ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年11月4日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
11月のゲストは大阪の株式会社パピーユ代表、島之内フジマル醸造所の藤丸智史さんです。「あと5cm違っていたら」人生変わっていたかもしれない?。まずは少年時代のお話から。今月は登壇者が全員大阪出身です。(全4回  1回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:はい、11月になりました。めっきり秋っぽく、ちょっと寒いっすね。今月のゲストは大阪からお越しいただきました。島之内フジマル醸造所代表、藤丸智史さんです!

全員:よろしくお願いします!

辰巳:なかなか出歩けない巣ごもりの1年半でしたけど、ようやく世の中が動き始めた。もうそろそろいいかなっと思って(大阪から)無理やり来ていただきました笑。そして今日も「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフにもお付き合いいただきます。少しづつ活気が戻って来ましたね。今日もこの中途ハンパな時間帯にも、って言っちゃ失礼ですけど(←収録はだいたい15時前後からスタートします)お客様いらっしゃいますしね。

井村:(中途ハンパ、ではなく)「ゆったりした時間帯」です笑。

辰巳:いい店でしょ?

藤丸:さすがに大阪からなんで初めて降りた駅だったんですけど、東京のこの辺りは緑が多くて、さっきブラブラ歩いてみたらみなさんがすごくゆったり生活されているのがわかるし、気持ちよくて大阪よりも都会を感じなかったです。

辰巳:もうそんなに新しくはないですけど、ベッドタウンとして整備された都下。ちょっと前までは山林だったんじゃないかなぁと思うんですけど。今日はどこから?

藤丸:(新幹線で)新横浜から橋本まで行って京王線の南大沢、そこからはタクシーでした。

辰巳:タクシーありました?(藤丸:頷)南大沢の駅は夕方からはタクシーがなかなかなくてね。先日ここに(作曲家の)千住明さんご夫妻が食事にいらした時にぜんぜん来なくて困ってたってことがありましたけど笑。まぁそれはご愛嬌で、本当にゆったりとしたとてもいい場所です。

辰巳:フジマル醸造所は東京の*清澄白河にもあるんですけど、今日は大阪の醸造所で造られたワインを中心に飲んでお話を伺いたいと思います。まずは乾杯!
(*清澄白河 フジマル醸造所:https://www.papilles.net/shop_restaurants/

全員:カンパ~イ🎶


キュベパピーユ 大阪WHITE 2020

https://www.wineshopfujimaru.com/SHOP/2021092902.html

辰巳:あーなんか懐かし。空きっ腹がグ~っと鳴っちゃうような食欲をそそるワインですが、シェフ、いかがですか?

井村:このデラウェアの優し~い透き通ったような味、スゥ~っと体の中に入っていく感じがしました。

辰巳:このワインの説明をまずはお願いしたいと思います。

藤丸:はい、私たちのワインは、ワインがあまり尖りすぎないような食中酒として造ろうとしています。このワインに関しては酵母添加もなく、酸化防止剤も最後にちょこっと入れるぐらい。フィルターも濾過もほとんど何もしてないタイプですね。

辰巳:ぁ、ワインの名前聞き忘れてました。

藤丸:「キュベパピーユ・大阪ホワイト」です。”キュベパピーユ”というのは、うちの会社名が「パピーユ」なので自社(畑)のブドウを使っているワインはすべて”キュベパピーユ”という名前が付いてます。

辰巳:なるほど、”ドメーヌ”的な。

藤丸:そうです。大阪ホワイトっていうのは、大阪はブドウのイメージがないかもしれませんが、デラウェアの一大産地、昔は全国で1位だったりも・・・。一番多かった時はワイナリーが119軒もあったりして。

辰巳:そうなんです!ま、戦前、昭和の初期までですけどね。

藤丸:そっからだんだん宅地に変わっていって畑は激減してしまったんですけど、今も6社は畑持ってやっています。大阪のデラウェアは100年以上作り続けている品種ですので、私たちは”大阪を代表するブドウはデラウェア”っということでこの名前にしました。

辰巳:結構大上段に振りかぶったような、、、笑。

藤丸:そうなんすよ、先輩のワイナリーに何言われるかちょっとドキドキしてたんですけど笑。

辰巳:ではこのワインをお料理に合わせてみたいと思いますが、シェフ、今日は何を?

井村:秋のキノコ、あとは冬瓜を一緒にマリネしました。ワインが柔らか~い味わいだったので優しい味の冬瓜とマッチさせたいなと。アクセントに鴨のパストラミを添えました。ソースはビーツで、、、今回は全部大地のものです。

辰巳:色合い的にも少し秋っぽいしっとりとした感じ。このデラウェアとどんな風になるでしょうか?ではいただきましょう。

全員:いただきまーす!


秋のキノコのマリネと鴨胸肉のパストラミ ビーツのピューレ添え

辰巳:ラジオをお聴きの皆さんにどう説明しようか、ほんと難しいんですけど。これは食材全部熱を通してるんですか?

井村:はい、炒めた後マリネにしてます。

辰巳:このデラウェアのワインもそこまでサラッとしてるわけではなく、じっくりコクのあるタイプなんでこういうお料理も合うかもしれませんね。どうですか、藤丸さん?

藤丸:野菜やビネガーの雰囲気がデラウェアの酸味とマッチしているのと、冬瓜が滋味深いデラウェアとうまいことマリアージュしてるなぁと思います。鴨の方が逆にスパイス的な感じで、野菜・キノコを食べて、間にちょっと鴨、で、ワインを飲んだらピッタリみたいな。すごくいい感じです。

辰巳:実は井村シェフも大阪なんで、今日は大阪弁で喋ってもかまへんはずなんですけど。(このあたりから辰巳さんのイントネーションが関西弁にシフトしてきましたが、藤丸さん、なかなか乗ってきません笑)。藤丸さんは大阪のどこ?

藤丸:尼崎。もっと濃いとこですね笑。

辰巳:尼崎は一応兵庫県なんですけど、市外局番は06なんですよね?これが不思議なんですよねぇ。(←横でシェフも同意してます)

藤丸:僕たちも兵庫県民として育ってないんで笑笑。「どこ?」って訊かれたら反射的に「大阪」って言ってましたからね。

辰巳:大阪の下町的なね。その横の西宮から向こうは”兵庫県っぽい”。尼崎と西宮の間になんか境目がある・・・笑。

藤丸:そもそもダウンタウンさんが尼崎出身ですけど大阪だと思われてる。2人とも僕の隣の中学校出身ですし。

辰巳:尼崎ってまぁまぁ全国区ですよね?

藤丸:まぁいい評判ではない笑笑。

辰巳:塚口とかちょっと山手はいい方ですけど、、、。

藤丸:僕一応塚口笑。

辰巳:いい劇場とかあって、学生時代はお芝居しに行ったりしてました。

藤丸:*ピッコロシアター!(*https://piccolo-theater.jp

辰巳:そこでも演りました。生まれも育ちも尼崎?

藤丸:そうですね、中学まで。高校から大阪です、大学も職場も。就職してからは大阪に引っ越しました。

辰巳:大阪の高校いうことは私立?

藤丸:はい。

辰巳:エラいお坊ちゃんじゃ?

藤丸:そうでもない・・・、高校には親が頑張って入れてくれました。

辰巳:その頃は何になろうと思ってたんですか?

藤丸:中高は真面目にサッカーをやっていて、Jリーグができたのがちょうど高一の時でした。(←1976年生まれだそうです)

辰巳:ぁ、そういう年代なんですねー、サッカーがいちばんカッコいい・・・。

藤丸:まぁ、そぅ、ですね。今も好きでフットサルはやりますし。

辰巳:サッカーにのめり込むきっかけは?

藤丸:「女の子にモテた」笑。

辰巳:やっぱり笑。

藤丸:「坊主にしなくてよかった」笑。
小学校の時は野球が好きで、同時にバスケットもやってたんですけど、中学校に入ったら野球部もバスケット部も丸坊主(必須)だったんです。それが嫌で残るはサッカーしかなかった笑。

辰巳:この頃ワァーってサッカーを始める人口が増えたんですよね。
僕らの頃もまだメジャーじゃなかったのにサッカー部って実際モテてたね。僕は野球の方が好きやったけど確かにサッカー人気あった。
その頃は(将来)何になろうと思ってたの?

藤丸:実は、とあるJリーグの高校生チームにいたんです。でもプロにはなれなくて、その時人生初の挫折を味わうという。。。

辰巳:驚!!!プロ目指してた?

藤丸:そうなんすよ。

辰巳:へぇぇぇ、同年代的に有名なサッカー選手は誰?

藤丸:中田ヒデ・・・と同い年ですね。(←中田英寿さんです)

辰巳:ぁ、そうですか!?じゃぁ中田ヒデを見て「ちょっと叶わへんな」とか笑。

藤丸:彼と試合したこともあります。僕ゴールキーパーだったんですよね。身長が当時からあんまり伸びなくて高校生で止まってしまって。

辰巳:普通そこらで止まるんちゃうの?

藤丸:いや、伸びる人はそっからグ~ンと。あと5cmぐらいあるともうちょっと勝負できる世界だったんですけど。

辰巳:サッカーが強い高校?

藤丸:普通の*関大一高っていう、、、。(*関西大学第一高等学校)

辰巳;関大一高って確かアメフトが強かったんじゃ?

藤丸:そのあと野球もサッカーも県大会には出るようになったんですけども。でも僕は学校(の部活)には属さずに、セレッソの高校生チームにいました。

辰巳:! Jリーグに近いギリギリのとこにいたんですね?初めて聞きました。ちょっとここで曲を聞きたいんですが、何にしましょ今日は?

藤丸:ちょうどその頃に聞いてた曲なんですけど、サバイバーっていうアーティストの「Eye of the Tiger」。ロッキーっていう映画で流れてたやつで、試合前とかこれを聴いてテンション上げてたんです。

辰巳:これいいっすねぇ、是非聴いてみたいと思います!(←辰巳さんが久々に知っていたロック系)ではどうぞ!


Survivor「Eye of the Tiger」(1982)
https://www.youtube.com/watch?v=ERT_7u5L0dc

辰巳:当時曲のタイトルの意味はよく理解してなかったですけど、すごい懐かしい曲ですねぇ、1982年ですって。俺は大学生やったけど、それからだいぶ後ですよね?

藤丸:ですね。僕は中学から高校にかけて聴いてました。(←藤丸さんはリアルタイムではないようです)

辰巳:音楽ってね、きちんと理解してなくても体のどっかに残っててるから面白いですねぇ。ワインもなんかそんな気がしてて。「飲んだ瞬間に情景を思い浮かべるワイン」とかね、そういう方向に何とか行かへんかなと。そのあたりを体系つけて理論づけていければ・・・。
そんな気がしません?

藤丸:「いつ誰とどこで何を飲むか?」っていうのがすごく大事なんじゃないかなと思いますね。”誰と飲むか?”が勝手に記憶となって残ってくと思うので。

辰巳:「誰と飲むか?」「どう飲むか?」シチュエーションってすごい大事だなと思うし、あとはどういう料理と食べるかによってもね。世界中いろんなワイナリーに行きましたけど、やっぱりみなさん『食中酒』、「料理と合うワインを造ろうと思ってます」とは言いますけど、ワインに突出してしまうのがまだ多いなぁという気はします。

藤丸:やっぱり一般的に’美味しいワイン”=”濃いぃワイン”なことが多いので、コンクールで高評価のワインがメインになってくるんですけど、これだけ飲むとちょっと淡いな、っていうワインを造るのって実はメチャクチャ勇気が要るんです。最初から評価されないとわかってて造るのは・・・。

辰巳:もちろんビジネスとしてやらなくちゃいけないというのはありますけど、どっかそことは違う、自分の理想、ものづくりの精神はあるでしょうし、難しいところでしょうね。それを両立させてる藤丸さんスバラシイ。

藤丸:ありがとうございます。

辰巳:今日本ワインワールドを牽引してる一人、造る方も売る方(市場開拓)も。そんな話も次回以降伺いたいと思います。
11月1週目、ゲストは大阪・島之内藤丸醸造所の代表、藤丸智史さんでした。次回もよろしくお願いします!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年11月4日放送回

ワイナリー

株式会社パピーユ 島之内フジマル醸造所
https://www.papilles.net/shimanouchi_post/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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