ワイン造りはどうして始められたんですか?

辰巳:フツーの質問ですね笑。

三澤:もう稼業だから。

辰巳:宿命だと?

三澤:宿命とは思ってなかったんです。先週話した”社会性”の問題の方が自分の中では大きかったんで。

辰巳:疲弊した農民の問題を突き詰めたかったのに、実際大学ではハイポリマー、最先端な化学をやってきたんでしょ?
それから就職もされましたよね?

三澤:一応ね。

辰巳:ロケット関係でしたっけ?(←大ボケかまします)

三澤:違いますよっ、商社。

辰巳:三菱商事でしたっけ?(三澤:頷)もう超一流。そこでは何をされたんですか?

三澤:プラスティック。
”セールスエンジニア”って言葉があって、エンジニアの知識がないとセールスができなかった時代。それが私の世代から始まったんです。

辰巳:そこに何年いらしたんですか?

三澤:ちょうど10年。

辰巳:その商社時代に結婚されたんですね?先週その頃お見合いどうのこうのとおっしゃってましたけど?

三澤:そうですね、その頃5人とはお見合いしました。

辰巳:で、そのうちおつきあいしたのは何人笑?

三澤:へっw?そんなお付き合いなんて言っちゃぁいけないですよ。例えばそこに「愛が」あったとかなかったとか・・・。

辰巳:愛があったのは何人ですかぁ?(←辰巳レポーター ズケズケ攻めます)

三澤:(今の奥さんには)愛らしきものはあったんでしょうねぇ。うちの女房だけ2度目に会った時顔がわかったんです、
「あぁ、前お見合いした人だなぁ」って。他の人はわからなかったような気がします。ま、記憶力悪いんです笑。

辰巳:いや、あのー、「選択性記憶力」ってのがあってですねぇ。興味のある人はちゃんと覚えるんですけど、そうでもない人は覚えない。
そんなもんじゃないですか?

三澤:ま、料理と一緒でしょうね。今日みたいな美味しい料理は記憶に残って「また食べたい」と思うでしょうし。

辰巳:2度目に会った時にプロポーズされたんですね?

三澤:なんとなく。。。笑。物事って’1+1=2’じゃないし、その『曖昧なところ』に『ある意味の価値』がありますよね。

辰巳:なかなか文学的な表現。『曖昧』ってなかなか大事で。「グリド甲州」の”グリ”もグレーって意味なんですけど、、、
あれ、もしかしたら甲州ってそういう”曖昧なブドウ”かもしれませんよ。

三澤:白でも黒でもない・・・。そうかもしれませんね。

辰巳:商社時代に結婚してそろそろ稼業を、、、。っと思ってたんですか?

三澤:10年一区切り、とは思ってましたけど。

辰巳:奥様もそんな風に思ってたんですか?

三澤:女房はそのまんま商社にいた方がラクだったと思います。

辰巳:どちらのかた?

三澤:山梨。

辰巳:じゃぁ三澤さんと結婚する以上ワイナリーを・・・

三澤:笑、そんなことはなかった笑笑。

辰巳:なかったんすか?笑。

三澤:サラリーマンの方が気楽ですよ。だって女房はワイン造らないですから。

辰巳:造らないにしても。家庭に入ってまぁ大変だとは思いますけど、その辺今度伺って(奥方に)聞いてみようと思います。

三澤:その方がいいと思います笑。

辰巳:そうか、10年きちんとレールは引いてたんですね。

三澤:ある程度は。あと家庭問題というのは、「人の家庭を喋るのはいいけど、自分の家庭を喋られるのは何も面白くない」ということです爆。
例えば辰巳さんが「奥さんがどうだとか」って言うけど、でも言われる方は何も面白くないですよ爆。

辰巳:ぁw、また顔がだんだん怖くなってきました、すいません笑笑。次回はもっとワインの話に突っ込んでいきたいと思います。
お客様は山梨県勝沼の「中央葡萄酒」三澤茂計社長でした。

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

中央葡萄酒株式会社【GRACE WINE】
https://www.grace-wine.com

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年10月13日放送回

ワイナリー

中央葡萄酒株式会社【GRACE WINE】
https://www.grace-wine.com

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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