ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年5月13日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』開始以来念願だった「公開収録」が今回実現しました。ゲストは、この会場からおそらくいちばん近いと思われる神奈川県の「横濱ワイナリー」代表、町田佳子さんです。実は江戸っ子だった町田さん。今回はNGOを辞して今や”第1の故郷”と言い張る大好きな横浜にたった独りでワイナリーを起業するところまで。安曇野産のブドウを使ったシャルドネを飲みながら温度高めで語ります。(全4回 2回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:5月のゲストは、「横濱ワイナリー」の代表、町田佳子さんです。

辰巳・町田:よろしくお願いしまーす!

辰巳:そして今週も「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」の井村貢シェフにお付き合いいただきます、よろしくお願いします!

井村:よろしくお願いします!

辰巳:「公開収録」、2回目です。レストランの個室で毎月収録してるんですけど、このバンケット棟(結婚式場)でやるのは今日初めてなんですよ。以前別の会社が所有されててそれを譲渡されたと思ったら、このコロナ禍で結婚式もほとんど中止になっちゃって。
このバンケットだって3つもあるし、教会もあるし、このお城みたいなところを1年間遊ばせてたんですよ。

井村:(かなり苦笑)

辰巳:結果的にそうなっちゃって・・・もったいないでしょう?

町田:ほんともったいないですよねぇ。。。

辰巳:もっともっとこの場所を使わなくちゃということでこの番組も始まったんですけどね。で、今日は初めての公開収録、この後「日本ワインディナー」が待ってます。このバンケットの厨房も賑やかになってきてます。今日は記念すべき日、まずはワインで乾杯しましょう!

全員:カンパ~イ🎶


横濱ワイナリーシャルドネ 2020

辰巳:今日のワインは、横濱ワイナリーの「シャルドネ 2020」。これはどういうワインなんでしょうか?

町田:実はシャルドネを初めて醸したんです、初めてシャルドネを扱った。基本的にうちは”ブドウの勢いそのまま”に、何も加えてませんし何も引いてない。無補糖・無補酸、亜硫酸も今回使ってないんです。これまでは(亜硫酸は)ごく微量使ってたんですけど、このシャルドネは使ってない、挑戦しました。

辰巳:ちょっと色が濃いですよね、麦わら色。う~ん、フワッと。

井村:フワッと。(日本の)梨のような香りがするなと思いました。

辰巳:洋梨じゃなしに和梨のようなね、

井村:、梨をシャキっとかじった時のような。

町田:そうですねー。

辰巳:果実味がすごく出てますよね。シャルドネってあんまり特徴がないブドウで、だから樽で熟成させたりするんですけど。で、どうしてこのシャルドネを醸すことに?まずどこのシャルドネですか?

町田:これは長野県の安曇野のシャルドネです。去年のコロナで”ブドウ余り現象”ってのが起こった地域もあったんですね。ここもそうで、予定していた出荷先がなくなってしまったってことで声がかかりました。じゃぁ、ってことでお引き受けした感じだったんですけど、話を聞いてみると、横浜から移住されてブドウ作りを始めたというご夫妻のブドウだったんです。「あらまぁ!」ってことでまた意気投合しまして、こちらのメルローも造りました。(←まだリリース前です)

辰巳:このシャルドネ(ブドウ)はどうだったんですか?美味しかった?

町田:美味しかった!糖度も高くていい感じで。農薬も抑えて丁寧に作ってらっしゃったんで。

辰巳:畑も行かれたんですか?(町田:頷)あの辺いいですよねぇ。

町田:ほんっっっとにいいとこですよね。

辰巳:松本平、北アルプスが一望で。なんか「あそこでやるなら畑仕事も楽しいな」と思うような場所ですよね。

町田:そうですね、川が真ん中に流れてて両面谷になっていて。

辰巳:梓川の方ですか、それとも千曲川になってから?

町田:梓川の方かな?

辰巳:ひょっとしたら高瀬川かな?

町田:その辺りはわかんないんですけど、とにかく谷が見えてその東側と西側。

辰巳::そこのブドウを仕込んだと。何キロぐらい?

町田:1トンです。

辰巳:1トンだと大体1000本ぐらいのワインができるんですが、今発売されたばっかり?

町田:はい、絶賛発売中です!

辰巳:美味いです。この旨味はある程度、例えばスキンコンタクトとかしてるのかー、シュール・リーとかー?

町田:いえ、何もしてないです。丁寧に絞れるところまで絞って、苦味、えぐみが出る直前で止めてます。

辰巳:プレスもハードではなく?

町田:柔らかめです。

辰巳:いいですね。なんか最近シャルドネってみんな樽に入れちゃんで。入れちゃうとみんなおんなじような味になっちゃって笑。もちろんそれが好きな人も多くて、どうしてもブルゴーニュスタイルの”あの味”に近づける人も多いんですけど、「ブドウを生かす」ということを考えるとこういう方向に行くのもありかなーって気はしますよね。
シェフ、今日のこのワインにはどんなお料理でしょうか?


マグロのフレッシュチーズ トマトのカプレーゼ仕立て

井村:はい、マグロをカプレーゼ風に。チーズとトマトとバジルとマグロ。樽に入れてないワインなのでフレッシュチーズをと思い自分で作りました。

辰巳:えっ!このチーズ自分で作ったの!?

井村:そうです、牛乳から。今日作ったばっかり。

町田:へぇぇぇ、ステキ♡

辰巳:どうやって作るんすか?

井村:牛乳とレモン汁だけで。

辰巳:レンネットとか入れずに?

井村:そうです。

辰巳:口当たりはリコッタのような、ちょっとモロモロ感のある・・・。美味し♡

井村:チーズの淡白さをマグロの旨味で補うという感じで。

辰巳:その上にピンクペッパーが乗ってまして、トマトも地元の?

井村:そうです、日の出町のトマトです。

辰巳:八王子のどの辺りですか?

井村:北西の方、あの、、、上の方です笑。

町田:すごい美味しい!(ワインと)よく合いますありがとうございますー。

辰巳:ワインって”料理との相性”じゃないですか?

町田:よく合わせていただきまして嬉しいです。

辰巳:ラジオをお聴きの皆さんもこちらの「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」で2ヶ月間、このペアリングを楽しめます!これも人気出そうな・・・笑。
このワインはおいくら?

町田:3000円です。

辰巳:若干お高めに感じますけど、日本ワインってブドウも高いし人件費も高い。でもそれなりのお値段でブドウを買い上げないと農家さんも大変だし。その辺の循環も考えてるワイナリーだと思います。この1年のコロナ禍で、どうしても飲食店が打撃を受けてお酒の消費量も減って、、、。でも日本ワインはこの中でも微増?

町田:若干増えているみたいです。

辰巳:でも小さいワイナリーや農家さんはこれまで仕込んでたワインが仕込めなくなるという現状がありまして。売れ残ったワインがワイナリーに積み上がって仕込むスペースがないという。。。そんな中、安曇野のブドウを引き取って?

町田:うちとしては「ラッキー!」でした。

辰巳:ちなみにこれはバラしていいのかどうかわかりませんが笑、このブドウは元々どこに回すのを分けてもらったんですか?

町田:笑、そこまではわかりませんが、かなり大量にキャンセルが出たと聞いています。

辰巳:今たくさんのワイナリーがあってそれぞれの事情があるので仕方ないんですけど、そういう時に「都市型ワイナリー」ってのは力発揮しますよね。

町田:そうですね、今回はうまく”受け皿”になれた、「調整役として都市型ワイナリーは求められてるんだなー」、ってのは今回すごく感じました。

辰巳:その辺りの話を先週から引き続きお伺いしようと思いますが、その前に1曲リクエスト曲を挟みたいと思います。今日はなんでしょうか?

町田:はい、今日はわりと最近の曲です。平井大さんの「Life is Beautiful」。

辰巳:シェフ、ご存知ですか?

井村:・・・知りませんっ笑笑。

辰巳:スイマセン僕も笑。あのー、ヒットした曲なんでしょうね、最近の芸能ゴトには疎いもので笑。では聴いてみたいと思います!

平井大 Life is Beautiful(2019年)
https://www.youtube.com/watch?v=Aw2kcRynJnE

辰巳:なんでこんな新しい曲知ってるんですか爆?年代的にはそう思っちゃう、っと素朴なギモン笑。(←辰巳さんより6歳ほど年下らしいです)

町田:気分は若いんです笑。「海好き♡」。海系のスポーツをいろいろやったりして、海系の歌が好きなんです。

辰巳:ぁ、この人(平井大さん)海系?

町田:この人ハワイに住んでたので。これを聴いた時に「いいっ!」っと思ってハマってしまいました。

辰巳:へぇぇ、新しいのもどんどん聴かなくちゃね笑。その「海系」の話なんですがー。「環境NGOで働いていて4年前にワイン造りに入ってきた」中で、”神奈川県がワイン生産量日本一”ってのを知った?(町田:頷)これシェフは知ってました?

井村:いやぁ、知らなかったです。

辰巳:「日本ワイン」は日本のブドウで造りますが、もう一つ「国産ワイン(=国内製造ワイン)」ってのは海外の原料で造ることが多いんですね。”酸化防止剤無添加ワイン”とかコンビニで売れてるような「大きな意味での国産ワイン」は別の工場で造られてるんです。そのメルシャンの藤沢工場が神奈川県にはある。なのに「『日本ワイン』を造ってるワイナリーは神奈川にはない」っということで、横浜にワイナリーを立ち上げた、っていうところまで先週話しました、あれ、今週もまた時間がなくなってきてしまいましたが笑、とりあえず続けましょう。それで、横浜に・・・、でもなんで横浜?生まれも育ちも横浜なんですか?

町田:いえ、生まれは・・・江戸っ子なんですね、申し訳ないです笑。

辰巳:そんな悲しそうな顔しなくても笑。

町田:「ハマっ子」じゃなく「江戸っ子」笑。

辰巳:江戸はどちら?

町田:小石川です。で、「ハマっ子」になってからは20年ぐらい経ちます。前職の時もずっと横浜(在住)でした。

辰巳:横浜は”第2の故郷”みたいな?

町田:第1ですね、もう笑。横浜の方が長い・・・。

辰巳:あれ~、さっきの年齢から逆算すると・・・爆。(←先週のリクエスト曲が1981年の「君は天然色」で、この時町田さんは高校生、とおっしゃってました)20年なら半分以下じゃないですか?

町田:そうなんです爆。

辰巳:キチンと計算してスイマセン笑笑。(←文系なのに数字にはかなり細かい体質です笑)

町田:横浜の前は鎌倉にも十数年住んでたので、まぁ、ってことで笑。

辰巳:神奈川県に住んで、は30数年ってことですね。

町田:あまり言うと、と、歳が・・・笑笑。(←もうバレてますよ笑)

辰巳:”生まれ年のワインを飲む”風習もあるので「ワインの世界では自分の歳は公表する」って言うのが一般的なんですよね笑。(←ぇw)
シェフはこう見えても若いんすよ。何年生まれ?

井村:1972年生まれです。

町田:!若いですね!

辰巳:来年50。ずいぶん若いです笑。(←だいぶ大人の集団ですね)で、何の話だったかな笑笑。あ、だからずっと横浜に住んでたし、この場所にワイナリーを作りたかったってことでしょ?(町田:頷)それで?苦労しました?

町田:苦労しましたっ!ものすごく大変で、ワイナリーを作るってのはホントに大変、しかも独りでやってたもんですから。ワイナリーは”国税庁の免許制度”、その免許を取るためのいろんな手続きとかいろんな戦いがあったのでー、もう出来たのは『奇跡』。でも戦うこと自体NGO時代から慣れてたんで、「負けないぞ!」というのはあったのかもしれないです。

辰巳:「誰かに誘われて」とか「誰かにそそのかされて」とか笑「誰かに勧められて」とか、そんなじゃなしに自分で思い立って始めた?

町田:そうなんです。

辰巳:それがまたすごいですよね、この自立心というか?

井村:すごいですねぇ。

町田、はい、あの、国税庁、ま、税務署相手に「ナニクソ、負けないぞー!」って戦ってたらー、免許取れました笑。

辰巳:そっか、「負けないぞ!」かー。で、その環境NGOさんとかの応援とかはなかったんですか?それともそこと喧嘩別れして出たんですか?

町田:いえ、そういうわけじゃないんですけど、全く違う世界なので特に頼ることもなく。

辰巳:資金とかは?

町田:自分のお金と、借金ですね。銀行にお借りして、今もお借りしたまま返済をしながら頑張ってやってるっていう。。。笑。

辰巳:返済計画も立てて、

町田:、そうです、事業計画も立てて。

辰巳:補助金とか助成金とかは?

町田:できるだけ、取れるだけ取って。

辰巳:今ありますよね、*6次産業に対するのが?ちょっとじゃぁこの苦労話はまた来週・・・。なんでいっつもこんなに時間ないのかなぁ笑笑。今いいところなんですけどね、ではまた来週!
(*6次産業参考サイト:https://www.sangyo.net/contents/myagri/industries.html

全員:ありがとうこざいました!

会場:拍手~!

(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。また緊急事態宣言中はメニュー提供等が変更になっている場合があります。詳しくはお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年5月13日放送回

ワイナリー

横濱ワイナリー
https://yokohamawinery.com

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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