2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』
3月のゲストは岩手県のくずまきワイン、専務取締役の漆真下満(うるしまっか みつる)さんです。「ワインの町葛巻」は地元民に根付いているのに町にはフレンチレストランがない?リクエスト曲「浪漫飛行」に秘められたエピソードとは?(全4回 4回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/
辰巳:3月のお客様は今日が最終回になってしまいましたが、岩手県のくずまきワイン、漆真下満(うるしまっか みつる)専務です。
辰巳・漆真下:よろしくお願いします!
辰巳:もう4回目ですからだいぶ慣れました?
漆真下:いえいえ、とんでもない。こういう場は苦手です苦笑。
辰巳:そうなんですよねぇ、表舞台は苦手な方。葛巻の町長(現くずまきワイン社長)はしゃべり出したら止まらないような方なんですけど笑。今回は「ぜひ(漆真下)専務に話してこいっ!」っと送り出されまして笑笑。
同学年、もう60を過ぎるとね、、、。どうですか、お酒の量は減りました?
漆真下:少しづつ、減ってるような、、、気がします笑。
辰巳:学生時代は日本酒一升飲んでたということですけど、
漆真下:まだ力任せに笑笑。
辰巳:初回に新幹線でなく「車で東京に来よう」と思ってたって言ってましたけど?
漆真下:まぁちょくちょくやってます、山梨まで車で行ったり。
辰巳:驚!けっこう時間かかるでしょ?
漆真下:ま、8時間、、、ですかね爆。
辰巳:平気なんですか?
漆真下:ま、ドライブがてら爆爆。
辰巳:ドライブがてらって・・・。
今日もヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢の井村貢シェフにも同席していただいてます。
井村;よろしくお願いします!
辰巳:では乾杯しましょう、今日は赤ワインです!
全員:カンパ~イ🎶
くずまきワイン「蒼」
辰巳:あ、旨いっ♡これはワタクシもよく飲むワイン。シェフ、いかがですか?
井村:このワインはイチジクのコンフィ、というかドライフルーツ系の香りがして、スッキリとした酸味なんですけど、濃厚な味わいだなぁという印象を受けました。
辰巳:これもヴィンテージは書いてないんですけど、熟成感もあって美味しいですね。
漆真下:ありがとうございます。これは「小公子」というヤマブドウの交配品種が原料です。小公子っていうのは、日本のヤマブドウとシベリア、チベット系のヤマブドウの3種類の交配種になります。
辰巳:澤登(晴雄)先生の交配ですね。で、岩手に(天然の)ヤマブドウがたくさんあるから澤登さんのところに勉強されに行かれたのが最初?それとも澤登さんと知り合ってからヤマブドウを発掘していこうと?
漆真下:当時の町長が「ヤマブドウでワインを造りたい」ということで、今の町長を澤登先生の元に研修に出したんです。
辰巳:、っということはー、この「くずまきワイン」が始まる前に行かれてた?
漆真下:そうです。その研修に行って、戻ってきてから栽培の普及をして、原料を確保して、それからくずまきワインができた。
辰巳:それからいろんな山ぶどう品種を植えたと。
シェフ、こちらは「小公子」という品種ですけど知ってました?
井村:いやぁ初めて知りました。
辰巳:タイトルは「蒼」。
漆真下:このタイトルは辰巳さんにお願いしてつけてもらいました。
辰巳:現社長から10年ぐらい前に、「この新しいワインに名前をつけてもらえませんか」とお願いされてね。色々考えたんですが、シベリアとかモンゴルとかあっちの方に(ヤマ)ブドウが生えてたって聞いてたので、この「蒼」は草冠に倉。東北の青い空にプラス、「*蒼き狼」ってご存知ですか?井上靖さんの小説があって、その”蒼き狼”と呼ばれたチンギスハーンのイメージも重ねて。あったじゃないですか、東北の方にも?破れた義経が大陸に逃れてモンゴル帝国を起こしたっていう**伝説が。ヤマブドウも大陸からやってきたんでしょうし、そういうイメージを重ね合わせてこの名前をつけたんですが、その書き殴ったメモ用紙の文字がそのままエチケットになっちゃって「これはあんまりでしょう!?」笑。
(*蒼き狼:https://ja.wikipedia.org/wiki/蒼き狼)
(**義経=ジンギスカン説:https://ja.wikipedia.org/wiki/義経%3Dジンギスカン説)
漆真下:ま、社長命令ですね爆。
辰巳:赤ワインだけど「蒼(アオ)」です、っというツカミには使えるんすよね笑。これもヴィンテージが入ってないんですよねー。
漆真下:これは2017年と2018年のブレンド、それに若干2020年も。
辰巳:ぁ、古い原酒も残してて?(漆真下:頷)あーやっぱこれ美味しいな。で、本日のお料理はなんでしょう?
若鶏胸肉のエギュイエット その肝とマスタードのソース
井村:鶏の胸肉を真空調理して柔らかく火を入れました。その鶏のレバーを使った濃厚なドレッシングとサラダを合わせてあります。鶏を一匹丸ごと食べていただけるという。
辰巳:ではいただきまーす。なるほど、しっかりした味わいですね。
井村:これだと鶏でも赤ワインと合わせられるんじゃないかなぁと。
辰巳:確かに、赤ワインに負けない味わいになってます。(レバーの)ソースも絡めて野菜も一緒に摂れるし。漆真下専務いかがですかー?
漆真下:いやぁ美味しいです、しっかりとした味付けなので東北の人にも好評だと思います笑笑。
辰巳:東北は寒いとこだから味は濃いめですよね。普段はどういうもの食べてるんですか?
漆真下:私、ですか?まぁ(葛巻は)大豆が美味しいので豆腐なんかはよく食べてますね。
辰巳:やっぱり家で食べるんですか?
漆真下:今この状況では自宅で食べることが多くなりましたが、以前はほとんど外食でした。
辰巳:そんなに数は多くないんですけど、葛巻の町もなかなか味のある店が何軒かありますしね。昔ながらの”昭和のスナック”みたいな笑。町長さんもカラオケが好きでね笑、よく連れて行っていただきましたけども。
漆真下:今はなかなか・・・。
辰巳:そういう外食の時でもみなさん日本酒じゃなしに(日本)ワイン召し上がるんですか?
漆真下:ぁ、割と今はワイン召し上がってくださってますね。
辰巳:ワイン関係者だけでなく、一般の方たちも?
漆真下:えぇ、会合なんかの乾杯の時もくずまきワインをよく使っていただいて、もうけっこう定着してます。
辰巳:「くずまきワインで乾杯条例」?笑。日本酒蔵はなかったでしたっけ?
漆真下:葛巻にはない、です。
辰巳:(酒類の)醸造所はくずまきワインだけってことですか?
漆真下:そうです。
辰巳:ってことは町のお酒はワインなんですね。(漆真下:頷)
じゃぁ今度井村シェフにも葛巻に行ってもらって指導するとかね笑。
葛巻にフランス料理店ってあるんですか?
漆真下:ないですねー笑笑。
辰巳:しばらく弟子を葛巻に送って「フランス料理を伝道して来いっ!」ってしたら?
井村:笑。
漆真下:ぜひお願いします!笑。
辰巳:だって”ワインの町”ですから。
漆真下:食材はありますんで笑。
辰巳:ほとんどタダですから笑。
漆真下:山に入れば笑笑。
辰巳:まったけ(松茸)だけはちょっと鍵かかってて内緒の場所なんですけど笑。
(フランス料理の件)帰ったら町長に言っといてください。
辰巳:さ、今日のリクエストはなんでしょ?
漆真下:米米クラブの「浪漫飛行」お願いします。
辰巳:おぉぉぉ!これはどうしてでしょう?
漆真下:1992年に葛巻ワインに入社したんですけど、その頃カラオケで頻繁に歌ってたという笑。
辰巳;ではせっかくですからカラオケにして歌っていただきましょうか爆。いや、そんな設備は用意しておりません笑。好きなんですか、カールスモーキー石井さん?
漆真下:その頃「君がいるだけで」が流行ってましてー、同僚とカラオケ行ってよく歌ってました。
辰巳:では聴いてみたいと思います、米米クラブの「浪漫飛行」。
米米クラブ「浪漫飛行」(1990年)
https://www.youtube.com/watch?v=Q4c1BFr3hG4
辰巳:懐かしい懐かしいとおっしゃってましたけど。我々同じ世代ですからね(石井竜也さんと辰巳さんは昭和33年生まれ、漆真下さんは昭和34年の早生まれ)。で、その石井さんが日本のワインで何か造りたいということで、私がくずまきワインを紹介して「*Love Target」というオリジナルワイン(還暦記念)を発売したという。。。その節はお世話になりました。
(*Love Target:https://www.kuzumakiwine.com/SHOP/W037.html)
漆真下:まさかうちで造らせてもらえるとは・・・奇跡です。
辰巳:奇跡なんてそんな、、、。「ワインは西洋のもの」というイメージがありますが、石井さんも「洋楽なんだけどなんかオリエンタル」な嗜好性とか美意識とかがすごいある人なんでね。だったらヤマブドウやヤマブドウ系の品種を使うのがいいんじゃないかと。ヤマブドウのワインをたくさん貯蔵しているくずまきワインさんにお願いして、いろんなワイン(ヤマブドウのキュヴェ)を混ぜて。(セパージュは)一般公開はしてないんですけど、実は石井竜也本人にも教えてないという。記念ですから値段もちょっとお高めなんですけど。
漆真下:7000円です、でも美味しいんです♡
辰巳:ね、どんどん熟成してまだ良くなってる・・・。どこかで見つけたらぜひ召し上がっていただきたいワインです。
、というわけで「喋るのは苦手」、とかなんとか(出演を)渋ってらっしゃいましたけど笑、漆真下さんの性格がよく出た1ヶ月でした。
近いうち行きますから「ヤマブドウサミット」、やりましょうね!
3月のゲストは岩手県のくずまきワイン、漆真下滿専務でした。
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2021年3月25日放送回
- ワイナリー
岩手くずまきワイン
https://www.kuzumakiwine.com- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/