ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年4月15日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
4月のゲストは山梨県、勝沼の「まるき葡萄酒」前醸造責任者の薬袋才樹(みない まさき)さんです。この番組が始まってからしばしば「ロゼ」話になりますが今回も然り、日本でのロゼ流行りを願います。リクエスト曲は”春にふさわしい!?”ウェスタン(全5回 3回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:4月のお客様は山梨県勝沼のまるき葡萄酒、薬袋才樹さんにお越しいただいております。そして今日もヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢の井村貢シェフにもお付き合いいただきます。

全員:よろしくお願いします!

辰巳:薬袋さん、顔が、、、真っ赤です笑。真っ赤というか、ロゼ色♡。今日のワインはロゼなんですけどほとんどおんなじ色、いや、むしろこのワインの方が薄めです笑笑。

薬袋:いわゆる頬を染める”ブラッシュ”ですね笑笑。

辰巳:その名の通り、今日はマスカット・ベーリーAの「ブラッシュ」というワインをお持ちいただきました。では乾杯しましょう!

全員:カンパ~イ🎶


まるき葡萄酒「ベーリーA ブラッシュ 2019」

辰巳:このワインはどういうワイン、セニエですか?

薬袋:いえ、これはセニエではなくて、白ワインと同じように絞ってます。

辰巳:ほんとに色が薄いんですよ、白仕込み系。ほとんど皮からの色を出してないような。

薬袋:そうですね、そしてチョー辛口です。「食事に合うように」ということで2011年から造ってます。

辰巳:どうしてこの造り方を?

薬袋:「*KOJ(Koshu of Japan)」というロンドンへ「甲州」を売り込んでいくというプロモーションが2010年からあるんですけど、幸い(初年に)それに同行することができたんです。その頃にはもうロンドンにもワイナリーがありまして、そこに行ったんですよ。まぁロンドンは「ワインの情報が70%集まってる」といわれているところなんですけど、そのワイナリーで言われたのが「今いちばん売れてるのは『ロゼ』と『スパークリング』」。
(*KOJ:https://www.koshuofjapan.com

辰巳:!。ロンドン市場でロゼってそんなに売れてたんですか?

薬袋:その時はそうだったみたいです。そんなこともあって日本に帰ってから「じゃぁマスカット・ベーリーA100%のロゼを”辛口で”造ろう!」と思ったんです。(ロゼでも)昔からのちょっと甘口のものはありましたけど、、、。

辰巳:なんかグイグイいけちゃいそうな感じだしスクリューキャップ。お値段も・・・。

薬袋:1980円です。

辰巳:何本ぐらい造ってるんですか?

薬袋:2000~3000本ぐらいですかね。

辰巳:あ、それしか!?(←たくさん売れないからたくさん造らない)みなさんもっとロゼを飲みましょう!

薬袋:飲んで欲しいんですよ~。

辰巳:ボルドーなんかもロゼすごい売れてるのに、日本の市場にはなかなか広まらない。日本人にとってロゼは身近で飲みやすい(食材とも調理法とも合う)ワインだと思うんですけど。シェフ、いかがですか?

井村:飲みやすいですし色が華やかですよね、食卓を彩ってくれるというか。楽しくなるワインです。

薬袋:今の時期の桜ってイメージですよね。

辰巳:さ、こちらのワインに合わせるのはどんなお料理でしょうか?


トマト”りんか”とマグロのファルシ わさび菜のソース

井村:このワインを飲んだ時にトマト農園の香りを感じましたので、トマトの料理にしてみました。八王子の上の方に日の出町ってところがあるんですけど、そこの”幻のトマト”と言われている、

辰巳:”幻のトマト”という名前、それとも他に名前がある?

井村:「りんか」(ひらがなです)というトマトです。種の名前なんです。そのトマトの中にマグロのタルタルが入っているファルシにしてあります。

辰巳:ではいただきます!
う~ん、美味し♡この料理を食べて飲みますとワインが引き締まる感じがしますね。トマトの香りとか酸味に負けずに別の方向のとんがり方をしてきます。旨味といい意味での苦味が強調されるというか。どうですか薬袋さん?

薬袋:濃厚なトマトですね笑。(←さすが農業家)ワインの(ブドウの)皮の苦味とすごく合いますね。

辰巳:このお料理とワインのマリアージュ、4月、5月とこちらのレストランでお召し上がりいただけます。ぜひ経験していただきたいたいです!

井村:ぜひぜひ!

辰巳:まるき葡萄酒は現存する”日本最古のワイナリー”ですが、薬袋さんが入られたここ10年でどんどん革新された感じがしてます。モンデ酒造さんにいらした薬袋さんが、わかりやすく言うとヘッドハンティングでまるきさんに移られて。ワイナリーそれぞれ社風やポリシーが違ってたでしょうし、その辺はいかがですか?

薬袋:私は「”ワインだけをしたかった”んでワインだけをやってるところに行きたかった」んです。モンデ酒造さんはウィスキー、ブランデー、スピリッツ・・・すべてやってましたんで。

辰巳:それをいろいろやらなくちゃいけなかったんだ?

薬袋:そうです、だからワインだけやってると叱られるんです。「薬袋くん、うちはワインだけじゃないよ」と。そんな中でやっぱり『勝沼』という土地に憧れてまして、「どうせ(ワイン)造るなら勝沼に行ってみたい」。同じように造るんですけどなんか違うんです、今まで以上に”できる”というか。

辰巳:そうですかー。こんなこと言っちゃぁなんですが、まるき葡萄酒に移られてからの方が自分の力を発揮できたとか?

薬袋:そういうことです、思うようなものができるようになりました。

辰巳:それはワインに集中できるようになったということかもしれませんが、他には?

薬袋:あとは社長が変わって設備投資もありましたので、やりやすくなったということがあります。

辰巳:2013年に経営母体が変わって設備投資もあったわけですね?

薬袋:はい、たくさんしてくれました。

辰巳:例えば?

薬袋:まずタンクがたくさん入ったり最新型のプレス機が入ったり選果台が入ったり。

辰巳:それは薬袋さんがお願いした?

薬袋:そうですね、必要以上にしていただきました。

辰巳:シェフ、どうですか?やっぱり設備によってだいぶ変わってくるもんなんですか?それともシェフの腕?笑。

井村:笑、やっぱり設備投資も必要ですね。ここには最新型のコンベクションオーブンが入ってます。

辰巳:それも発揮してるんですねー。7月からこの番組やってるんですけど、毎週違うワインに違うお料理ですからねー。いつまで続くかと思ってるんですけど笑。

薬袋:シェフも大変ですね笑。

井村:いえいえ、スタッフも楽しんでやってますんで。

辰巳:シェフは楽しんでやってるかもしれませんがスタッフが楽しんでるかどうかは・・・笑笑。

井村:た、楽しんでるはずです苦笑。

辰巳:ではこの辺でリクエスト曲を。薬袋さんとはほぼ同じ時代を生きてきたんで(辰巳さん1958年、薬袋さん1956年生まれ)1週目は吉田拓郎さん(♪「人生を語らず」)、2週目は五輪真弓さん(♪「少女」フランス語Ver.)となかなか嬉しいリクエストをしてくださってるんですけど、今回はどんな?

薬袋:春にふさわしい「夕陽のガンマン」爆。

辰巳:ど、どこが春!?笑笑。あの、クリント・イーストウッドのねー、「*マカロニ・ウェスタン」。中学生の頃かな、オレ夢中になりましたよ。
(*マカロニ・ウェスタン:https://ja.wikipedia.org/wiki/マカロニ・ウェスタン

薬袋:いぃですよね、ヒーローでした。

辰巳:やっぱりクリント・イーストウッドですか?当時*4大スターがいましたよね?他にフランコ・ネロ、ジュリアーノ・ジェンマ、リー・ヴァン・クリーフ。
(*マカロニ・ウェスタンシリーズのヒーローたち)

薬袋:断然イーストウッドです!

辰巳:シェフ(1972年生まれ)、知ってます?

井村:(頷)実は僕映画が大好きで、クリント・イーストウッドも大好きです。カッコイイっすね。

辰巳:あ、そうですか?
このテーマ曲はムチャクチャ高揚しますよ、どこが春にふさわしいかわかりませんけど爆。では聴きながら検証したいと思います笑笑。ではどうぞ!

夕陽のガンマン テーマ(1965年)

https://www.youtube.com/watch?v=_wZIXXSi8ZA

辰巳:いぃですねぇやっっぱりー。

薬袋:いぃぃですねぇ。

辰巳:でもどこが春なんすかね笑笑。

薬袋:最高じゃないですか笑笑(←もはや春はどこにもありません)

辰巳:昔ゲームセンターになかったですか?向こう(機械)が銃を抜いた瞬間こっちもバァーンってやつ?

薬袋:知らない笑。

井村:いや、あったと思います。

辰巳:(銃を抜くのが)いかに速いかっていう。。。イーストウッドももちろん速かったんだけどシェーンの抜きも速くって、”抜いた瞬間打つ”、みたいなね。これ中学か高校の頃練習してて笑笑、やりすぎてよく怪我してた、血を出してた爆。そんなことなかったっすか?

薬袋・井村:ないない笑笑。

辰巳:あれ、みんなやってると思ってた、男の子は笑笑。まぁ時代変わって映画の世界もいろいろCGやらテクノロジーが発達してきたけど、なんかあぁいう時代の映画は良かったですよね。

薬袋:ですね、単純な映画ですけど。

辰巳:(そういうウィスタンものも)黒澤明監督の「用心棒」とかから引っ張ってきたという、日本文化もスゴイなと思うんですよねー。
料理もしかり。ワインはまだ日本は新興国ではありますけどどんどん
よくなってますもんね。それについては薬袋さんはどう思ってますか?

薬袋:(日本)ワイン自体が美味しくなってきてることは間違い無いですね。特にKOJ行く頃から甲州中心に格段に美味しくなってるような感じはします。それと「日本食に合う」ということがだんだん理解されてきたんじゃないかと思います。

辰巳:前回ご紹介したポテトサラダなんかもそうですけど、コロッケだとか焼き鳥だとか、普段の(日本の)食事に合わせるのには本当にいいですよね。

薬袋:30年、40年前は自分の造ったワイン飲まなかったですけどね。

周囲全員:爆爆

辰巳:・・・っちょ、ちょっと待ってください、いいんですか、この公共の電波で笑。

薬袋:昔の話ですから笑笑。甲州なんかはお土産用として甘口だったということです。ま、食事と一緒に飲むようなものではなかったですね、今考えると。

辰巳:あぁそうか、お土産用・・・、は、そうかもしれませんけど、地元の人はちはそれを飲んでいたわけでしょう?

薬袋:ま、お茶代りに。

辰巳:湯飲み茶碗に一升瓶ワイン注いでほうとうでも食べながらっていうのがジモティーのスタイルだったんですけど、その辺はだいぶ変わったんですか?

薬袋:”辛口の甲州”が出てから変わりましたね。

辰巳:でも薬袋さんの造った先週の「いろ甲州」も今週のブラッシュもそうですけど、ある種の膨よかさ、甘さとか昔ながらの感じもあるじゃないですか?

薬袋:それも「ワインの美味しさ」のひとつかなと思っております、バランスですね。

辰巳:この発酵を止めるのは濾過?それともSO2添加?

薬袋:SO2ですね。

辰巳:ちょっとだけ早めに入れてバランスをとるんですね。シェフもだいぶ日本ワインに慣れてきたと思うんですが、今の話わかります?

井村:はい、まぁ。料理も同じでちょっとしたことで出来上がりが変わってくるんです。だから共通することはあるんだろうなぁとは思いました。「さじ加減」というんでしょうか、「塩梅」というんでしょうか?

薬袋:「さじ加減」、その通りですね。

辰巳:そういう細かいとことまでやってるわけですね。

薬袋:はいそうですね。最終のブレンドではやっぱりさじ加減。

辰巳:やっぱり「お客様の嗜好に合わせたワイン造り」と「自分の飲みたいワイン」は違うけど、でも、ようやく『時代は追いついてきた』と。あとは「食中酒としてのワイン」の位置づけをできるかどうか、ですかねぇ?

薬袋:そうですね、「食事の中でワインをどのようにして楽しめるか?」という文化が日本ではまだできているわけではないので、それができてくるとワインがもっと動くんじゃないでしょうか。

辰巳:本当にそう思います。来週もよろしくお願いします!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)

Information:
4月24日土曜日、午後3時から初めてこの番組の公開録音をいたします。5月OA分の4本(25分×4)収録しますがお好きな時間に来ていただいて、そのあとディナーを一緒にしましょう。まるき葡萄酒さんのワインもお出ししようと思っております。残りわずかとなりました、ぜひお越しください!(辰巳琢郎)
(※終了いたしました。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年4月15日放送回

ワイナリー

まるき葡萄酒株式会社
http://www.marukiwine.co.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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