ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年8月26日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
8月のゲストは山梨県勝沼の株式会社ダイヤモンドワイナリー3代目の雨宮吉男さんです。まずは「Mr.マスカット・ベーリーA」が醸す真骨頂「8(Huit)」で乾杯!近々「8」のさらに上をゆくニューアイテムが登場するかも?「美味しいが正義!」と言い切る今後の構想とは?最終週のヨシオ節をお楽しみください。(全4回 4回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:8月のお客様は山梨県勝沼のダイヤモンド酒造・雨宮吉男さんです。まだセミの声をバックに今回は4回目ということですけど。前回の最後の方でマスカット・ベーリーA、略してMBA、なんか経営学修士号みたいな名前なんですけど、これからこのマスカット・ベーリーAを応援していこうという団体を作ろうという話まで先週しましたけど、今週も飲みながら話しの続きを伺おうと思います。
まずは乾杯!

全員:カンパ~イ🎶


Chanter Y.A Huit 2018

辰巳:これ、久しぶりに飲みますけどやっぱり、、、旨い、引っかからない、スーっと入ってくる!

雨宮:ありがとうございます!

辰巳:今日も「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフに同席していただいてますけど、これいいでしょう?

井村:笑顔

辰巳:ラジオ番組なんで言葉にしてください笑。

井村:はい。これはもうあのーーー、なんていうんでしょ。ワインをあまり知らない方が飲んだ時に「赤ワインが好きになるんじゃないかな」っていう。

辰巳:いぃ表現ですねぇ。「子供が飲んでも美味しい」、かもしれない。ま、ダメですけど笑笑。

井村:雑味がなくて飲みやすさもありますし深みもある。。。

辰巳”マスカット・ベーリーAの行き着くところ”みたいなね。はい、ヨシオちゃん、このワインの説明、’8’っと書いてフランス語で’ユイ(Huit)’?

雨宮:(頷)、と日本語で’糸へん’に’吉’と書いて”結”。

辰巳:雨宮吉男の”吉”!

雨宮:このワインを造った時は違う名前で売ろうと思ってたんです。樽からテイスティングした時に「なんだ、自分でもこんなエレガントなワインが造れるんだ?」って「ピン!」ときたんでじゃぁ『ピント』って名前にしようかと・・・笑笑。

辰巳:なんかそんな名前のワイン飲んだことあるような。

雨宮:ま、ありそうですよね笑。「これは儲けれるな」ってピンとは来たんですけど爆、たまたまアニメの「君の名は」が地上波で流れた時に、主人公のお婆ちゃんが組紐をしながら「”結”は人との繋がりがね、時空との繋がりがね・・・」っていう話をしてたのを「ぁ、いい言葉だな」っと。”ゆい≒結≒(フランス語で)8(Huit)”だよなぁ”って思い起こしてたらこのワインのキュヴェが偶然8番目だったんです。だからこの8番目の’8’と「君の名は」の’お婆ちゃんの言葉’からつけました。ありがたかったのは農家さんの繋がりだったりとか、”時空を超えて”は壮大すぎるかもしれないですけどマスカット・ベーリーAが発展していくこともそうですし、数字の8って寝っころがすと無限になる(∞)。

辰巳:このエチケットの”8”のレタリングを見るとそれを意識してるのかなぁと?

雨宮:このラベルのデザイン30分で作ったんですけど(全員:驚)、もともとイメージは出来上がっていたのでフォント選びに25分、デザイン自体はパパパーで5分で作ったんです。

辰巳:これは2018年ですけど、最新ヴィンテージ?

雨宮:はい、ファーストヴィンテージは2015年でこれが最新です。

辰巳:じゃ、2015年の段階で8回目のキュヴェだったんですね?(雨宮:頷)今飲んでる2018年はどういう年でした?

雨宮:すごく強いとか特徴的な年ではなかったですけど、ま、まとまりよくできた年だったのかなぁと。長期熟成して誰かを驚かすほどってことはないかもしれませんけど、ただ逆にいうとエレガントで綺麗にまとまった年かなぁという印象はあります。

辰巳:先週飲んだイグレック・キューブ 2017年に比べてこっちの方が新しいのにエレガントさはありますよね。先週のはもっとゴツゴツ感があったし。

雨宮:そうですね、ヴィンテージ的には2017の方が硬かったし、収穫も早くても9月28日、最後は10月第1週ぐらい。この「8」に関しては、第3の男、横内清昭(キヨアキ)っていうのがいるんですけど(←先週は別の2人の横内さんが登場しました)、その方のブドウで2018は確か10月の20日近辺で収穫してる。。。

辰巳:結構引っ張るんですね?先週のキューブもこれも(ブドウは)穂坂の方で作ってるんですけどこれは清昭さんだけの?

雨宮:そうです、単一畑です。

辰巳:これは何本ぐらい造ってる?

雨宮:多くても1200本ぐらいですね。

辰巳:だいたい4樽?

雨宮:えーと今は450Lの中樽を使ってるんで、、、。

辰巳:!!!!! あw、これ中樽ですか、ってことは2樽?

雨宮:はいそうですね。

辰巳:いろいろと秘密がわかってきました。お値段は?

雨宮:「ピンっと」くるほどのいいお値段をいただいております笑笑。

辰巳:お手頃?それとも高い?コスパ的には???

雨宮:それはお客様の判断にお任せしますが笑、ま、うちのワインの中ではトップキュヴェというか・・・。消費税込みで5500円です。

辰巳:リーズナブルだと思います。

井村:思います、はい。

辰巳:ヨシオちゃんどちらかというと商売っ気ない、優しいっすよ。これもうちょっとしてもいいと、外野からしてみると思っちゃう。

雨宮:そうですね笑。

辰巳:そうですねって笑。

雨宮:「8」のこの次(さらに上のキュヴェ)が今樽の中で熟成中なんですけど。

辰巳:この上は何を?

雨宮:ん、、、ま、これよりも標高が高いとこに畑があって、より濃縮感が求められるかなと。で、できれば”お化粧”何もなし、シンプルな造りにして、

辰巳:、樽もなし?

雨宮:樽は使います、熟成する容器はどうしても必要なので。それ以外のお化粧は無しで”畑の良さだけで造って勝負しよう”っていうのを今熟成中です。

辰巳:まだこの世に出てないんですね?(雨宮:頷)名前はもう決まってるんです?

雨宮:えぇ、もう決まってます!デザインも決まってますフォントも大丈夫です笑笑。(ワインの方が)ほんとに出せるかどうかわからないのでまだ秘密ですけど笑。

辰巳:出せなかったら出せなかったで”幻のキュヴェ”でもいいんじゃ?

雨宮:ヒントは”10番目のキュヴェ”

辰巳:ディーズ?

雨宮・・・まぁまぁ、アレです笑(←ぁw、お茶濁しました)。

辰巳:ディスられるとかそういうの?

雨宮:先に言って誰かに使われてもね、、、。

辰巳:そうか。ぁw、料理食べるの忘れてました笑。シェフ、今日のお料理なんでしょうか?


磯沼牧場 ジャージー牛ロース肉の炭火焼 夏野菜の菜園仕立て

井村:はい、今日はジャージー牛のロース肉を炭火焼きにしたシンプルなお料理です。ソースはマスタードとトマトを合わせたものをビネガーで。

辰巳:これはスダチ?(井村:頷)スダチを絞っていただく?

井村:今は暑いんで季節的にはキリッと酸味の効いた方がいいんですけど、今回は(赤ワインだし)’別添え’にしようと思いまして。

辰巳:もう肉にかけちゃいました笑。

辰巳:ではいただきます!ジャージー牛ってどっちかというと乳牛でわりと脂肪分が美味しいミルクで・・・その牧場が八王子市にあるんですよね?

井村:はい、地元の牛肉です。この肉の旨さとこのワインをシンプルに楽しんでもらえたらなぁと。

辰巳:うん、気持ちミルキー、バタリーな肉ですよね。いいですね。
どうですかヨシオちゃん?

雨宮:マスカット・ベーリーAと合わせる時に、肉はどちらかというとシンプル、というよりわかりやすく「ブッフ・ブルギニョン」みたいな赤ワイン煮とか”ソースで食べる”みたいなこと言ってたんですけど、これはお肉自体がシンプルに旨味が強くてライト。フランスでいうと仔牛っぽいようなニュアンスがあるお肉だと「合うんだな」とあらためて。

辰巳:ベーリーAってまだまだこれからのブドウだと思うんですけどやっぱり美味しい。そして料理と合わせてさらに真価を発揮できるみたいなところがあるじゃないですか。よく言うんですけど「ベーリーAがあればピノ・ノワールは別にいらない」って。思いません?(←全員一瞬固まりました)

雨宮:僕も実はブルゴーニュから帰ってきた時にピノ・ノワールを植えてみたんですけど、やっぱり日本の気候にはなかなか難しかった。今は(日本でも)いろんな方がチャレンジしてそれなりに結果残してますけど。ただ、(日本では栽培が難しい)ピノ・ノワールはどうしても僕は「『ブルゴーニュの』ピノ・ノワール」を追ってしまう。だったら紆余曲折しながらも”マスカット・ベーリーA”でブルゴーニュに近づく。ピノ・ノワールと言う品種が好き、っと言うよりもピノ・ノワールの醸し出す味が好きなんですよ。だからどの品種で造ってもいいと思うんですよ。今思ってるのはマスカット・ベーリーAであったりピノ・ノワール(の栽培地)に近いガメイだったり。”エレガントでしっかりとした味わい”のベーリーを造っていきたいなとは思ってます。

辰巳:なるほど。ピノ・ノワールが好きって言う人の何割かはその品種の”味わい”よりも”樽使い”で味が加えられて、その味が好きな人もけっこう多くて。だったら、ベーリーAもねー、っと。このワインもフランスの樽でしょ?

雨宮:はい、ブルゴーニュの生産者の中樽です。

辰巳:この中樽のこと向こうでは何て言ってるんでしたっけ?

雨宮:中樽はトノーとか言ってますが、だいたいブルゴーニュでは樽はピエスって言ってますね、1個2個の単位として(サイズ関係なく)。

辰巳:ではここでリクエスト曲を。8月最後のリクエスト曲は何でしょ?

雨宮:ノラ・ジョーンズの「カムアウェイウィズミー」。ぁw、発音ちょっと噛みました笑。

辰巳;これはどんな曲?

雨宮:ノラ・ジョーンズの初期の頃の曲なんですけど、しっとりとしてて。これに関してはワイン(「8」ユイ)の雰囲気に合わせてみました。

辰巳:ではお聴きいただきましょう。ノラ・ジョーンズの「カム・アウェイ・ウィズ・ミー」噛むかと思った笑。


Norah Jones Come Away With Me(2002年)
https://www.youtube.com/watch?v=lbjZPFBD6JU

辰巳:はい、いい曲でした、このワインにすごく合う。今曲聴きながらヨシオちゃんに伺ってたら、*ノラ・ジョーンズさんのお父さんはインド人の有名シタール奏者、お母さんがアメリカ人でカントリー系が好きだったんですってね。(ノラ・ジョーンズ参考サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/ノラ・ジョーンズ
で、マスカット・ベーリーAはヨーロッパ品種とアメリカ品種の掛け合わせ。どちらもアメリカの血が入ってる話、おもしろかったです。

雨宮:ぁ、よかったです。実は僕も’後付け’で頭の中で考えたんで、なんで今日この曲が出てきたのかわかんないんです。結果「意外と、そうだなぁ」っと。

辰巳;日本は西洋の文化のヨーロッパやアメリカ、もちろんアジアの文化も入ってきて創られてる国だから、こういうよそのブドウを掛け合わせるとか、ま、日本人の得意とするところかなぁと思うんですよ。

雨宮:そうですね、それがまたちゃんとした文化として根付いて、また違うものになっていく。ま、それが自分たちでも面白いですね。

辰巳:それを「MBA 1927」で継承すると?これはどういう形で?法人化するんですか?

雨宮:そこまでは考えてないです。基本的には(MBAの)”全国規模のお勉強会”。あとはコロナが終わって、みんながちゃんと集まれる場所が確保できたら、日本中のマスカット・ベーリーAを集めて、、、、おそらく場所は東京にはなると思うんですけど、それを消費者と生産者が一緒になって楽しむっていう機会を作りたいなっと思ってます。

井村:いやぁ、素晴らしいですね!

辰巳:フランス料理やってる人にはMBAはなかなか出会わない品種ですけど、でもこうやって飲んでみるとね。だってフランス料理だけど使ってる食材は日本のものですし、シェフも日本人だし、、、。だから飲むワインも”変わらざるを得ない”ですよね?

井村:やっぱり日本の食材には日本のワインって合うと思います、同じ土壌で育ったもの同士ですから。

辰巳:「MBA 1927」を立ち上げつつ、次のブラッククイーンを始め他の品種もやろうとされてるんですってっ?

雨宮:そうですねぇ、残念ながら飽き性なもんで笑、ちょっと新しくて刺激がないと・・・笑笑。ブラッククイーンのちょっとスパイシーなものを造ってみたりだとか、原点回帰ではないですけどヨーロッパ種に戻ったりだとか・・・。

辰巳:ヤマブドウも造ってみてよ、ヤマソーとか小公子とか、、、?

雨宮:それはあのー、違うグループがいますんで笑。ちょっ、ちょっと自然派のグループとかそっち系の人たちがいらっしゃいますので笑、、、そっちが揉み始めてるので、、、。

辰巳:自然派とは一線を画そうとかしてる?

雨宮:あーーーそんなことないすそんなことないす(←2回言いました)笑笑。すべてにおいて「”美味い”が正義」だと思ってるんで。なんでも美味いもん作った人はそれが正義!リスポクトします、ぁw、リスペクトです。スンマセン変なとこで噛んじゃって。あんまりリスペクトしてないみたいになっちゃった爆。

辰巳:巨峰は?

雨宮:えーっと、そこらへんは大丈夫です、ゼロリスペクトなんで笑笑。

辰巳:デラウェアは(←たたみかけますねー)?

雨宮:地域がら新種なんかはデラから造ってます。

辰巳:新酒の時期に勝沼に行って飲ませてもらったけど、アルコール度数のすごーく軽いやつ造ってるじゃないですか、度数7~8%のやつ?

雨宮:はい、補糖補酸なしのやつ。

辰巳:そうのにこれからチャレンジしたりしないんですか?

雨宮:新種に関しては補糖も補酸添加剤もなく果汁を絞ったものを発酵させて提供するってことは今後も続けたいと思ってます。

辰巳:ちなみにこの”8”は補糖してる?

雨宮:ちょっとしてます。

辰巳:マスカット・ベーリーAにしてはアルコール度数12.5%はちょっと高いですもんね?

雨宮:んま、税法上はそうなってますけど正確にいうと13%近いです。

辰巳:そんなにたっぷりしてるんですか?まぁまだ若いヴンテージだし、ある程度パンチは必要かなという気はしますけど。ただだんだん樽がキツくなってきてアルコール高いのがキツくなってきて・・・ってなってきてるお年頃笑笑。

辰巳:もっともっとお話を聞きたいところですが8月の最終週、そろそろ時間になってきました。今月も客様は山梨県勝沼、ダイヤモンド酒造の雨宮吉男さんにお越しいただきました。わざわざ八王子まで来てくださりありがとうございました!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、お招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが造るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、コロナ対策の政府の対応によってはこのサービスが提供できない可能性があります。詳しくはお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年8月26日放送回

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

「日本のワインを愛する会」入会申込

登録無料

入会申込フォーム