プリオホールディングスpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年8月29日OA

2020年7月から始まった*ラジオ番組「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」。2024年7月放送分から『**プリオホールディングス提供』になりました。引き続きお楽しみください。
(*Tokyo Star Radio:https://775fm.com/ **プリオホールディングス:https://prior.co.jp/
2024年8月のゲストは熊本県から「熊本ワインファーム」代表取締役の幸山賢一(こうやま けんいち)さんです。
現場でのワイン造りに未練を残しつつ、経営者として腹を括った(?)幸山さん的日本ワインについて語る最終回。
(全5回 5回目)

辰巳:8月の最後になりました。ゲストは熊本ワインファームの幸山賢一さんです。そして、プリオホールディングス総料理長の井村貢シェフです。

全員:よろしくお願いします!!!

辰巳:まずは乾杯しましょう!今日は赤ワインです。

全員:カンパ〜イ🎶

幸山:菊鹿町産100%のブドウを使ったメルローです。

辰巳:これも自社畑ではないんですか?

幸山:はい、契約農家さんたちに作っていただいているブドウです。

辰巳:メルローはけっこう造ってるんですか?

幸山:そうですね、一部ですけど。

辰巳:これはおいくら?

幸山:これも大変申し訳にくいんですが苦笑、4972円でございます。

辰巳:それは(1円単位が)細かいからですか?笑

幸山:そ、そうです汗。

辰巳:これは現行のヴィンテージですか?

幸山:いえ、これは少し前の。今は在庫がほぼない状態です。(今回これを持ってきたのは)この年の出来が良かったのもありますし、熟成したこのワインの経過を私が試たかったのもあります。

辰巳:まだそこまでこなれてきたって感じではないですけど’飲み頃に入ってきた’。

井村:香りがいいなぁというのが第一印象。ブドウの果汁を絞った時のブヮっと醸し出るような感じ。これ樽は?

幸山:使ってます。

井村:その割にはしつこくないです。

幸山:樽100%熟成ですけど新樽はそんなに多くないですから。

辰巳:これは幸山さんが社長になって後輩に現場任せてからのワインですよね?

幸山:はい、若い人たちが一生懸命造ってくれてます。今の醸造責任者は西村篤(あつし)君。

【菊鹿メルロ樽熟成2020】https://kumamotowineonline.co.jp/SHOP/10586.html/(現行ヴィンテージは2022です)
【牛肉のパヴェ 香草風味のクルート ミモレットとジュのソース添え】

辰巳:ではお料理です。

井村:はい、今日は赤ワインなんで牛肉のステーキです。上にはアーモンドやいろんな香草をペーストにしてオーブンで焼き上げた”包んでる”っていう意味のクルートです。お肉は国産の三角っていう部位。脂身と赤身の霜降りのバランスが良くて、固いんですけど噛むと旨みがギュ!付け合わせは八王子の空芯菜です。

辰巳:フレンチに空芯菜ってなかなか。お肉は噛めば噛むほど味が出る。

幸山:ずっと噛んでいられる。ずっと噛んでいたい笑。

辰巳:熊本の食べるもの、何がお好きですか?熊本来たら何オススメとか?あんまりこだわりないんですよね幸山さん。なんでも広く浅く、、、。でもなんかあるでしょ?

幸山:馬刺は食べますねー。

辰巳:ワタシは辛子蓮根党。この辛子蓮根と醸音キャンベルのスパークリングは美味しかった♡

幸山:ありがとうございます。

井村:フレンチでは馬刺、あまり使わないです。

辰巳:イタリアンでは使ったりしますがフレンチではあんまりね。僕は馬に乗るんで、食べないことにはずっとしてて最近食べてないんですけどそんなに美味しいんなら食べてもいい、かな。

幸山:他にも海の幸山の幸いろいろありますけど、天草の方の岩ガキは大ぶりで美味しいです。

辰巳:ワインってね、地元の食材の力を借りて初めて発揮するっていう。

幸山:私も食が主役、ワインはお料理の引き立て役だと思ってます。

辰巳:これだったら地元のお料理は何に合わせますか?

幸山:ほろほろ鳥を育てられてるところが地元にあるので、それは相性がいいんじゃないかと思います。

辰巳:シェフ、もっと早めに聞いてればね笑。今度コラボレーション出来るんじゃ?笑。ちょっと考えましょう。

辰巳:ではここでリクエスト曲を。

幸山:追悼の意味も込めまして、フジ子・ヘミングさんの「ノクターン第2番」をお願いします。

辰巳:ショパンの、ですよね?フジ子・ヘミングさんはなにか、お会いしたことがあるとかなんとか?

幸山:お会いしたことはないんですけど、佐賀の漁師さんで徳永さんというピアニストをやられてる人がいるんですよ。彼はフジ子・ヘミングさんに影響を受けて「ラ・カンパネラ」を(猛練習して)弾けるようになるんですけど。その徳永さんとお付き合いがありまして・・・。

辰巳:で、曲はそのカンパネラではなしに?笑。

幸山:なんか今しっくりくる気分のノクターンで笑。


フジ子・ヘミング 「ショパン ノクターン第2番」
https://www.youtube.com/watch?v=CJV4l0cnNO4/

辰巳:なんかしんみりとしてきますけど、なんかありました?笑。

幸山:まぁ年齢とともに・・・。

辰巳:まだ若いじゃないですかっ!

幸山:気持ち的に落ち着く・・・そういう年頃ですね。

辰巳:彼女が好きな曲とか?

幸山:、ではないです、ではないですっ!笑笑。

辰巳:今月の放送5回目ですけど、断片的な話を聞く中、あまり繋がってこないのは、「なんでこのワインの世界に入ってきて造ってたか」。熊本で育って、バンドしてて、警察に入るかもしれなくて(母親の家系の多くが警察職、牢屋に入るわけではありません笑)、でも東京で就職して・・・。東京から戻ってくるにあたってなんかあったんすか?自分の中で何がしたいとかそういうの。その辺をもうちょっと聞きたいな。

幸山:東京に上京する人は、みなさん忙しい毎日を過ごしてらっしゃると思うんですけど、「ちょっと忙しいのに合わないな」って思ったのと、やっぱり「地元でモノづくりがしたい」。

辰巳:「モノづくり」。前回もそのワードは聞きましたけど、それは地元に戻ってきたら何でもよかったんですか?

幸山:具体的には何もなく「田舎なんでなんか作れるだろ」。で、いったん地元に帰って探したんです。

辰巳:”上京したけど彼女にフラれて地元に帰ってきた”っていう例がこれまでのゲストにいらっしゃいましたけど笑、それとは違う?

幸山:それとはちょっと違います💦

辰巳:たまたま?つまり今人生の半分はワインでしょ?その出会いみたいのは?求人広告見て、とか誰かに紹介されて、とかは?

幸山:、、、そういうわけでもなく、”漠然と”、なんですよねぇ。今の会社には25年お世話になってるんですけど、結局ワインは25回しか造れてなくて、「そんなに大したことできてないな」っていう思いではあります。でもおかげさまでワインは好きになりました笑。

辰巳:日本酒の杜氏さんとかはゲコの人とか多いらしいしね。

辰巳:プライベートで飲む時、自分のとこ(会社)のワインはどれぐらいの割合で飲んでるんですか?

幸山:そ〜ぅですねぇ。1割もないかも。健康じゃないと美味しく感じられないので笑。体調が万全じゃないと飲みたくない。

辰巳:睡眠が足りてない〜とか調子悪い時は飲みたくない?

幸山:ワイン飲む時ってちょっと構えちゃうんですよ笑。

辰巳:ってことは飲む時はとことん飲むんですよね?

幸山:はい。

辰巳:今日は?笑。チビチビと飲んでますけどあんまり空いてない。これまでのゲストでも「ほとんど空いてない」か「おかわり」の人がいたんですけど、どっちでもなさそう。なんか隠ってません?まだ還暦まで10年ありますよ。まだまだやらなくちゃ、それとももう社長業はやめて造り手に戻りたい、独立したい(🤫)とか?いやいや、けしかけてるわけじゃないですよ、でもいろいろあるじゃぁないですか。

幸山:笑、もちろん現場でまた造りたいなってのは強かったりするんですけど、やっぱり今スタッフがいっぱいいて、生活もあってってなると笑、「経営者としていろんなことを育てていく」のが今後の私のキーワードになると思います。

辰巳:亡くなった師匠の川邊さんが残した弟子の一人として、はわかります。他にもいろんな人の影響はあるでしょうし。(幸山さん的には)「日本ワイン」をどう思う?今後どうなればいいと思いますか?

幸山:実際ワイナリー自体が増えてて、今500ぐらいある。でも根っこの部分でいくとブドウが増えてなくって「ブドウの取り合い」みたいになってしまっていて。そのあたりをみんなで理解してやるしかないのと、日本ワインの位置付けがまだまだ。「これが日本のワインだよ!」っていうのが確立できてない。山梨の甲州とかは世界で評価されてますけど、、、んーーー、各地域にも個性があるので、それも含めて日本の個性がちゃんと確立されていくと、コストパフォーマンス含めていいワインになるんではないかと。

辰巳:それは各ワイナリーでもうちょっと特徴を持って欲しいと?そしたら逆に経営者として例えば。行政に対しての「もっとこうして欲しい、これは撤廃して欲しい」とかの社会の仕組みを変えるだけで業界のシステムも変わるんではないですか?

幸山:結構大きい話ですね。(ワイナリー設立は)初期投資が大きいので、補助金だとかは業界向けにご準備はいただいてるとは思うんですけど、どれぐらいの方が活用できてるのかなぁ。

辰巳:難しいんですよね、このお酒の業界は。農水もあれば国税庁も・・・。そういう話はもっともっとワイン造ってたり経営してる人間がやっていかなくちゃいけない。『ヒトづくり』といっしょにもっと声を聞かせて欲しいです。

辰巳:っというわけで今月5回終わりました。こんなにゆっくりしゃべったの初めてですね。今後ともよろしくお願いします。九州を引っ張っていくワイナリーとして、これからの活躍に注目しております。

幸山:精一杯取り組みます!

全員:ありがとうございました!!!


熊本ワインファーム株式会社
https://www.kumamotowine.co.jp/

収録会場:エネコ東京

News Data

プリオホールディングスpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年8月29日放送回

ワイナリー

熊本ワインファーム株式会社
https://www.kumamotowine.co.jp/

収録会場

ENEKO Tokyo
https://eneko.tokyo/jp/

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