ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年10月21日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
10月のゲストは山梨県勝沼の白百合醸造株式会社、専務取締役の内田由美子さんです。前回の”超スピードお見合い結婚”のほっこり話から一転、今回は現在の”日本ワイン”について。お互いの持論も含めてちょっと真面目に語り合います。(全4回  3回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:10月のお客様は山梨県勝沼からお越しいただきました、「白百合醸造株式会社」の内田由美子専務です。

辰巳・内田:よろしくお願いします!

辰巳:”お見合いしてから結納までが3週間”まぁまぁ早い、っていう話を先週伺いましたが笑。まずは今週もワインのご紹介からお願いします。

内田:今日は’三重奏’「TRIO」です。3種類の違った品種のワインをブレンドしております。その年によって品種もブレンド比率も違ってくるんですが、この年(2019)はプティ・ヴェルドが53%、メルローが32%、マスカット・ベーリーAが15%で、フレンチオークに入れて18ヶ月熟成させました。

辰巳:確かシラーも入ってた年もあったような。ブレンド比率は少々変わることはあっても、品種までゴロゴロ変わるってのは珍しいですよね。

内田:そうですね、その年々の出来のいいものをブレンドしようということで。

辰巳:ロリアンさんのフラッグシップみたいなワインなんですか?

内田:はい、そうです。

辰巳:これはおいくらですか?

内田:税抜きで3000円です。

辰巳:すんごい良心的じゃないですか!最近日本ワインも高い価格が増えてきて買いづらいのもあるんですけど。やっぱりTRIOだから3?

内田:(返答に困ってます笑)。

辰巳:ではこちらをいただこうと思います。乾杯!

全員:カンパ~イ🎶

ロリアン 三重奏(トリオ) 2019
https://shirayuri.official.ec/items/50993197

辰巳:あーいい香り♡
今日も「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフに同席いただいてますが、どうですか、この赤ワイン?

井村:いやぁ、一口飲んで「わぁ美味しっ!」「すぐ美味しっ!」笑笑。料理食べたくなりますね。

辰巳:このワインはアッサンブラージュ(ブレンド)してから樽に入れるんですね?

内田:(ここで同行していたご子息が首を振りました、どうやら品種別に仕込んで最後にアッサンブラージュしているようです)

首を振った専務のご子息、内田圭哉さんです。(次週は母とバトンタッチしてゲストで登場しますのでお楽しみに!)

辰巳:えっと、プティ・ヴェルドとメルローとマスカット・ベーリーAでしたっけ?(内田:頷)なんかマスカット・ベーリーAの香りがすごく上手に効いてますね。

内田:そうなんです、たった15%しか入ってないのに”ベーリーAが出る”、すごく面白いねって内輪でも話してたんです。

辰巳:世界中どこにもないワインですし、日本でもこういうブレンドしてるところってないんじゃないですか?これ何年めですか?

内田:これはもうだいぶ長く造ってますね。今ブドウの平均寿命が大体15年から20年ぐらい。

辰巳:すごくいい樹齢ですね。人間で言えば青年期から壮年期ぐらい、いわゆる’働き盛り’に入ってきた頃。
さ、これに合わせてシェフ、今回はどんな料理を作ってくださったんでしょうか?

子羊のコートレット キノコと洋梨のソテー

井村:今日は子羊のローストです。キノコと洋梨をキャラメリゼしたものを一緒に添えてます。

辰巳:キノコと洋梨、料理の方も秋っぽくなってきました。羊は八王子産ですか?笑。

井村:えーっと、これはニュージーランド笑。

辰巳:ではいただきます!もう見るからに合いそうな気がします。

辰巳:子羊の、”ロースト”ですね?

井村:そうです、低温でじっくりと。

内田:いや、おいっしぃです、合います♡

辰巳:焼き加減も羊の香りもいいですね。この香りにマスカット・ベーリーAを合わせることはあんまりないんですけど、いいかもしれませんね。ソースはなんですか?

井村:玉ねぎと酸味にちょっと赤ワインビネガーを使いました。

辰巳:うん、なんかワインの味わいがさらに深まるというか、華やかになりますねー。

”見るからに合いそう”なマリアージュ

辰巳:いいお店でしょう?基本的にはフレンチなんですけど、その枠には囚われない。僕らがここで食事するとパスタも頼みますし、お好み焼きもね笑。(←完全裏メニューです、スタッフが慌ててキャベツ買いに行ったりします笑)

内田:今度主人とぜひ伺いたいです!

辰巳:今日もいろいろお話し伺っていきますが、白百合さんは創業して何年?

内田:87年ぐらいです。

辰巳:もう老舗ですね。日本ワインもだいぶ盛り上がってきてますしワイナリーの数も増えてますけど、ただそれがどこまで一般の人たちに広まっていくか?海外にはどうやって売って出るのか?あるいはこの先またしぼんじゃうのか?その辺りの日本ワイン事情を伺いたいと思います。

内田:(日本ワインは)やはり日本の食材にすごく合うんじゃないかなぁと思っておりまして、それが和食であろうと洋食であろうと。先ほど使っておられた香味野菜(前週のカニのフランの上に乗っていたミョウガ等)もそうですけど、、、、。日本ワインの、昔の「あんまり美味しくなかったー」っていうイメージを持ってらした方が最近いらしゃるようになって、「美味しくなったわね」っていう声をよく聞くんです。その声を聞けるということは、日本ワインはまだまだ伸びるんじゃないかなぁと思っています。「これまで海外のものしか飲んでこなかったけれど、これから日本のワインも飲んでみようかしら」っていう方が少しずつ増えてきたのはすごくうれしいです。フランスとかスペインに旅行してワインを飲んだ時は美味しかったのに、日本に同じワインを持ち帰って飲むと大して美味しくなかったってことがよくありますけど、やっぱりその国の気候や風土に合っていることが大事ですね。

辰巳:その”空気”がものすごく大事な要素になりますよね。

内田:だから日本ワインは、日本の食材を使って、日本の気候風土の中で召し上がっていただくのがいいのかなぁって。持論ですけど。

辰巳:僕も日本ワインの応援団長を自認して18年、まぁぁぁようやく動いてきたなぁという感じがしてきたのに、このコロナ禍でエンストしてしまってちょっと懸念はしてます。でも確実に美味しくはなってますよね。

内田:そうですよね。

辰巳:海外の人もガッと減っちゃいました。「日本に来て日本ワインを飲んでもらう」のがスタンスだったんですけど、・・・これからまたどんどん増えるとうれしいんですけどね。

内田:辰巳さん始めこうやって日本ワインを応援してくださっているのが大きな力になって、日々一生懸命頑張ろう!ってなっています。ワインって秘密がないので、特に山梨は造り手が集まって「こうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないか」ってお互いに協力し合ってやってますので、それもあって徐々に美味しくなってきてるんじゃないかなぁって思ってます。

辰巳:小さな業界だからそういう情報共有っていうか風通しはいいんですね。

海外でいうとどこのワインが好き、とか、どういう国のワインが参考にしやすいのかなぁ、とかありますか?海外にも視察に行かれるんでしょ?

内田:そうですね。やはり目指すのはフランス・・・。

辰巳:フランスのどこですか?

内田:昔はすごくボルドーが好きだったんですけど、今はブルゴーニュが。

辰巳:へぇぇ、そうですか。ちなみに新婚旅行はどこ行かれたんですか?

内田:フフフ♡、沖縄です爆(←ぇw、この話の流れで沖縄!?)主人は例え家族旅行でもなんでも、ワイナリーがあるところにしか行かないんですよ。

辰巳:あれ、そのころ沖縄にワイナリーありましたっけ?

内田:いえ、なかったんです。ただそのころ沖縄にオリオンビールとかお味噌とか発酵食品やってる主人のお友達が多くって。

息子が小さい時にハワイに行った時も「きっとどこかにワイナリーはあるはずだ」と。

辰巳:ありますよ、パイナップルのが。

内田:そうなんですよ!そこまでプロペラ機に乗って行きました、1時間かけて笑笑。

辰巳:確かマウイ島、、、。

内田:はい、まぁそんな感じで遊びでも頭からワインが離れない人なんで。

辰巳:でも結局のところはフランスですか?

内田:そうですねー。

辰巳:世界のワインのヒエラルキーの中でもやっぱりフランスって強いですからね。でもそこから”どういうふうにして離れるか?”がいちばんの問題だと思うんですけど。
シェフもフランス料理を勉強してきた中でも、日本の食材を使ってる。禅の守破離みたいな感じで’いかに離れるか?”っていうのがすごく大事な部分だと思うんです。(井村:頷)

内田:まずは追いついてある程度になったらそこからだと思います。「フランス」をそのまま持ってきてもダメですし、品種をそのままっていうのも・・・。
私はこの山梨の地にはプティ・ヴェルドがすごく合っているような気がするんです。大村さん(丸藤葡萄酒工業)のプティ・ヴェルド100%もいいですし。でもまだうちで100%プティ・ヴェルドできる量がないので。

辰巳:今日のワインのプティ・ヴェルド53%は自社畑?

内田:そうです。

辰巳:これからこの辺りを注目したいと思います!
ではここでリクエスト曲を聴いてみたいと思いますが、今日はなんでしょう?

内田:はい、8人のオペラユニットで「The Legend」という結成15年のグループがありまして。一人山梨県出身の方がおりまして、すごく応援してるんです。今まで5人だったのに去年から8人になってちょっと変わってしまったんですけど。

辰巳:男ばっかり?

内田:そうなんです。以前は国立音大を出た5人組だったんですけど、最近芸大卒の方他3人入りましてヴァージョンアップしました。

辰巳:その中の山梨出身の方はなんてお名前?

内田:志村さん、志村糧一さんです。

辰巳:いくつぐらい?

内田:よんじゅう・・・

辰巳:なんだ、オジサンじゃないですか爆。俺から比べるとだいぶ若いですけど笑。

では、なんだっけ?「Il Divo」じゃなしに「The Legend」だ。曲は?

内田:「Scenandoah(シェナンド)」というアメリカ民謡です。

辰巳:ではどうぞ。

「Scenandoah」はこちらのアルバムに収録されています。
The Legend「Scenandoah(シェナンド)」

 

辰巳:この川はミシシッピー川?なんかジョン・デンバーの歌にも出てきてたような気がしますが。

それにしても内田さん、クラシック好きなんですね。

内田:いや、そうでも・・・いろいろです。

辰巳:ところで、(このコロナ禍で)我々も海外に行けなくなりましたけど、もしこれが明けたらどっかに行きたいとかあります?

内田:そうですねー、いっぱいあるんですけどバスクの方に行ってみたい。ちょうどスペインとフランスをまたぐ・・・。

辰巳:バスクはオススメです!あそこの料理はすごいですし、スペインならリオハ(地方)、あとナヴァラ(地方)がいいんです。ここのガルナッチャ(←フランス語読みではグルナッシュ、ブドウの品種です)はもうちょっと評価されてもいいんじゃないかと。

内田:その際にはまたワイナリーなどご紹介いただけますか?

辰巳:あーもちろんもちろん!そろそろワイナリーツアーも始めたいなぁと。日本のワイナリーツアーも今年中にやりたいと思ってたんですけどちょっと難しいかなぁー。雪の中のワイナリーと温泉のツアーを以前やったことあるんですけど、そろそろ動きたいな。

内田:ほんとですねー。

辰巳:ね、シェフ?

井村:ぜひご一緒します!もう店閉めちゃいましょ笑笑。

辰巳:そんなわけで、次回は息子さんの圭哉さんにご出演いただこうと思います。今日のお客様は山梨県勝沼「白百合醸造」の内田由美子専務でした!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つです。現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年10月21日放送回

ワイナリー

白百合醸造株式会社
https://shirayuriwine.com

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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