プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年10月17日OA

2020年7月から始まった*ラジオ番組「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」。2024年7月放送分から『**プリオホールディングス提供』になりました。引き続きお楽しみください。
(*Tokyo Star Radio:https://775fm.com/ **プリオホールディングス:https://prior.co.jp/
2024年10月のゲストは富山県南砺市「トレボー株式会社」の代表取締役社長 中山安治(やすはる)さんです。
東京の大学卒業後は地元に戻って酒販店を営んでいた中山さん。売り上げが落ち込んだ時「売りまくるのではなく”伝道師”になろう」。と思い立ったことがワイナリー設立のきっかけに?(全5回 3回目)

辰巳:10月3回目。今月のお客様は富山県南砺市「ドメーヌ・ボー」代表、中山安治さんです。

中山:よろしくお願いします!

辰巳:ここを立ち上げる前まではずっと酒屋さんを経営されていたそうですが?

中山:そうです。「中安酒販」笑。

辰巳:学生結婚をして(奥様のご実家の都内の酒販店に取り込まれない策として)、富山に帰ってくるよう仕向けた父上が準備しておいた酒屋さん。そっから今の会社の社長ですよ。すごいです。

中山:まぁ(その頃は)お酒も飲めないし酒屋なんてしたこともない。あの頃実は5年以上の経験がないと、酒の販売免許が降りなかったんです。なんですけど、1浪してた時も含め、その後の学生時代も4年間ずっと女房の酒屋にいたことになっていて笑、代表(奥様のお父様)が、「この優秀な社員なら娘を嫁にやってもいい」と。そういうストーリーを無理矢理こしらえて、当時の仲間や、その義理の父に応援いただいて地元の税務署からOKもらいました笑。

辰巳:すごい奇跡的展開!笑。向こうのお父さんからは「継げ」とは言われなかったんですか?

中山:ぁ、女房は4人姉妹で長女のお婿さんが後継してたんです。だからその必要はなかった。そういう意味では自由で、サラリーマンしようかなぁと思って大学の先輩の会計事務所も決まってたんですけど、父の策略にハマり・・・。

辰巳:ストロング雅子さん(←お酒がめっぽう強い奥様)からはかなり抵抗あったんじゃないですか?

中山:いや、逆。ぼくは東京に残りたい、ストロング雅子は「私は田舎がいい」と。

辰巳:ぇ、そうなんですか?なぜ?

中山:う〜ん、わかりませんけど、ゴチャゴチャした東京よりも、田んぼや立山が見えて、花が咲き爽やかな風が吹くここが大好きなそうなんです。僕はそこで育ったので珍しくもなんともないし、ビルのほうがいい笑、’シチィボーイ’になりたい爆。
女房が富山に行きたいというので、僕としては泣く泣く・・・。これも神様の采配というか、”酒も飲めない教員の息子が酒屋をやった”っていう意味が、後になってちょっとずつ見えてくるんです。例えば、素晴らしいワインに出会った時に「本物しか売らない」とか言い出すわけですよねワタシ。「(商売抜きにして)本物のワインの価値を伝えることが僕の使命」だと思ったわけです。で、一生懸命売って富山県で一番売れてる酒屋さんになりました。
サザエさんのサブちゃん(三河屋の御用聞)7人ぐらいで回ってね。
ところが、その後の安売りと免許の自由化で一気にアウト!それで「酒売るのはもうアカン、お酒の魅力を伝える伝道師になろう」。とヒョンに思ったんですよ。教員の息子だからかどうかはわからないですけど、皆さんに教えたり伝えたえりするほうが、僕の性には合ってるんかなと。

辰巳:それが40ぐらいの頃?

中山:そうです、40過ぎぐらい。そうやってったら逆によく売れるようになったんですよ。

辰巳:はぁぁ、ようできてるもんで。それが商売の王道といったら王道かもしれませんが。

中山:「買ってくれ!」とお客に言うと逃げていくけど、逆に情報をいっぱい持ってると「聞きたい」ってくる人がいて、しゃべってるうちに買ってくれる。どんどん売れていきました。

辰巳:そのあとのワイン造りに入るんですね。でもその前にまずはワインを飲んでからにしましょう。

中山:あーそうか笑。

辰巳:これは、ブラン・ド・ノワール?

中山:ですね。Hensin。ピノ・ノワールを赤から白に変えるから(変身)。

辰巳:この名前は社長がつけられたんですか?

中山:はい、”へんし〜ん”って(←仮面ライダーですかね?)

辰巳:ぇ、だってその世代じゃないでしょ?

中山:まぁ息子世代か。でもこの名前は皆さんにも気に入ってもらえる名前だろうと笑。

辰巳:では乾杯しましょう!

全員:カンパ〜イ🎶

【ドメーヌ・ボー Hensin 2022】

参考サイト
https://www.amazon.co.jp/ノーブランド品-日本ワイン-富山%EF%BC%8Fドメーヌ・ボー-ヘンシン-750ml-e/dp/B0DMJFW4XG/ref=sr_1_1?camp=247&creative=1211&dib=eyJ2IjoiMSJ9.mTyQGuuNxs6_l969QXgC0gH-hMnUkTQKWohWd8saPKnM4QvwvSoJaczvTDDnzhNzFLsdjvnIcY_EGoBZdBPPIiTJGCqk8Ai0HsANAgO5VDbSjbOkNECizt_l2tx8co0HHmitQdvonpex0SzhFbIqTfUqYZ8icMU1J71n4yIc-cO_QBIXaI7vMXxp8zE0d17V_PmCMBcPGYiCvNo6P8vucVAdH7UqKezpttNmq2ti9XA.AyGwnclDbvoaqtTOdLTp_SkvTNeooBY9J5FXgP-1XSM&dib_tag=se&keywords=ドメーヌボー+ヘンシン+ピノ・ノワール&linkCode=ur2&qid=1736115908&s=food-beverage&sr=1-1/

中山:やはり、シャルドネやソーヴィニョン・ブランのような白ブドウから造るようなワインは、爽やかで綺麗な酸が出て心地よい白ワインになるんですが、黒ブドウで造る白ワインってのは、やはりどこかに黒ブドウのタニックな感じというかエグ味のようなものを持ってます。

辰巳:これ酸味がキリッとしてるからバランスがとってもいいなと思います。

中山:’こうなるんじゃないかな仮説’を立てたんですけど、ほぼほぼうまくいったなと思います。

辰巳:はい、今日もプリオホールディングスの総料理長、井村貢シェフに同席いただいておりますが、まずはこのワインどうですか?

井村:すごいキリッとしてて、でもすごい優しさを感じました。

辰巳:乱暴な言い方をすると、黒ブドウからできるちょっとガス圧が弱い感じのタイプのシャンパーニュにも思えますよね。これに合わせたお料理は?

井村:マグロのタルタルです。パプリカのソースと、八王子のニンニクを使ったエスプーマのソースを合わせてみました。

【まぐろのタルタル 小比企町のにんにくのエスプーマ】

辰巳:白っぽいクリーミーなソースとオレンジのソースですね。赤いパプリカの香りがすごくします。

井村:ワインが進むんじゃないかなぁっていう味を想像しながら作ってみたんですけど。

辰巳:ワインの味が変わりました。

中山:感激します。僕らこうやって丁寧に出来ているお料理とワインを合わせるってことがなかなかチャンスがないので。

辰巳:でもだって、富山も食の宝庫じゃないですかー。

中山:地元のワインと、地元のお寿司を合わせたりとかは日常的にしてますけど、洋食にきちんと合わせた今回は非常に感激しています。洋食であればボルドー、ブルゴーニュ、南仏・・・。でも今日井村さんが作ってくれたお料理は、日本ワインにも馴染んでくれる。ちょっと嬉しいです。

井村:ありがとうございます、作り甲斐あります!

辰巳:いや、喜んでくださってなによりです。でもこれを召し上がりながらリクエスト曲を聴きましょう。今日は何を?

中山:「エーデルワイス」。この「サウンドオブミュージック」の中でも好きなのは、特にジュリー・アンドリュースさんの綺麗な歌声。「王様と私」でも歌ってるけど、別格に美しい!ま、エールワイスは彼女が歌ってるわけじゃない(←トラップ大佐)けど、聞いてるとなんかほろっとする。

辰巳:実は僕舞台でトラップ大佐を演ったことがあって、ちょっと思い入れあるんですよ。大好きな歌です。

「Edelweiss」(映画「サウンド・オブ・ミュージック」より 1965年)
https://www.youtube.com/watch?v=lJG3Vw8uIro/

辰巳:この映画は1965年、昭和40年ですけどその頃は?

中山:中学3年ですね。

辰巳:当時ご覧になってました?

中山:映画観たのはもっと後です。高校時代はラグビー部と映画研究部という部活を2つやっていて、

辰巳:映画研究部は初めて知りました。そこでは女の子と喋れてたんじゃないですか?(←ラグビー部は女子との会話禁止)

中山:学校サボって映画館に独りで観に行くと、隣にオバさんがちょこんと座ってて「アンタ高岡高校だよね?」って。あの頃の長髪OKは僕らの高校だけだったのですぐにバレる。補導されて翌日学校行くと教員室呼ばれてしこたま叱られるという。

辰巳:ぇ、映画観に行っちゃダメだったの?

中山:っていうか、授業中爆。

辰巳:僕も中学の頃よく観に行ってましたけど、平均テストが午前中で終わって午後から行くみたいな。

中山:出来る人はそうだけど、あんまり勉強しない人は授業が嫌で(午前中から)映画行くんです笑。いっぱい観ました。「ベンハー」とか好きでした。映画研究部に入ると映画が100円安く観られるという・・・なんか話がセコいですね笑。でもあの頃は鑑賞額が400円ぐらいで、その100円安いって25%オフ、大きいです。

辰巳:僕も大阪の2番館3番館で300〜400円。そんな時代でした。

辰巳:そうそうそういえば。ドメーヌ・ボーが謳っている身土不二(しんどふじ)っていう言葉。これは?

中山:体と土は 例えば、雨と風とか寒暖差とか土とかっていうのは、実は僕らのブドウを作ってる所、いわゆるテロワールですね。そこと同じところでできる野菜、同じ雨が集まって川になって海に流れていく間に川の魚、海の魚、、、みんな同じ気象条件を共有してるんです。そういう条件を共にしてできた食べ物を食べていれば、地元の人は健康に暮らせる。っていうのが身土不二(しんどふじ)。
そういった意味で、今我々がやろうとしてるのは「富山のテロワールを無理していじらずに、そのまま生かしてワインを造る」。そこでできたお野菜と、そこの川と海で採れた魚、そこで生えた草を喰む牛。うちの裏に肉牛の牛舎があるんですけど、そこのお肉もうちのワインと合うと。同じテロワールで育った食材は必ず合う。それは作ってみて思った、「確かにそうだ」。

辰巳:最初は「身土不二」という言葉ありき?

中山:いや、そこまで意識はしてなかったです。

辰巳:「地産地消」という言葉は聞きますけどね。

井村:やっぱり同じテロワールで、”同じ土の香りを持ってるものを合わせる”ってのはフランス料理の考え方もありますね。「テロワール」という言葉自体がそうだし、「ガストロノミー」もそう。

辰巳:イタリアから出てきた「スローフード(運動)」なんでしょうけど、『人間は自然の一部』。それが強い気がしますよね。「人間は食べてるものでできてる」。ワインやってるとだんだんそういう考え方に行き着くんでしょうねぇ。このワイナリーのパンフレットにもこの「身土不二」という言葉がきちっと出てきてます。

中山:はい、大切にしてます。ヨーロッパのワインに似せるとか、カリフォルニアのワインに近づけようとか、そういう意識はまったくないんです。「地元のテロワールで最良のワインを造る」。しかもなるだけリーズナブルな料金で皆さんに飲んでいただく。

辰巳:いずれそうなるといいと思います。

中山:がんばりますっ!

辰巳:すごい素敵なワイナリーなんでみなさんぜひ訪問してみてください。また来週もよろしくお願いします!

全員:ありがとうございました!!!

「ドメーヌ・ボー(トレボー株式会社)」
https://tresbeau.co.jp/domaine-beau//

収録会場:エネコ東京

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年10月17日放送回

ワイナリー

「ドメーヌ・ボー(トレボー株式会社)」
https://tresbeau.co.jp/domaine-beau//

収録会場

ENEKO Tokyo
https://eneko.tokyo/jp/

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