ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年10月6日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年10月のゲストは中央葡萄酒【GRACE WINE】代表取締役社長、三澤茂計さんです。
幼少の頃は勝沼で「神童」と崇められていた(?)三澤さん。文系志望が結局は理系に進み、ワイナリーの4代目を継ぐことになります。
まずはグレイスワインの定番中の定番「グレイス甲州」で乾杯!(全4回 1回目)

辰巳:はい、10月に入りました。今月はまたすごいゲスト、御大に来ていただきました。日本ワインファンなら”知らないとモグリ”笑。
中央葡萄酒の三澤茂計社長です!
(いつも通り、この番組を収録している会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています)

全員:よろしくお願いします!

辰巳:忙しいのに無理言って、今日も北海道、千歳のワイナリーから来て下さいました。

三澤:とんでもございません。言われたら”馳せ参じなきゃいけない立場”なんで笑。

辰巳:三澤さん、おいくつになられました?

三澤:ぇw・・・そう聞かれたら大抵95っていうんです。そうするとみんな「若いね」って言ってくれるんで笑。ちょっと鯖読み笑。

辰巳:何ドシ?

三澤:ネズミ🐭。以前京都でその話しませんでした?

辰巳:そういえばしましたね。酔っ払ってそういう話をすると大概は忘れてしまって。若い頃は大丈夫だったんですけど最近は・・・汗。
ネズミ年ってことは昭和23年、団塊の世代ですね。ですから僕より10上ですよ。70ウン歳?

三澤:まぁそれぐらいですよ。

辰巳:まずは乾杯しましょう!

全員:カンパ~イ🎶

「グレイス甲州 2021」
https://www.grace-wine.com/shop/products/detail/159

辰巳:またさらに美味しくなったように感じるグレイス甲州です。これはスクリューキャップのEU輸出仕様のやつですね?(三沢:頷)
井村シェフ、このワインいかがですか?

井村:これまでいろんな甲州を飲んできましたけど、これはすごく”濃厚な旨味”が口の中にうわぁっと広がって来る感じがしました。
すごいステキなワイン♡

辰巳:濃厚かつ洗練されてるキレイなワイン。これアルコール度数はどれぐらい?

三澤:12%ぐらいですかね。

辰巳:ってことは若干補糖はしてます?

三澤:してます、でもなるべく少なく。

辰巳:すごくコクがあって甲州にしては酸味もあって。

三澤:このワインは主に丘陵地帯のブドウを多く使ってるんです。そういう意味では酸が残りやすい。

辰巳:勝沼の丘陵地帯ってことですか?

三澤:そうです。標高は400mラクに越してますからね。

辰巳:ではお料理をいただいてからその辺の話を伺いたいと思います。シェフ、今日のお料理は?

井村:はい、こちらは地元八王子で作られてますコリンキーという野菜を使った・・・

辰巳:カボチャかな?バターナッツかな?と思ってましたけどコリンキーかぁ。ではいただきましょう!

「中西ファームのコリンキーのヴルーテ」

井村:今日は香ばしいナッツと合わせてみました。

辰巳:この甘みは?

井村:何も入れてないです、野菜の甘み。

辰巳:このシェフ野菜遣いの天才!

三澤:野菜は基本ですよね、フレンチも。

辰巳:甲州って野菜に万能ですね。

辰巳:グレイスワインの創立にさかのぼりますが、何年ですか?

三澤:大正12年です。

辰巳:っていいますと1923年、来年100周年。

三澤:計算早いですね笑。

辰巳:いやいや、足し算引き算ですから。1923年といいますと関東大震災があった年。

三澤:そうです。9月1日にあったんですけど、曽祖父が「なんとか気持ちを立て直そう!」という意味もあってワイン造り始めたんです。

辰巳:えっ!?関東大震災に影響を受けたワイナリー?

三澤:曽祖父はもともと”万屋(よろずや)”をやってたんですね。

辰巳:勝沼で?

三澤:はい。ワイン造りは事起こしとして・・・。ま、私も本人に聞いたわけではないのでちょっとわかんないですけど。

辰巳:その曽祖父には会ってないんですか?

三澤:会ってないです。亡くなってから生まれました。

辰巳:最近は親子4代ってとこもありますからね。長生きなのか「ひぃおじぃちゃん、ひぃおばぁちゃん」って言葉もよく聞かれます。
うちの孫からすると(←ぁ、ここで辰巳さんがおじぃちゃんになったことが判明笑)私の親はひぃおじぃちゃん、ひぃおばぁちゃんですからね。
で、三澤さんは創業100年の4代目。それから万屋をたたんでワイナリーを?

三澤:いや、たたまなかったです。やっぱ万屋の多少の(経済的)余力があったからできたと思うんです。専業になったのは父(の代)からですよ。
私(の代)になってからはワインのみだったですけどね。おじぃちゃんまでは萬屋がメイン。

辰巳:お店はどこに?

三澤:まさに私の実家のとこ。

辰巳:実家ってどこ?

三澤:ワイナリーのすぐ近く。私の家なんて(ワイナリーの)守衛みたいなもんですよ笑。昔の旧甲州街道沿。

辰巳:三澤さんはどんな子供だったんですか?

三澤:まぁ人からは”神童”と呼ばれることもなきにしもあらずだったんですけど、本人的には”寡黙な少年”。

辰巳:「寡黙な神童』だったんですね笑。

三澤:”神童”って人が言うだけですよ、中身はぜんぜん違います。

辰巳:でも勉強はできて、

三澤:寡黙です笑。

辰巳:”勉強ができる”と”寡黙”はまた別でしょ?優秀なお子さんだった・・・。
ぁw、三澤さんのワインもうない。

(スタッフが三澤さんのグラスにワイン注ぎ足しました)

三澤:スイマセン、最近(ワイン)造るより飲む方が多くなっちゃって笑笑。

辰巳:飲みっぷりがいいっ!やっぱりワインの飲みっぷりがいい人は長生きする!

三澤:ワインは心にはいいですけど体にいいとはあまり思わないですけどね笑笑。

辰巳:体にもいいんじゃないですか?

三澤:心には本当にいいと思っていて。ワイン飲んでるとほんとにストレス溜まんないんですよ。

辰巳:(学校は)理系だったんでしょう?

三澤:元々は理系じゃなかったんです。中学時代「*農村問題」に結構かぶれましてね。
(*農村問題 参考サイト:https://kotobank.jp/word/農村問題-1388756

辰巳:「農村問題」?

三澤:やっぱ”農村”が悲劇的なわけですよ。それがいたたまれなくなって、「農村がこれからどうやって生きていけるか?」にかぶれちゃったんですよ。

辰巳:あの、、、左翼運動的なことっと思っていいですか?

三澤:友人はいっぱいいました、左翼の。

辰巳:70年安保の時代でしょ?

三澤:そうです、大学時代のことですね。だから’かぶれて’本当は社会科学をやりたかった。
でもね、”神童”のメッキが剥げましてね。試験が受からない笑。

辰巳:あの、どこの受験?高校?大学?

三澤:大学です。高校は(甲府)一高。狙った大学は一橋だったんですよ。都留重人とかね、本当にいい先生がいた。
モノを純粋に考えると自然とそっち側(左?)に行くんすよ。

辰巳:それで結局?

三澤:結局そこ受からなかったから方向転換。今度は東工大(東京工業大学)になったんです。

辰巳:だからそれで”理系”だと思ってたんですよ。もうバリバリ優秀!で、「農村問題」から頭を切り替えて今度は何を?

三澤:笑。突っ込まれると恥ずかしいんですけど、ま、「高分子」ですよ。

辰巳:石油化学、ハイポリマー・・・。

三澤:そうなんですけど、、、でもどうしても馴染まない。

辰巳:馴染まなくって?

三澤:だから僕は元の世界に戻るんです。

辰巳:その辺の話を1曲聴いた後に伺いましょう。今日のリクエスト曲は何にしましょう?

三澤:私の世代ですから、ビートルズの「Yesterday」とかいいですね。

辰巳:ちょうど昔の話してる頃ですからいいかもしれませんね。ではどうぞ。

The Beatles 「Yesterday」(1965年)
https://www.youtube.com/watch?v=c3rkEeFS7Ng

辰巳:なんか懐かしいすね。このビートルズ全盛時代が高校生、その世代?

三澤:そうですけど、単純にこれが「いい曲だな」と思って聴いてただけ。

辰巳:じゃ、その頃熱狂してたとかアルバム全部持ってたとか?

三澤:いや、その頃はまだクラシックが好きで。LPも結構ありましたしね、ベートーヴェンとか。

辰巳:そうですか!もうワンフレーズ聴いたら(交響曲)何番!とかすぐわかるような?

三澤:まぁ第5はわかりますけどね笑(ジャジャジャジャーン♪)
ビートルズはあの頃反戦の人も結構歌ってましたからね。

辰巳:(ビートルズが)解散してからジョン(・レノン)がそっちの方行って、僕はわりと好きでした。
今聴くとポールの歌声もいいですね。

三澤:ぁ、あの、ちょっとお断りしておきますけど、僕はかなりオンチなんですよ笑。

辰巳:いや、別に歌ってくれって言ってませんから笑笑。
実は(この出演にあたり)電話して1ヶ月分のリクエスト曲をお聞きしたら「歌うんですか?」爆。
ご自分が歌うつもりになった方って初めてでした笑笑。

三澤:歌うんだったらやだなぁ、と思って聞いたんですよ爆。

辰巳:「オンチ?」とか「歌ってください」とか一言も言ってないし爆。
いいなぁ日本ワイン界のドンっ!みたいな人のこのギャップ笑。

辰巳:ちょっと話戻りますけどシェフはビートルズは?

井村:いや、ぁ、あまり世代じゃ・・・(←1972年生まれ。)解散してからテレビで観たりとかして「すごいグループだったんだな」と。

辰巳:そのビートルズよりもクラシックがお好きだった三澤さん。結局大学は「高分子」で東工大に入って勉強して、
「でもなんか違う」と思ってた?

三澤:だからなかなか勉強に馴染めなくて、できなかったわけじゃないけど。数学や物理系はけっこうモノグサに合うんですよ、
『考えてればいい』ってのが。だから勤勉な人間には合わない。

辰巳:やっぱそういうもんなんですかねぇ。ほんとの理系に”何が一番大事か?”って聞いた時に、『想像力』って。
計算とかそういう細かいことは関係なしに、、、。

三澤:それはそうだと思います。

辰巳:すごいロマンティックな方だと思いますよ。

三澤:そうですね、過去は笑。今はもうワインの方のロマンに変わっちゃったんで、「アバウトなロマン」笑。

辰巳:「アバウトなロマン」!

辰巳:ご結婚されたのは幾つの時なんですか?

三澤:急に振るねぇ(←当番組わりと名物です)。さんじゅう・・・6?とか?これ女房が聴いてると怒られる。(←要は覚えてないんですね)

辰巳:(長女の)彩奈ちゃんがそろそろウン十歳、でしょ?漏笑。ってことはー、、、。

三澤:この会話家族が聴いてたら多分怒りますよ笑笑。ま、そろそろ、というより、まだ未婚なんです。

辰巳:年齢的にそろそろ大台でしょう?ってことは・・・。ぁ、結婚前に(できちゃった)?

三澤:違いますっ!僕奥手の方だから笑。

辰巳:じゃぁその辺りの話は来週伺います、それまでに調べていただいて。間違いがあっちゃいけませんからね。

三澤::そうですね。これだけは家族に聞かれるとまずいことになりますんで滝汗、笑笑。

辰巳:聴いてないかもしれませんけどね。でも後々これを文字に起こして「日本ワインを愛する会」のHPに掲載しますので(←はい、これです)。
文字に残るので、その時はちょっといいワインでも開けて「よろしく書いてください」とかいうのもいいかもしれませんけど(←お待ちしてます)。
あー今月も話が進まず。特に歳食ってる、失礼!笑笑、歳をお食いになってる方とはどうしても長くなっちゃうんですよね。

三澤:だいたいが年寄りはくどいでしょ?笑笑。頑固だから話が進展しない笑。

辰巳:その代わり面白いからぜんぜん問題なし!ただ、結婚したのがいくつかー?とか覚えてないのは良くない笑。
っということでこの続きはまた次回お送りいたします。
今月のゲストは山梨県勝沼の中央葡萄酒、三澤茂計社長でした。

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

中央葡萄酒株式会社【GRACE WINE】
https://www.grace-wine.com

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年10月6日放送回

ワイナリー

中央葡萄酒株式会社【GRACE WINE】
https://www.grace-wine.com

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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