2020年7月から始まった*ラジオ番組「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」。2024年7月放送分から『**プリオホールディングス提供』になりました。引き続きお楽しみください。
(*Tokyo Star Radio:https://775fm.com/ **プリオホールディングス:https://prior.co.jp/)
2024年10月のゲストは富山県南砺市「トレボー株式会社」の代表取締役社長 中山安治(やすはる)さんです。
(1964年の)東京オリンピックを生で観戦してたり学生結婚してたり、、、中山さん、なんかすごいです。
(全5回 1回目)
辰巳:10月になりました。すっかり涼しくなって、寝冷えなのかなぁ、ちょっと鼻声になってしまいました。もう薄い布団はダメですね。そんな季節になってきました。さ、今月のお客様をご紹介します。富山県南砺市からお越しくださいました「トレボー株式会社」の中山安治社長です。
トレボー株式会社・・・「とっても美しい会社」、トレビア〜ンですね🇫🇷。そしてワイナリーの名前は「ドメーヌ・ボー」。なんで名前別々なんですか?
中山:ワイナリーは「ドメーヌ・ボー」ですけど、「トレボー」のほうは、地元の地域が過疎化してるので、ブドウ園をやるとか公園作る、皆さんが集えるカフェを作る、、、要は地域貢献、ワイナリー以外の事業をしたかったので(立ち上げました)。
辰巳:地域起こしをしたかったんですね。
中山:そういうことです。それをやるのが「トレボー」で、ワイナリーをやるのが「ドメーヌ・ボー」なんです。
辰巳:なるほど。「ドメーヌ・ボー」のほうはもう6年ぐらいになります?
中山:ブドウを植えたのが2019年ですから、6年目、建物ができたのが2020年で5年。
辰巳:醸造始めて5年、じゃ今5回目の仕込みの真っ最中?
中山:そうです。
辰巳:そんなお忙しいところお越しいただきありがとうございます。そしていつも通り、プリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。
井村:よろしくお願いします!
辰巳:では乾杯しましょう!今日は白ワインです。
全員:カンパ〜イ🎶
【立野原ゲヴェルツトラミネール&リースリング 2023】
https://domaine-beau.shop/items/66274650808e2c031cc16a82/
辰巳:「Tatenogahara」。う〜ん、いい香りですねぇ。これはどんなワインでしょうか?
中山:これは立野原のゲヴェルツトラミネールとリースリングの混醸ですね。
辰巳:ゲヴェルツもリースリングも育ててるんですねぇ。
中山:まだ始めたばかりなので量はそんなに獲れないんですよね。ブドウの樹は4年目(ゲヴェルツ)と3年目(リースリング)です。ゲヴェルツの方はわりと甘くはなったんですが酸の落ちが早かったんで、まだ酸が残ってるリースリングを早摘みしまして下支えする形で加えました。
辰巳:混醸の割合は?
中山:[2:1=ゲヴェルツ:リースリング]です。
井村:ゲヴェルツとリースリングうまーく混ざり合って、コクもあるしスッキリした酸もあるし。すごくクリアな味です。美味しいです!
辰巳:アロマティックな部分もあるし締まってもいるし。こういうのは中山さんがアイディアを出す?それとも醸造家に任せる?
中山:方向については僕が決めます。その僕の頭の中にあるイメージを醸造家がいい形にしてくてれます。
辰巳:醸造担当はどなたですか?
中山:松倉(一矢)と言います。元々は日本酒を10年造ってましたから、アルコール発酵というか醸造に関してはなかなかの腕前だと思いますよ。
辰巳:越中、「おわら風の盆」の、
中山:福鶴酒造で10年。
辰巳:彼はなぜワイナリーに入ってきたんですか?「ワインの方が簡単だろう」と?
中山:笑。日本酒を造る技術というのは世界でもいちばん難しいと言われてます。日本酒造ってた時も”越後流”のお酒を造りだったので、彼に頼めばキレイなお酒を造ってくれるんじゃないかと。なんせ「トレボー」ですから笑、美しいワインを造ってくれるんじゃないかと思って来てもらいました。
辰巳:今松倉さんはおいくつ?
中山:40歳になりました。
辰巳:ワイナリーにお邪魔したのは2年前かな?まだ30代でしたね。若い醸造家が出てきて頑張って欲しいなーと思ってましたけどね。
辰巳:このワイン、「Tateogahara」ってのが地域のブランドでその中の”ゲヴェルツ&リースリング”ってことですよね?
中山:そうです。
辰巳:シェフ、こちらに合わせたお料理はなんでしょうか?
井村:八王子の中西ファームのコリンキーというカボチャを使ったヴルーテ、というか、今日はパリソワール仕立て。下がコンソメ、上がコリンキーのヴルーテになっていてます。ワインが”ゲヴェルツとリースリングの混醸”ということで(二層で)合わせてみました。
【中西ファームのコリンキーのヴルーテ】
辰巳:いただきます!コリンキーってカボチャにしてはあんまり甘味ないじゃないですか。これは何か甘み足してるんですか?
井村:今回は玉ねぎに助けてもらってます。このコンソメは鶏。アクセントにはオレンジとグレープフルーツのサラダを添えてあります。
辰巳:うん、このワイン、この料理を合わせることによって厚みが増す気がします。
井村:なんか不思議にワインの香りがフヮっと立つような気がします。
中山:こんな風にお料理と合わせてもらうと、自分のワインがイキイキしてる感じがしますね。嬉しいです♡
辰巳:なんか世界観が広がりますよね?このワインはおいくらですか?
中山:4950円(税込)です。
辰巳:うーん、どうしても日本で自社畑でやると高くなっちゃいますねー。
中山:はい。ただ我々が少し大きめのサイズのワイナリーにしたのは、”日本のワインは高い”というイメージをどっかで払拭したいっていう思いがあって、買いブドウなんですけど、今年は1800円というワインをリリースしたんです。
辰巳:い〜〜〜い!👏
中山:今年から自社の畑だけになりますから、将来的には収量制限せずにある程度の収量を見込んで、このシリーズも続けたいと思ってます。高級なワインもいいんですけど、日常的に飲めるのも大切にしたいな。
辰巳:このあたりがやっぱり経営者。っていうか中山さんは元々が酒販店を50年やっていらした。
中山:そのうちワインは30年売ってました。
辰巳:だから消費者とはずっと触れ合ってたんですよね?ワインオタクじゃない、ちゃんと売ってた方が始めたワイナリーってことで、ちょっと独特な切り口。これから期待してるんですけど。その1800円のワインってのはどんなワインですか?
中山:「アント(Anto)」っていうんですけど、別に南砺市(なんとし)にかけてるわけじゃないんですけど。実は南砺市の子供達の方言で「ありがとう」のことを「あんと」って言うんですよ。このシリーズは赤と白があります。
辰巳:ロゼはないんですか?
中山:ないんです。
辰巳:売れにくいのわかってるから?笑。今回はその「アント」はおもちいただいてない?
中山:すいません、先週リリースしたばかりなもんですから。
辰巳:では次回楽しみにしてます!ではここでリクエスト曲をお聞きしたいと思います。今日は何を?
中山:ディーン・マーチンの「エブリバディラヴズサンバディ」
辰巳:あれですか?笑。
中山:あれです笑。
辰巳:よく歌われるんですか?
中山:大学時代にJAZZ研かじってたんで、こんな感じは好きなんです。
辰巳:ではお聴きいただきましょう。
Dean Martin「Everybody Loves Somebody(誰かが誰かを愛してる)」(1964年)
https://www.youtube.com/watch?v=JO3ULz1MoU0/
辰巳:「誰かが誰かを愛してる」。こういう感じ懐かしくていいですねぇ。今調べたら昭和39年の歌でした。そのときはおいくつでした?
中山:中学2年です。
辰巳:東京オリンピックの年ですよ(←最初のね)。僕はまだ幼稚園の年中さんぐらい。
中山:その中学2年の時に、学校で10人だけ選ばれてオリンピック観に東京連れてってもらったんですよ。
辰巳:えっ!?へぇぇぇ😲それは優等生だったから?学級委員してたりとか?
中山:まぁそんなのだったり運動はいろいろしてたりはしてましたけど。
辰巳:東京オリンピックは本当に観たんですねっ?
中山:国立競技場の高いところからサッカーを見せてもらったんですけど、ゴマみたいなサイズの小さい選手笑。だから「やっぱりテレビがいいな」笑。
辰巳:確かにそうですね。でも雰囲気は独特ですからね。ってことは1950年生まれ?
中山:はい。あの時からカラーテレビでした。
辰巳:オリンピックでだいぶ普及したんですよね。うちも多分その頃からカラーテレビ入った気がしますね。そうかぁ、いわゆる団塊の世代。
中山:、の後半ですね、最後の最後。
辰巳:日本の経済成長を担ってきた世代。子供の頃は元々何になりたかったとかあるんですか?
中山:両親が教員だったんで、教師になるつもりではいました。小学校中学校をやりたかったんですけど、大学を一回コケたんですね。そしたら父が「大学を現役で受からないヤツは教師になる資格なし!」笑笑。
辰巳:難しいとこ受けたんじゃないですか、東大とか?
中山:笑、まぁまぁ、東大の教育学部はあったかな。そんなわけで教員はやめようと。でも数学はちょっと好きだったので会計学で中央大学の商学部に行きました。
辰巳:会計士とかを目指して?
中山:はい、真面目に勉強してました。ところが。。。21歳で学生結婚をしてしまい・・・。一浪して大学3年にはもう結婚してました。
辰巳:すごいですねぇ。な、なんでっ?昔からモテた?
中山:笑、モテるわけがないんですけど、
辰巳:子供ができちゃったとか?笑
中山:それもなく。でもやっぱ田舎の子はなんかウブで、、、
辰巳:ちなみにその結婚された方は今の奥さんですよね?笑。
中山:そうです、残念ながら笑笑。後で問題起きませんように✝️
辰巳:大学で東京に出てきて?
中山:彼女は1年先輩、僕浪人してますから(←年はいっしょ)。で彼女は明治大学で僕は中央。昔は聖橋挟んで隣同士だったんで、その辺でチョロチョロと顔合わせたりがあったんです。それでなんとな〜くいい雰囲気、で結婚したと。
辰巳:いい雰囲気はいいんですけど、それで「すぐ結婚しよう」ってなるのはちょっとビックリ。東京で独りでいるのが寂しかったとか?笑。
中山:かもしれません。でもそれよりも、んー、なんか一緒にいると気分いいんすよねぇ。だったら「このまま24時間一緒にいりゃいいじゃねぇか」。その程度の感覚。
辰巳:その前に何人かお付き合いしたことは?
中山:ゼロなんです😲。高校時代はラグビー部で、あの頃は女性の生徒としゃべると体育館の地下に呼ばれて先輩からぶん殴られるんですよ。なのでー、3年間女子としゃべったことはゼロ。
辰巳:高岡高校っていったら富山県でも進学校のトップクラスですよね?
中山:でもねー、元々旧制中学であのころはバンカラだった。ですから大学行った時に「目の前に女性がいるなんて、しゃべれるなんて♡」。
辰巳:高校時代にも女性はいっぱいいたけどしゃべれなかったと?
中山:想像つきませんでしょ?だから当時の同級生は今の”よくしゃべる僕”を見て「オマエどうなっとる?」爆。
辰巳:ちゃんと女性と話すようになったのは大学に入って初めてってこと?
中山:はいはい。小中学校の時もなんとなくそんな感じでした。しゃべらないって決めてたわけじゃないんだけど、しゃべることにあまり興味はなかったから。
辰巳:大学入って初めてしゃべった女の子が奥さんだった?
中山:はいっ!
辰巳:!!! ホントに!?
中山:あのころは学生運動がありまして。東京大学の入試のない年(1969年)でした。でも僕は超ノンポリでJAZZ研でドラムやってたし、女房もその系統。何かの縁で「お茶飲も」って言われて。あの頃は僕髪の毛肩まであったんですよ、気持ち悪いね爆。
辰巳:「僕の髪が肩まで伸びて♪(by拓郎)」ですね。ベルボトムも履いて?
中山:はい、で、「お茶飲も」って言われて、でもその時実はお酒もコーヒーも飲んだことがなかった。でも喫茶店に連れてってもらったら、彼女(奥さん)はタバコ吸ってビール飲んでるんですよ〜爆。メニュー見たら「ミルク」ってのがあったんで頼んだんですよ。そしたらあったかい牛乳が出てきた爆。「東京はあったかい牛乳をミルクって言うんだ」爆。
辰巳:大学入ってすぐですよね?それで奥さん、中山さんのドコがナンでアレだったんですか?笑笑。いろんなひとに「お茶飲も」って声かけてたのか、中山さんを「この人だ」って思えたのか?
中山:面白そうに思えたんじゃないですか笑。しゃべったらスレてないのが見える、”面白い田舎のおにぃちゃん”っていう感じ。
辰巳:「その朴訥さが新鮮♡」とか笑。その辺のお話を今度奥様にお会いして聞いてみたいです。なんだか初回からワインの話あんまりしてないですが、あと4回ありますので次回以降お聞きしたいと思います。
全員:ありがとうございました!!!
「ドメーヌ・ボー(トレボー株式会社)」
https://tresbeau.co.jp/domaine-beau//
収録会場:エネコ東京
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年10月3日放送回
- ワイナリー
「ドメーヌ・ボー(トレボー株式会社)」
https://tresbeau.co.jp/domaine-beau//- 収録会場
ENEKO Tokyo
https://eneko.tokyo/jp/