この7月から新たに始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインDE乾杯!」』8月のゲストはワインアンドワインカルチャー(株)代表の田辺由美さん。○○も凍る極寒の地、十勝での幼少期の生活や「十勝ワイン」を全国に知らしめたワインの誕生秘話など、今回も盛りだくさんです。(全4回 2回目)
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辰巳:皆さんこんばんは、辰巳琢郎です。8月の第2週目、今月のゲストは北海道「十勝ワイン」の創始者、円谷金保(池田町)町長のお嬢さんにあたります、ワインエデュケーターの田辺由美先生ですー。長いな、紹介文が笑。
田辺:笑。よろしくお願いします。
一同:お願いします!
辰巳:その、円谷町長が「十勝ワイン」を始めたのはいつ頃でしたっけ?昭和30年代?
田辺:1963年に醸造免許がおりました。わたくしが10歳の時なのでー・・・。
辰巳:ぁ、バレちゃいました。先生は昭和28年生まれ。
田辺:27年ですけどね、まぁいいです28年で笑。
辰巳:(「十勝ワイン」に話を戻します)ワイナリーを作ろうという話からブドウを植え始めたのはもっと前なんじゃないですか?
田辺:そうですね。少し前ですけれどまぁその頃、と父は言っておりました。と言いますのは、当たり前ですけれども「ブドウがないとワインは出来ない」。一番最初に父がワインを造ったのは、もうすでにあるブドウ、それは何か・・・?ヤマブドウなんです。それから造りましたので、、、。ブドウを植える前にもうあったもの、ということなんです!(要するに野生で生えていたものですね)
辰巳:えーっと、会社の正式名称は?
田辺:「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」、です。
辰巳:これが今の”通称”「十勝ワイン」なんですね。それが由美先生が10歳の頃。十勝って北海道の中でも雪は(たくさん)降らない。降らないんだけどもすっごい寒いところなんですよね。
田辺:どのぐらい寒いかと言いますと、マイナス30℃とかになるんですよ。
ベーやん:想像つかないっすね。
辰巳:立ちションしたらどうのこうのっていう世界?
田辺:そうですそうです、えぇ。
辰巳:笑笑。(←真顔で肯定する田辺さんにウケてます)
田辺:夜外にいるとまつ毛がバリバリっと凍る。子供達は耳が凍傷になるとか。(一同:へぇぇぇ)でもその代わりにスケートは強くて、オリンピックの選手もたくさん(輩出してます)。*長島選手は池田町の出身。
*長島圭一郎選手 バンクーバーオリンピック銀メダリスト
辰巳:川も凍る?
田辺:もちろん、川も凍りますし沼も凍ります。スケートリンクは学校の校庭に水撒いて作るんです。(一同:へぇぇぇ)普段は(陸上の)トラックに水を撒いて、親たちはそれを均して、、、。一晩で凍っちゃいます。こんなんだからスピードスケートは強いはずなんですよ。十勝はそういうところなんです。
辰巳:田辺先生もやっぱりスケート上手なんですかー?
田辺:普通に普通に、、、。
辰巳:スピンとか?
田辺:いや、フィギュアじゃないです、スピードスケート苦笑。今東京オリンピック・パラリンピック担当大臣の橋本聖子議員のやってた方。
辰巳:あ、あの、ちょっと紹介忘れてましたけど、ここ(収録場所 Villas des Mariages)の社長で元吉本興業の芸人、田鍋さん(以下ベーやん)、井村シェフにも同席していただいてます。
一同:よろしくお願いします!
辰巳:「十勝ワイン」って聞いたことあります?
井村:日本ワインの中では「十勝ワイン」は(老舗という感覚で)知ってます。(←1972年生まれ)
ベーやん:知りませんでした。(←1982年生まれ)
辰巳:世代の違いかな?この時代って日本ワインの草創期。このころから有名でしたよね?時代が少し経って「十勝ワイン」一辺倒ではなくなったけれど、当時は「十勝ワイン」を知ってることがけっこうカッコよかったんですよ、関西でも。
(井村:頷←大阪出身です)
田辺:え、関西でも?あ、そう?(とでも嬉しそう)
辰巳:それが昭和50年前後かなー。
田辺:そうですねー。十勝ワインが全国区になったのは、ヤマブドウってちょっと難しいんですけどヴィティス・アムレンシスっていう品種なんですね。いわゆるこちらの(日本古来の)ヤマブドウと違ってロシア系の品種なんです。かの有名な*大塚先生という醸造の大家が「(ヤマブドウで)こんなに美味しいものができるんだったら、国際コンクールに出したら?」とおっしゃるので翌年ハンガリーのブダペストで行われたコンクールに出したんです。日本のワインが出展したのはもちろん初めて、で、そこで銅賞を獲ったんですね。
*大塚謙一 元国税庁醸造試験所所長。旧「日本ワインを愛する会」初代会長。2016年逝去。
辰巳:昭和40年代?西暦にすると?
田辺:1964年のことです。
辰巳:えっ、64年?(ワイナリー)できてすぐじゃ?東京オリンピックの年ですよ!
田辺:そうなんです。そして父も(出品してたことを)忘れてたんですよ。まさか出品しても賞獲れるなんて夢にも思ってませんでしたから。そしたら本部から連絡があって。っていうのが新聞に載って、、、。
辰巳:さすがにそれ僕は読んでません、まだ幼稚園だったので笑。
田辺:まだ字が読めなかった?
辰巳:読めましたっ!
全員笑笑
田辺:その新聞を見た方、当時の伊勢丹の小菅さんという社長さんが、「伊勢丹で置きたい」と言ってくださって。
辰巳:驚!そういう流れだったんですか!?
田辺:それで少しずつ知られるように、、、。
辰巳:そうなんですね!?僕はね、学生時代に飲んでたんですよ、自慢じゃありませんが。しかも「町民還元ワイン」という十勝、池田町でしか飲めないワインを買ったりもらったり分けてもらったりーで「へぇ、そんなワインがあるんや!?」って思ってたワイン(立派な自慢でしたね)。本日お持ちいただきました!
「町民還元ワインロゼ」
十勝ワイン 町民用ロゼワイン2019
辰巳:あれ、なんか最近綺麗な、モダンなラベルになって。昔はむちゃむちゃダサい(失礼な)、、、笑。
田辺:笑、ほんと、ラベルが曲がってるような、手貼りぃ~みたいな笑笑。
辰巳:、だったんですよ、学生でも買える安さで。
田辺:なんでこの「町民還元ワイン」という名前をつけたかというと、昔は、ま、今でもそうかもしれませんが、「ワインを造りました」はいいけど、なかなか日本人の口にはなかなか合わないし、値段も高くなっちゃう。っということで、もっと町民の人に気楽に飲んでもらえるように、キャンベルで造ったこの飲み易いワインを、当初町民に配ったんです。
辰巳:!タダで配ったんですか?
田辺:はい。そのあとは(評判が良く)もっと欲しいってことで200円で売りました、”町民限定”で。それって今思うとある意味”マーケティング”だったと思います。
辰巳:これは上手でしたねぇ。
田辺:だって200円でしょ?1ケース買ったって・・・えへへ。送り賃の方が高いゎみたいな感じで。それを町民が買って、お友達や親戚に送るっていう。
辰巳:ぁ、じゃぁそれを僕は(学生時代)いただいてたんだ?
田辺:そういう時代から飲んでくださってるとは!素晴らしい!!今日初めて知りました。
辰巳:では還元ワインで乾杯しましょう!
全員:カンパ~イ♪
田辺:飲みやすいでしょう?
辰巳:還元ワインはロゼだけなんですか?
田辺:そうです。
辰巳:でも以前のロゼはもっと甘かった。これはキリ~っとしててすごくいい香り。アメリカ(由来)のキャンベルアーリー。いやぁ美味しくなりましたねー。
田辺:そうこの香り、日本人にも受け入れやすくてお料理にも合う。
辰巳:キリッと冷やすととってもいい。これ、今も(池田町)町民しか買えないんですか?
田辺:いえ、今はもう(みなさん)買えます。
辰巳:でも町民の方が安く買えるとか?
田辺:いえ、今はもうそんなことはないです笑笑。
辰巳:じゃぁ、今は「町民還元」っていうブランドになってるんですね笑。
田辺:当時ビールか日本酒しか飲まれなかったのを、父がどうにかしてワインを広めようと思って造ったワインですから、この名前を残したいと。
辰巳:あ、今(のラベル)ね、「町民用ロゼワイン」になってます。「町民だけが購入する権利を持ち、町民だけが飲むことができました。当時、馴染みの薄かったワインを格安で飲むことができました。当時馴染みの薄かったワインを楽しむ習慣が生まれ食文化の向上へと発展をしています」という説明が書いてます。今は(全国で)もう少し買いやすくなったということですかね。
田辺:そうですね、コスパもとてもいいので。
(注:税込999円)
辰巳:このワインもこのVillas des Marriagesのレストランで飲めるようになります。
田辺:ちょっとお昼にとか良さそうですよね。スクリューキャップですから、余ったら持って帰って笑。
辰巳:ではこのワインに合わせたお料理を井村シェフに作っていただきました。
(料理登場)
(右の野菜の下にビンチョウマグロが隠れています)
井村:はい、僕にはこのロゼが完熟トマトを思わせる香りが感じられたので、マグロを合わせてみました。マグロのタルタル。
辰巳・田辺:へぇぇ。
井村:ビンチョウマグロ。
辰巳:本マグロじゃなしに、薄~いピンク色の。
田辺:とってもステキ。なんかお料理によってワインがさらに美味しくなるような。
井村:最後におろしたレモンの皮の香りがアクセントに。
辰巳:このマヨネーズっぽい、白っぽのは?
井村:塩漬けにしたレモンを混ぜたニンニクマヨネーズです。
辰巳:これ食べてワイン飲むと、ワインがいっそうキリっと締まってくる感じがします。んー面白いなー。
ベーやん:実にいいですね。
田辺:この、マグロとロゼワインがとてもよく合うのはもちろん、ロゼがより華やかに、力強く感じる。素晴らしい!
辰巳:よく言いますが、ワインってやっぱり”食中酒”なんでね、食事と合わせて合うワインがいいワインだなと思いますし。
このお店に来たらぜひ、グラスワインを飲んでいただきたいですね。
ベーやん:ボトルで頼まれる方もいらっしゃいますよ。
辰巳:このレストランでは”日本ワインを応援してます!”っていう色付けをしようという笑。
ベーやん:辰巳さんの目論見に乗って笑。
辰巳:無理やりお願いしてるんですけどね。
全員笑笑。
辰巳;ではお料理いただきながらリクエスト曲を。
田辺:ちょっとハイソな感じの、、、このお店に合うような感じの、、、中丸三千繪さんというオペラ歌手、私の友人なんですが、今帯広に住んでましてー。。。
辰巳:そういう話も聞きましたが、イタリアにも家があったりね。元々は茨城出身で、一体どこに住んでるのか???
田辺:笑。その彼女が歌っていらっしゃる「ニューシネマパラダイス(映画)」の、、、。私の中学校ぐらいのときかな?
辰巳:ぇw、そんなに古かったですか?ぁw、変なツッコミしちゃいました困笑。
田辺:ま、その映画を観てとても感激したんですけど。あれ、もっとあと?
辰巳:僕は確か大学生だった、ような。
(1988年公開です!お二人ともかなりの勘違いでした)
田辺:そうでした?確かシチリアの話でしたよね?映画が好きで好きでっていう(少年の)話。感動してどうしてもシチリアに行きたいなと思った想い出がありました。
辰巳:それで行ったんですか、シチリア?
田辺:行きました!
辰巳:では、シチリアの風景を思い出しながら聴きたいと思います。中丸三千繪さんで、「ニューシネマパラダイス」。
辰巳:いいですねぇ。でもイタリアもコロナの影響でなかなか行けないなぁ。最近行かれました?
田辺:いえいえ、まさか。
辰巳:しょっちゅうワイン産地周られてたのに・・・。
田辺:今年は3月から月に1回ぐらい(海外での仕事が)入ってたんですけど、全てがキャンセルとなり。中でも残念だったのは、ポルトガルのワインのコンペティションの審査員に呼ばれていたのに中止になりましてね。残念でしたけど、まぁ元気でいることがいちばんですし。元気でワインが飲める!これ以上の幸せはないです笑笑。
辰巳:ポルトガルもいいですね。ワインもいいですけど食べるものも美味しい。日本人に向いてるんですよね、料理が。
田辺:今日のマグロのカルパッチョいただいて、これポルトガルワインにも合うなと密かに思いました。
辰巳:日本でいちばん最初に会った西洋人はポルトガル人だしね。
田辺:織田信長が最初に飲んだお酒がポルトガルワイン(チンタ酒)。それとカステラとかね。
辰巳:金平糖とかコップなんかもそうですよね。
田辺:さすが、よくご存知。クイズの王だけあって笑。
辰巳:ポルトガルってなんか懐かしい感じがするんですよねー。
田辺:(井村シェフの方を見て)あとはカラスミもそうですよね?(井村:頷)
辰巳:んーーー、早く海外にも行きたいですが、この時期は行けない分、まだ僕も行ったことのないワイナリーが日本全国にありますし、GO TOナントカじゃないですけど、(この際)日本人が日本のことをもっと知るべきだということで。僕は「日本のワインを愛する会」を持ってしてもっともっと頑張っていこうと思うんですけどね。
田辺:今(国内のワイナリーは)300超えてますもんね。北海道にも40以上。
辰巳:もうすぐ50とか。その中でも日本のワインを引っ張ってきました十勝ワインを代表しまして、ワインエデュケーターの田辺由美さんをお招きしております。この続きはまた来週、とか言いながら話がなかなか前に進んでなくて、(由美さん)東京に出てきてからの話をまだしてないという。次回こそ!
田辺:そうですね、少し大人になってからの話をさせてください笑。
辰巳・田辺:今日はありがとうございました!
(お断り:番組のOAとこの原稿の掲載には時差があります。現在提供されているワインとお料理はお店にお問い合わせください。)
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2020年7月16日OA
2020年8月6日放送分
- ワイナリー
*十勝ワイン(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)
https://www.tokachi-wine.com
*田辺由美
http://www.wincle.com/profile.html
*ワインアンドワインカルチャー株式会社
http://www.wincle.com/outline.html- 収録会場
★ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/