2020年7月から始まった*ラジオ番組「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」。2024年7月放送分から『**プリオホールディングス提供』になりました。引き続きお楽しみください。
(*Tokyo Star Radio:https://775fm.com/ **プリオホールディングス:https://prior.co.jp/)
2024年9月のゲストは山形県の「ウッディファーム&ワイナリー」代表取締役の木村義廣さんです。
最終回はカベルネ・ソーヴィニヨンで乾杯!子供の頃から農業をやりたかった木村さん。そのDNAを受け継いだ娘さんが3代目に就任します。
(全4回 4回目)
辰巳:9月最後の放送です。ゲストは山形県上山市からお越しくださいました「ウッディファーム&ワイナリー」の木村義廣社長です。調子が出てきたと思ったらもう最終回。どうもヒッピーのイメージが頭から離れなくて笑。
そしてプリオホールディングスの総料理長、井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:まずは乾杯しましょう。今日は赤ワインです。
全員:カンパ〜イ🎶
【プライベートリザーブ カベルネ・ソーヴィニョン 2020】
https://www.woodyfarmonline.jp/product-page/ギフト-プライベートリザーブ-カベルネ-ソーヴィニヨン-被せ箱入り/
辰巳:カベルネ・ソーヴィニヨンですね。プライベートリザーブ2020年。’国際品種’にはうるさいフレンチのシェフ、この日本のカベルネどうですか?
井村:ラジオなんで細かく言わなきゃいけないところなんですけど、一言で言うと”美味しい♡”。濃厚と言いますか、プラムとかのドライフルーツひとくちパッと食べた時の感じがします。でもフランスのカベルネに比べるとソフトに感じます。
辰巳:果実味やタンニンに比べたら及ばないものの、最近言われ始めてる、ちょっと出汁系の香りもします。日本人の料理に合うカベルネなんだなぁと思いますね。このカベルネの樹齢は何年ぐらいなんですか?
木村:まだ若い、3〜4年かな。
辰巳:だから優しい感じがするのかな。もっと古い樹もあるんでしょ?
木村:古いのはもう伐採してしまいました。ほかに義男カベルネっていう父親の名前がついたカベルネがあって2019年にリリースしたんですけど、これはまた来年リリースします。
辰巳:これはまだ飲んだことがない。今度ちゃんと買いますから送ってください。何本ぐらい造ってるんですか?
木村:1000本。
辰巳:元々はサントネージュさんやサントリーさんなんかの大手にブドウを作って卸している傍で、さくらんぼやラフランスを作ってたそうですが、ブドウ栽培の割合はどれぐらいだったんですか?
木村:今ワイン用ブドウ畑の面積は9.5ヘクタールで果樹園は4ヘクタール。かつては果樹園として6ヘクタールぐらいあったんですけど、徐々にブドウ畑に戻しました。
辰巳:さくらんぼやラフランスの樹を抜いて?
木村:そうです。
辰巳:さくらんぼやラフランスの方が儲かるでしょうに?
木村:儲かるかもしませんけど手間暇もかかる。ワイナリーと果樹園の売り上げはコロナ前までは半々ぐらいでしたけど、今はワインの方が少し多い、6割ぐらいかな。
辰巳:そうですか。いろいろ面白いワインが出てますが、その中でもこのカベルネ・ソーヴィニヨンは大事にしてるワインの一つですよね?カベルネは日本中で作ってますけど、山形のカベルネすごくいいと思います。
木村:ありがとうございます。上山のテロワールに合う、適地なのかなって思ってます。
辰巳:上山ってね、雨も少なくて寒暖差も激しくて。昔は夏いちばん暑いのは山形でしたよね?最近はいろんな土地で最高気温が更新されてますけど、以前は山形だった覚えがあります。
木村:冬のフェーン現象ですね。
辰巳:そう言う意味でのウッディファームさんの確固とした地位、しかもワインのポートフォリオというかアイテムが面白い。
木村:そう言っていただけるとありがたいです。
辰巳:今日は先に曲聴きましょうか?何にします?
木村:井上陽水さんの「少年時代」を。
井上陽水「少年時代」(1990年)
https://www.youtube.com/watch?v=dNS4rE2dKJA/
辰巳:どうして今日は少年時代?
木村:少年の日に垣間見た思いが今出来つつある、毎日そんな気持ちで畑に出ているから。
辰巳:どんな少年だったんですか?
木村:子供の頃から「農業で豊かになりたい」と思ってました。
辰巳:そうなんですね。どういう生活だったんですか?
木村:親父の働きぶり見てました。農業でもっといろいろできるんじゃないかな、という思いはずっとあって。「農業を事業化したい」、その中に人の豊かさがあるんじゃないかとぼんやりと思ってました。
辰巳:今豊かですか?笑。
木村:豊かって、、、忙しいのってのが今いちばんです笑、でも苦痛じゃなくてね。次々に新しいことにチャレンジする、ワクワクしながらやってます。
辰巳:そういう気持ちって大事なんですよね〜。シェフはワクワクしてますか?
井村:毎日ワクワク。ずっと料理やってますけど、ぜんぜん飽きない。一回も辞めたいと思ったことないす。我が道突き進んでます。
辰巳:ちょっとお料理の紹介が遅くなってしまいましたが、今日は何でしょう?。
井村:鶏肉にパプリカやピーマンの夏野菜を挟み込んでロール状にして焼いたもの(ルーロー)をシェリービネガーのソースで。
【若鶏もも肉と夏野菜のルーロー キャビアドオーベルジーヌ添え】
辰巳:なんかハーブの香りがしますけど?
井村:ワインの香りに合わせてタイムとクミンを仕込んであります。
辰巳:木村さんは普段から飲むのはやっぱりワインですか?昔は熊本の焼酎の六調子とか飲んでたと聞きましたけど。
木村:ジャックダニエルみたいなバーボンもけっこう飲んでて好きでしたけど、今はワイン一筋で他何も飲んでません、ビールも飲みませんし。いちばん体調が整うね、っと自分では思ってます。
辰巳:海外のも含めて他のワイナリーのワインも飲むんですか?
木村:飲みますよ、そんなにたくさんじゃないけど。
辰巳:「このワインいいな」ってのはありましたか?今後参考にしようかな、とか?
木村:それはあんまりないですね。みんなそれぞれ土地の味なので、何処かを真似ようとかしないようには極力してます。
辰巳:今の醸造家の金原(勇人)さんはまだ若いんでしょ、30代?
木村:そうです。
辰巳:ワイナリーからのメルマガも彼が発信してると思うんですけど、職人的でものすごく細かい。
木村:彼は職人ですね。
辰巳:トライアルバッチやってるのも彼ですよね。さっきちらっと聞いたら、彼もそろそろ自分のワイナリーを持つとか?
木村:そうです。来年の4月から準備に入るということで。
辰巳:ってことはウッディファームの今シーズンの醸造が最後?
木村:そうです。
辰巳:ワイナリーはどこに作るんですか?
木村:上山。まずは畑と。できるだけ買いブドウではなくね。
辰巳:醸造はウッディファームでやると?
木村:いや、うちはもうスペースが目一杯だってのが分かってますので、新しく作ると思います。畑もこれから探すので来年はまだ無理だと思いますけど。
辰巳:彼は元々醸造家ではないでしょ?
木村:東京で日本酒の営業やってました。
辰巳:でも大事なのは、今木村社長が2代目。この先3代目はどうなるのか、ウッディファームはどうなるのか?もう発表してるんですか?
木村:はい、一応してます。東京で別の仕事をしていた次女が、私の後を継いでワイナリーをやっていくっていうことで、2015年にフランスに渡りまして、
辰巳:そのころから継ぐってなってたんですか?
木村:そうです。その前はオークション会社のキュレーターで、パリやニューヨーク行って(美術品の)入札なんかやってたんですけど。
辰巳:芸大出たのは?
木村:それは長女。
辰巳:今実家にいてワイナリー仕切ってる彼女?
木村:そうです。木村風音(かざね)といいます。今度醸造家になる次女は木村花鈴(かりん)。
井村:可愛らしい♡
辰巳:その名前は木村さんがつけたんですか?
木村:はい、私です。
辰巳:そういえば奥さんの話ぜんぜん聞いてなかった。
木村:どちらかというと地元であまり表に出ないというか・・・。
辰巳:お名前は?
木村:京子です。
辰巳:「なのにあなたは京都に行くの?」の京子ですね笑。
木村:次女(風音さん)が同志社(大学)でした。
辰巳:経済?
木村:そうじゃないですね、変わってましたから。哲学的なこと。美学(芸術学科)ってあるでしょ?あそこ。それから卒業してキュレーターやったりして。でも次女も元々は農業が好きだったんですよ。高校の時に「後継がせてくれ」って言われたんです。でも「それはやめてくれ」と。
辰巳:高校時代ってことはまだワイナリーになる前ですね。
木村:はい、まだ農家でした。
辰巳:彼女が”ワイナリーを作りたい”という気持ちがあって、お父さん(木村さん)が刺激されたってわけじゃないんですか?
木村:そりゃぜんぜんない。僕がやりたいからやってるだけ、それは間違いないです。
辰巳:お嬢さんが農業継ぎたいと言ってるうちにワイナリーになって、いつの間にかワインの方が主力になった。それに関しては?
木村:喜んでるとは思いますよ。だから2015年に手を挙げてフランスに行った。ブルゴーニュ大学の修士までいって、DNOという日本ではまだ10人ぐらいしか取得者のいないタイトルを獲りました。
辰巳:よくはわからないんですけど学位?
木村:(ワイン醸造の)国家資格。
辰巳:!!!タケダワイナリーの岸平典子ちゃんに対抗して?笑。彼女もブルゴーニュで勉強して、お兄さんが亡くなられた後継ましたけど。ワイナリー同士は仲がいいんですか?
木村:そうですね、交流はしてますよ。(重信さんからは)教えをいろいろといただいてますから。
辰巳:後をちゃんと継いでくれる人がいるのはほんっとに嬉しいですよね?
木村:ですね。こうなるとは思ってなかったので。それぞれ好き勝手にやってくれればいいと思ってたんですけど、いつの間にかみんな”やる”と。
辰巳:花鈴さん(長女)は別のことされてたんでしょ?
木村:写真学科。頭が悪かったもんだから他に行くとこなくて笑。海外にもあちこち行ってたみたいなんだけど、自分で才能ないと思ったのかな?笑、帰ってきました、海外で知り合った男連れてきて笑笑。
辰巳:外国人?
木村:いや、日本人ですよ。
辰巳:お父さんはヒッピーだったし笑笑。
木村:やっぱり似てるんですよね、価値観はおんなじなんです笑笑。私が読んでた本とかいつの間にか読んでるんですよ。
辰巳:でもそういうのって嬉しいでしょ、自分に似てる部分があるって?
木村:笑。
辰巳:奥様はどうおっしゃってます?
木村:別段何も言わないですよ、「お好きなように」笑。
辰巳:でもよくそんな真面目な方が木村さんと結婚しましたね笑。
木村:だってお互いにどっかで妥協しないとね、成立しませんから笑。
辰巳:あーそんなこと言っちゃって笑笑。
木村:とりあえず仲良くやってますので笑。
辰巳:今度会うのが楽しみになってきました。
木村:村のおばちゃんですから。
辰巳:風音さんはまだ独身?
木村:まだしてないです。するかどうかもわからない。
辰巳:おねぇちゃんの方にはお孫さんがいるんですね。
木村:います。
辰巳:女系家族なんでしょ?
木村:そうすね〜。孫も2人女の子だし。
辰巳:それはそれでけっこう幸せかもしれませんね。今月は4回木村さんのお話いろいろ伺って、多分、これから飲むウッディファームのワインの味が変わってくるんじゃないかと思います笑。「このワインには放浪してる経験が入ってるな」みたいな笑。ねぇシェフ?
井村:ですね。そんな風(←青ヘルですか?ヒッピーですか?)にぜんぜん見えないところが面白いです。
辰巳:いやぁ、ワインを造ってる人でまだまだ面白い人がたくさんいるなと思いました。今日は来てくださって本当に嬉しかったです。
木村:こちらこそ。
辰巳:今後ともよろしくお願いします!
全員:ありがとうございました!!!
「ウッディファーム&ワイナリー(有限会社蔵王ウッディファーム)」
https://www.woodyfarm.com/
収録会場:エネコ東京
News Data
- プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年9月26日放送回
- ワイナリー
「ウッディファーム&ワイナリー(有限会社蔵王ウッディファーム)」
https://www.woodyfarm.com/- 収録会場
ENEKO Tokyo
https://eneko.tokyo/jp/