ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2021年2月25日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」』2月のゲストは山梨県笛吹市、株式会社ルミエール 代表取締役社長 木田茂樹さんです。
自社畑のみのブドウで造られた「光」を飲みながら、辰巳さんと「歳をとる(もとい、重ねる)ということ」を語り合う一方で、木田社長のアクティブすぎる究極の趣味(?)が発覚!(全4回 4回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから
https://775fm.com/timetable/tatsumi/

辰巳:2月のお客様は、山梨県の株式会社ルミエールの代表取締役社長 木田茂樹さん、今日は最終回です。

辰巳・木田:よろしくお願いします!

辰巳:今日はメガネで・・・。

辰巳・木田:ハハハハハ!!!

辰巳:今年59歳、来年還暦?

木田:ですねー。

辰巳:僕は還暦過ぎてもう2年半経ってしまいましたけど、どうですか、なんかあります?

木田:そういう気はあんまりしないですよねー。

辰巳:還暦って「大した年じゃないな」って思ってたんですけど。でもそれ過ぎてからが体のそこここに、、、笑笑。先月の舞台の間もなんとなく膝の調子が悪くてね、初めて(医者に)診てもらってー、水が溜まっててー、注射してー、その水42cc抜いたんですよ。。。こういう風にいろいろと来るんだなぁ、と、いうことをだんだん実感し始めた今日この頃苦笑。木田さんはどうですか?

木田:そうですねー、衰えは当然ありますけど、

辰巳:どの辺?そのメガネもですよね?笑。

木田:目も衰えてますね、暗くなると小さい文字がだんだん見えなくなる笑。昔は足腰非常に強かったんですが、だんだん弱ってる。だから甲府の低い山に登りに行ったりとかしてます。昇仙峡のちょっと手前の千代田湖付近にトレッキングで楽しむコースがありまして、そこは時々行ってます。

辰巳:ハイキングが好きなんですか?

木田:山梨に来てからですね、20数年前に(東京から)越して来たときに友人が遊びに来て「山行こうよ」、と誘われたのがきっかけで。山梨県人逆にいうと(山登る方)少ないんですよね笑。

辰巳:どこにでも山あるからね笑笑。

木田:囲まれてるんで笑笑。

辰巳:その東京の友達が誘ったんですね?

木田:はい、そしたら1時間ぐらいで登れる山がたくさんあって、そっから見える景色が素晴らしくて。

辰巳:まぁね、ちょっと登れば富士山見えますしね。

木田:必ずね。

辰巳:ワイナリーからは?

木田:まったく見えないんですよね笑、すぐそこに山があるんで。

辰巳:そうですよね笑。
1885年、明治18年に創業された日本でも有数の古いワイナリー。今日は赤ワインをお持ちいただいたんですけど、これはどういうワインですか?

木田:光シリーズ、漢字で「光」と書いてあるんですけども、ルミエールというのが(フランス語で)「光」という意味でして。この漢字は東大寺の、前の、もう亡くなられてしまった管長さんの書なんですけれど、100周年の時にいただきました。非常に良い素材ですのでこちらを使ってラベルを作りたいと。我々が代々受け継いできた畑(自社畑)でできたブドウだけで造ったワインが「光シリーズ」なんです。農薬もボルドー(液)や硫黄といったビオディナミ系のものしか使ってませんし、日本なりの自然農法でチャレンジしています。

辰巳:この「光シリーズ」は赤と白?

木田:はい、白は甲州で、

辰巳:赤はこれ。ブドウ品種は?

木田:これはカベルネ・ソーヴィニョンとプティ・ヴェールドっていう品種が主体です。

辰巳:では乾杯しましょう、カンパ~イ🎶


ルミエール 光 セレクシォン 2015

辰巳:キリッとしたワインですね。果実味や分厚さはないですけども、すごくキレイなボルドー系のワイン。

木田:ブドウはボルドー系使ってますから。それを樽で熟成させたもの、これは2015年ですね。

辰巳:これはおいくらですか?

木田:5000円です。

辰巳:井村貢シェフ、このワインどうですか?

井村:渋みが極端に勝ってるわけでもなく、酸が極端に勝ってるわけでもなく、バランスが取れててかつ、すごく軽やかに入ってくる感じがします。

辰巳:お店で使えそうですか?

井村:使えます、もちろん!ワインの入門編として日本人には合うんじゃないかなぁと。たまに「赤ワイン嫌いぃ」ってお客様もいらっしゃるんですけども、これなら飲みやすくて気に入っていただけるんじゃないかなーと思いました。

木田:ありがとうございます。

辰巳:この番組でご紹介しましたワイン、そしてお料理はこちらの「ヴィラ・デ・マリアージュ 多摩南大沢」のレストランで2ヶ月間お召し上がりになれますので、みなさまぜひお運びください。この赤ワイン結構いいですよ、余韻があって。

井村:じんーわりきますよね。

辰巳:新世界のワインみたいなパンチがあるわけではないんですが、なかなかいいワインだと思います。

木田:ありがとうございます、このスタイルが塚本(先代の塚本俊彦氏)から受け継いだ赤ワインなんです。エレガントさもできるだけ出していきたいなぁと思っていますので。

辰巳:今日のお料理は?


牛フィレ肉の黒胡椒焼き カリフラワーのピューレと早生アスパラガス添え

井村:牛肉のあえて赤身、フィレ肉を使いました。コショウをまぶして少しスパイシーに焼き上げたのと、まろやかさが欲しかったので、カリフラワーのピューレ、春の訪れということでグリーンアスパラバスを合わせてみました。

辰巳:ではいただきまーす。

井村:甘めのソースにしたのでワインのエレガントさにもマッチするんじゃないかと。

辰巳:ちょっと焦がした感じのコショウにピッタリですね。お肉は日本の?

井村:いや、これはオーストラリア。

辰巳:おいくらぐらいでいただけるんでしょうか?

井村:(このお料理が入った)コース料理で4000円ぐらいです。

木田:いやぁ、4000円でこのお味でしたらほんとにお得感あります。

辰巳:ルミエールさんには「ゼルコバ」というレストランがあって非常に優秀なシェフもいらっしゃるんですけど、そことコラボとか、いろいろ出張してこの番組の料理ができたらいいんですけどね笑。そんなことやってはいないんですか?

木田:コラボ・・・っていうのはやってないかな。昔スロヴェニアのシェフが来て云々っていうのはやりましたけど笑。

辰巳:すごくいいレストランなんですよ。お庭にけやきの木があって、ゼルコバ(けやき)ってイタリア語でしたっけ?

木田:なんかドイツ語でも英語でもゼルコバって言うらしいです。

辰巳:それがシンボルツリーだったんですけど落雷で、、、?

木田:いや、突風で折れちゃったんです。

辰巳:今まだ生きてるんですか?

木田:まだ1本枝が残ってるんで生きてます。

辰巳:風雪(?)に耐えたと言う・・・折れた木ってのがまたいいんですよ、味があって。で、今度その反対ぐらいですか、ホテルを建てるのは?

木田:そうですね、ま、そっから(ゼルコバから)カベルネ・ソーヴィニョン(自社畑)の間ぐらい。

辰巳:今何があるところ?

木田:古い、”第2工場”と言われてるヴィネガーの工場があるんですけど、今移設をしてるんですね。でまぁその跡地に建てようと。。。できれば再来年ぐらいにはやりたいんですけど、まぁコロナ次第ですね、フフフ。

辰巳:勝沼は東京から近いし日帰りできる距離なんですけど、

木田:ですからインバウンドの方も来ていただけたらなぁと思ってます。

辰巳:「ワイナリーホテル」があればいいなと思ってたんですよね。
今ホテルがある山梨のワイナリーって?

木田:・・・ない、かもしれない。。。

辰巳:サントリーさんなんか広いから作ってもいいかもしれないのに。マルキさんが旅館を買収してますけどもー。

木田:あーはいはい。あとは新潟とかか・・・。

辰巳:では、山梨の中では第1号として。

木田:そうなればいいなと思います、ぜひ実現したい。

辰巳:非常に楽しみです。
では曲いきましょう。木田さんの最終週のリクエストは何にしましょう?

木田:ロッド・スチュワートさんの「セイリング」。

辰巳:これ、いつぐらいの曲でしたっけ?80年代?

木田:何年ですかね?けっこう古いですよね。

辰巳:なんか思い出あるんですか?

木田:思い出というか、私セイリング大好きなので、、、。

辰巳:えぇ!?スキーに登山にヨットまで?

木田:そうですね、週末は・・・。

辰巳:ちっちゃいやつ?

木田:いや、、10人乗りぐらいのを油壺に泊めてます。

辰巳:、、、なんか、、、、すごく、、、アレですねー、カッコいいっすねー笑。海外ではけっこうあるんでしょうけど、日本のワイナリーの経営者ではあまり見かけない。。。

木田:うちのワイナリーの近くに*マグヴィスさんっていうワイナリーがあるんですけど、そこの松坂(浩志)社長も同じ仲間で。ま、ヨットっていうか競技用、ヨットレースを楽しんでます。
(*MGVsワイナリー:https://mgvs.jp

辰巳:へぇぇぇぇ、湘南で?(木田:頷)山梨から湘南に出て行くってのはそんなに時間かからないもんなんですか?

木田:今八王子から県央道ができたので非常にラクですね。

辰巳:かなりの頻度で行くんですか?

木田:流石に去年はまったく行けなかったんですけど、

辰巳:ヨットこそ安全なんじゃ?

木田:安全なんですけど、「県をまたいで移動するな!」笑笑。

辰巳:これから屋外でのイヴェントとかレジャーがもっと大事にされるんじゃないかなという感じはしてるんですけどね。じゃ去年は山登りはけっこう行かれたんですか?

木田:えぇ、けっこう行きました独りで。

辰巳:そうですか。では去年は行けなかった思いを寄せて、ロッド・スチュワートの「セイリング」、どうぞ。

Rod Stewart「Sailing」(1975年)
https://www.youtube.com/watch?v=FOt3oQ_k008

辰巳:んー船に乗りたいな。僕船もけっこう好きで、子供の頃からヨットに乗りたかったんですけど、*アーサー・ランサム全集っていう少年文学があってね、「ツバメ号とアマゾン号」っていうシリーズがあって、『絶対ヨットに乗るんだっ!』ってなってたんですけど、なかなか乗れなくて、高校の時にカヌー部があったんでカヌー部に入ったという笑。で、大学はけっこうヨット盛んで親友は主将になったんですけどね。いやぁ、ヨットいいなぁ。今度誘ってください。
(*アーサー・ランサム参考サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/アーサー・ランサム

木田:ぜひ遊びに来て下さい。

辰巳:ヨット乗りながらワイン飲むってなんかいいですよねー。でもなぜか日本の連中は”ヨットに乗ったらシャンパン”なんですよね笑。
んなことないですか?笑笑。

木田:私は甲州のスパークリング持っていきますけど爆。

辰巳:いわゆるぉフランスのシャンパーニュ、なんとなく上流階級のものっていイメージがあるじゃないですか、ヨットって?

木田:油壺はそういう雰囲気はまったくないですね。

辰巳:『ヨットに乗るときも「日本ワイン!」』これやってくださいよ。「輸入ワイン禁止」とかね笑笑。

木田:やってます、実践してますよ笑。油壺はワインも多いですけど、けっこう鍋食べながら日本酒飲んだり笑笑。油壺のお酒文化はスゴイので、辰巳さんの描いてるのとはまったく雰囲気が違う・・・。

辰巳:ぁ、そっか。葉山とかとは雰囲気が違う?

木田:葉山とか逗子は別格。油壺は三浦半島のいちばん先端なので。

辰巳:そこまで山梨からどれくらいかかりますか?

木田:距離としては170kmぐらい、ずっと高速なので空いてる時は2時間ちょっとで行きますよ。

辰巳:ヨットに泊まるんですか?

木田:、もしますし、チームの合宿所があるので、、、。

辰巳:そこに雑魚寝ですか?

木田:メンバーは雑魚寝ですね、もう酔い潰れるだけです笑笑。

辰巳:ヨットに乗って夜は酔いつぶれて、、、そうこともやってらっしゃるんですね。

木田:ま、そういうことも・・・。

辰巳:山梨のワイナリーの中では雰囲気都会派なんですよ、

木田:ワタクシ東京生まれ東京育ち笑。

辰巳:なんか違うんですよ、他の方達と笑。都会派の・・・そのままヨットに繋がっていくってあまりにもイメージがピッタリで笑。

辰巳:これから日本ワインの中で(ルミエールさんとして)どういう位置を示していくのか?”ブティックワイナリー”ということを言ってましたけど、それ以上に『ルミエール』としての歴史を担っていく上で、「もっと前に出よう」とか、「もっとこのブランドを構築していこう」とか、そういうのはないんですか?

木田:そうですねー、”甲州のオレンジワイン”ができてから皆さん少しづつ考え方が変わってきてると思います。塚本の代は”どれだけフランスのワインに近づけるか”という(風潮が)のがあったと思うんですけど、ま、我々は、フランスワインを求めるんじゃなくて、「日本人の食事に寄り添うワインは日本人じゃないと造れないだろう」、ということで”世界にはないワイン”を造ってくってのが我々の使命だと思ってますし、甲州のオレンジワインはその一つだと思ってます。

辰巳:甲州の中でも’オレンジワイン’ってのは画期的なもの?

木田:画期的っていいますか日本の料理、発酵調味料と合うのは(これまでのワインには)なかなかなかったと思うんですけど、この甲州のオレンジワインだとか、マスカット・ベーリーAだとか、、、。こういったアジアならではのワイン造りというものは我々がこれから担っていかなければと思います。

辰巳:山梨の中でもワイナリーたくさんありますけども、その中で競争、協調がいろいろあると思うんですけど、あるいは長野、北海道、いろいろ産地が増えてきてる中で、今後の展開とかなんか考えていらっしゃることありますか?

木田:山梨はやはり世界に類をみない’甲州’というブドウがあるので、まずはこれをいちばん大切にする、というのが大事だと思います。そして東京からたくさん人が来ていただける場所でもありますんで、山梨の自然を感じていただいて山梨のお料理と山梨のワインのペアリングを楽しんでいただきたい、そういう文化を創っていきたい。

辰巳:やっぱり食文化、ですよね。皆さんライバルだけど、一緒にやっていくという。近隣のワイナリーのみなさん仲いいんですか?

木田:ワイナリー密集してますんで、家族よりもワイナリーのオーナーさんという方が’長いくらいしょっちゅう会ってます。「何か動き出そう!」っていったときのパワーってのが山梨にはあると思います。
北海道、長野はワイナリーがどんどん増えて来て、山梨もうすぐ抜かれるんじゃ?ってぐらい。ただ、非常に広いのでなかなか集まりづらいってのはよく聞きますね。山梨は1時間あればすぐにみんな集まってくる。そういった力はもっともっと発揮していきたいと思います。

辰巳:これからも山梨の「核」の一つとして期待しておりますんで、これからも美味しいワイン造ってください。4週間ありがとうございましたー!

全員:ありがとうございました!

(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2021年2月25日放送回

ワイナリー

ルミエールワイナリー
https://www.lumiere.jp

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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