2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』2月のゲストは山梨県笛吹市、株式会社ルミエール 代表取締役社長 木田茂樹さんです。
今回は今やすっかり認知された「オレンジワイン」ついて語り合い。後半は奥様が元CAだったという木田さんのなるほど~、なリクエスト曲、元プロダクトデザイナーが描くワイナリーとは?(全4回 3回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/
辰巳:2月のお客様は、株式会社ルミエールの木田茂樹社長です。今日は3回目!
辰巳・木田:よろしくお願いします!
辰巳:今日はまずワインからご紹介しましょう!単に早く飲みたいと思ってるだけなんすけどね笑笑。
あ、いい色。これ”*オレンジワイン”になるんですかね?
(*オレンジワイン 参考サイト:https://www.enoteca.co.jp/article/archives/1503/)
木田:はい、甲州で造ったオレンジワインです。
辰巳:商品名は?
木田:「プレステージクラス オランジェ」。
辰巳:オランジェ?”オレンジ”じゃなしに”オランジェ”とカッコつけて笑。オランジェって何語?
木田:フランス語です。
辰巳:フランス語・・・オランジュ・・・オランジェ・・・でしたっけ?笑。(井村)シェフ、フランス料理やってるから知ってるでしょ?
井村:ぇw、まぁまぁ汗。えっと、’オランジェ’っていうのは(オランジュを)「オレンジ色にした」とかー「過去形にした」場合ですね。
基本的には”オランジュ”ですねー。
辰巳:そっかそっか、「オレンジ色にした」ってことか笑。あースッキリした、俺質問した答えがちゃんとでてこなかったらどうしようと一瞬焦ったんですけど笑笑。では、このオレンジワインで乾杯しましょう!
全員:カンパ~イ🎶
ルミエール プレステージクラス オレンジェ 2019
辰巳:甲州のオレンジ(ワイン)ってだいぶ増えてきましたよね。
木田:そうですね、もう十数社は造ってるんじゃないですか?
辰巳:これは(会社的に)ヴァリエーションとして’欲しい’って感じなのか、木田さん自身オレンジワインが好きでぜひ造ってみたかったのか?
木田:甲州のスパークリングを造りだした時に、いろんなヴァリエーションを考えていこうと。最初はオレンジェもスパークリングから始めたんです。
辰巳:そのスパークリングは3~4年ぐらい前でしたっけ?
木田:いや、もう10年ぐらい前からです。
辰巳:驚!最近月日の経つのが早くて笑笑。
木田:元々甲州は皮のニュアンスというのがあるんですけど、スキンコンタクトによってさらに。うちの場合*MC(マセラシオン・カルボニック)やってますんで、かなり皮の雰囲気も出てきますし、MCによるちょっとバナナ香っていうのも入ってきますので。
(*マセラシオン・カルボニック 参考サイト:https://wine-link.net/pc/dictionary/detail/1046)
辰巳:あ、それで皮からもしっかりとした感じが?
木田:えぇ、ですから非常に複雑な風味も出てきますので、お料理にも合わせやすいと思いますけども。。。
辰巳:井村貢シェフ、いかがでしょうかこのワインは?
井村:これ、、、樽の香り、ですか?
木田:これは樽入れてないですね。
井村:なんか樽に入ったかのような濃厚な、スモーキーな香りがあったんで、今日は鶏肉を使ったポトフを、牛肉を使わずにあえて鶏で。甲州だから少し軽めのタッチにしたいと思いまして。
若鶏と野菜のポトフ
辰巳:いただきます。あーーーいい出汁!笑。
井村:この出汁感とワインの酸をミックスしたら美味しいんじゃないかと。
辰巳:オレンジワインってやっぱり”旨味”ですよね?料理人からしてオレンジワインはどうなんですか?昔はなかったジャンルでしょ?製法としてはグルジア(現ジョージア)なんかで昔から造ってましたけど。
木田:もう6000年前から。
井村:こういうオレンジワインのような香りのしっかりしたワインっていうのは料理もヴァリエーションが豊富になってきます。白ワインのスッキリしたものばっかりだと合わせるもの(料理)って決まってくるんですけど、よりヴァリエーション展開ができるっていうのは、
辰巳:料理人としてはやりがいがあると?
井村:ありがたいです、はい。
辰巳:商品としての売れ行きはどうですか?
木田:オレンジワインは、うちの中ではロゼよりもぜんぜん売れてるんですよ。
辰巳:あっ、そうですかー!?スパークリングでも?
木田:そうですね。
辰巳:何でなんでしょうねぇ?みなさん新し物好きなのか?日本人に合うのか?
木田:あの、日本の料理には合うと思います。最近聞いた話では鰤しゃぶですね、合わせたらすごく良かったと。あとちょっとお味噌を使った料理なんかとも合わせやすい。日本は発酵調味料の国ですから、日本の料理とオレンジワインは合うんじゃないかなぁと思います。
辰巳:なるほど。
ルミエールは明治18年から始まってる日本で最も古いワイナリーの一つですけど、こういう(オレンジワインのような)本来の白ワインの姿を追求するのは面白いんじゃ?っと僕も思ってまして。一回「*石蔵」でやって欲しいなー、まだやってない?
(*石蔵(石蔵和飲)について:https://www.lumiere.jp/ishigura)
木田:まだやってないですね。
辰巳:文化遺産である明治にできた花崗岩の石蔵、そこで発酵したマスカット・ベーリーAがあるんですよね?ホントに不思議なワイン、味わいも毎年違う感じがしてたり、そういう自然に任せたようなワインがあって。。。そこで甲州のオレンジワインとか造ったらどうなるのかなーと実は前から思ってまして、、、フフフ、リスクおっきぃですか?笑。
木田:ま、リスクもありますけども、今農家の方々が減ってきて甲州の生産量が減ってきてるのもあってですね、、、「ブドウが足りない」んです。もう少しあればたくさん造れるんですけど。。。
辰巳:う~ん、今日本ワインブームで、その中でもブドウとしては甲州が”東の横綱”ですからね。だんだん(農家の)高齢化も進んで、生産量も減ってきてる。でも(日本ワインを)飲む人は増えてきてたら栽培面積も増えて普通なんですけどね。
木田:できればそうなって欲しい。
辰巳:ならなくちゃいけませんよね。去年のコロナ禍でワインの販売も、特にお店で飲むワインが減ってきて各ワイナリーが在庫抱えてるとか、(タンクが空かなくて)新しいのを仕込めない分”ブドウが余ってきている”っていう噂も聞いたんですけども?
木田:いや、去年はブドウは余るんではないかという懸念もあったんですけど、例年より収穫量が減ってしまったんですよね。
辰巳:天候による影響?
木田:はい、7月ごろの梅雨の影響だったと思います。8〜10月は(天候が)良かったので残ったブドウは良かったんですけど。
辰巳:2020年はいい年だと聞いてます。
木田:甲州もかなりいい。
辰巳;そうなんですか、じゃぁ、ブドウが余って困ったとかとかは、
木田:まったくなかったです。
辰巳;農家が「売り先がなくて」っていうことはなかったんですね?
木田:逆に収穫量が減ってしまったんで、、、。
辰巳:うーん、ブドウっていうのはナマモノですからね。でもワインにすることによって何年も何年も保つものに変わるわけで、その辺は面白いですね。
木田:”熟成をして旨味も出てくる”のがワインですので。在庫があったとしても、その年に売らなければいけないものではないので、まぁさらに美味しくなってから飲んでいただけると思います。
辰巳:ではここで1曲、リクエストを聴いてみたいと思います。今日はなんでしょう?
木田:それでは私の好きな曲で、MISIAの「Everything」お願いします。
辰巳;はいっ!ではどうぞ!
Misia Everything (2000年)
https://www.youtube.com/watch?v=aHIR33pOUv0
辰巳:ミーシャの「Everything」、いい歌ですねぇ。(←珍しく辰巳さんにも耳馴染みのある曲でした笑)
木田:はい大好きでした♡
辰巳:だいたい曲といえば70年代なもんですから、あんーまり新しい曲知らないんですけどこれは知ってます笑。なんか思い出があるんですか?
木田:そうですね、これドラマの挿入歌、「*やまとなでしこ」というドラマがありまして、その時に流れていた曲なんですけども、CA(キャビンアテンダント)のドラマなんですね。
(*やまとなでしこ:https://ja.wikipedia.org/wiki/やまとなでしこ_(テレビドラマ))
辰巳:はいはいはいはい。(←かなり喰いついてます)
木田:うちの妻も元CAということで笑。
辰巳:あ、そうなんですか!?奥様赤いほうですか?青いほうですか?笑笑。
木田:ぁw、ANA。(←青いほうですね)
全員:爆。
辰巳:どうしたらそういうCAさんと知り合われるんですか?笑。
木田:その当時ワインの勉強会みたいなのがCAさんの教育の一つということで、まぁそういうスクールがあったんですけども、うちのワイナリーでスクールも開催してましたので、そんなことから・・・ムニャムニャ。
辰巳:結婚は(いつ)?
木田:1998年。
辰巳:1995年に田崎真也さんがソムリエ日本一になったりして、日本にワインブームが来てて、その頃のワインのイベントとか食事会とか来てる女性はほとんどCAさんでした、そういう時代でしたね笑。
木田:CAさんは*ソムリエ試験を受ける資格があるんですよね。なので皆さんこぞって・・・。
(詳しくはこちらから:https://www.sommelier.jp/exam/exam_guidance_detail2.html)
辰巳:そのCAさん目当てに男性が集まってきて笑笑・・・そういう時代でしたね。
木田:ま、90年代はそうでした。
辰巳:その辺りからワインブームに火がついて、2000年代になって少しずつ日本ワインに移ってきたみたいなみたいな流れですよ、よく考えると笑。
木田:笑笑、そうですねー。
辰巳:そうかー、木田さんって見かけもなんとなく最初から若々しかったんで、だいぶ年下かなぁと思ってたら実は3つぐらいしか違わなかったという笑笑。
曲を思い出しながらワインを結びつけるってのが最近流行ってて、「ワイン飲むときのためのMusic」みたいなCD出したりするワイナリーがあったりもしますけど。ワイン飲みながら聴く曲ってやっぱりこんな曲?
木田:シーズンにもよりますけど。ボサノヴァも聴きますし、Jazzは個人的に好きなので・・・。
辰巳:日本ワインには何が合うんでしょうね?
木田:な・・・んでしょうかね?笑。
辰巳:僕演歌も好きなんですけどね爆。やっぱ演歌は日本酒になってくるんですかね笑。
木田:一升瓶ワインだったらいいかもしれない笑笑。
辰巳:ルミエールさんはすごいハイソな感じもありますから。「ゼルコバ」というフランスレストランも経営されていてますけど調子はいかがですか?
木田:コロナの前は非常に良かったですね、都内から来てくださる方も多かったですし。ショップにも少量多品種のワインがいろいろありますんで。
辰巳:ビネガーも作ってるんですよね?あんまりワイナリーでビネガー作るのよくないという話も聞きますが。これは別のところで作るんですか?
木田:はい、別の棟で作ってます。ビネガー作るのに免許が必要ですんで、山梨でビネガー作ってるのは多分3社ぐらいしかないかと。
辰巳:これは昔から?
木田:そうですね、*塚本の時代から。
(*https://www.lumiere.jp/company)
辰巳:あ、そうなんですか。やっぱり料理とワインは密接だから、キチンとその辺りをやってかなくちゃいけない、ってことなんでしょうね?
木田:ワインって”料理の添え物”だと思うんですよね。「どんな料理に合わせるのか?」我々日本人が好むテイスト、フレンチでもちょっと「和」のテイストが入るとちょっと嬉しく思いますんで。ま、そんなお料理と日本のワインを合わせていただけたらなぁと思います。
辰巳:シェフ、日本ワインのワイナリーが作ったビネガーも使っていてください。
井村:はい、ぜひ!
辰巳:話はちょっと戻りますけど、結婚されたのは1回目なんすか?
木田:です。ワイナリーをやる前はデザイン会社でも働いていたりとかいろいろしてたので。
辰巳:デザイン会社?
木田:はい、工業デザインの。
辰巳:理系のエンジニアじゃなかったんでしたっけ?
木田:大学は工学部でしたので”モノヅクリ”がとにかく好きなんですね。いろんな”モノ”を考えたりだとか、プロダクトデザインなんかもやってました。
辰巳:それは今の「ルミエール」にも発揮されてるんですか?
木田:ラベルなんかは私がいろいろ考えながら・・・。
辰巳:デザインとか?
木田:そうですね。友人のデザイナーもたくさんいますので、「こういう風に」、とお願いして。ワイナリーやレストランもそうです。
辰巳:設計とか?
木田:そうです、はい。そういうの大好きです。
辰巳:(ワイナリー内の)テイスティングコーナーもカード式の最新のカウンターが設けられてますしね。
木田:これは非常にウケてますねー。スパークリングワイン以外のうちの20数種類のワインが飲めるようになってます。
辰巳:スークリングはダメなもんなんですか?
木田:ガス圧があるとダメみたいです。
辰巳:なんて機械でしたっけ?
木田:「*エノマティック」、イタリアのものですが、最近日本製もあるみたいです。
(*エノマティック:http://www.enomatic.jp)
辰巳:明治時代のワイナリーなんですけど、最近スタイリッシュになってきたのは社長自ら動いてるんすねー。
木田:ブティックワイナリー目指してますのでー。いかにたくさんのお客さんに来て頂いて楽しんでいただけるか、そういったアクティビティーが大切だと思っています。
辰巳:今後も楽しみにしています。ではまた来週!
全員:ありがとうございました!
(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2021年2月18日放送回
- ワイナリー
ルミエールワイナリー
https://www.lumiere.jp- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/