ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年9月30日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
9月のゲストは栃木県足利市、有限会社ココ・ファーム・ワイナリーの専務取締役 池上知恵子さんです。最終回のテイスティングは赤ワインの「陽はまた昇る」。2019年にローマ法王が来日された時の昼食会で振る舞われたこのワインの主な品種はフランス原産のタナ(tannat)ですが、この品種の発音について思わぬ言及が。ココ・ファームの今年の収穫祭(オンライン)のお知らせもあります。(全5回 5回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:9月30日、5回目の木曜日ということで今日は最終日、ゲストは栃木県足利市、ココ・ファーム・ワイナリーの池上知恵子さんです。

全員:よろしくお願いします!

辰巳:知らなかったいろんな話、そして先週は井村貢シェフの”スナック出身話”もありましたねぇ、非常に有意義な・・・笑。

池上:なんとスバラシイ収録笑笑。

辰巳:今日はまた面白いワインを持ってきていただきました。こちらは何でしょうか?

池上:これはですね、2018年の「陽はまた昇る」というワインです。

辰巳:これはヘミングウェイの?

池上:、じゃなくてね、ビートルズの方、ジョージ・ハリスンの「Here comes the sun」。

辰巳:ぁ、「Sunrise Sunset」じゃないんですね?

池上:ヘミングウェイの方は「あーまた朝が来ちゃったー(悲)」っていうニュアンスなんですって。だけどビートルズの方は「また陽が昇るよ、ばんばろうね」っていう。

辰巳:「今は暗くて長い夜だけど、必ず朝が来るよ」的な?

池上:そうですそうですそうなんだって。だから(ヘミングウェイとは)ニュアンスが違うんです。でもヘミングウェイも禁酒法があったり辛い時代があったからいい作品を遺したりしましたしね。

辰巳:日本も今禁酒法みたいな時代になって、これもどうなんですかねと思うんですけど。その中でこのお店ももう1年以上頑張ってますし、私も役得で番組中はワインをテイスティングさせてもらってます。では乾杯しましょう!

全員:カンパ~イ🎶


ココ・ファーム・ワイナリー「陽はまた昇る 2018」
https://cocowine.com/ds/p3543/
(今回テイスティングしたワインは2018年ですが、現行ヴィンテージは2019年です、ご了承ください)

辰巳:(乾杯のグラスをぶつける音が)ちょっと濁ってますが、、、。

池上:えぇ、(このワイン)無濾過ですから爆。

辰巳:うまいなぁ、ほんっとに。
ココ・ファームのワインはほとんど無濾過なんですか?

池上:ケースバイケースですけど、

辰巳:濾過器あるんでしょ?(池上:頷)最近無濾過のワイナリーが増えてきて、以前(前番組の)ゲストに来ていただいたルバイヤート(丸藤葡萄酒工業)の大村さん(大村春夫社長)が散々「濾過器買えよ~」って言ってました笑笑。(←大村さんは完全”濾過派”です)

池上:だから以前大村さんと話した時に「”不自然派”だから」って笑笑。

辰巳:でも酵母は自然酵母でしょ?

池上:そうね、今回お持ちしたワインは全部野生酵母。

辰巳:今回のワイン、線が細いようでけっこうしっかりしてる。ブドウ品種は何なんですか?

池上:さすが。タナ87%、カベルネ・ソーヴィニョンが9%とメルローが4%。計算合ってるかしら?笑。

辰巳:あ、合ってます。タナは現地(原産国のフランス)では”タナット”と発音するらしいですね。(←スペルは”tannat”)

池上:そうなんです、その方がかっこいいんだけど。

辰巳:日本では、どうしてもフランス語は(教科書的には)最後の”t”は発音しないということになってるんで、フランス語を嗜んでる日本人はタナーと読んでるんですけど。ワインって地域のもんだし、フランスも日本ももっともっと地域性は大事にしたいと思ってて。だからこれも本当はタナット(←ニュアンス的には”タナットゥ”が近いでしょうか)と発音した方がいい気がします。ぁ、紹介が遅れましたが、今日もマイクの前に井村シェフがお座りです。シェフ、いかがですかこのワイン?

井村:深みのあるワインだなぁと思いました。

辰巳:でっぷり太ったワインじゃないんですけど、果実味がありますよね。

井村:タンニンもあります。

辰巳:今前回の「農民ロッソ」と飲み比べてますけど、これの延長線上といいますか。違うブドウ品種を使ってますけど、流れは一緒。おそらくワイナリーの蔵に付いてる野生酵母のおかげもあるんでしょうけど。

池上:ほんと不思議。

辰巳:タナ(ット)もまだそんなに日本でメジャーじゃありませんけど、作る農家さんも少しづつ増えてきて。でもまだ100%のワインって少ないんじゃないかなー?

池上:うちの*「山のタナ」ってのは100%。


*これですね 
https://cocowine.com/ds/3482/

辰巳:ぁ、そうですか。あと*安心院ワイナリーもあったかも。


*これですね
http://www.ajimubudoushukoubou.com/shop/shopdetail.html?brandcode=000000000077&search=%A5%BF%A5%CA&sort=

辰巳:さ、今日のお料理は何でしょう?

井村:はい、今日は’フィレンツェ’というナスを使ったお料理です。イタリアの品種なんですけど作ってるのは地元八王子、非常に旨味のあるナスです。それに鴨とフォアグラを合わせました。

辰巳:鴨もフォアグラも八王子(産)ですか?

井村:・・・っ違いますフランスです笑笑。

池上:イジワルね笑。

辰巳:フォワグラも鴨も?

井村:そうです、鴨はバルバリー(産)の・・・。

辰巳:フォワグラと鴨は調味料?

井村:そうです、ナスをメインに食べる。’賀茂茄子’は京都(日本)のものなんで、それにかけました。(←「和」の賀茂茄子に対抗して「洋」の(バルバリー産)鴨と(イタリア原産)ナス、という意味だと思われます)

辰巳:なんかねー、先週からだいぶ昭和の感じが笑。

池上:親父ギャグ。スナック話からそっちいっちゃった爆。

辰巳:今、シェフは八王子のいろんな農家さんに回って、野菜料理の専門家みたいになってますけど、この’フィレンツェ’というナスはどうなんですか?

井村:日本の野菜っていうのはすごく繊細なんですよ。ヨーロッパのワインはわりとしっかりしてますんで合わせるのは大変なところもあるんですけど、、、。

池上:今回持ってきたワインは”日本の”タナなんですよ。だからこのマリアージュは素晴らしいです。

辰巳:いい感じで支え合う力のバランスですよね。今だんだんとワインの酸味が出てきて、このお料理のマデイラのソースと合う感じがしてきました。

井村:(ソースを)煮詰めていくとどんどん旨味のアミノ酸が出てくるんで。

辰巳:なるほどー。でもナスがちょっと小さい気がします。説明しますと、鴨とナスビ(←関西人ですね)の量が同じぐらい。もっとナスビが5倍ぐらいあってもいいかな。ぁ、もうナスビなくなっちゃいました。
ところで井村シェフはこの番組が始まった去年の7月からざっと15ヶ月間、70種類のお料理に70種類のワインを合わせてきた。これってすごいことだと思っていて、これからもどんどん発信しなくちゃいけないです。今年は緊急事態宣言下で(アルコール提供が)難しかったですが。

池上:でもほんとにね、日本で栽培されたブドウってやっぱりちょっと違う。例えばさっきのタナでもね、フランスの南西部のとは違うでしょ?

井村:それは野菜も同じですね。

辰巳:さっきの’フィレンツェ’というナスビ、イタリアで食べたことないんでよくわからないんですが、おそらく日本の土で作ると現地のとは違うんでしょうね?

井村:はい、違いますね。

池上:ワインも農業、結局は「土」。日本の風土から生まれるものだから、もう合わないはずがない。っと思うんだけど。

井村:そうですね。なんとなく合ってくる、感じがします。

辰巳:そそ、なんとなく合ってはくるんですが、このシェフの作る料理がその一段二段上をいってる気がします。

辰巳:では今日はちょっと早めにリクエスト曲をお願いしたいと思います。前回までも石川セリさんや、坂田明さんの演歌のようなサックスとか、かなり面白い曲をセレクトしてくださってますけど今日は何にしましょうか?

池上:今日はね、辰巳麻理恵さんの「アヴェ・マリア(カッチーニ)」。

辰巳:ぇw、どなたですか?(←一親等)笑笑。

池上:辰巳麻理恵さんという素晴らしい女性(オペラ)歌手の方がいらっしゃるんです。私は勝手に「マリエ・カラス」って言ってるんですけど笑笑。ま、とにかく聴いてください。

辰巳:では聴いてみましょう!


https://www.youtube.com/watch?v=tuuoyaDJFfg

辰巳:はいっ、久しぶりに聴きましたけど笑。

池上:いぃでしょう!?彼女はこの歌を歌うために生まれてきたのではないかと思うぐらい。

辰巳:いやぁ、そこまで言っていただくと。。。シェフ、実は僕の娘なんですよ。

井村:ぁw、そうなんですねー(←とっくに知ってますがボケてみました)爆。

辰巳:いろんなアヴェ・マリアがありますけど、カッチーニのが(娘には)いちばん合ってるかなぁという気がします。

池上:それもそうですし、この時代に彼女の歌聴くとホント勇気でるっていうか。”上手い”っていう表現は失礼かもしれませんが、彼女のピュアなところとかがよく表現されてて、彼女じゃないと歌えない。

辰巳:そんなに褒めていただいて。今日ほんとは娘も同行したがってたんですけど。

池上:でも本人目の前だとねぇ・・・笑。

辰巳:ですよね。じゃぁ来なくてよかった笑。ちょっと汗かいちゃいました💦
*今度10月23日にサントリーホールのブルーローズ(小ホール)で2年ぶりのリサイタルをやりますので、ぜひ皆さんお越しください。ピアソラの生誕100年ってこともあってタイトルは「TANGO」。いろいろチャレンジングなコンサートになりそうですけど、小松亮太くんも駆けつけてっていうか無理やりお願いして笑、バンドネオン演奏していただきます。今日本当は宣伝する気もまったくなかったんですけど、偶然リクエストいただきましたんで告知しました。
(*この記事の掲載時点でチケットはSOLD OUTとなっております。悪しからずご了承ください)
ぁ、それよりもココ・ファームの宣伝しないと。

池上:毎年11月に収穫祭があるんですけど、こんなアレ(コロナ禍)なので「どこでも収穫祭」をオンラインで。

辰巳:「どこでも収穫祭」?

池上:はい、どこでも、誰でも、いつでも笑。現地ではやらないんですけど・・・。詳しくはホームページをご覧になってください。


https://cocowine.com/home_info/harvest-festival/

辰巳:その頃はコロナもどんな風になってるかもわかりませんけど、ココ・ファームのワインはぜひ飲んでいただきたいですし、これを機にワイナリーにもぜひ行って欲しい!最大斜度38度のブドウ畑を駆け上がって欲しい!

池上:辰巳さんには何度か駆け上がっていただいてますから笑。

辰巳:上に登ってブドウ畑を見下ろした時には’征服’したような感激と、そこで飲む’ワインの旨さ’、それを体感いただけると思います。

池上:お待ちしております!

辰巳:そういえば2年前に畑が地滑りにあったりしましたけど?

池上:そう、2019年に。そういう意味ではいろんな方、ローマ法王さまがいらしてくださったり(❗️)。だから考えたらいいこともあれば悪いこともあるの。

辰巳:法王さまがこちらにいらした?

池上:その時は昼食会で(うちの)ワインを召し上がっていただいたの。だからこれもそうよ。(さっき試飲した「陽はまた昇る」)

辰巳:これもそうよって、他にも何種類かお召し上がりに?

池上:そう、(先週のOAでテイスティングした)「月を待つ」と、この「陽はまた昇る」。ホントにお飲みいただいたんですか?って現地のサービススタッフに聞いたら「足りないんじゃないかってハラハラするぐらい飲んでくださいましたよ」って。

辰巳:法王さまもワインがお好きなんですねぇ。まぁ公式の場ではワインも口はつけますけどガバガバ飲むことは珍しいかもしれませんよ笑。よっぽどお気に召したんじゃないですか?

池上:私は見たわけじゃないのでわかんないですけど。

辰巳:その際、知的障害者の施設「こころみ学園」のバックボーンを知った上でのワインのチョイスだったんですか?

池上:たまたまそこのお料理を担当なさるシェフが「月を待つ」をお飲みになったのがきっかけ、その時はまだ(その昼食会のシェフをするとか)そんなことは思わずに。だからホントにいろんなご縁。

辰巳:ブドウを植え始めたのがワタクシと同い年の昭和33年、こころみ学園ができたのが昭和44年、ココ・ファームという会社ができたのが昭和55年、

池上:、1984(昭和59年)が最初のヴィンテージでした。

辰巳:日本ワインの常に話題の中心であるワイナリー。今月はこちらの池上知恵子さんに5週間お付き合いいただきました。

池上:楽しうございました!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つです。東京都の緊急事態宣言は解かれましたが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年9月30日放送回

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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