ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年11月18日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
11月のゲストは大阪の株式会社パピーユ代表、島之内フジマル醸造所の藤丸智史さんです。今回は自社畑のオレンジワインで乾杯!学生時代、アルバイトで委ねていた飲食業界に今も身を置いている藤丸さんですが、実は異業種への就活も。決定打はとあるメーカーでの面接官の一言でした。(全4回  3回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:さ、11月3週目です。ゲストは島之内藤丸醸造所代表、藤丸智史さんです。よろしくお願いします!

藤丸:よろしくお願いします!

辰巳:1年もだんだんカウントダウン、みたいな季節になってどんどん忙しくなってきましたが。
まずは乾杯しましょう。今日はデラウェアの*オレンジワインですね。
(*オレンジワイン 参考サイト:https://www.enoteca.co.jp/article/archives/1503/

全員:カンパ~イ🎶


キュベパピーユ デラウェア甕仕込み 2020(オレンジ)
https://www.wineshopfujimaru.com/SHOP/2021092901.html

辰巳:あらー、これもいいなぁ。今月は3週連続でデラウェアのワインをご紹介してます。そして今回も「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにも同席していただいています。

井村:よろしくお願いします!

辰巳:緊急事態宣言下で*このシステムも本当に苦労しましたが苦笑。
(*当番組にゲストでいらしたワイナリーのワインと、そのワインに合わせた井村貢シェフのお料理のマリアージュが「Villas des Marriages 多摩南大沢」にてOA後2ヶ月間お客様にも楽しんでいただける、という企画です)

井村:はい、苦労しました笑。

辰巳:だいぶワインのストックが・・・?

井村:はい、増えてきました笑。

辰巳:どうします?

井村:はい、管理するのが大変です汗。

辰巳:、っという井村シェフですがどうですか、このワイン?

井村:いやぁ、美味しいぃですね、ホントに。いろんな料理に合わせられるような深みや複雑味があって。

辰巳:これをもうちょっと詳しく説明してください、藤丸さん。

藤丸:はい、大阪の自分たちで管理している畑(自社畑)のデラウェアです。特徴的なのは皮ごと発酵させてるところですね。白ワインは普通ジュースにして発酵させるんですけども、こちらは赤ワインのように梗だけ外して皮ごと。そこから天然酵母で発酵させて後半にプレスをして甕に入れます。ぁ、最初にワイン名言ってなかったですね笑。「キュベパピーユ デラウェア甕仕込み 2020」です。

辰巳:カメ仕込みのカメは漢字ですからね。もしもし亀よ♪のカメじゃなしに「甕」。土器ですね。

藤丸:ま、海外では*アンフォラとか*クヴェヴリと言われるタイプのもので、、、
(*アンフォラ/クヴェヴリ 参考サイト:https://www.enoteca.co.jp/article/archives/15263/

辰巳:世界最古のワイン産地と言われているグルジアではクヴェヴリと言ってますね。

藤丸:この甕は世界のワインの発祥のエリア、ジョージア。

辰巳:かつてはソ連の中の国だったんで、ロシア語でグルジアと読んでいて、今は”西に属してるぞ”ってなって英語読みでジョージアになったんですけど。でも俺はもっと自分たちの国の名前を言って欲しいなと思うんですけどねぇ。

藤丸:実はこの甕は、ジョージアで作られたものを日本で初めて輸入して、現地と同じようにワイナリーの地下に畑の土を持ってきて埋めて、(ワインを)貯蔵してるんです。

辰巳:そうでしたね。これが入ったばかりの頃に取材に行って「さてこれでどんなワインができるやろか?」と楽しみにしておりました。

藤丸:今では日本でも使ってる生産者が何人か出てきたんですけど、私たちは7年前ぐらいから輸入して使ってます。

辰巳:この中で発酵も?

藤丸:ジョージアでは半年ぐらい漬け込むこともあるんですけど、デラウェアってめちゃくちゃ強いブドウではないんで、僕らは3週間ぐらい(この中で発酵させます)。

辰巳:最初はステンレスに入れるんですか?

藤丸:最初は樹脂製のタンクで発酵させて、ワインになったものを甕に入れます。ただまだ発酵は終わりきっていないので。

辰巳:だから甕熟成というよりも甕仕込み(発酵後半から入れるので)なんですね、そっかそっか。で、甕にはどれぐらい?

藤丸:年によって違うんですけど、だいたい半年から9ヶ月ぐらい。

辰巳:こういう工程を経て、いろんな味わいになっていくんですねぇ。シェフ、今日はこのオレンジワインとおんなじような色のソースのかかったお料理ですが、これはなんでしょうか?


秋鮭のポワレ 白ワインと西京味噌のソース カブのソテー柚子風味添え

井村:今日は秋ジャケを使ってみました。ソースに西京味噌を少し加えてワインに合わせて深みのある料理にしてみたいなということで。上に乗ってるのはカブのソテー、葉っぱもすべて。

辰巳:ではいただきます。うん、おいし♡。どうですか、藤丸さん?

藤丸:柑橘の香りがけっこうしますけど?

井村:そうです。これは本ゆずっていう青いゆずなんですけど。

藤丸:なんか優しいですね、オレンジみたいな。’立った’感じではなくやわらか~い感じで、このワインにも共通項があるのでお皿が運ばれてきた時から「早く食べさせてくれっ!」笑。

辰巳:僕が喋ってる間にもう食べ始めてました笑笑。この辺が大阪の人、現実的というか合理的というか笑。その方が絶対いいんですよ、ホンマに。

藤丸:スンマセン汗。

辰巳:俺その方が嬉しいもん。

井村:僕も嬉しかった。

辰巳:料理の説明してたり乾杯待ってる間じーーーっと料理お預けなんておかしいもん。
これもまたいいマリアージュだと思います。カブの葉っぱの苦味もこのワインの特徴にもありますし。

藤丸:ブドウの皮ごと発酵させているので、皮からの渋みがある程度出ますから、目を瞑ると赤ワインを飲んでいるような。そこまで強くないにしても、余韻にちょっと渋みが残る。それが”いい飲み終わり感”というか後味になってるんじゃないかと思います。

辰巳:だいぶ日本でもオレンジワインを造るワイナリーが増えてきましたけど、トップ走ってますね。

藤丸:早かったは早かったですけど、トップかどうかはちょっとわからない笑笑。

辰巳:藤丸さんのとこは小売も卸もやってて日本内外いろんなワインを扱って飲食店にもお届けして、いろんなワインのこともご存知でしょうけど。順番つけへんでいいんですけど、オレンジワインってどこがいいですか、自分とこ以外?

藤丸:そうですねぇ。ま、好きなのは山形の*グレープリパブリックさん、仙台の**アル・フィオーレさんですね。
(*グレープリパブリック:https://grape-republic.com
(**Fattorie AL FIORE:https://www.fattoriaalfiore.com

辰巳:”自然派”のとこですね?

藤丸;そうですね。いろいろやってしまうと元の形(やりたいスタイル)から離れてしまうので。いじくるワインも嫌いじゃないですけど、個人的に飲むことはそんなに多くはないですね。

辰巳:以前から中央葡萄酒の”グリ・ド・甲州”とか
メルシャンの”グリ・ド・グリ”とか、甲州でも造ってますよね?

藤丸:甲州だったらココ・ファームが造ってたFOSが好きですね、昔から。僕がお手本にしたワインの一つですんで。

辰巳:まだ*ブルースがいたころ始めたワインですよね。こないだうちの娘(ソプラノ歌手の辰巳真理恵さん)の伴奏をしてくださってるピアニストの斉藤雅昭さんがウィーンから帰国した時
「オレンジワインって知ってます?(←辰巳さん)」「いや知らない、飲んでみたい(←斉藤さん)」というのでセラーにあったちょっと熟成入ったパピーユのワイン出して「これオレンジから造るんですよ(←辰巳さん)」って言ったらまんまと信用しました。他にもこの手で何人か騙しましたよ爆。
(*ブルース・ガットラブ氏:ココ・ファームワイナリー元醸造責任者、現同社取締役兼北海道岩見沢の「10R ワイナリー」当主)

藤丸:そういう香りがするんですよねー笑。

辰巳:話がオレンジワインの方にいってしまいましたが、ここで藤丸さんのリクエストを1曲聴いて話変えましょうか?なんにしましょうか?

藤丸:小野リサさんの「On The Sunny Side of The Street」をお願いします。

辰巳:これはどうして?

藤丸:大学卒業してそのまま飲食の道に進むことになったんですけど、いちばん最初に店長として入ったのがイタリアンで、そこのランチの最初にかけてたのがこの曲だったんです。

辰巳:イタリアンじゃないんじゃ?笑。

藤丸:笑。まぁその辺は日本風にゆるい感じで笑笑。レストランじゃなくトラットリアだったし。軽い感じで”朝の一発目の曲”で、これが流れると僕も含めてスタッフ全員が「今日も1日が始まるぞ」っとなるので一発目だけは毎日この曲をかけ続けてました。

辰巳:では聴いてみましょう。小野リサさんで「On The Sunny Side of The Street」。


小野リサ「On The Sunny Side of The Street」(1999年)

https://www.youtube.com/watch?v=38-g4vn7NyI

辰巳:これは聴いたことあるけど、わりと青春時代っていうか?

藤丸:大学卒業して、就職して修行して、お店任せられるようになって・・・26歳の時ですかね。

辰巳:就職活動とかはまったくせずに?

藤丸:一応した、、、んです。両親からは公務員か銀行に勤めて欲しいって言われてたんですが。一応受けてみたんですけど”志望理由”が言えなくて爆。結局飲食にしか(食指が向かない)。

辰巳:どこ受けはったんですか?

藤丸:サントリー(フーズ)も受けましたし、ここは一応最終面接までいきました、志望理由が言えたんで爆。あとはメーカーさんとかですかね。いちばん印象的だったのは、カーテンとかカーペットなんかを扱う「サンゲツ」さんっていう会社で、面接が終わって最後に僕だけ呼び止められたんですね。てっきり「僕だけ受かるのかな」っと思ったら、「藤丸さん、ほんとはこの仕事に興味ないでしょ?」って言われて笑笑。「他の方はみんな通り一辺倒の答えだったけど、藤丸さんは唯一’自分の言葉’で喋ってた。『アンタはうちの会社に向いてない』自分の思う道に進んだ方がいいですよ』って。逆に「もうこれでいいや~」っと思えましたねー。

辰巳:その言葉に背中を押された?

藤丸:そうなんすよ。だから他も全部断って就活もやめてしまって、そのまま飲食の会社に。両親はとりあえず企業に入って欲しいということだったので、飲食を2~300店舗やってる会社に入りました。当時は「*大和実業」という名前でしたけど、今は変わってると思います。「やぐら茶屋」とか「エスカイヤクラブ」とか・・・。
(*大和実業:現在は「ダイワエクシード」になり本社も東京に)

辰巳:はいはい。あれ大阪の会社?

藤丸:そうです、大阪が本社。そこの店舗管理の仕事を2年半ぐらいやってましたけど、どうしてもワインの世界に戻りたくて街場に帰ったんです。

辰巳:学生時代にはトラットリアとかでアルバイトはしてて、勉強よりもそっちの方が楽しかったとかそういう感じ?

藤丸;ほぼ大学は行ってない・・・。

辰巳:卒業は?

藤丸:一応。

辰巳:4年で?笑。

藤丸:はい笑。

辰巳:僕はほとんど芝居と麻雀しかしてなくて7年笑笑。

藤丸:付属の高校から上がってきたので大学入学と同時に友達が300人いるわけでー、ノートとかが回ってくるのと笑、卒論もなくて出席も取らない授業をとって。ゼミもほぼ行かず。

辰巳:必修の語学とかの点数は必要でしょ?

藤丸:そうですね、それは1、2年生の頃ちゃんとやって、3、4年はほぼ行かず笑。

辰巳:第2外国語は?

藤丸:中国語でしたね。

辰巳:試験も受けたりして?(←そりゃそうです)たいしたもんですねぇ。

藤丸:なんか褒められるところが変わってますねぇ笑笑。

辰巳:なんかやることはきちっとやってるなぁと思って。血液型は?

藤丸:A型です。

辰巳:今日ずーっと話ししててそんな気が。シェフもでしょ?(井村:頷)。新ためて話をしてみるとやっぱ日本人ってA型(気質)なんですよ。でも学生時代に飲食でアルバイトして「それが自分の道だ」って思って大和実業さんに入って2年半で辞めて。「もうえぇか」と?上司とケンカした?

藤丸:んー、学生時代にアルバイトしていたお店が25年経った今でもありますしね。やっぱりワインに特化したところでやりたい!ってのがあったんです。

辰巳:まだあるんだ!?今度連れてって!藤丸さんの原点みたいなところに。
まぁそれで前職に辞表を出して。親はなんて言ってました?

藤丸:もうその頃は諦めかけてたんで。ただちゃんとした人たちに囲まれていたので、そんなに心配はされなかったですね。

辰巳:それが25歳頃の話、あと1回しかありませんが以降の話は来週伺いたいと思います。

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年11月18日放送回

ワイナリー

株式会社パピーユ 島之内フジマル醸造所
https://www.papilles.net/shimanouchi_post/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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