八王子FM「辰巳琢郎の一緒に飲まない?」2020年4月2日放送分

今回のゲストはシャトー・ジュン(山梨・勝沼)の顧問、西浦昌文さん。老舗アパレルブランドで30年、洋服一筋だった西浦さんが「そうきたか!?」と唸った新境地、ワイン事業に異動して???全2回前編

辰巳:今回のお客様は勝沼にあります「シャトー・ジュン」の西浦さんです。

西浦:はい、こんばんは。

辰巳・西浦:よろしくお願いします!

辰巳:西浦さんはー、いわゆる醸造家ではないんですよね?(肩書きは)なんとお呼びすればいいんですか?

西浦:今は顧問なんですけど、、、。

辰巳:定年に?僕よりちょっと年上なんですよね。昭和31年?

西浦:32年です。元々は事業部長として約10年勤めて、今顧問として後進を育て、、、というところですね。

辰巳:ワインに入って十何年?

西浦:12年ですね。

辰巳:その前に何をしてたかと言いますと!?

西浦:ジュンといえば笑、洋服屋ですよね。

辰巳:ジュンといえば、我々の年代では”ネネ”なんですけどね笑笑。(*ジュンとネネ:1968~1972年まで活躍した女性人気デュオ)

西浦:爆。

辰巳:”JUN&ROPE”とかね(女性ブランド”ロペ”などを展開する老舗アパレルブランドです)。

西浦:”ロペ”がやっぱりわかりやすいでしょうね。

辰巳:分類的にはファッション業界でも何になるんですか?ほら、昔はIVYっぽいのが流行ったりしたでしょ?

西浦:そういう意味では元々はヨーロピアンでしょうかね笑。”VAN”がIVYで”JUN”がヨーロピアンっていう・・・。

辰巳:学生時代、中高なんかはね、憧れのブランドでしたけどね。最近はどうなんですか?

西浦:おかげさまで、今は女性物中心なんですけど、根強くやっております。支えてくれる親会社あってのワイン事業でございます。

辰巳:その親会社からの投資を受けて、ワイン事業がどんどん充実してきて、最近いいワインが続々と出てきてるという、、、。

西浦:辰巳さんにも(勝沼に)来ていただきましたよね?もう7~8年前ですかね?

辰巳:(頷)ワイン番組で取材したの、もう10年くらい前になりません?

西浦:じゃぁ僕が来てすぐかもしれないですねー。(あの頃とは)ずいぶん変わりましたよ。

辰巳:今日はどんなワインを(お持ちいただいたんですか)?

西浦:私どものメイン「甲州 2019」。少し早いんですがリリースしました。


Chateau Jun 甲州2019

辰巳:甲州がやっぱ一番多いんですか?

西浦:圧倒的に多いですね。本来2019年出すのには少し早いんですが昨年の大阪サミット(G20)で、首脳の夕食会で唯一の白ワインで使われたのがこの甲州で、、、。

辰巳:誰が選んだんですか?

西浦:えーーー、ソムリエ協会の、、、トップの方が。。。

辰巳:あ、田崎さんが?

西浦:サミット全体では100種類ぐらい日本ワインが出たんですが、首脳の夕食会では大阪のカタシモさんのスパークリングと神戸の赤ワイン、カベルネ・メルローのブレンドですね。で、白はこれ。「この料理には”甲州”」ということで、何種類かの中から選んでいただいたみたいです。

辰巳:ではぜひ抜栓をお願いします。

西浦:(抜栓しながら)こういう時ラジオはいいですねー、失敗しても・・・笑。

辰巳:いえ、ちゃんと実況しますから笑笑。
(開きました)はい、割と上品な音ですね。ラジオ的にはもっと’ポーン’と鳴らしてもらいたかったですけど笑。ではいただきましょう。


辰巳・西浦:カンパイ!

西浦:さて、香りはいかがでしょう?

辰巳:すごくフレッシュ感があって、前のやつ(ヴィンテージ)より酸味がキリッとした感じありますね。2019年ってこんな感じなんですか?

西浦:そうですね、でももう少し瓶の中で寝かせてあげたかったんですけど、そのサミットのおかげで2018年が全て出てしまったので少し早めにリリースしたんですが。でも飲み心地も良くて、、、。

辰巳:このコロナ騒動もありましてね、売れないところは困ってるんですよ、ほんっとに。

西浦:おかげさまでここ2ヶ月もなんとか持ちこたえましたので。この1年2年で撒いてきたタネの芽が今出て来たんじゃないかと。急には売れませんので。

辰巳:ですよね。生産本数も増えましたよね?

西浦:以前来ていただいたときは2万5000本ぐらいだった、多分3万もいってなかったと思うんですけど。今7万5000本ですから倍以上になりました。

辰巳:畑は?

西浦:自社はほとんどやってないんです、ほとんどが契約農家で。

辰巳:この甲州は?

西浦:菱山の契約農家さんの。直接(自社畑で)やってるのはカベルネ・ソーヴィニョンとメルローの畑と、実験的なセミヨンと。あとはピノ・ノワールやってるちっさな畑とシャルドネですかね。他は全て契約農家さんです。

辰巳:これはシュール・リー?

西浦:です、ただ期間には縛られてないので。少し早めにあげることもあったりしっかりかけたり、その辺うちの醸造家が調整してます。

辰巳:これもっとキリッと冷やしてもいいような気がしますけどね。

西浦:ちょっと早めに持って来ちゃったので(汗)。

辰巳:わざと(温度)高めなのかなと思ったりもしましたが。

西浦:この前のヴィンテージ(2018年)は逆に温度高めに出してたんですけど、これはもう少し冷やしてもいいですね、確かに。

辰巳:(話変わります)、西浦さん、最初からこの会社にいらしたんでしょ?ファッション畑を歩んで、いきなり「ワインやるからそこ行け」と?

西浦:そうですね。30年洋服だけやってきてそして突然。。。ま、その前はカフェのマネージメントだとかもやりましたけど。(ジュングループは)ゴルフ場とかいろんな事業やっている中、ワイン事業もその一つなんです。

辰巳:ワイン事業ができたのは?

西浦:去年の秋でちょうど40周年を迎えました。

辰巳:(驚)そんなになりますか!?そんなイメージあんまりなかったです。

西浦:元々はそんなに大掛かりでやる予定もなく、栃木にある2つのゴルフ場に供給したりするぐらいで、たくさんのお店に出すとかそう言う発想はなかったんですが、12年ぐらい前に代表から「せっかくいいものを造ってるんだから、いくつかの賞ももらってるし、だったらもう少し知ってもらおう」と。じゃ、飲んでいただくにはもう少し生産本数増やさないといけないな、っていうところから増やし始めて。でも日本ワインってまだ市場の4%しかないわけじゃないですか?その中のシャトー・ジュンってのは当時はホントに見かけることがなかったかもしれない。

辰巳:それで人事異動で”ワインをやれ!”って言われた時の心境はどうだったんですか?

西浦:「そうきたか!?」笑。

辰巳:”(ワイン事業に)行きたいオーラ”出してたんですか?

西浦:いや、出してなかったですよ。まぁワインは好きでしたし、カフェのマネージメントやっていた時にシャトー・ジュンのワインも出してましたからね、ちょっとした接点はあった。事実上は造り手の仁林(醸造家・仁林欣也氏)ともう1人の2人でやってたんですけど、やっぱり山梨は遠い。ワインのブランディングには東京にも1人いた方がいいってことになって。

辰巳:元々は山梨に住んでるんじゃなしに東京にいながら企画等やってたんですね?

西浦:はい、すっと東京にいて全体のブランディングですね。


辰巳:僕は”日本ワイン応援団長”を自負してもう17年ぐらいになるんですけど、今の状況、ようやく認知もされてきて、表示ルールも作られて、一部では”日本ワインブーム”ともささやかれてもいますけど、西浦さん的には今の日本ワインの状況をどんな風に考えてます?

西浦:僕はまだスタートした程度だと思ってます。ブームっていうほどまではないと思っているんですよねー。さっき言いました通り、日本で生まれているワインってまだ4%じゃないですか。まだまだこれからじゃないですか?ようやくワイナリーも330件ぐらいになりましたけどね。まだこの倍ぐらいは潜在的にあるんじゃないですかね?委託醸造でやられてる方がまだかなりいらっしゃるので、彼らが最終的には「自分のワインを造りたい」と思ってるので。

辰巳:熱烈なファンは増えてますけど、まだまだ”日本ワイン人口”としては少ないと?

西浦:頷

辰巳:どないしたらいいと思います?

西浦:僕らは東京を中心に、ま、関西も含めてですけど、このワインをいかに伝えられるかってのをずっとやってきました。で、同じ方達にいつも向かってるわけではなく、今まで飲んだことのない人たちに対していかに伝えるかに重きを置いてきました。我々はバックボーンに”ジュン”というチームがあり、そこからいろんな形で発信できます。「ワインを飲んだこのがない、もしくは日本のワインを飲んだことのない」人たちにもいろんな形でアプローチできるので、普通のワイナリーさんとは違った切り口で展開できる。銀座の東急プラザにグループのショップ「サロン アダム・エ・ロペ」があって、月1回程度定期的に試飲会をやってるんです。

辰巳:ぁ、一度も案内いただいてないですね笑。

西浦:すいません、今度ぜひ汗。ウェア、雑貨、食品など、ワインだけで展開してるわけではないので、(ワインを浸透させるには)かなり時間はかかったんですけど、3年ぐらいかけて少しずつね。ここではシャトー・ジュンのラインアップはほぼ揃う。常に5種類ぐらいの試飲を用意していて、洋服を買いに来られるお客様に少しずつアピールしてきたのが形になってきたのかなって。ま、この名古屋版や関西版だったり、また広がっていくと思いますんで、日本ワインのファンを作るには面白いかな、(こういうショップがあるのは)他にできない強みかなと。

辰巳:ファッション系で他にワイン造ってるとこは?

西浦:ヒトミさんぐらいですかね。

辰巳:あ、ヒトミさんね、滋賀県のヒトミワイナリー。

西浦:我々はファッションのイノベーターという理念がありますので、ゴルフ場だったり実はラジオ番組も作ってるんです、j-waveで。

辰巳:(驚)ぁ、これも知らなかったな。

西浦:藤原ヒロシさん(https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A007690.html)が番組をお持ちで、あの、ファッションとかわりとクリエイティブな仕事をされている方です。
それとやっぱりゴルフ場持ってるっていうのが大きいんですよね。

辰巳:栃木ですよね?ジュンって栃木が発祥?

西浦:いえ、東京です。今は2代目ですね。

辰巳:で、西浦さんはどちらのご出身?

西浦:滋賀の・・・。

辰巳:!。でしょ。僕はね、なんとなく関西の匂いを感じると、言葉が関西弁になるんですよ(実際のっけからメチャクチャ関西弁です)。最初から僕が関西弁で喋ってるってことは、西浦さんひょっとして関西の人ちゃうかなー、もうちょっと関西弁で喋らへんのかなー、ちょっとガードが固いなーと思いつつ。。。

西浦:笑。あまり深くは考えてないんですけどね。

辰巳:滋賀県のどちらですか?

西浦:日野というちっさな町です。

辰巳:近江の3大商人の一つですよね?

西浦:そうですそうです、よくご存知で。だから営業としてしぶといんでしょうか?笑。

辰巳:近江商人ですかー、そうですかー。それこそ昔は西武の堤さんとかね、たくさんいますよね。で、大学から東京に?

西浦:私は実は大学は出ておりません。辰巳さんみたいな高学歴ではございません。

辰巳:どっちかっていうとマーケティングとかきちっとやってらっしゃるイメージあったんで・・・。

西浦:違う意味では”コウガクレキ”を目指してまして、”恒”に学ぶというね。「洋服屋でした、ワイン始めました、何も知らないところから」。自分で(ワインを)説明するときにまず資格を取ろうと。で54歳の時にソムリエの資格を取った。

辰巳:苦労しました?

西浦:一発(合格)でした。

辰巳:まぁそりゃね、ワイナリーの人がそんな何遍も落ちたらかっこ悪いですからね笑。

西浦:笑。そのあと日本酒の唎酒師、日本ワイン検定の1級も取りました(←こちらかなり難関です)。最近はもう少しワインの勉強しようということで、ワインエキスパートの勉強をやり直したり、チーズも勉強しております。いつもブラッシュアップしながら、いろんな方とお話しできるようにと。63歳になってなかなか苦しいんですが笑。

辰巳:いつまでも向上心を持ち続けることは大事だと思います。

西浦:そうやって営業に出るのは非常に楽しいですし、そこから得るものは大きいです。チーズの勉強からもビジネスがつながりましたので、、、。

辰巳:”シャトー・ジュンの顔”としてね、いろんなワイン会、試飲会に必ずいらっしゃるのはすごい大きいことだと思います。

西浦:今の事業部長がサポートしてくれているので、、、。

辰巳:事業部長って?

西浦:道間(道間道雄氏)です。

辰巳:あ、道間さんが今事業部長なんですね。

西浦:彼が私に(ワインを)バンバン売ってくださいと言うんです笑。大きな企業の中ですから書類もいっぱいあるし、それなんかは彼が全部やってるんですけど「先生(西浦さんのことを道間さんはそう呼んでいるそうです)ガンガンいってください」って。

辰巳:先生って雰囲気はありますよね。

西浦:おかげさまでスクールのセミナー(の講師)はいくつかやらせてもらったりはしてます。

辰巳:なんか風貌といい大学教授のような、、、。

西浦:大学行ってない大学教授ですね笑。

辰巳:西浦さんと話すといつもワインのことばっかりになってしまって、こういう話してませんでしたよね。それ以外の話を今日はどれだけ聞くことができるかを楽しみにしてたんですが、1回目の時間が来ちゃいまして、この続きはまた次回。次はまた別のワインとプライベートな話を伺いたいなと思っております。
今回のゲストはシャトー・ジュン顧問の西浦昌史さん。収録はコレド室町のヴィノシティからお送りしました!

辰巳・西浦:ありがとうございました!

今回事業部長の道間さんも同行されていましたが、さすがアパレルブランド畑、お二人ともとてもオシャレな方でした。

News Data

八王子FM「辰巳琢郎の一緒に飲まない?」

2020年4月2日放送分

ワイナリー

*シャトー・ジュン
ファッションブランドのジュングループが1979年、山梨県勝沼に設立。醸造責任者は仁林欣也氏。「G20 大阪サミット2019 首脳夕食会」で「甲州2018」が供され話題となった。パワフルさを追求するのではなく、エレガントで飲み飽きないワイン造りを目指す。
https://www.chateaujun.com

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