2020年7月から始まった*ラジオ番組「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」。2024年7月放送分から『**プリオホールディングス提供』になりました。引き続きお楽しみください。
(*Tokyo Star Radio:https://775fm.com/ **プリオホールディングス:https://prior.co.jp/)
2024年10月のゲストは富山県南砺市「トレボー株式会社」の代表取締役社長 中山安治(やすはる)さんです。
今週は6種類のブドウを使ったアロマティックなオレンジワインで乾杯!少年時代の憧れだった女性とほろ苦い再会を果たし、そして現在は?
(全5回 4回目)
辰巳:10月4回目。今月のお客様は富山県南砺市「トレボー株式会社」の中山安治社長です。そしてプリオホールディングスの総料理長、井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:まずは乾杯しましょう。今日はオレンジワインなんですかねぇ。しっかりした、ウィスキーのような琥珀色したワインです。
全員:カンパ〜イ🎶
【立野原ひねりオレンジ 2023】
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辰巳:こちらはどういうワインでしょう?
中山:これは、白ブドウをひとひねりしたので”Hineri”。65%シャルドネでりんごのニュアンスがあると思います。他ははちみつのニュアンスのあるリースリング、ライチの香りのあるゲビュルツトラミネール、桃の香りのヴィオニエ、パンチの効いたピノ・グリという品種を、一緒に圧搾して混醸して造っています。糖分がずいぶんあったんですけど、残糖はゼロ。アロマティックな香りの品種5種類なのでかなりの迫力ある香りだと思います。「複雑でドライ」。日本食なら出汁の効いたお料理に合うのかな。
辰巳:これはおいくらですか?
中山:3630円です。
辰巳:このワインは何本ぐらい造られてるんですか?
中山:1300本ぐらいだったと思います。
井村:このワインにお料理どう合わせようか迷いました。今までオレンジワインをいくつか飲んできましたけど、その中でもふくよかでしっかりしたワイン。
辰巳:ふくよかだけれど、あんまり抵抗感ないですよね。オレンジワインってどれぐらいマセラシオンをするか、とか難しくてね。これは長いんですか?
中山:割と長い方だと思います。日本のオレンジワインってもうちょっと濁った、”自然派”が多いかも知れませんが、我々は”ピュアなワイン”ってことで、
辰巳:酵母は自然酵母?
中山:将来的には使おうとは思ってますが、今は使ってません。今のところ「自然酵母に任せたワインがどうなるか?」がまだ見えてこないので。元々日本酒を造っていた醸造担当は、日本酒はまず’どういう酒にするか’をデザインします。僕はその彼に「こういうワインを造ってくれないか」と指示をすると、どういうワインにするかをデザインします。だから「自然酵母でこうなったらこうなった」(成り行き)じゃなくて、数多もある酵母の中からシャルドネならこれ、ソーヴィニョンだったらこれ、っという風に選んでデザインして造ります。そういう意味では基本は乾燥酵母。
辰巳:補糖補酸もなしで?
中山:基本はなしなんですけど、今年は糖の乗りが悪かったんで補糖する予定です。前回も何度かはあったんですけど去年はまったくなし。
辰巳:でもそんなにアルコール(度数)上げる必要もないじゃないんですか?
中山:ただね、ワインの骨格というか、’ワインのあるべき姿’というものは、それなりのアルコールは必要。「どうしても13度にしたい!」じゃなく、「こういうワインにしたい!」って思った時には最低限のことは辞さないと考えてます。
辰巳:濾過は?
中山:無濾過はないです。でも日本酒を造ってた醸造担当の経験から、’荒い’濾過はやります。
辰巳:「ドメーヌ・ボー」ですからね。美しいワイン。最近どんどん無濾過のワインが増えてきた感じはしますけど、たまに飲むと美味しいと思うけど濁りばっかり飲んでても飽きちゃう。やっぱりこういうクリアなワイン飲むとホッとします。
井村:そうっすね。
辰巳:さ、こちらに合わせたお料理は?
井村:豚のスペアリブ、一応プロヴァンス風なんですけど、レモンとスペアリブを一回煮込んで、それを煮切ってしまうとこまでやってそのまま焼いてます。液体が最初入ってるんですけど、鶏のブイヨンでずーっと煮ていくとスペアリブがスーッと柔らかくなるじゃないですか。そうするとスペアリブの脂が出てくるので、それをそのまま焼き切ってるんです。
【スペアリブのプロヴァンス風】
辰巳:”プロヴァンス風”ってどの辺が?
井村:レモンのソース。僕の中では💦
辰巳:南イタリアっぽい笑。
井村:んん、まぁ、、、同じ、あのあたり爆。僕がプロヴァンス寄り。(←そのあたりで修行してそのあたりのお料理を作っています)
辰巳:美味しい♡
中山:富山にあるフレンチのお料理で、白ワインに合う風味ではなんか物足りないなーと思って造ったのがこのオレンジワイン。造りながら出汁の効いた日本料理にも合うのかなぁと、今井村シェフがちょっと出汁(←今回は鶏のブイヨンですね)を使っておられるってのを聞いて(出汁の)西洋問わずこれは馴染んでくれるんじゃないかなぁと。
辰巳:富山のシェフとは?
中山:谷口(英司)さんっていう「レヴォ」のシェフ。その前のお店の時からうちのワインを使っていただいていて。時々遊びに行ってはお話ししてたんですけど、「もうちょっとしっかりした(シェフのお料理に馴染む)ワインを造ります」ということに。
辰巳:谷口シェフもほんっとうに徹底した”地産地消”。ぜんぶ自分でやってますからね。
中山:遊びに行ったらちょうどクマの骨をノコギリで切っておられる時で笑驚。
辰巳:あのシェフが富山に入ったことで、(富山の)食文化が進んだ感じしますよね。彼大阪出身なんですけど知ってますか?
井村:(井村シェフも大阪出身です)いや、知りませんでした。
辰巳:洋食和食も交えて僕も最近一緒に飲みに行ったりしてるんです。だから最近富山がどんどん近くなってる笑。また近々伺わせていただきます。ではここでリクエスト曲を。今日は何にしましょう?
中山:金子由香利さんの「再会」。
辰巳:あれ、どんな歌でしたっけ?
中山:これまでもお話ししましたけど、若い頃は女性と話したことがあまりなかった。母妹以外同世代はダメだったんですけど、御多分に洩れず、当時はお気に入りの女性がいるわけで。35歳の時に同窓会で会いたかった彼女に会えた。
辰巳:ちょ、ちょっと待って!それは金子さんじゃぁないんですね?
中山:違います。金子さんはコンサート観に行ったことがあるんです。僕はその時タキシード着ていて周り中そんな人いないわけで。だからか彼女は舞台から降りてきて、僕の前で歌ってくれました。それがうれしかったのも含めて。
辰巳:その再会したのは中学時代の同級生?
中山:はい。当時は中高まったくしゃべってなかった。遠くで憧れの目で見てました。
辰巳:その熱い視線は彼女は気が付いてたんですか?
中山:レーザー光線のような熱い視線でしたから爆、多分気が付いてはいたと思うけど、”無視”。
辰巳:彼女にボーイフレンドがいたとか?
中山:いや、そういう時代じゃなかった(、多分)。
辰巳:それで、同窓会で再会したんですか?
中山:はい、でもイヤなことに、僕はそこでもしゃべれない。同級生は目の前で彼女とチークダンスするし。僕は壁の花笑。んもう嫌んなっちゃうね、根性なし笑。
辰巳:わざわざ誘ってくださって再会したのに?それで終わっちゃったんですか?
中山:その日は終わり。後日談はずいぶんと後です。
金子由香利「再会」(1981年)
https://www.youtube.com/watch?v=JKO3918bVF8/
辰巳:ちゃんと聴いたの初めてですけどいい歌ですねぇ。松尾和子さんの曲かと思ったんですけど。
中山:でもこの再会を契機に、向こうの家族とうちの家族の付き合いが始まったんですよ。「一言もしゃべらない僕」の初恋の人と、今は家族ぐるみでご飯食べたりするようになりました。歌の歌詞とは違いますけど、僕にとっては最高の思い出、幸せです笑。
辰巳:いい話ですね。再会したのが30代半ばでしょ?それから30年以上のお付き合い?
中山:彼女に子供は3人いて、その子供たちとも飲みますし、ご主人はDr.で僕の主治医でもあるし。だから今はもう2家族がぐちゃぐちゃになってます笑。
辰巳;それに関してストロング雅子さん(←中山さんの奥様)はなんと?
中山:もう知ってますから。そういう話はわりとするんです。「一言もしゃべったことなかったけど、お気に入りの人がいたんだよ」とかね。
辰巳:中山さんには毎回お面白い話があって、聞きながらワイン飲むとまた味わいが変わってきますよね〜。例えば今日のオレンジワインも、このほろ苦さみたいのがなんーか「この再会目指してたのか?」とかね笑。
中山:ほろ苦いという意味ではそうかもしれない。でも「でもアンタと一緒にならなくてよかったよね」ってのもあるんですよ。今でも一緒にゴルフしたり仲良くはしてるんですけど、初恋の人とは結婚は無理だったよな〜。
辰巳:どのあたりが?
中山:なんかね、金銭感覚とか、美意識みたいなものとか、ビミョ〜に違うんです。
辰巳:そりゃみんなそうでしょ?じゃぁストロング雅子さんとはバッチリ合う?
中山:バッチリとは言いませんが概ね。ストロング雅子が80%なら初恋は60%とか。結局はビミョ〜笑。
辰巳:いやでもすごいな、この家族ぐるみの付き合い。みなさんワインはお好きなんですか?
中山:僕のワイナリーも家族で応援してくれてます。そしてよく飲みます笑。
辰巳:ここはほんとに素晴らしいワイナリー。
中山:学生時代しゃべらない(しゃべっちゃいけない)時期もあったんですけど、今は小中高の同窓会長もやってるし。そういう意味では、ワイナリーを始めた時に、友人知人地元の人、1200人のサポーターが集まってくれたんです。第2次は400人。今だにいてくれて僕は幸せですね。
辰巳:だってワイナリーを始めようと思ったのが67歳でしょ?まずそれがビックリ!
中山:「オマエばーかかっ!?幾つだ?」っと100人ほどに言われましたけど、実際始めたらその100人ほどが一頭最初に応援団になってくれました。
辰巳:設備もすごくて、タンクもかなりおっきぃし、、、すごい投資ですよね。畑は?
中山:今は15ヘクタール、ブドウは白赤で42500本の樹を植えてます。でもまだ植えて4年なので3割しかワインにはなってないです。
辰巳:今日は時間になってしまいました。あと1回ありますんで、女性の話だけじゃなく来週はワイナリーの話をしましょう笑笑。
全員:ありがとうございました!!!
「ドメーヌ・ボー(トレボー株式会社)」
https://tresbeau.co.jp/domaine-beau//
収録会場:エネコ東京
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年10月24日放送回
- ワイナリー
「ドメーヌ・ボー(トレボー株式会社)」
https://tresbeau.co.jp/domaine-beau//- 収録会場
ENEKO Tokyo
https://eneko.tokyo/jp/