2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』開始以来念願だった「公開収録」が今回実現しました。ゲストは、この会場からおそらくいちばん近いと思われる神奈川県の「横濱ワイナリー」代表、町田佳子さんです。まったくの業界外から参入の”変わり種”がなぜ横浜にワイナリーを?(全4回 1回目)
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https://775fm.com/timetable/tatsumi/
辰巳:さ、この番組、去年の7月に始まりましていろんなワイナリーからゲストをお招きしてきましたが、今月のお客様は「横濱ワイナリー」の町田佳子さんです!
辰巳・町田:よろしくお願いします!
辰巳:よしこさん?けいこさん?
町田:よしこです。
辰巳:そして今日はですね、「いつか公開録音したいな」と思ってたんですが、なかなかこのコロナ禍の中で・・・で、ついに今回実現しました。(←収録は緊急事態宣言前でした)
町田:あ、今日初めてなんですか?そうですか、それは光栄でございます!
辰巳:しかもいつもはこの隣のレストランの個室で録音してるんですけど、今日はこちらの”バンケット棟(結婚式場)”の一つで収録させてもらってます。そしてこちら「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」のシェフ、井村貢さんにもお付き合いいただきます。
井村:よろしくお願いします!
辰巳:このシェフの作った料理をいただいて、ワインを飲みながらダラダラ喋るという笑、そういう仕組みになっとります笑。
町田:なるほどー。
辰巳:何にも約束事はありません、1曲だけリクエストしていただくだけ笑。ぁ、あと「ワインを持ち込んでください」、ってことで我々はただご相伴に預かるという、、、いい番組でしょう?笑笑。
まずは乾杯しましょう。
全員:カンパ~イ🎶
横濱ワイナリー Cidre フジリンゴ 2020 ペティアン
辰巳:あっ!美味いっ!シードルです。日本のシードルって(リンゴを)食べると美味しいんですけど、シードルにするとぼやけちゃうっていうのが多いんですけど、これはかなりしっかりしてますね。
町田:ありがとうございます。
辰巳:ではこのシードルについてザッと説明してください。
町田:ザッと笑。はい、このリンゴは福島県の飯坂温泉というところの”ふじ”だけで造ってます。
辰巳:”ふじ”100%?他の品種も入ってるのかな?と思ったんですけど。
町田:”ふじ”だけです。
辰巳:飯坂温泉ってね、福島市のちょっと山手の温泉街ですよね?
町田:そうです。
辰巳:(市内から近いから)いつも行こうと思いながら結局街中のホテルに泊まって街中で食べて飲んでしちゃってる。
町田:飯坂にもホテルいーっぱいあるのでぜひ!温泉の話になってしまうんですけど、お湯の温度がとっっっっても熱いんですね。源泉で普通に50℃近いんですけど、地元の人はフツーに入ってらっしゃるんです。
辰巳:地元の方は”熱いお湯に強い?”笑。
町田:そうです。何度か行きましたけど、一般の方にはその源泉のお湯を(水で)薄めて供給するみたいですね。
辰巳:それはリンゴの買い付けに?
町田:ぁ、そうでした、話が脱線しました笑。生産者さんはその飯坂温泉のそばにある農家さんで、代々リンゴの生産をやってらっしゃる方。年号が変わった時(天皇陛下が変わった時)の式がありますよね?(←大嘗祭、ですね)その時穀物とか農作物を奉納する儀式の中の「リンゴ」に選ばれた生産者さんなんです。
辰巳:ってことはかなり甘い?
町田:糖度も高いし(14~15度)、丁寧に作ってますし。このシードルはそのリンゴをそのまま使ってます。
辰巳:補糖捕酸は?
町田:何もせずに。
辰巳:シェフちょっとビックリしません?
井村:自然の甘さでここまで、、、。
辰巳:いや、美味しいですよねこれ。(公開収録に見学に来てくださった)お客様もちょっとだけ飲んでみたいでしょう?
お客さんたち:フフフ。(←そりゃそうですよね)
辰巳:あんまり酔っ払いすぎてもナンですけど、じゃちょっとサーヴしていただきながら。一応”公開収録っていいもんですよー”って言っとかないと笑。
でシェフ、このシードルに合わせて用意していただきましたが今日は何を?
ヤングビーフソーセージのアリュメット
(周りをパイ生地で包んで焼き上げてます)
井村:はい、考えました!地元八王子で育てたちょっと若い牛を使った「ヤングビーフソーセージ」。若い牛ならではの”特有の歯ごたえと味わい”、それとシードルを合わせてみました。
辰巳:リンゴのお酒にソーセージってちょっとビックリ!このソースはちょっと甘めですけど?
井村:ソースには野菜を入れてあります、根菜を。
辰巳・町田:いただきまーす!
井村:豚肉一切入ってません、牛肉100%。
辰巳:牛はなんですか?
井村:ジャージー牛です。
辰巳:乳牛の中でも脂肪分が高い牛ですよね?
井村:そうです。
辰巳:う~ん、美味しい♡
町田:美味しい♡
辰巳:あの、、、合いますね。「ソーセージにビール」とかはね、わかるんですけど「ソーセージにシードル」、これちょっとイケるかも♪
井村:ソーセージ自体にあまり脂を入れてないのでシードルには合うんじゃないかと。
町田:これは発見です。この組み合わせ、ちょっと参考にさせていただきます笑。
辰巳:横浜の山下公園の下ぐらいでしたっけ?海沿いにありまして、本当にちっちゃーいワイナリーなんですけど。今何年目ですか?
町田:4年目ですね。2017年からです。シーズンでいうとこの秋から5シーズン目。
辰巳:まだ新しいワイナリー、番組(「BSテレ東『辰巳琢郎の葡萄酒浪漫』)でも伺わせていただきました。
町田:あとご家族ともいらしていただきましたね笑。
辰巳:横浜行った時ちらっと。やっぱり”街中ワイナリー”っていいですよね。
町田:元町中華街(駅)からも歩いて10分ぐらいなので、お買い物にきて中華街でお昼ご飯食べて帰る途中でうちに寄っていただく、みたいな笑笑。
辰巳:目の前を釣り人が歩いているようなところですよね笑。
町田:そう、もう裏が横浜港の始まりで、釣り船屋さんの一角にあるんです。なんで皆さん釣り竿持ってー・・・笑。
辰巳:釣り船屋さん街?
町田:そうなんです。
辰巳:だから地元横浜にはまだ(ワイン用)ブドウがないから(ま、今回はリンゴでしたけど)、全国各地から買って醸造してるんですけど。でも最近畑も始めて今日も午前中畑仕事されてー、わざわざやって来ていただいたという。
町田:スイマセン、遅刻しました汗。
辰巳:その畑はどこに?
町田:横浜市内の旭区、ズーラシアという動物園のそばにあります。
(←横浜中心部とこのレストランがある八王子の間ぐらいです)
辰巳:ズーラシア、名前は聞いたことあるけど、、、関西人なんで笑。この辺りの多摩地区も知りませんでしたしね。ワイナリーからここまではどれぐらいですか?
町田:横浜駅からだと横浜線で30分ぐらいですねー、意外と近いことに気がつきました笑。
辰巳:今日は初めての公開収録ということもありまして、できるだけ近いワイナリーの人がいいかなと思いまして。
町田:ありがとうございます。
辰巳:今この辺り、町田とか日野なんかでもワイナリーを準備しているって話、聞いてません?
町田:1つ聞いてます、そろそろ立ち上がるんですかね?
辰巳:この地域でもどんどんワイナリーが作られ始めているようです。今日はその先駆者、横濱ワイナリーの町田さんにお越しいただいてます。
辰巳:今日のシードルとお料理(ヤングビーフソーセージ)のペアリングは、このレストランで2ヶ月間お召し上がりいただけますので、
町田:、ぁw、そうだったんですか?知りませんでした。ありがとうございます!笑。
辰巳:そういう仕組みです。なんの下説明もせずに番組始めてしまう、いつもそんな感じなんです。
そろそろリクエスト曲を聴こうと思いますが、町田さん、何にしましょう?
町田:今日は大瀧詠一さんの、「君は天然色」。
辰巳:これなんかのコマーシャルソングでしたっけ?
町田:確かそうですねー。
辰巳:では町田さんのリクエストで大瀧詠一さんの「君は天然色」!
https://www.youtube.com/watch?v=L-hyY-1luHs
辰巳:懐かしい!今調べたら1981年、昭和56年?(スタッフ頷)っていったらフツーに留年しなかったら大学卒業してた年、いちばん芝居が楽しくて夢中になってた頃ですね。*ロート製薬のVロートのCMソングだったそうです。最近もサントリーの金麦糖質オフに使われてたという情報も入ってまいりました。が、町田さんこのころ何されてました?(*この曲のCMソング参考サイト、たくさんありました笑:https://ja.wikipedia.org/wiki/君は天然色)
町田:このころは多分、大学生にもなってないころじゃないかな?
辰巳:えー、僕よりも6つぐらい年下、っということは高校生ですね?
町田:そうですね、はい。多分こういう曲を聴き始めた時代ではないかなと。
辰巳:まだ町田さんとは取材で2~3回しかお会いしてないんですけど、なんか「面白い過去」が笑、つまりワイン関係じゃない、別の世界から入ってきたという言わば”変わり種”。
町田:そうですね、変わり種ですよねー。
辰巳:簡単にいうと何をされてたんですか?
町田:簡単に説明しますとー(←そんなに簡単じゃありませんでした)、”環境NGO”というところにいまして、
辰巳:「non-govenmental、
町田:、organizations」、みたいな。で、環境問題に対してみなさんに普及啓発をしたり、政府とか企業さんに物を申したり、という”活動家”だったんです。
辰巳:で、活動家でもわりと中心的なメンバーだったんですか?あるいはズルズル引っ張り込まれてやってた、どっち?
町田:ん、わりとあちこち行ってガンガン・・・笑。
辰巳:最初にお会いした時にこの話を伺って面白い人だなぁって。ワイン造りってある種の農業でもあるし地域振興でもある。今どんどん日本の農業が廃れてきて”地に足のついた産業”がなくなりつつある中、きちんとそういう活動をされてきたという方が”ワイン産業”に参入されるっていうのはいいな、っと思ってそれから注目してるんですけど。
その「NGO」はどこにいらしたんですか?
町田:「*WWF」というパンダのマークの団体で、、、
(*WWF:https://www.wwf.or.jp)
辰巳:WWFだったんですか!?
町田:ご存知で?昔黒柳徹子さんとか小椋佳さんなんかが顧問でいらっしゃったところ。秋篠宮様が名誉会長だったり、先日亡くなられた(イギリスの)フィリップ殿下もグローバルの総裁だったりだとか、、、っという組織です。
辰巳:それがどうして!?ワイン造りに?
町田:最終的には食糧問題の広報官をやっていたんですけど、”(広報官なので)いろんな方に話をしていろんな説得をする”わけですよ。「これこれこういう問題がありますよ、今こうなんですよ」っていう。自分は農業もやったことないし、企業で流通関係も、ワイン造りもやったことないのに。”食糧”を作ったことなかった自分がエラそうに言うわけですよ「こーしてくださいあーしてくださいあれがいけないこれがいけない・・・」。でもだんだん「自分、経験もないのに苦労も知らないのに、これを言ってていいんだろうか?」っていう疑問が湧いてきましてー。それでいたたまれなくなってしまってですね、で、なぜワイン(造り)にいってしまったかというと。この業界に入る直前に、農家さんから売り物にならないリンゴやミカンをいただいたんです。「形の悪いリンゴとかみかんは廃棄されてしまう」っていう日本の実情を知りまして、「形が悪くても美味しいし、むしろ形が悪い方が美味しかったりもする」っていうことがわかって。じゃぁそれにWWFのロゴのパンダマークをつけて、都内のマルシェ(ファーマーズマーケットなどですかね)でお客さんに配って活動資金を集めようってことを1年間やったんです。(もらったものは売れないので”寄付”という形をとりました)。それで”果樹”ってものを知ったところで、そういえば私が住んでる横浜は、クラフトビールはあるんですが(←かなり盛んな街です)ワイナリーがない。神奈川県は、山梨を抜いて”*ワイン生産量が日本一”なのになぜ神奈川県に(ワイン用)ブドウを作っているところがないんだろっ!?、、、「じゃ、横浜でワイン?ブドウ?できないかなぁ」と思ってスタートした、のがきっかけです。(←息キレそう笑)
(*”日本ワイン”と謳われているワインとは別に、海外から濃縮果汁やワインを輸入して国内で製造する”国内製造ワイン(いわゆるカジュアルワイン)”とがあり、神奈川県にはその国内製造ワインを生産するメルシャンの藤沢工場があるためです。)
辰巳:はい、この続きはまた来週!ってことになりますね。いやぁ面白かったです、もっと聞きたいですよね?
井村:もっと聞きたい。
辰巳:次回はもっと突っ込んで伺いたいと思います。本日のお客様は「横濱ワイナリー」の代表、町田佳子さんでした。また来週よろしくお願いします!
町田:はい、よろしくお願い致しますー。
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。また緊急事態宣言中は変更になっている場合があります。詳しくはお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2021年5月6日放送回
- ワイナリー
横濱ワイナリー
https://yokohamawinery.com- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/