2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年6月のゲストは山梨県「大和葡萄酒株式会社」代表取締役社長、萩原保樹社長です。
最終週は満を持して5代目跡継ぎの一人娘、花衣(かい)さんが登場!
昭和の父から平成娘へのバトンタッチのプロセスを爆笑トークでお楽しみください。(全5回 5回目)
辰巳:はい、6月ももう終わりです。今月は山梨県勝沼からお越しいただいている「大和葡萄酒」の萩原保樹さんにお越しいただいて
いるわけですけど。今日はですねー、先週の予告通り5代目のキレイな若いお嬢様にもお越しいただいております。
では自己紹介お願いいたします!
萩原(娘):はい、「大和葡萄酒」の萩原花衣と申します。よろしくお願いいたします!
辰巳:花衣(かい)さんっていい名前ですよねー。字は?
(以下5代目はお名前の”花衣”と表記します)
花衣:花に衣装の衣。
辰巳:ハナゴロモ。なんか俳句でありましたよね、ハナゴロモを着てなんちゃらとか。花見に行く時の衣装を花衣っていうんですよね。
萩原:そうです。
辰巳:春に生まれたんですか?
花衣:そうです、4月生まれ。季語です。
辰巳:ここら辺が日本のいいとこですよねー。俳句もやるんですか?
花衣:・・・いえ笑。
辰巳:年齢はバラしても?
花衣:ぜんぜん大丈夫ですよ。4月に29歳になりました。
辰巳:っということは酉年?うちの息子と一緒だ。
花衣:私と同級生?うぉぉ!
辰巳:うちの息子(弟)は娘(姉)よりしっかりしてて、家庭も持ってキチッキチッと頑張ってやってますが。
跡継ぎがいるってのは嬉しいもんですね。ねぇお父さん?笑。
萩原:そうですね。ワイン業界も会社も次世代に向かって「親父あまり口聞くなっ!」って世代ですね笑。
辰巳:お父さんの方はね、もう中学生の頃から”跡を継ぐんだ”って決めてた話を伺ってましたけど花衣さんは?
花衣:私はー、、、つい最近ですね。
辰巳:ずーっとお父さんから継げ継げ言われてたんですか?
花衣:そんなことはないですけどー、、、。まぁ無言のプレッシャー?、はありましたね。
辰巳:で、ついにプレッシャーに寄り切られたと?
花衣:そうです。でも正式にいつからやります!っと言ったこともなくなし崩し的に笑。
萩原:まぁシャネルのバッグ10個分ぐらいです笑笑。
辰巳:最近の若い人たちは「付き合ってください」、「はい」、らしいですね。我々の頃はそんなんじゃなくて
”なんとなく”付き合って”なんとなく”くっついたり離れたり、でしたけどね。
萩原:ま、”ゼネギャ”ってやつですよね。
辰巳:萩原さんはどうなんでしょ?
萩原:どうなんでしょ?恋多き男でしたので覚えてません笑。
辰巳:あーそうですか、”口は災いの元”ですからね笑笑。
辰巳:跡継ぎも決まったということで、まずは乾杯したいと思います。
全員:カンパ~イ♪♪♪♪
Huggy Wine「長野マスカット ベリーA」
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辰巳:今日は赤ワイン、マスカット・ベーリーA。これはどんなワインでしょうか?
花衣:うちの長野県産のマスカット・ベーリーAを使ってます。松本市に自社畑がありまして。
萩原:それと塩尻の契約農家のブドウ。自社畑のマスカット・ベーリーAは棚栽培です。
辰巳:このワインのセールスポイントや何か物語は?
花衣:(父に)ありますかー?笑。
萩原:しゃべってもいい?笑。
えーっと。長野県の方が(山梨に比べて)収穫が1ヶ月ぐらい遅いんですよ。特に赤ワインってのは凝縮感が必要じゃないですか。
私はその凝縮感のあるワインを造りたかったので、赤は今少しずつ長野県(松本・塩尻)の方にシフトしています。
今は山梨で20tぐらい、長野で30tぐらいベーリーAを仕込むんですが、だんだん長野県の方がいいかなと。
辰巳:シェフ、どうですか、このベーリーA?
井村:口に含むと自然な甘みがふゎっとくる印象です。
萩原:これは若干甘み残してます。
辰巳:長野だからもっと酸味が強いのかと思ったんですけどそんなになくて。まろやかで、遅摘みだからか果実味がある。
シェフ、今日のお料理は?
「子羊のロースト ハニーマスタードと香草風味」
井村:この(ワインの)ベーリーの香りと子羊のクセというんでしょうか、それがマッチするんじゃないかと思いまして。
全員:いただきます!
井村:ハニーマスタードを子羊に塗ってフレッシュなオレガノをまぶしました。
萩原:ソース絶妙ですね❤︎
辰巳:いい感じに寄り添ってますよね。こういうのは「マリアージュ」と言ってもいいと思います。
そうじゃないマリアージュもいっぱいありますから。
萩原:”ベリーチープなマリアージュ”ね笑笑。でもこれは”ホンモノの愛”。
辰巳:最近は星付きのレストランでも高価なペアリングがありますが、いくつかは合うとしても大抵ムリヤリ合わせてる。
何とかして欲しいなー笑笑。
萩原:「何でもかんでもマリアージュ」と言って客が満足するしかないマリアージュじゃなくって、これはちゃんとしたマリアージュ。
井村:赤いソースはトマトのピューレ。ハニーマスタードの甘みだけだとどうしても飽きがくるんで野菜の自然な酸味を少し。
萩原:私の”語録”言ってもいいですか?(誰も許可してませんが)『愛と赤ワインは凝縮感』爆。
辰巳:あれ、先週もなんか言ってましたよね?
萩原:『恋もワインもバランス』?笑笑。
辰巳:僕がよく使うのは『ワインと女性は熟成です!』。
花衣:あー・・・アハハ。(←29歳女子のビミョ~なリアクション)
萩原:『複雑なほど余韻は長いです』(←お後がよろしいようで笑)
井村:なんか新しい番組できそうです笑笑。(←ぇw、シェフまでノってきました)
辰巳:花衣さんは子供の頃からワイン飲んでたんですか?
花衣:そうですね、ちっちゃい頃からー笑。
辰巳:ヨーロッパではね、(ワイナリーに生まれると)ちっちゃい頃から指につけて舐めさせる、みたいなね。
花衣:”誤飲”っていうんですかね?間違えて飲むことは小さい頃からあったらしいです。樽に囲まれて育ってたし。
辰巳:一人娘だし「跡を継ぐのかなぁ」とはなんとなく思ってたんでしょ?
花衣:思ってました。
萩原:「樽に入れても痛くない(我が一人娘)」爆。
辰巳:シェフぅーーー🙏
井村:それは新しい番組の方で笑笑。
萩原:でも樽に入れる時ってけっこう神経遣いますよ。月にいっぺんは目注ぎしなきゃなんないし、酸化したりとか、
いろんなこと考えるから大事ですよ。
辰巳:「娘が酸化しちゃ困る」笑笑。
でもワインは好きなんでしょ?
花衣:嫌いではないですもちろん。
辰巳:うちの息子なんかね、親がワインばっか飲んでるから(ワイン)けっこう嫌いになっちゃっててね。
全員:えっ!!!
辰巳:でもちっちゃい頃海外のワイナリー見学に連れてくとね、向こうは大人子供区別しないんですよ。
子供もちゃんとテイスティングさせてもらえるんです。それを舐めると酔っ払っていい気持ちになってね笑。
そういう経験はあってよかったなと思います。最近ようやく飲み始めましたよ、結婚して相手がワイン好きだったから。
(花衣さんは)「いい跡継ぎ見つけてこい!」とかプレッシャーなかったですか?笑。
花衣:それはないですね。
萩原:醸造って科学的なものじゃないですか。でも彼女はそっちじゃなくって経営的なものを勉強してきた。
そっちができなければいいワイン造ってもしょうがないですから。
辰巳:じゃぁ醸造はやらない?でも少しは?
花衣:今から少しずつ勉強していかなければいけない、というまた新たな無言のプレッシャーが迫ってきて笑笑。
辰巳:じゃぁここでリクエスト曲聴きましょうかね。これはお父さんのリクエストかな?なんでしょうか?
萩原:H2Oの「想い出がいっぱい」です。
「青春時代から大人にならなきゃいけない」時代と、残り15年、今までの醸造生活を振り返りながら
「これからはもっと変わったことをしよう」、とかいろいろな思いを秘めつつ次世代に渡していく、と。
辰巳:なんかいい言葉ですね。ちょっとジンとしました。
萩原:ありがとうございます。涙無くしては語れない笑。
辰巳:ではお聞きいただきましょう。H2O「想い出がいっぱい」。
H2O「想い出がいっぱい」(1983年)
https://www.youtube.com/watch?v=EaYoe-uyyl8
辰巳:はい、「想い出がいっぱい」でした。花衣ちゃんは今も思い出いっぱいあるとは思いますが、
これからどんどん作っていく方ですね。お父さんとの思い出は?
花衣:父との思い出は、、、うーーーーーーーん・・・爆。(←ないんかいっ!?)
萩原:盆と正月にしか帰ってこないとかそういうこと?笑笑。
辰巳:昔*うちの娘なんかは(僕に対して)そんな感じでした。だんだん(娘が)インタビューされる機会が多くなって
(おんなじ質問に)おんなじこと答えるようになりました。そういう”ベース”あったほうがいいですよ笑。
(*長女の辰巳真理恵さんはオペラ歌手:http://www.tatsumimarie.jp/)
萩原:ピューロランド、半年に20回連れてったとかあるじゃない?爆。
花衣:そんなに行きましたー?笑。確かにちっちゃい頃よく行ってましたけど、アハハハ。
辰巳:ディズニーランドじゃなしにピューロランドなんですね、山梨から行くには笑。
花衣:はい。
辰巳:普段(父の社長のことは)”パパ”って言うんですか?”お父さん”ですか?
花衣:パパです。
萩原:久しぶりに言われて嬉し❤︎爆。
辰巳:うちは”お父さん”。”パパ”ってちょっと照れくさい。パパって言われるとなんかガイジンみたいな感じするじゃないですか爆。
僕はあんまり呼ばれたくない。パパ嬉しい?
萩原:嬉し❤︎
辰巳:昔ドラマで「*パッパからの贈り物」ってのがあってね。”パッパ”もいかなぁと思ったんですけど、
やっぱり周りに聞かれると恥ずかしい笑。
(*(父)パッパからの贈り物:今は無きNHKの銀河テレビ小説だったんですね。
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009043592_00000)
萩原:なんかさ、オヤジが外国かぶれで教えたみたいなね笑。
辰巳:それこそ大正時代とかそこら辺の話だったんですよ。
辰巳:時間もなくなってきましたが、お父さんとしては娘さんにどうなってほしいですか?
萩原:やっぱり歴史ある会社ですから。ワタシも4代目まで培ってきましたし。祖先たちは反映や幸せを考えながら引き継いできましたので、
そういう思いとワインの歴史も考えながら継いでもらえればうれしく思います。
辰巳:・・・なんだか、そつのない演説でございました爆。来年110周年、再来年111周年。111周年ってなんかいいですね。
花衣さん、最後にどんなワインを造りたい?自分のカラーとかある?
花衣:確かにそうですね。ただただ”美味しいワイン”です。人によって”美味しい”って違うけど、でも”誰が飲んでも美味しいワイン”
ってあるじゃないですか。それですかね。
萩原:300年後のDRC(ロマネコンティ)のために頑張ろう!爆。
辰巳:6月は5週に渡ってお送りしました山梨県勝沼の「大和葡萄酒」4代目萩原保樹社長、
そして今週はお嬢さんの花衣さんにもお越しいただいました。こうしてみるとなかなかいい2ショットですね。
お母さんとっても美人でしょ?
花衣:いやぁぁぁ、どうでしょう?笑笑。
萩原:先輩(辰巳さんのこと)も「親子似てますね」って言われるようにうちも似てます笑笑。
辰巳:「父親に似てます」って言われると本人(娘)は嫌がるんですよ。
萩原:でも嬉しいでしょ?
辰巳:ちょっと嬉しいけど娘は機嫌悪くなる爆。「この人お父さんと似てるって言った」ってその言った人を嫌いになる大爆。
だからあんまり言わないほうが・・・。花衣ちゃんは嬉しい?
花衣:私も辰巳さんの娘さんと同じかもしれないです笑笑。
辰巳:娘同士気があうかもしれませんね。今度付き合ってやってください。
辰巳:っといことで引き継ぐって言うことは本当にいいことで。仕事もワインも。
井村シェフの後継は?
井村:いやぁ、いないですね。
辰巳:子供は?
井村:います。けどぜんぜん違う方向に行くと思います。
辰巳:いくつ?
井村:18です。
辰巳:グレてませんか笑?
井村:大丈夫です。
辰巳:この番組もちょうど丸2年ですが、まだまだやっていきたいと思います。萩原親子、1ヶ月間ありがとうございました!
シェフもありがとうございました!
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
大和葡萄酒株式会社
http://www.yamatowine.com
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2022年6月30日放送回
- ワイナリー
大和葡萄酒株式会社
http://www.yamatowine.com- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/