2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年4月のゲストは「奧野田葡萄酒醸造株式会社 」代表取締役 中村雅量(なかむら まさかず)さんです。
第3週目はメルローを使った赤ワイン「スミレ・ルージュ2018」で乾杯!。とあるエピソードからできたこのワインを
中村さんは”おとぼけ”と表現しましたが、後半は奥様との”おのろけ”に発展します。
また、新しいワイナリーお披露目会のお知らせもありますよ~、お楽しみに!(全4回 3回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/
辰巳:4月のお客様は山梨県甲州市の奧野田葡萄酒、中村雅量代表です。
(いつも通りこの会場「Villas des Marriages」の井村貢シェフにも同席いただいてます)
全員:よろしくお願いします!
辰巳:まずは乾杯しましょうか。今日は赤ワインが来てまして、早く飲みたいなと笑。
全員:カンパ~イ🎶
「2018 スミレ・ルージュ キュベ・エルヴァージュ」
https://okunota.shop/items/601cd2676e84d54a57d572f5
辰巳:「ラ フロレット スミレルージュ キュヴェ エレヴァージュ」。これはどういうワインでしょうか?
中村:メルローです。おとぼけが2つありまして・・・。
辰巳:おとぼけ?
中村:まずエチケット。妻が描いたスミレなんですが、これがうまく描けたもんですから
「これ似合うワインを造れ」っというオファーが来て笑、そっからない頭を絞って・・・。
辰巳:品種とかはなんでもいいからとにかく「スミレに似合うワインを造れ」。絵が先だったと?
中村:ワイナリーの事情としては、ある程度まとまったメルローが契約農家から供給される状況でしたので
自社畑のメルローはありますがこれに関しては主に契約農家。そしてピノ・ノワールを仕込むように
コールドマセラシオン。ボリュームを欲張った造りではなくて少し肩の力が取れたワインにしたいなと。
辰巳:*コールドマセラシオン、シェフ、わかりませんよね?笑。(井村:頷)
中村:赤ワインって温度を上げた方が力強く造れるんですけど、
辰巳:何度ぐらいですか?
中村:20℃以下。
辰巳:はい、20℃以下のことをコールドマセラシオンと言います。
(*コールドマセラシオン(コールド・マセレーション)参考サイト:https://winescience.amebaownd.com/posts/5472003/)
中村:柔らかい赤ワインにしたかったんで。「キュヴェ エルバージュ」は樽熟成って言う意味なんですけど
それも新樽は使わないで4~6年目ぐらいの樽を使って12ヶ月熟成させてます。
2つ目のおとぼけはブルゴーニュボトルに入っている。メルローはボルドー品種なのに。
辰巳:でもそれはねぇ、”フランスワインに毒された人たちの考え”であって笑笑。日本ではいっぱいありますよー。
中村:その辺りはおとぼけということで笑。
辰巳:おとぼけというほどでもないですよ。
すいません、最近フランス、っというよりフランス人があんま好きじゃないんで笑。フランスワインは素晴らしいと思うんですけどね。
(←フランスに対してはとにかく塩対応の辰巳さん笑)
シェフどうですか、このワインは?
井村:味見した時にすごい軽いタッチで、初心者にも飲みやすいなぁ、(みんなが)好きになれるんじゃないかなと。
中村:ありがとうございます!
辰巳:さっきのお話ですけど”ピノ・ノワールっぽく仕上げたかった”と?
中村:、のイメージです。
辰巳:その方向はいいんじゃないですか?
中村:合わせるお料理として代弁しますと「赤身のお肉を美味しく食べよう」。血の旨味を楽しませるような。
私どもの斜面(畑)ってちょっと鉄のようなニュアンスがあるんですよ。
辰巳:なんか今日はずーっと専門的な話ですねー。でも”ピノ・ノワール”っぽいワインを造りたい。メルローであろうがなかろうが
このなで肩のボトル(ブルゴーニュボトル)。これは僕はまーったく問題ないと思います。だけどー・・・。これスミレの感じします?
井村:そぅですねぇ。優しい花の感じはするんですけど、それがスミレかどうかは僕にはちょっとわからないです。
中村:僕のスミレのイメージはカーボ。炭焼きの炭。わかります?
辰巳:スミレのスミ?爆。
中村:じゃなくて。。。
辰巳:クリュ・ボージョレーのあの辺りはちょっとそのニュアンスがあるって言われますけど。フローラルな果実味は少ないかもしれないです。
この辺はどうなんですかね。これは2018年ですけど。
中村:んー、だいぶ良くなってきた。まだ良くなる余地は残ってると思ってますけど。
辰巳:線はそんなに太い感じではないですけどタンニンはわりとしっかりしてますよね。
でー、、、このお料理なんです。
「マグレ鴨ロティ 春野菜添え ヴィネガー風味のソース」
井村:今日はマグレ鴨っていうフォワグラを取り除いた後の鴨を使いました。
フォワグラを作るために餌をたくさん食べさせる大型の鴨ですので旨味がすごくあるお肉なんです。通常の鴨よりはちょっと硬いんですけど。
辰巳:マグレ鴨っていうのはフレンチの世界では高級食材?
井村:、でもないです。わりと使いやすい鴨なんです。そこまで血液っぽくもないですし。それに今日はルッコラの蕾を添えてみました。
辰巳:ではいただきます!これソースはなんですか?
井村:玉ねぎとシェリービネガーを使ってて、ビガラードソースって言います。ちょっと軽いお肉料理にしました。
中村:美味しい♡
辰巳:まぁ軽めっていってもそこまで軽くはなく、ワインもそこまで軽すぎない。なんかどっちも浮遊感というか、
いいところでマッチングさせてますねー、どこにも寄せてない。
中村:(このマリアージュ)打ち合わせしてないとは思えない笑。
辰巳:このシェフすごいでしょ?もう毎回感心させられてるんですよ。最近お店もいっぱいらしいですけどぜひまた来てください。
日本一日本ワインがあって(希望的観測)、グラスでも飲めてコロナも下火になって。今度は海外のお客さんにも来て欲しいですよね。
フランス人が日本に来てフランスワインは飲みたくないんすよ。アメリカ人はアメリカワイン飲みたくないんすよ。
「そうだ、Villas des Marriages 多摩南大沢へ行こう!」っと笑。
さて、もうちょっと食べたいんで曲を聴きながら。最近このためのリクエスト曲コーナーなんじゃないかと思えてきました笑。
今日はなんにしましょうか?
中村:グロリア・エステファンの「アイエル」。
辰巳:どこの人?
中村:アメリカに亡命したキューバの人。僕が最初に知ったのは「マイアミサウンドマシーン」なんですけど。
そのあと解散してプロデューサーと結婚して、出したアルバムの中から今日は母国語で歌ってる曲です。
辰巳:スペイン語。これはなんか思い出あるんですか?
中村:好きな曲なんです♡
辰巳:甘酸っぱい思い出とか?笑。
中村:相当しょっぱいのが爆。
辰巳:先週のTOTOは甘酸っぱかったけど今度はしょっぱいんですね笑。ではどうぞ。
Gloria Estefan 「Ayer」(1993年)
https://www.youtube.com/watch?v=R85KrF-Ak4U
辰巳:なんかラテンの音楽聴いてると陽気になってきますよね。気持ちも明るくなってきます。
中村:大事ですよねー。
辰巳:赤ワインってそんな気分になるんですよね。このワインはなんと税込で3000円を切ると、今自慢をされました。
中村:力作ですっ!ワイナリーと近隣の契約農家の努力の、、、なんですよ。
辰巳:これは何本ぐらい造ってるんですか?
中村:けっこう。これ5000本ぐらい。ワイナリーでは一番人気があるワインです。
辰巳:全生産量は?
中村:4万本ぐらいですかね。
辰巳:1989年のバブルの真っ只中に8000万円借金して始めたっていうワイナリーですが笑。
中村:あまり宣伝文句にはならない笑笑。
辰巳:それからどうですか?順風満帆?
中村:15年前に妻が突然来る頃にはまだ借金残ってました。ワイナリーは私独りだったし、壁も屋根もなかったし。
それでもたまにお客さん来たりして笑、「ワイナリーどこ?」って聞かれるんですけど
「これじゃガレージより酷いんじゃないか!?」って言われながらワイン造ってた時代もあったし。
でも壁ができたときはちょっと嬉しかった♡爆。「旨かったぞ、また遊びに来たぞ」とか言って来た人が
「おい、トイレ借せ!」と。「だからこないだないって言ったじゃん!」爆。
「じゃぁオマエどうしてんだ!?」って聞かれて僕は「コンビニかホームセンター行ってますよ」とか笑笑。
辰巳:お住いは?
中村:住まいもなかったっすから。故郷の河口湖から通ってました。
だからお客様にまともにトイレ借してあげられるようになるまで10年かかりました。
そのあとはゲストルームができたり畑を充実させたりテラスを作ったり新工場を作ったりしたんですけど。
辰巳:新工場はいつ?
中村:去年の秋竣工しました。
辰巳:ちょっとテレビドラマで見たんですけど「あれ、ここって?」
中村:「*ムチャブリ」?笑。そう、ワイナリーのロケは全部うちで撮ってます。
(*ムチャブリ:日本テレビ2022年1月期水曜ドラマ HP:https://www.ntv.co.jp/muchaburi/)
辰巳:それはもう新しいワイナリーの時?
中村:いえ、古い時です。畑も含めて全部。
辰巳:なんでそういうお話が?
中村:先見隊(ロケハン?)が探してて、(当初は)いくつかのワイナリーを併せて撮るって言ってたんですけど、
結局はうちのワイナリーだけになったんです。
辰巳:どの辺が気に入られたんでしょうかね?
中村:えーっと笑。。。ま、妻がですね、あっちこっちをちょっとずつキレイにしてくれてる。「ここにお花を」とか
「この壁やり直してください」とかをいつも何かやってて、それを画にしたときになんか具合がよかったらしくて。
辰巳:”テレビカメラを通して”と”肉眼で見る映像”は違ってなかなかの別世界なんすよね。それを奥様はよくわかってらっしゃる。
あれ、奥様って何されてた方なんですか?
中村:基本的には嫁いで来る前まではフツーの酔っ払いのOLなんですけどー爆。ゎ、絶対怒られるー爆爆。
辰巳:いくつ違いですか?
中村:13歳下ですー。結婚した時僕は44歳。
辰巳:奥さん31歳の時。まぁそう聞いたらそんなにね、、、。30歳の時に17歳はまずいですけど笑。
で、そんなお酒好きの奥さんだから「ワインメーカーと結婚したい!」とか「結婚したら一生お酒に困らない」とか
思ったんですかね?笑。
中村:最初はそうだったかもですが笑、今はすごく一生懸命やってて現在は古い工場が残りましたんで
そこを「カフェにするんだ」ってリノベーションしてます。壊しちゃおうかって話もあったんですけど、
ま、30年もやっていた工場ですし、地域のみんなが出労してできた建物だってんで「壊しちゃうのも・・・」。
結局古かった、ボロかった建物をリノベーション。
辰巳:お住いは?
中村:今はワインセラーの上に。だから今度はカフェとワインセラーと新工場の3箇所になるんですよね。
ガチャガチャしてて楽しいですよ。いつもガチャガチャ笑。
辰巳:カフェは奥さんが?
中村:「カフェは全面的には関知しないよ」って言ってますんで私はノープランですけど
近隣の料理研究家の先生なんかに「今度カフェやるんだけどやらない?」って誘ったら「やるーっ!!!」笑。
辰巳:*ここで宣伝しときましょうね。『もしこれから甲州市の方に行かれましたら、ワインカフェが5月ぐらいにできますので是非!」
なんか食べるものも出してください。(←くいしんぼう万才)
(*奥野田葡萄酒ワイナリーリノベーションお披露目会が7月2日、7月3日に行われます。ご希望の方はこちらからお申し込みください:http://www.web.okunota.com/event_ohiromekai/index0 )
中村:それは大丈夫です。隣のおばあちゃんがインゲン豆とか枝豆とか(作ってるので)、ぁ、豆ばっかだな笑。
辰巳:よろしくお願いします。ということで来週あと1回、どんな話を聞こうかな?お楽しみに!
4月のお客様は奥野田葡萄酒の中村雅量代表でした。
全員;ありがとうございました!
(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
奧野田葡萄酒醸造株式会社
http://web.okunota.com
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2022年4月21日放送回
- ワイナリー
奧野田葡萄酒醸造株式会社
http://web.okunota.com/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/