ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年4月29日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
4月のゲストは山梨県、勝沼の「まるき葡萄酒」前醸造責任者の薬袋才樹(みない まさき)さんです。今回が最終回、後半戦”渾身のジョーク”を放った薬袋さんでしたが、それは20年近く前に使っていた田崎真也さんのネタでしたー。(全5回 5回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:4月ももう終わろうとしていますが今日は5回目。今月のゲストは山梨県の「まるき葡萄酒」前醸造責任者、薬袋才樹さんです!

辰巳・薬袋:よろしくお願いします!

辰巳:まるき葡萄酒さん、前身は明治10年ぐらい、『現存する最古のワイナリー』とも表現されてますけど、でも最近どんどん革新されて。関西の不動産建設業が親会社になって”生まれ変わった”。今すごく勢いのある・・・。

薬袋:私も驚くぐらい笑。

辰巳:これから日本のワイナリーを引っ張っていく存在なんじゃ?って。何がすごいってね、山梨にこの「まるき葡萄酒」があって、長野に「ドメーヌ コーセイ」、北海道の富良野の方にも新しいヴィンヤードも開いて、今度は山形の米沢のワイナリーも取得、、、。日本の4大ワイン産地、山梨、長野、北海道、山形全部にワイナリーを持つ*会社ってないんですよ。
(*GLOUP RAISON:https://group-raison.jp

薬袋:そうですね、今のところはないです。

辰巳:歴史のあるところ、新しいところ、それぞれ。きっかけは「まるき葡萄酒」との出会いだったと思うんですけどね。この清川会長ってまだ若いんですよね、まだ40前半?

薬袋:んー、まだなったかならないぐらい。

辰巳:日本ワインの情熱もすごくある方で。薬袋さんはどう思われました?

薬袋:社長(現会長)が代わったということでそこからすごく変わってきましたね。まずいろいろスピードが速い。ワインの業界は”ブドウを育てて”というとこからすごい長い時間がかかりますよね。それをも含んでもやることが速い、「即決めて即実行」みたいな。だからちょっと「驚き!」ですよね。

辰巳:”今”の経営者ですよね、ワインもお好きなんでしょ?

薬袋:好きですねぇ。自宅にたくさんストックしているようですよ。

辰巳:ふぅん・・・そうそう、そういえばワインの紹介忘れてました。まずは乾杯しましょう。

全員:カンパ~イ🎶


まるき葡萄酒 ラフィーユ 樽甲斐ノワール 2018
https://marukiwine.shop/?pid=155811720

辰巳:この番組は「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」で収録しております。こちらの井村貢シェフにもご一緒していただいてます。

井村:よろしくお願いします!

辰巳:どうですかこのワイン?

井村:前回のワインとは打って変わって、スパイシーな「赤ワインっ!」って感じで濃厚ですよねー。そしてしっかりシャープな酸味もあります。

辰巳:ほんと、まずスパイシーさと酸味が前に出てくるワインですよね。シェフにとってはこの品種初めてかな?去年の7月から毎週毎週日本ワインの勉強してきて「もうそこらへんのシェフには負けへんぞ」ぐらいの知識と、日本ワインに合わせるお料理を考案・・・すごい経験値を持ってるシェフなんです。薬袋さん、このワインは何でしょうか?

薬袋:「ラフィーユ 甲斐ノワール 2018」です。「ラフィーユ」は樽に入れたシリーズです。

辰巳:「いろ(シリーズ)」は?

薬袋:「いろ」は樽入ってないです。

辰巳:この”甲斐ノワール”というブドウはブラッククイーンとカベルネ・ソーヴィニョンの掛け合わせですよね?(薬袋:諾)細かくいうと3/4がヴィニフェラ系で1/4がアメリカ系なんでしょうけど山梨県で誕生した。この自社畑はあるんですか?

薬袋:、はないです、契約農家です。

辰巳:薬袋さんにとって甲斐ノワールはどんな位置付けですか?

薬袋:2012年からブドウが手に入って造ってるんですけど、当初は「甲斐ノワールで美味しいワインを飲んだことがない」というくらいのイメージしかなかったんで、そんなには期待してなかったんです。でもまず造ってみたら「意外といいな」と。うちでは日本固有品種に特化してワイン造りをしているんですけど中でもマスカット・ベーリーAを柱にしているんです。でもこれ(甲斐ノワールは)カベルネの血を引いているのでベーリーAとは違う本格的赤ワインになりうる。お客さんに「(ベーリーAより)もっと濃い赤がないのか?」とか時々言われるんで、そういう時には「甲斐ノワールいいかなー」っということで造ってます。

辰巳:セニエはしてないでしょ?

薬袋:してます。

辰巳:!あ、そうですか!?その割には色がちょっと薄いですね。そのセニエしたものもまたロゼに使ってる?

薬袋:はい。そしてこれはわずかにメルロー、カベルネも入れてます。ちょっとボルドーの方に近づけたい感じで。

辰巳:前々回におっしゃってましたね、「ワイン造りの原点はボルドーだ」と。単一品種でなしに色々な品種をブレンドして’それぞれの長所・短所を補いながら’ワインを造るんですよねー。かといってそんなに「ガツン」とくるわけではなく、エレガントな部分はちゃんと残してあります、いいですね。シェフ、覚えといてくださいね、”甲斐ノワール”。今日のお料理は何でしょうか?


薬袋さんの作ったお米のリゾット 桑の葉茶風味 豚バラ肉のコンフィのバルサミコソース 照り焼き風

井村:今日はいろいろなものが組み立てられた複雑なワインなんで”照り焼き丼”笑。私なりのイメージで作ってみました。今日はあえて豚肉の照り焼きでバルサミコなんか使ったりなんかして、お米は薬袋さんの作った”薬袋米”です笑。お米をほんのり緑色にしてあるんですけど、これは”桑の葉茶”を使ってます。

辰巳:やりますねぇ~。山梨県も長野も昔は桑畑が多かったんですよね。明治時代の産業の中心は”蚕(かいこ)”、絹糸だったんですよねー、全国的にもそうでした。今やってる大河ドラマの渋沢栄一さんの埼玉の深谷も。

薬袋:ブルゴーニュも確かそうでしたよね、桑。

辰巳:!?。それは知らなかった。

薬袋:豊富(薬袋さんの出身地旧豊富村:現在はいくつかが合併した中央市)というところも養蚕の産地だった。だからブドウ作ってもいいのかなと思って・・・笑。(←そういう接点?)

辰巳:なるほど、ブルゴーニュに倣ってるんですね笑。
美味いですねこれ。

井村:ありがとうございます。最後にひとつまみのピンクペッパーの花のような香りがワインに合うんじゃないかなぁと。

辰巳:シェフ、ピンクペッパー好きですよね?

井村:好きです♡この花のような香り・・・。

辰巳:それと豚肉に(バルサミコの)酸味が効いてます、部位は?

井村:普通の豚バラです、ちょっと脂の甘みが欲しかったので。一回野菜と一緒に煮込んでから照り焼きに。

辰巳:ピンクペッパーもそうですけど、このバルサミコがワインとのつなぎ目になってますよね。これもフランス料理の技法を使いながらも、もう日本料理ですね笑。

井村:Japaneseというか。(←井村さん”ジャポニゼ”と言いました)

辰巳:ワインが食中酒としてきちんと把握されて、一般の人に知られて初めて「ワイン文化」って花開くのかなって思いますけど、それは意識されてます?

薬袋:してますね。いろんなお酒の中でも食事と一緒に楽しめるのはやっぱりワインだと思います。料理を引き立てる脇役は他にはないと思います。

辰巳:ワイン会なんかの場合はワインが主役になる場合があるけど、基本的には主役にならないほうがいいと思いますね。

薬袋:そうですよね。

辰巳:なんか薬袋さん自体が”前に出ない”タイプの人なんですよね、個性は強いのに笑笑。

薬袋:叩かれたくないんです爆。

辰巳:なんですかそれは一体笑笑。血液型は?

薬袋:Bです。(←この部屋にいる全員がナットク)

辰巳:シェフは?

井村:僕はA型です。(←これもナットク)

辰巳:僕はBなんですけどね。B型って奥ゆかしいですよね笑笑。(←ぇw)

薬袋:図々しいんです笑笑。

辰巳:ままま、いい意味でも悪い意味でもマイペースなんでしょうねぇ。それが話しててもワイン飲んでてても何となくわかる・・・。

薬袋:なんかB型みんな惹きつけ合いますよね?(←変な連帯感)

辰巳:まるきの社長(現会長)は?

薬袋:Bだったと思います笑。

辰巳:やっぱりー。

薬袋:あれ、大阪で(会長と)会われたんでしたっけ?

辰巳:えぇ、大阪で食事を。何となくねー、こだわりの中にも”バランス感覚と広がり”が。(←B型にしかわからない感覚でしょうか?)

辰巳:さぁ、今日のリクエスト曲は何でしょうか?

薬袋:またクラシックですが、(ピアニスト)辻井伸行さんの、ショパンの「英雄ポロネーズ」。

辰巳:なぜ辻井さん?

薬袋:あの音に心打たれますね。クラシックそんなにわかる方ではないんですけど、(辻井さんが)盲目とかは関係なしに、「他の人が弾いてるのとは違う」ってのはわかるんですよ。

辰巳:辻井くんの先生で横山幸雄さんって人がいて24h引き続けるすごいピアニストがいるんです。彼がまたものすっごいワイン好き(←ワインエキスパートの資格持ってます)で詳しいんですけど。だから辻井くんはワイン好きなのかなぁ。
では甲斐ノワールを飲みながら聴いてみたいと思います、辻井伸行さん、ショパンの「英雄ポロネーズ」。


https://www.youtube.com/watch?v=1MU2ytzNhqc

辰巳:「クラシックとワイン」ってなんか合いますよね、日本ワインにも?

薬袋:いちばん合うと思います笑。

辰巳:吉田拓郎さんのはアレかな、夕陽のガンマンもねぇ・・・爆。悪くはないけどあれはなんかハードリカーの方がいいような笑笑。やっぱりクラシックかなぁと笑。

辰巳:5回に渡って薬袋さんにお越しいただきましたけど、いちばん面白かったのは”柔道家”だったってこと笑笑。柔道やってたって話はあんまりしないでしょ?今も(柔道)されてるんですか?

薬袋:今はもうしてないです。ただ、今はブドウ作ったりしてますから『「ブドウ家(武道家)」です』爆爆。

辰巳:え~ぇと、お後がよろしいようで笑笑。昔ね、「旧日本ワインを愛する会」ができたときに、いろんな人(著名人)にイラストを描いてもらったんですが、田崎(真也)さんの絵が確か柔道着みたいなやつで「BUDOU」と書いてありました。同じ感性、田崎真也と?
爆。ちなみに彼もB型です笑。田崎さんには会ったこと?

薬袋:昔「ワインアドバイザー」の試験受けたとき、何回か落ちて笑、そのとき自己採点して「あれ、受かってるはずなんだけどな
」、でも落ちて調べてくれたのが田崎さんだったんです笑。その時は70点が合格ラインだったんですけど私68点で「ちょっと足らないですねぇ」と言われました。それ以来会ってない・・・笑。(←30年ぐらい前らしいです)

辰巳:それはすごい!すごい接点というか接点がないというか笑笑。田崎さん20年ぐらい前はずっと日本ワインを応援してくれてて。最近日本酒もやっててだんだん忙しくなってね、で、その後を継いだのが僕。当時は「何で(田崎さんは)こんなに日本ワインに肩入れするんだろ?」と思ってたんですけど18年ぐらい前に「(旧)日本ワインを愛する会」ってのができて僕が副会長で入って、、、そっから20年。『ブドウ家』でましたー爆。

薬袋:そーぅでしたか、田崎さんが使ってましたかー笑笑。先を越されました笑笑。

辰巳:あのオッサン(←ぇw、田崎さんのこと?)もけっこうダジャレ好きですからね笑。でもこういう時を超えていろんな想いが繋がって、みたいな話楽しいですよね。

薬袋:ですね。


これですね。当時はささやかな愛する会のイヴェントの会場に使い回しで貼っていました。(編集者私物)

辰巳:彼(田崎さん)がやってた頃、まだ日本ワインはほとんど相手にされなかった時代。あれから20年経ってこんな風になって、、、。なんか嬉しいですよね。

薬袋:そうですね、嬉しいですね、やりがいがありますね。

辰巳:まだまだお願いしますね。

薬袋:できる限り。「もう要らない」って言われたらしょうがないですけど笑。

辰巳:なんならご自分でワイナリー作ってもいいんですよ笑。

薬袋:ないですね、そういう”向きじゃない”です。

辰巳:”向きじゃない”って?

薬袋:自分でそういうことをやりたくはなくてもっと気楽に自由にいろいろやりたい。

辰巳:引退したらどうすんですか?

薬袋:どーぅしましょうかねぇ。家内は”農家フェ”でもやりたいと言ってますが爆。

辰巳:それ作った暁には必ず伺いますので。っということで、まだまだ話足りないんですが時間となりました。5週間に渡りましてゲストにお越しくださったのは、勝沼の「まるき葡萄酒」前醸造責任者、薬袋才樹さんでした!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年4月29日放送回

ワイナリー

まるき葡萄酒株式会社
http://www.marukiwine.co.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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