この7月から新たに始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインDE乾杯!」』8月のゲストはワインアンドワインカルチャー(株)代表の田辺由美さん。高校卒業まで十勝で過ごした後、選んだ東京の大学ライフは元祖リケジョ!ここからワインにシフトするまでのプロセスとは?(全4回 3回目)
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辰巳:皆さんこんばんは、辰巳琢郎です。今月は「暑い夏には北海道に行きた~い!」っという想いを込めて、ですがなかなか行けないもので、『十勝ワイン特集』という形でお送りしております。
というわけで、「十勝ワイン」創業者、池田町円谷金保町長のお嬢さんでありましてー、今はワインエデュケーターとして日本全国、たくさんのソムリエを育ててこられました、田辺由美先生でーす!
辰巳・田辺:よろしくお願いいたします!
辰巳:今回は3回目。話が面白すぎてなかなか話が前に進まないんですけど笑。寒い寒い十勝・池田町で生まれ育って、18歳までそちらにいらしたと。そして(ドリカムの)吉田美和さんの実家がすぐ近所だったという話を前回までお伺いしましたけど。高校を卒業して東京に出られたんですか?
田辺:そうですね、大学入学がきっかけで東京に参りました。それからずっと東京在住。でも夏は、今の時期は、北海道に帰らないと”生きていけない”笑。7、8、9月は北海道天国です笑笑。特に十勝は乾燥していて、、、。
辰巳:行きたいな~。この番組も北海道で収録したかったな~。
一同頷
辰巳:もうちょっと予算がついたら笑笑・・・。
(番組ディレクター苦笑)
えー、今日も収録先のこちら「Villa des Marriages 多摩」の田鍋社長(以下ベーやん)にもお越しいただいてます。ぜひ、(北海道)予算つけてください笑。そして大阪出身、シェフの井村シェフです。
一同:よろしくお願いします!
辰巳:ベーやんの出身は埼玉、で、関西が二人(辰巳さんと井村シェフが大阪)、そして田辺さんの北海道と。
ベーやん:いやぁ羨ましいですよ~、埼玉からすると。
辰巳・田辺:いやー埼玉いいとこじゃないですかー!
ベーやん:そうですか~?海無し県・・・。
辰巳:んま、そうやってとかく自分の地元落とすんだけど、もっと誇りを持つべきですよ。埼玉のいいとこはどこですか?
ベーやん:海が無い・・・。
一同:爆笑
ベーやん:海が無いから津波がこないんスよ。
辰巳:あーそういう意味かー。
田辺:でも埼玉も本当にね、川も綺麗ですしね。そして美味しいものもたくさんあるじゃないですかー(優しい助け舟)。
ベーやん:そうなんですよー、うなぎがけっこう(美味しくて有名)・・・。
辰巳:お茶も有名だしね。
(この後「柚子も有名だしねぇ」、「川越もねぇ」「ワイナリーも増えましたしねぇ」など取り留めのない埼玉井戸端話が続きました)
辰巳:今ワイナリーも3軒ありますしね。ま、とりあえず乾杯しましょうか!十勝ワインでっ!
北海道産ビンテージ 2018
一同:カンパ~イ!!!
田辺:ぁ、キレイな香り。
辰巳:あー、いいですね!田辺先生、このワインのご紹介を。
田辺:これはブドウ自体は十勝じゃなくて、余市のミュラートゥルガウとケルナーというドイツ系の品種なんですけど、今若い造り手が十勝でどんどん育ってきてまして。非常~に真面目な”パッション&ペイシェント”を持った・・・。
辰巳:”情熱と忍耐”、ですか?
田辺:はい、この2つができないと。。。ま、どんな仕事もそうかもしれませんけどね。それはうちの父もずっと言っておりまして。
『「情熱と我慢」ができなければ美味しいワインはできない』と。純日本人なので、「焦らず、慌てず、諦めず」っということを常に言ってました。
ベーやん:いい言葉ですねー。今胸にジ~ンと、、、。
田辺:この時代、ほーんとね。私も毎日毎日朝起きたら頭に念じて、それから仕事始めるようにしてます。
辰巳:”パッション””ペイシェント”の後に”ピース”も大事なんですよね。やっぱ平和がないと、、、。ワインをそういう方向にもっていきたいな、どっちかっていうとそういうお酒だと思うんですよ。
田辺:(ワインを)飲むと心が平和になりません?
辰巳:頷。なんかね、争い事から離れて、ワインって外交もありますしね。だからワインに惹かれるのかな、とも思ってて。
(話変わります)
田辺先生はワインに関わるようになるのは大学に入る頃ですか?それともやっぱり子供の頃から(十勝ワインの)英才教育を受けてたから?ほんとは飲んじゃダメだけど、舐めてたーみたいな?
田辺:十勝ワインで英才教育受けてたってよりも、むしろ違うワインで英才教育受けました。
父親は「十勝でワインを造ります。(従来の日本ワインのような)甘いのじゃなくて、本格的な」、というんです。ってことは、本格的なワインを飲まなくちゃいけない。それで父はその頃の日本ワインだとサドヤさん、あとは札幌や東京から美味しいボルドーワインを取り寄せて子供達(由美さん含む)に飲ませたんですよ。自分(父親)は「子供の頃から(昔の甘い)日本ワインを飲んでいて、本当の意味の”美味しいか不味いかわからない”」と。目の前でワインを並べて「この中で美味しいワインはどれかと?
辰巳:そりゃホントに英才教育ですよ。
田辺:ははは、そうなんですよ笑笑。
辰巳:ご兄弟は何人だったんですか?
田辺:4人です。姉、アタクシ、妹、弟。
辰巳:みなさんワイン関係のことを?
田辺:いえいえ、(ワインやってるのは)アタクシだけで・・・。
辰巳:お父様の意思を継いでるというか?
田辺:そこまではいきませんが、お酒が好きで。うちはワインは自由に飲めたんですよ。高校の時からどんどん飲んでました、エヘヘ。
辰巳:まあもう時効ですからね。僕も高校生の時から飲んでましたけどね(だから時効です)笑。
田辺:それから東京に来て、ワインの仕事をするつもりもぜんぜんなかったんですけども。
辰巳:津田塾(女子大学卒)でしたっけ?
田辺:はい。
辰巳:何を勉強されてた?
田辺:数学。
辰巳:!!!リケジョの走り!?
田辺;えぇ、走り笑笑。数学を4年間。
辰巳:なにをしようと思ってたんですか?
田辺:この話したら長くなるかもしれませんけど、(ここから語ります)「あたしは女に生まれたと。ということは多分ここから先働かなくてもいいと。その当時は理科系に行くと男性も職がなかったんですよ。学者になるか、どっかの研究所に入るぐらい。特に数学なんていうのは基礎研究だったので。ま、あたしは女だしそのうち結婚する。だったらこの大学のうちに好きなこと、働くこと考えなくてもいいと思うことやったんです。どこでもよかったんですよ大学は、数学が勉強できれば」。
辰巳:へぇぇ、同級生は男ばっかだったでしょ?(男一同含み笑い)
田辺:はぁっ???いえ、女子大ですから!!!爆笑
辰巳:じゃ、そんなに(数学志望女子が)いたんですか、その当時から?
田辺:人数は少なかったですよ、数十名のちっちゃな学科、、、。
私が卒業する頃はちょうどコンピューターの走りで引く手数多!どこでも!だからみんな(多くの企業が)欲しい!で就職していきましたよ。
辰巳;で?どうされたんですか?
田辺:私はー、ある商社の電算科に入りまして。
辰巳:!その話初めて。今まで聞いてなかったですね。
田辺:その電算科に入って、今で言うプログラマーとかシステムエンジニアとかそういうところ。
辰巳:どこ?
田辺:大倉商事という、もう今は無くなりましたけど、ま、大倉財閥の電算科に入って楽しく・・・。
でもすぐに結婚して辞めました。私の世代は”結婚したら(仕事は)辞める”というのが当たり前で。で、たまたま夫がアメリカに赴任した先にあったのが「コーネル大学」。
辰巳:「ホテル学校」があるんですよね?
田辺:はい、そのホテルスクールで私はワインの授業も取ったんです。それがワインの道に入るきっかけでした。
辰巳:なかなか劇的な人生で、、、。わからないもんですよね。
ちょっとここで食事をいただきながらお話を続けたいと思います。
(料理登場)
辰巳:今日の調理はなんでしょうか、井村シェフ?
井村:はい、今日は真鯛を香ばしく焼いて、生姜風味のトマトピューレと合わせてみました。夏野菜をふんだんに使ったお料理です。
辰巳:これもこのレストランの通常メニューとして食べられるんですか?
井村:はい、生姜がワインの香りとトマトを繋いでくれるんじゃないかのというイメージで作ってみました。
ベーやん:生姜っていいですよね?
田辺:はい、体温めてくれます。夏は冷房がね。
辰巳:そうなんですよ。夏野菜冬野菜とかいろいろありますけど、(このエアコンのせいで室内は)最近夏でも寒いんですよね。
いやぁ、面白い取り合わせ。
田辺:ワインにとってもよく合う❤︎
辰巳:このミュラー(トゥルガウ)のちょっと尖った香りが。
ベーやん:生姜を使ったフレンチって結構多いんですか?
井村:どっちかっていうと少ないですね。
辰巳:でも使うっちゃ使いますよね?
井村:はい、最近はフランス人のシェフたちも日本の食材に注目していますんで。昆布を使ったりだとかね。
田辺:旨味、ですよね?
井村:そう、今”旨味”がすごく着目されてて。
辰巳:生姜は(フランス語で)ジャンジャンブルだっけ?元々フランスにあるの?
井村:はい、あります。
ベーやん:じゃんじゃんぶる?
辰巳・井村:そう、フランス語。是非覚えて帰ってください笑。
辰巳:イタリア語はゼンゼロっていうのかな?(なんかひけらかしてます)
ベーやん:食通の方ですか?(怖いもの知らず)
辰巳:笑笑。あのー、美味しいものいただく機会が多いんで、、、。
田辺:第1回の時もシェフのピューレ、素晴らしかった。”ピューレの神様”みたいな。なんかすごいピューレの素材を活かしてる感じ。常にワインのことを考えて作られてる手の込んだピューレ。
井村:ありがとうございます。
辰巳:いや、これぜひ皆様にも食べていただきたいな、ワインの勉強にもなりますし。ラジオでね、飲んだり食べたりしてどんな風になるのかなって最初思ったんですよ。だけどこれをお聴きの皆さんに伝えたいな~、と思ったのが大事なんでできるだけ伝えたいんですけど、やっぱりなかなか難しいな。
ベーやん:ここに来ていただければ笑。(営業)
田辺:そうですね、ここに来ていただいて、シェフの美味しいお料理を楽しんでもらいたいですね。
ベーやん:今度セミナーとかやってもらいたいですけどねー。このラジオを聴いてる方に、、、。
辰巳:田辺先生ね、いろんなところで教えるのが仕事ですから。
田辺:一応ね笑。
辰巳:話がどんどん膨らんじゃいましたが、このあたりで(田辺さんのリクエスト)曲を。今日のリクエストは?
田辺:はい。少し十勝ワインの話から外れましてー、7年前から女性だけの(審査員の)ワインのコンペティション「サクラアワード」をやってましてー、その第1回目からずっとゲスト審査員として参加してくださってるのが、、、。
辰巳:はい、知ってます!尾崎亜美さん!京都(出身の)の人かな?
田辺:とってもワインが大好きで、日本ソムリエ協会の名誉ソムリエにもなってらっしゃる。その彼女の「オリビアを聴きながら」、代表作、、、。
辰巳:杏里が歌って大ヒットしたっていう、、、。
田辺:あそ?笑笑。
辰巳:ま、一般の人は杏里で認識・・・。杏里さんに楽曲を提供して、世代を代表する大ヒットになった。。。
田辺:とっても綺麗なメロディーじゃないですか。そのメロディーを聴きながらワインを飲んで(井村)シェフのお料理を食べるのがすごく合ってるような気がしまして。
辰巳:では、尾崎亜美さんで「オリビアを聴きながら」。
https://www.youtube.com/watch?v=DwvrlNBaxu8
辰巳:この曲聴くといろんなこと思い出されてやっぱいいですね。ベーやんこの曲知ってる?だいぶ世代違う気がするけど?
ベーやん:知ってます、テレビとかで。懐メロとしてー(←1982年生まれ)。
辰巳:(井村)シェフはどうですか?
井村:あー、同じくテレビで(←1972年生まれ)。耳に残る曲です。
辰巳・田辺:えーーー、そんなに昔の曲だったっけ?
(注:1978年の曲でした)
ベーやん:母親が車の中で鼻歌で歌ってた。
辰巳;70年代終わりぐらいか。杏里はね、僕よりちょっと年下で尾崎亜美さんはちょっと年上なの。
(しばし各々がタイムスリップしてました)
田辺:もうホントにワインが好きな方でね(尾崎さんのことです)。私も彼女みたいにいつも相手のことを考えて、優しく寄り添う人になりたいなぁと、尊敬する女性です。
辰巳:名誉ソムリエもね、ご主人と一緒にとられた(授与された)んですよね?
(注:尾崎亜美さんのご主人は音楽プロデューサーの小原礼氏)
田辺:そうです、札幌で(授与式があった)。その時に初めてお目にかかったんです。
辰巳:僕はね、(尾崎さんは)ちょっと年上のシンガーソングライターみたいな存在で、時代をダァーっと駆け上っていったというのは覚えてる。
田辺:いつまでも透き通った声ですよね。心も透き通ってんだと思いますよ笑。
辰巳:「オリヴビアを聴きながら」のオリヴィアはオリビア・ニュートンジョンのことなんですよ。知ってる?
ベーやん:いや・・・。まっっったく知らないっすね。
井村:まぁっっっったく知らない。
辰巳:えぇっ!?オリビア・ニュートンジョンまったく知らない世代!?すごい美人歌手がいたんですよ、アメリカで(オーストラリアですっ)。
田辺:やっぱりそのニュートンジョンの綺麗な、澄んだ声なんですよねー。
辰巳:オリビア・ニュートンジョンがあって、この澄んだ声があって、ですよね。我々の青春時代ですよねー。
辰巳・田辺:わりと近いお年頃❤︎笑笑。
辰巳:「ワインと音楽」っていいですね!
次回、最終回になりますが宜しくお願いします!
一同:ありがとうございました!
(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2020年8月20日放送分
- ワイナリー
*十勝ワイン(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)
https://www.tokachi-wine.com
*田辺由美
http://www.wincle.com/profile.html
*ワインアンドワインカルチャー株式会社
http://www.wincle.com/outline.html- 収録会場
★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/