ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年6月23日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年6月のゲストは山梨県「大和葡萄酒株式会社」代表取締役社長、萩原保樹社長です。
4週目はオレンジワインが登場!世界最古のワイン醸造地といわれるジョージアから発酵甕「クヴェヴリ」を購入して醸した
という「甲州クヴェヴリ 2019」を飲みながら”オレンジワイン”を語ります。(全5回 4回目)

辰巳:6月の4回目です。山梨県勝沼から「大和葡萄酒」の萩原保樹社長をお迎えしております。
(いつも通り、収録会場の「Villas des Marriages多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席いただいています)

全員:よろしくお願いします!

辰巳:今日はなんかね、キレ~イなオレンジ色!「甲州クヴェヴリ 甕仕込み 2019」というワインをお持ちいただきました。
こういうのも造ってるんですね。まずはこれで乾杯しましょう!

全員:カンパ~イ🎶

大和葡萄酒「甲州クヴェヴリ2019」(現行ヴィンテージはは2020)
http://www.yamatowine.jp/shopdetail/000000000126/

辰巳:またこれも味わいがあっていいですねぇ。

井村:深みがありますねぇ。

辰巳:こういう*オレンジワインももう何回か飲んでますよね?(井村:頷)どうですか?

井村:*オレンジワインっていってもそれぞれ全然味違いますんで。’香りが広がる’ってこういう感じのことなんだなって思います。
(オレンジワイン参考サイト:https://www.enoteca.co.jp/article/archives/1503/

辰巳:また色もキレイで。クヴェヴリっていうジョージア(旧グルジア)の甕で仕込んでるんですけど。
この甕は?どうしてるんすか、作ってるんすか?

萩原:2017年か2018年にジョージアにワインの勉強をしにいったときに甕を仕入れてきたんです。
当時の現地の農業大臣(女性)に僕が「このクヴェヴリ買うから’クヴェヴリ’という名前を商品に使っていい?」と聞いたところ
「ジョージアの宣伝にもなるからぜひ使ってください」と。

辰巳:ま、ジョージアがいちばん古くて、その次にアンフォラというローマ帝国の壺があるんですけどね。

萩原:両方持ってるんですけど今クヴェヴリの方にヒビが入っちゃって、、、今併用してます。

辰巳:丸い方がクヴェヴリでアンフォラはとんがってるんですよね。んじゃぁ今クヴェヴリ使えないんじゃぁ・・・?

萩原:今展示用になっちゃってます笑。

辰巳:このワインはヒビ入る前に作ったんでしょ?(萩原:頷)じゃ、このあとは商品名に’クヴェヴリ’って謳えないじゃないですか。

萩原:・・・これから農業大臣に電話して(商品名)アンフォラでもいいか?って聞いてみますよ笑笑。
(クヴェヴリとアンフォラ 参考サイト:https://auxdeuxverres.jimdofree.com/2017/12/14/アンフォラとクヴェヴリ/

辰巳:(クヴェヴリは)ブドウを全房で入れて蝋で封をして1年ほったらかしてるんでしょ?それで土の中に埋めて発酵・対流させて
ワインが出来上がるんですけど、、、。このワインは?

萩原;同じですよ。ま、8ヶ月ぐらいですけどね。ブドウを蔓とかそういうのは取って漬け込んで醗酵とかはそのまんま蓋をするって感じです。

辰巳:へぇぇぇ。でも途中で見るんでしょ?

萩原:見ますよ、Co2(窒素置換)を。自分の好みでいうとなかなかオレンジって難しいです。「どんな料理に合うか?」、はまだ答えが出てません。

辰巳:オレンジワインって世界的にもこの10年20年ぐらいですかね、出てきたのは?
今回もこのオレンジワインにお料理を作ってくださいました。井村シェフ、これはなんでしょうか?

「平目のポシェ フヌイユのラグーとクリームソース ピンクペッパー風味」

井村:はい、佐渡島のヒラメです、ウイキョウのソースで。ウイキョウってわりと強い香りなので、オレンジワインの香りの強さと合うんじゃないかと。

辰巳:ではいただきます。うん、味のタッチ?強さは合ってますね。酸味も。

井村:ペルノーというウイキョウのお酒も使ってますんでオレンジワインの酸味にも合うと思います。
あとはピンクペッパーでちょっとスパイシーに。これでワインがグッと引き立つかなと。

辰巳:これはかなり合うんじゃないですか?

萩原:合いますね、おいし♡

辰巳:いろいろハーブに合わせるといいのかなという気がしますね。逆にいうと和食にはちょっと難しいのかな?

井村:味噌とか合うんじゃないかなぁ、、、っという気がするんですけど。白味噌とかうまく効かせて。

辰巳:ゆず効かせた西京漬とか?ま、そんなこと考えながら食べて飲むのは楽しいですね。
ところでこのワインは何本ぐらい造れるんですか?

萩原:まぁ2000本ぐらいですね。

辰巳:そんなに造れるんですね、”エキゾチック甲州”。どうです、こういう昔ながらの仕込み方?

萩原:難しいですよ。同じように造っても色が変わったり収穫時によっても仕上げ方が違うから。普通のワインって3~5年ぐらいやってると
「これでいいな」がわかるんですけど、そういう結論が出せない。

辰巳:毎年ブドウの出来も違うし気候も違うし。変わって当然だと思えばいいんでしょうね。

萩原:そうなんですね。最近ワイン業界やお食事楽しむ時によく”マリアージュ”?”ペアリング”?
いろいろ言われますけど、なかなかピッタリなことって少ないですよ。だからあんまり使いすぎると”マリアージュ”って言葉が安くなっちゃう。

辰巳:まぁそうか、”結婚(=マリアージュ)”の価値自体も安くなってきたと?笑笑。

萩原:紙1枚かいっ爆。今日はホンモノのマリアージュです!笑笑。

辰巳:そういう言葉ってのもだんだん変わってきますよねー。日本だって20年前は「”(ワインと食事の)マリアージュ”って何?」って
まったく通じなかったですもんね。その間に日本ワインも変わってきた、ワインファンの意識も変わってきた。
これからどうなるんでしょうかね?

萩原:’マリアージュ’だとかは登竜門の言葉として反応するのはいいんですが、
”本当の意味の価値”ってのは別に追求していかなきゃいけないのかなと思う時もあります。
「日本ワインは美味しくなった」と言われてますけど、収穫時期のブドウの成分を可視化してみたときにまだまだ足りないなと。
テクニカルなものを見ると確かに良くなっては来たんだけどまだまだ。「でもまぁいいじゃないか、50年100年かかってもいいから
世界に通じるワインを造るんだ」ってスパンで考えていった方がいいのかな。あんまり焦っちゃダメですね。
 

辰巳:それは良くわかります。ワインは食中酒であるけど、西洋と日本の料理も違うし同じものを造ろうとしてもダメな気がするんですよね。
その辺りはだんだん理解されてきてるかもしれません。

萩原:日本の食文化を彩るんだとしたらまぁそこそこ頑張って来たかなってとこだけど、世界に通じるワインとしてはまだ階段途中かな。

辰巳:このワインは自然酵母?

萩原:違いますよ。いろいろ考え方があるけど、野生酵母を使うがために1週間~10日発酵を遅らせるのはリスキーなんですよ。
自然酵母だとしても事前に発酵させて造るぐらいの計画性は必要なのかなと思います。

辰巳:”自然派”って言葉に対してはどう思います?

萩原:”放置派”とは違うってことです。’何事をも放置して手をかけない’ってのが”放置派”。

辰巳:この言葉面白い。”放置派”。

萩原:放置派と自然派は違います。イングリッシュガーデンは計画された自然美。(自然派は)それとおんなじ考え方でいいんじゃないですかね。

辰巳:培養酵母を使って仕込むわけですね。

萩原:ただSo2(亜硫酸)はごくわずか。今造ってる商品はSo2使いませんよ。

辰巳:もともと日本は使用率少ないんですけどね。超熟させる文化がないから。
それにしてもこのワインいいなぁ。

萩原:今日は料理に助けてもらった笑。

辰巳:今日は103回目の放送だから103回目のマリアージュ?ペアリング?・・・ペアリングって言い方もどうかな。

萩原:なんか安いですよね笑。日本ワインを引率する辰巳さんだからこそ安い言葉を使って欲しくない。

辰巳:・・・そうですね。日本語でいうと、、、。

萩原:”寄り添う”。

辰巳:それですね!流石でございます。
ではここで1曲、リクエスト曲をおかけしたいと思います。今日は何を?

萩原:オフコースの「さよなら」。

辰巳:なんで?

萩原:わかりませんねぇ爆。

辰巳:さよならに思い入れが?

萩原:いろんな意味でどっかに”さよなら”は必要じゃないですか?青春時代も。あの子もこの子も笑笑。

辰巳:捨ててきたほう?捨てられてきたほう?笑笑。

萩原:両方。

辰巳:ではいろんな思いがこもった「さよなら」。どうぞ。

オフコース「さよなら」(1979)
https://www.youtube.com/watch?v=C-IPLZHOUKM
(上記の画像は「Universal Mugic Japan」のHPからお借りしました)

辰巳:なんか甘酸っぱい思い出が蘇ってくるような笑。いい曲ですよね、今日のクヴェヴリ甲州になんとなく合いますね。
ワインって気分がウェットの時に合うことありますけど、オレンジワインってなんかそんな気がします。なぜでしょう?

萩原:・・・どうでしょう笑、それぞれが歴史を醸したきましたので。

辰巳:いい仕事ですね、ワイン造りって。実際醸造もやってるんでんでしょ?

萩原:苦笑笑笑。よく聞かれますけど、「醸造家」ですー爆爆。

辰巳:それは知ってますけどー、ほら、社長としていろいろ経営判断だとか営業だとか全国飛び回ってるじゃないですか。

萩原:よく「萩原さんってワイン造れるんですか?」って聞かれます。『こっちが専門です』爆。

辰巳:誰かに任せず全部自分でやるんですか?

萩原:っていうか、今はまだ「自分が選んだワインを自分で出したい」って気持ちがありますから。(後継に)ちゃんと任せられるまでになったら
マニュアル渡してやってもらおうと思ってます。

辰巳:今醸造家何人ぐらいいるんですか?

萩原:6人。みんな海外に勉強に行ったりしてます。

辰巳:最近新しいワイナリーも増えてて独立したりもしてるでしょ。

萩原:それはウエルカムですよ。

辰巳:萩原さんとこから独立して巣立った人とかいるんです?

萩原:いますよ。その前に面倒見てきた会社もありますね。大阪の仲村さん、tetta vinyard、カルディ・・・。
あと5~6人いるけど忘れちゃった苦笑。

辰巳:ぇw、カルディも?

萩原:そうですよ、カルディのワインは全部うちが造ってたんですよ。・・・お世話になってますカルディさん笑。

辰巳:でもまぁこの20年でワイナリーが3倍近くに増えてる、そういう意味では大きくなってる業界ではあるんですけど。

萩原:だからこそですが。今ワタシ山梨と東京で生活してるわけですが、東京では「神楽坂ワイン倶楽部」というのを運営していて
基本的には「日本ワイン」を応援してるんです。でもさっきのうちのクヴェヴリとお料理がすごく合ったように、
いろんなお料理とのペアリングの会もやってますんで今度ぜひこのお店でもやらせてください。

辰巳:ぜひやりましょう!

萩原:シェフもコテコテの大阪人じゃなくて魂ある人だってのがわかりましたんで爆、ぜひここでやらせてください!

辰巳:シェフの腕は安心して任せられるのでぜひやりましょう!
これで4回目が終わりますが、来週は最終回。

萩原:はい、最後は後継者の娘と同席したいと思いますので少しお時間ください。パパ待ってますよ~♪笑。

辰巳:今月のお客様は山梨県勝沼の「大和葡萄酒」萩原保樹社長にお越しいただいてます。
来週もよろしくお願いします。

全員:ありがとうございました!!!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

大和葡萄酒株式会社
http://www.yamatowine.com

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年6月23日放送回

ワイナリー

大和葡萄酒株式会社 
http://www.yamatowine.com

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

「日本のワインを愛する会」入会申込

登録無料

入会申込フォーム