ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2020年9月3日OA

7月から新たに始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインDE乾杯!」』9月のゲストは新潟県の「岩の原葡萄園」代表取締役社長の神田和明さんです。今年還暦の神田さんですが、実はワイン事業に携わるのは初めて。今回はウィスキーを造り、ビールを売ってきたサントリー時代のお話から始まります。(全4回 1回目)
詳しい番組内容、出演者の情報はこちらから

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

辰巳:はい、9月に入りました!今月のお客様は、新潟県の「岩の原葡萄園」の代表取締役社長、神田和明さんでーす!

一同:よろしくお願いします!

辰巳:なんか神田さんてね、岩の原葡萄園の社長になられた頃ですから知り合ってまだ2年半ぐらいですけど、ワインメーカーっていうかワイン造りをやってた方じゃないんですよね?

神田:そうなんです、ビールとかウィスキーの方。

辰巳:元々サントリーのね、バリバリの営業マンだったんですよね。確か岩の原に来る前は札幌の・・・。

神田:北海道支社の支社長でした。

辰巳:そういう方なんです、そうは見えないけど笑。強面の、ちょっとそっち方面の方かなって感じの。すいませんっ、お客様に対して失礼な発言してしまいました。

神田:(笑いこらえながら)いえいえとんでもございません。

辰巳:第一印象はそう思ってたんですけど、付き合い始めるとすごくいい人、「熱い人」。元々ワインの業界でなかった分、ものすごいバリバリ勉強もされてますし。今月はそんな神田さんの生い立ちやサントリー時代の話、、、いろいろ伺いたいと思っています。

辰巳・神田:よろしくお願いします!

辰巳:そして今日もね、スタジオ、というかお店の個室にはー、

ベーやん:スタジオです、特設スタジオ!

辰巳:「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」のベーやんこと田鍋社長とこちらの井村シェフにもお越しいただいてます。

一同:よろしくお願いしまーす!

辰巳:今月のゲストは男性、ということで男4人。なんか麻雀しそうな雰囲気ですよね笑、真ん中にアクリル板がありますけど。
では、まず乾杯しましょう!


ブラン・ド・ブラン ローズ・シオター

一同:カンパーイ!!!

辰巳:あー、おいしっ!スパークリングワインですね。これはどういうワインですか?

神田:これは”ローズシオター”という品種。川上善兵衛が交配して作った品種です。

辰巳:あのー、いきなり難しいブドウ品種が出て来ちゃいました。あれ、これ100%(ローズシオター)?

神田:そうです、ブラン・ド・ブラン(白ブドウのみで造るスパークリングワイン)。全て手詰めのシャンパン製法。従業員が寄ってたかって瓶回すんですよ。

ベーやん:馬は?

神田:は???

ベーやん:馬は使ってない?

神田:・・・いや、それはない、です笑。

一同:笑笑

辰巳:う、馬でどうやって瓶詰めするの!?馬どう使うの?

ベーやん:馬で耕したりするじゃないですか?

辰巳:ぁw、耕す話ね。今は瓶詰めの話!

一同:爆

神田:かなり辛口ですよね。でガス圧が結構高い、5気圧前後。評判いいんですよ。

辰巳:手間暇かかってるから若干お値段するんですよね?4800円ぐらいでしたっけ?

神田:えっと、税抜きで4000円ですね。

辰巳:おっ!だいぶ頑張りましたね。

神田:そうですね、もうちょっっと高く売りたいんですけどね。でもね、これ以上高くなっちゃうとなかなか売れないんでー。コスト的にはちょっと厳しい。でもワインメーカー的として泡ものがないとアピールに欠けるんで、、、。

辰巳:逆にいうとものすごいお買い得な、若干高めなんですけどお買い得。

神田:(井村シェフに)いかがですか?

井村:とてもドライで料理には合わせやすいワインですね。

辰巳:この品種、ローズシオターはご存知でした?

井村:いやー、初めて聞きました。

辰巳:川上善兵衛さんというマスカット・ベーリーAを交配した方が作られた、日本にしかないブドウ品種なんです。あれ、このローズシオター作ってるのって岩の原(ワイナリー)ぐらいじゃないですか?

神田:もう1箇所「多治見ワイナリー」という修道院の・・・

辰巳:今*小牧ワイナリー、その中にある修道院ですよね?
*小牧ワイナリー

小牧ワイナリーとは?

神田:これ(ローズシオター)はすごく皮が薄いんですよね。なので水分を含むとすぐ玉(果皮)が割れちゃうんですよ。だから糖度上がるまで待ってると割れちゃうんです。”玉割れ”と”糖度を上げる”凌ぎ合いで。「急に雨が降ってきた!」って時に社員全員借り出して一気に採っちゃったんです。じゃないと、玉割れして病気になって収量が落ちる。

辰巳:これ(ローズシオター)はヨーロッパ品種とアメリカ品種の交配品種でしたよね?何と何でしたっけ?

神田:えーっと。”ベーリー”と”シャスラ・シオター”。

辰巳:片親はマスカット・ベーリーAやブラッククイーンと同じなんですね(←アメリカ品種)。確かこれにヨーロッパ品種の花粉をつけたんですよね?この辺の話は次回かその次あたり、川上善兵衛さんの話をゆっくりとしたいと思います。”日本のワインの父”とも言われています善兵衛さん、日本ワインを飲む人ならまずこの人の名前を覚えなくちゃいけないという・・・。

ベーやん:知らなかったっス。

辰巳:ぜひ覚えてください!

神田:今年(岩の原葡萄園は)創業130周年なんです。1890年創業。川上善兵衛が自宅取り壊して、ブドウ作りを始めた。

辰巳:明治23年。慶応元年生まれだから・・・。

神田:さすが!よくご存知で。

辰巳:そりゃ、日本ワインの基礎ですから。どうしても覚えなくちゃいけない笑。
じゃぁちょっと料理つまみながら続けたいと思います。今日の料理はなんでしょうか、井村シェフ?


夏野菜のタルティーヌ

井村:はい、今日は夏野菜を使ったタルトをご用意しました。スパークリングのドライな泡と、ふくよかな奥の深~い香りがしますんで、このバターを使った香ばしい味とマッチするんじゃないかと。

辰巳:んーーー、ナスとズッキーニとトマト?すごい薄~いタルトですね。これ、手でいいですよね?

井村:はい、手で召し上がってください。

辰巳:ん、まずスターターにはいいですねぇ。このお店では今出されてるんですよね?まだ9月は暑いし。

井村:はい、まだまだ夏野菜元気ですんで。

辰巳:このワインも9月はこのお店で飲めるんですよね?

井村:はい、お料理と併せて飲んでいただければありがたいです。

辰巳:ワインもうなくなっちゃった。あ、しゃちょー(ベーやんです)自らが注いでくださってます。

ベーやん:(ワイン注ぎながら)(お料理とワイン)合いますね。

辰巳:これ、以前飲んだ時(のスパークリング)はローズシオターじゃなかったんじゃないですか?

神田:いえ、これだった思います。井村シェフのおっしゃる通り、(料理に)合わせやすい、というのは確かだと思います。そんなに個性は強くないので何にでも合わせられる。

ベーやん:合いますね。

辰巳;合いますね。

一同:笑

辰巳:んで、変なことやってないですよね?甘みを足したりだとか。

神田:ブリュット・ナチュール(補糖してない)。

辰巳:シャンパーニュってね、(多くのメゾンは)糖分足すんですよ。それを足さずに造るのがブリュット・ナチュール。あるいはドサージュ0(ゼロ)とか言います。

神田:あとガス圧も4~6(気圧)。かなり高いですよね。抜くときに下手すると「ポーン!!!」といきますからね。

辰巳:いや、ガンガンいったほうがいいですよ、泡は(ガス圧)強いほうがっ。だいたいこの神田社長は元々ビール売ってた人ですからね。

一同:笑

辰巳:(サントリーの中で)どこがいちばん長かったんですか?

神田:造ってたのはウィスキー、売ってたのはビールとウィスキーですね。

辰巳:!ウィスキーも造ってたんですね?

神田:洋酒事業部っていう部署に27(歳)ぐらいの時に行って、「白州」と「響」を担当しました。そこの工場長と話しながら、このウィスキーはどういうスペックにするかだとか。

辰巳:あの「響」や「白州」のラベルの字が独特で美しいですけど、どなたが書かれたんでしたっけ?

神田:あれは(当時のサントリーの社長)佐治敬三が書きました。もちろん手本はありましたけどね。
(ウィスキーの中身については)当時「響」の出来が素晴らしすぎて「白州」の時は苦労しました。あ、ウィスキーの話ばっかりでスイマセン笑。

辰巳:その佐治敬三さんのお父さんが鳥井信治郎さんで寿屋(サントリーの前身)の創業者。この方が岩の原葡萄園が少し傾いた時に助けたんですよね?それで鳥井信治郎さんと川上善兵衛さんの友情が芽生えたという。大事な話です。

神田:元々(鳥井)信治郎は、赤玉ポートワインっていう甘味ワインをやっていて、その原料を求めに川上善兵衛に会いにいったんです。
ところが善兵衛は経営難で困ってた。鳥井も当時ウィスキー工場(山崎)作ってる最中だったので「こんなにも命がけでワインを造ってる」善兵衛に感激して、ブドウの研究も含め全面的にバックアップするっていう話になったんです。

辰巳:赤玉ポートワインって大ヒットして、大正時代でしたっけ?売れに売れて原料も輸入して使ってたんだけど、少し戦時色が濃くなってきて、輸入ワインも今後手に入らなくなるんじゃないかと懸念したんですよね。そういうことを昭和初期に考えて、やっぱり国内で原料調達しなくちゃいけないというんで、(信治郎)は全国回ってた。農家さん回られてブドウ作りお願いしたりだとか、そういうことしてたんです。赤玉ポートワインをバカにしてる人もいらっしゃるかもしれませんが、赤玉ポートワインは日本の歴史を作ってきた大事なものですよ。僕も、、、言っちゃなんですが小学校時代に飲んでワインにハマったという(超時効)『ワインといえば「赤玉ポートワイン」』の世代なんです。(現在は「赤玉スイートワイン」として販売されています)

神田:当時の日本人はお酒にまだ慣れてないので、酸っぱいのダメなんですよね、普通のワイン売っても日本人の舌に合わない。商売人(鳥井信治郎)はまず甘味ワインから始めたんです。ここから始めて、いつか普通のワインも飲むようになってくると。で、その頃合いに川上善兵衛と知り合った。ウィスキーも、マッサン(NHK朝の連続テレビ小説)見た方はわかる通り、竹鶴さんはスコットランドのような”スモーキー”なスコッチを作ろうとしたんですね。最初それで売り出したんですけど、”焦げ臭くて”・・・。

辰巳:なかなか日本人には合わなくて苦労したという話を聞いてました。

神田:だから(鳥井信治郎は川上善兵衛とは)どっか共通するものを感じたんでしょうね。

辰巳:さてこの辺りでちょっと音楽を。神田さんはどんな音楽が好きなのか、リクエストするのか?今まで知らなかった神田さんの姿を知りたいと思いまして。今日は何を?

神田:いちばん私が好きな、山下達郎の「ラブランド・アイランド」。これ実はサントリービールの宣伝で使われてたんです笑。

辰巳:ではどうそ~♪

辰巳:はいっ、これ1982年の曲なんですね。まだ学生時代?

神田:そうです、大学3年生。

辰巳:女の子との思い出とかあるんじゃ?

神田:それはなかなかここでは・・・笑笑。

辰巳:じゃぁ番組終わってから笑。
この曲の頃は僕はまだ留年を続けてて、この時は5回生、かな。卒業しようかどうしようか、このまま留年しようか?いや、中退の方がカッコいいんじゃないか?考えてたんスよ笑。結局ズルズルと7年間爆。
神田社長は83年卒業ですか、僕は84年。大学入ったのは僕より2年早いはずですね。もしかして今年還暦?

神田:そうです、実は9月15日。

辰巳:ぉ、もうすぐ誕生日じゃないですかー!?(収録日は8月29日でした)還暦パーティーとかなんかされるんですか?

神田:いや、じ、地味に笑。へへへ、滝にでも打たれて60年間の心の垢を洗い流そうかな笑笑。

辰巳:ま~ぁ、60ってのはそういう時期ですよ。僕も還暦から2年になりますが、あんまり変わらないですけどね実際は。でも還暦になった時はいろいろ考えましたね。これからどうするかだとか後何年ぐらい生きられるのかだとか、、、。でもね、ワイン造りとかやってる人はスパンが長いですからねー。僕が好きなのは「お爺ちゃんがブドウ植えて、お父さんが仕込んだワインを孫の代になってようやく熟成して美味しくなる」みたいなね。何て言うかなー、この”時間とのコラボレーション”っていいなぁと思うんです。

辰巳:神田さんは北海道のご出身?

神田:そうです!

辰巳:では次回はその北海道のお話から始めようと思います。今月のゲストは新潟県「岩の原葡萄園」の代表取締役社長、神田和明さんをお迎えしています。ではまた来週よろしくお願いします!

おまけ
この日の収録後、9月15日に還暦を迎えられる粉もん好き神田社長に向けて大阪出身の井村シェフに特製お好み焼き、焼きそばを作っていただきお祝いいたしました。(↓こちら通常メニューにはありません)

(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2020年7月16日OA

2020年9月3日放送分

ワイナリー

岩の原葡萄園
https://www.iwanohara.sgn.ne.jp

収録会場

★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

「日本のワインを愛する会」入会申込

登録無料

入会申込フォーム