ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2022年2月24日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
2022年2月のゲストは機山洋酒工業株式会社 代表取締役の土屋幸三さんです。土屋さんが「消えてなくなりたい」と思うほど畑が壊滅状態になった時に沁みてしょうがなかった歌とは?「高級フレンチに日本ワインは置いてない」に辰巳さんカチーン‼︎
最後の最後まで盛りだくさんでした。(全4回  4回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:本日のお客様は山梨県から・・・山梨県っていっても(この会場があるエリアの)八王子駅まで塩山から1時間かかかんないんですよね。そんな近いところから来て下さいました笑、機山洋酒工業株式会社の土屋幸三社長です!

辰巳・土屋:よろしくお願いします!

辰巳:今日は最終回、これまでも話が盛り上がって気づくと番組終了時間になっちゃってて汗。今回は話を何に絞ろうかと・・・。まずはワイン美味しそうなんで乾杯しましょう!
(いつも通り、「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフも同席しています)

全員:よろしくお願いします🎶

辰巳:赤ワインです。少し熟成した感がしますけど、スッキリとした酸味が特徴で・・・。今日のこのワインはなんでしょうか?


KIZAN FAMILY RESERVE 2019
(機山のワインリストはこちら:https://kizan.co.jp/wine-list/

土屋:キザンのファミリーリザーブというワインの 2019年ですね。

辰巳:これはどういう位置づけのワイン?

土屋:まぁファミリーリザーブなんで、”家族のとっておきの”、直訳するとそんな感じなんですけど。このワインに関しては毎年いろんな事情もありますし、品種の構成とか比率を特に固定しないで、うちで作ってる品種のメルローとブラック・クイーン主体に他の品種が少し入るかなって具合です。

辰巳:今回のは2019年のヴィンテージですけど、メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニョン30%、ブラック・クイーン20%。

土屋:その年のブドウを使ったバランスのよく、なおかつ飲みごたえのあるワインを”ワイナリーのプライベート用”っていうイメージで造ってます。

辰巳:全部(のブドウ)が自社畑ってわけでは?

土屋:ではないです。でもカベルネ・ソーヴィニョンはうちの畑にしかないですね。ヴィンテージによって品種の出来が違いますけど、うちの6アイテムそれぞれに「これにはこういうキャラを出す」っていう方向性があるんですけど、ファミリーリザーブに関してはあえて固定せず、その時にあるワインをブレンドによって決めます。だから「この品種を特に際立たせよう」ってことは重視してません。

辰巳:それでも機山っぽいニュアンスは持ってますよねぇ。

土屋:ありがとうございます。

辰巳:今日もこの会場の井村貢シェフにお料理をお願いしております。いかがですかこのワイン?

井村:「赤ワインらしい赤ワイン!」お料理に合わせやすいんです。

辰巳:ま、フランス料理の料理人として、こういうボルドー系ってのは使い慣れたってのがあるんですかね。

井村:笑、そうっすね。

辰巳:これまでベーリーAとかブラック・クイーンとか(お料理と)どう合わせよう?っと苦労したと思いますけど笑。でもボルドーとはまた違ったニュアンスですし、この繊細さを持ち合わせたのが日本ワインの特徴なんでしょうけどどうですか、お好きですか?

井村:お好きです♡、たくさん飲んでしまいそう笑。

辰巳:これ樽は少し使ってるんですか?

土屋:一応全部(全品種に)使ってます、1年間。でもあまり新しい樽は使ってないので樽の感じが前面に出てるわけではないですね。

辰巳:アッサンブラージュ(それぞれの品種をブレンド)してから?

土屋:基本はそれぞれの品種ごとに樽熟成して(それからアッサンブラージュ)ますけど、複数の品種を樽に入れて熟成させる場合もあります。ワインって”ピッタリの量”できないでしょ?必ず端数が出る。でも端数が出ても捨てるわけにはいかないので、変な言い方ですけど”端数を寄せ集めて”それをどっかに活かしてかなきゃいけないんで・・・。

辰巳:裏ラベルに書いてあるセパージュ(品種のパーセンテージ)はざっくりなんですね笑?

土屋:2019年は最後にノート見たらそういう比率になってました。

辰巳:奥行きのあるワインでとても美味しいです。
ではシェフ、今日のお料理は?


『豚バラ肉とプルーンの煮込み ポルト酒風味』

井村:はい、今日は豚バラ肉とプラムを一緒に煮込んでみました。

辰巳:ナツメヤシかと思ったらプラムでしたね。僕の大好きな豚バラ肉にこれはデミグラスソース?

井村:そうですね、ポルト酒を使って甘みを生かして。

辰巳:今ワインの温度がちょっと低いので、もうちょっと上がってきたらもっといいかもしれません。(ワイン単体としては)この低い温度もいい。面白いワインですね。

井村:このワインにプルーンのような香りがあったのでそこに合わせてみたかった。

辰巳:いいですねぇ、素直に美味しいです♡

土屋:ご飯の上に乗せて食べたいやつです笑。

辰巳:日本ワインに合う料理ってみんな”ご飯の上”に合う感じしますよね。

土屋:豚の脂って旨味があるのにしつこくないじゃないですか?日本のワインって甲州なんかもそうですけど、なんか合うんですよねぇ。

辰巳:確かに、甲州と豚は合う。

土屋:赤ワインもあまりタンニンが強くないので、しっかりした脂よりはこういう旨味のある脂が合いますよね。

井村:そうですね。牛肉とかよりもこういう豚の脂みたいな方が・・・。

土屋:美味しい♡

辰巳:はい、ではまだこの美味しいものをいただくために、ここからはリクエスト曲を聴きながら食べたいと思います。今日は?

土屋:レミオロメンの「もっと遠くへ」です。

辰巳:これ僕知らないかも。(←今月は珍しく辰巳さんが知ってる曲が続いたんですが、ここで途絶えました笑)

土屋:山梨出身のグループで今活動停止中ですけど、

辰巳:なんか事件起こしたとか?笑

土屋:いや、もう行くとこまで行っちゃったんで。

辰巳:レミ・・・?

土屋:レミオロメンです。すごくいい曲で、これも頭の中グルグル回った曲なんですよ🌀爆。

辰巳:また回るんですね笑笑。ではグルグル回していただいてから後で詳しく伺いたいと思います。ではどうぞ!


レミオロメン「もっと遠くへ」(2008年)
https://www.youtube.com/watch?v=0qkQLwDitgE

辰巳:はい、レミオロメンの「もっと遠くへ」でした。これは北京オリンピックでも使われたとか?(←フジテレビ系のテーマソングでした)

土屋:これは名曲です、歌詞がすごく良くて。
山梨出身のグループなんですけど、ボーカルの藤巻さんがうちのワイナリーにワインを買いに来てくれたことがあってすごく嬉しくて。じゃ、アルバムでも買ってみようかなーってなってiTunesでアルバムは聴いてたんです、今から5~6年前の話。そのあと畑の状態が非常に良くなくて天候不順も重なって収穫がほとんどできない年があったんです。その時これを聴いて歌詞が沁みて沁みてしょうがなくて。

辰巳:歌詞のどの部分?

土屋:もう全部いいんですけど、「何度だってやり直せる、だけど今は2度と来ない」。その時畑はムチャクチャだった時で。

辰巳:べと病?

土屋:そうです。2016年べと病大発生で畑が全滅だったんです。その時は本当に苦しくて苦しくて「消えて無くなりたかった」。

辰巳:でもそんなの自分の責任じゃないじゃないですか?

土屋:いや、自分の責任でもあるし。「あの時にこうすればよかった」とかそういうことがいっっっぱい出てきて。5月の下旬には全滅確定になって、

辰巳:そんなに早いの?

土屋:花が咲く前がいちばん危ないんすよ。でも全滅になってからも下草を刈ったり薬剤散布とかは普通にやんなきゃいけないんですね、実がなってないのに。苦しくて苦しくて辛くて辛くて。でも来年もあるからやんなきゃいけないし。その時にこの歌詞がしみてしょうがない、「何度だってやり直せる。だけど今は2度と来ない」「実はなってないけどやんなきゃいけない」。

辰巳:その時作業しながら歌ってたんですか?

土屋:歌ってましたね。農機具のエンジンの音ってデカいし、歌おうが何しようが周りに誰もいないんで笑。

辰巳:声の高さは?

土屋:バリトンです。(←大学時代は男性コーラスグループに所属していらっしゃいました)どうせ誰も聴いてないしエンジン音デカいから迷惑かけないし笑。

辰巳:今も誰も聴いてませんからよかったらどうぞ♪

土屋:ほんとね、まぁこの歌含めていくつかあって、もう泣きながら歌ってました。薬剤散布をして、ゴーグルやマスクをつけてやるんですけどもう号泣。まだ5年前の話なんですよね。(レミオロメンは)たまたま山梨のバンドなんですけどこれを聴くとあの時のこと思い出してうるっときます。よくあの時持ちこたえたなと、この曲のおかげかなと苦笑。
もちろん家族が助けてくれたりもしました。ワイナリー継いでから28年かな、ほんっとにいろんなことがあって。人の繋がりで支えあってきたなって思います。今日もこんなお料理食べながら辰巳さんとお話しできてっていうのも”繋がり”ですよね。そういうものが無数にあって支えられてきたんだなぁとしみじみ思うんです。

辰巳:ワインって何が好きかって・・・

土屋:結局は「人」なんですよ。

辰巳:「人と人とをつなぐ」という意味でワインがいちばん好きなとこなんですよ。こんな人の繋がりもありますが、子供さんもいて4代目をどうします?とかね。

土屋:どうしますかね笑、まだ学生なんで。

辰巳:何人?

土屋:娘が2人。

辰巳:ぁ、お嬢さん2人なんですね。彼女たちはどんなふうに考えているんでしょ?

土屋:上の子はイメージがあるみたいなんですけど。でも2人ともワインには興味があって、ワインを扱う飲食店でアルバイトしてます。よくできた娘たちでちゃんとうちのワイン売り込んでます爆。

辰巳:東京で?

土屋:上の子は仙台、下の子は札幌なんですけど。いいお店でアルバイトしてて、うちのワイン使ってくれたりなんかしてなかなかできた娘たち爆。

辰巳:もしよければそのお店の名前教えてください。

土屋:仙台は*グゥーっていう洋風定食屋みたいな感じな気軽なお店みたいです。

辰巳:国分町?

土屋:みたいです、僕まだ行ったことないんですけど。札幌の方は有名店で**アキナガオっていう高級フレンチ。2人とも可愛がってもらってて楽しくやってるみたいです。

(*グゥー(Gout):https://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4010873/dtlrvwlst/B113174815/
(**aki nagao:http://www.aki-nagao.com

辰巳:そこでガンガン機山のワイン売ってんですか笑。

土屋:ワハハー😆ま、ガンガンでもないですけど「ワイナリーの娘さんがアルバイトしてくれてるのね~」って大事にしてくれてるみたい。

辰巳:しばらくやめないように言っといてください、この番組聴いてくれてる人行くと思いますんで。

土屋:「機山ないの?」って言ってくださると笑笑。

辰巳:娘さんのバイト先には機山置いてるんですか?

土屋:「aki nagao」さんはね、高級フレンチだから(置いてない)。

辰巳:(カチーン💢)高級フレンチだから日本ワインを置いてない!?ちょっと腹が立ってきたっ爆。なんでっ!?

土屋:(日本ワイン)安いんですよね。

辰巳:飲食店としては儲けの多いワインを売りたいんでしょうけど、ご自分のお料理と何(ワイン)が合うのかを考えた時に日本ワイン、機山のワインだってすごく合うじゃないですか、ね、シェフ?
高級フレンチだからって日本ワイン置かないってこれどう思いますかっ❓

井村:ぉ、おっしゃる通りです汗笑笑。

辰巳:シェフから言ってください、同じ料理人としてどうですか!?

井村:ワインの幅も広いですから(←土屋さん爆笑してます)ぜひ、お料理に日本ワインを合わせていただきたいなと思います。(←冷静)

辰巳:試しにやってみてほしい、やってから言ってほしい。
なんか変な話でしたけど。

土屋:いやぁいい話でした。娘にもよく言っときます笑笑。

辰巳:なんだったら僕も直談判に行きますから笑笑。

土屋:札幌に行く際には「aki nagao」笑。

辰巳:ラジオをお聴きの皆さん、札幌に行って「aki nagao」に行ったら「機山ワイン置いてないんですか?」っとこそっと言ってください。これがいちばん効きますから笑。
っというわけで2月のお客様は山梨県甲州市の機山洋酒工業株式会社の3代目、土屋幸三さんをお迎えしました。これからもいろんなことがあるでしょうけど、応援しますのでよろしくお願いします!ありがとうございました!

全員:ありがとうございました!


(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)


(辰巳さんが訪問時に撮影した写真です)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2022年2月24日放送回

ワイナリー

機山洋酒工業株式会社
https://kizan.co.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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