2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年4月のゲストは山梨県勝沼の「マルサン葡萄酒」代表取締役、若尾亮さんです。
最終回はヨーロッパ系品種の自社畑ブランド「MIWAKUBO」の赤で乾杯!最後の最後でようやくワインの話、たくさんできました。
(全4回 4回目)
辰巳:はい、4月も最後になってしまいました。なんか、あれですね。ワインの話をあんまり聞いてなかった、ような汗笑。
若尾:それ僕が言いたいですよっ爆。(←先週まで辰巳芸能レポーターが奥様とのネタほりまくってましたからね笑)
辰巳:今月のお客様は山梨県勝沼「マルサン葡萄酒」の若尾亮さんです!
若尾:わ↘︎かお亮です、よろしくお願いしまーす!笑笑。(←先週「若尾」の山梨県での正式イントネーション(?)が明らかになりました)
辰巳:そしてこの会場「Villas des Marriages多摩南大沢」の井村貢シェフです!
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:まずはワインを飲みながらお話を伺いたいと思います。今日は赤ワイン🍷
全員:カンパ〜イ🎶
【MIWAKUBO 2022 メルロー&プチベルドー】
辰巳:う〜ん♡
若尾:MIWAKUBOこれはメルローとプティ・ヴェールド。ブレンド比率はメルロー60・プティ・ヴェールド40です。果樹園のあるところは(住所的には)勝沼町勝沼なんですけど、MIWAKUBOは自社畑のある土地の名前(三輪久保地区)。
辰巳:あそこ(ワイナリー、果樹園のあるところは)は勝沼の中心、300年前は脇本陣だったという。で、三輪久保はどの辺?
若尾:勝沼詳しい人にはわかると思いますけど、シャトレーゼワイナリーさんがあるその川沿い(日川 にっかわ)、(川の向かいはメルシャン)。そのシャトレーゼさん、東夢さんあたりが三輪久保地区です。そこにうちの自社畑があります。
(上記の地図は甲州市のHPよりお借りしました。)
https://www.city.koshu.yamanashi.jp/docs/2019032000016/file_contents/2023wg02.png/
辰巳:そこはどんな畑ですか?
若尾:垣根栽培ですね。特徴としては、こういうヨーロッパ品種だと「ステンレスタンクで醸造→樽熟成」なんですけど、うちはステンレスタンクのみ。樽使うと味・風味の’リッチさ’が出ますけど、僕はそのリッチさは求めてなくて「シンプル・値段的にも日常的に使える、ほどよい」ところで着地。これでいいんじゃないかと。
辰巳:このシリーズでは赤はこれだけ?
若尾:そうす、赤と白1種類ずつ。MIWAKUBOはヨーロッパ系品種の栽培地区。(←白はシャルドネ)
井村:後味もスッキリしてて飲みやすい。やわらかくて普段から飲めるような。
辰巳:でもその中にもキチっとタンニン入ってるような、バランスもとてもいい。もう樽入ったワインは造ってない?
若尾:僕の方向性としては、そういうリッチさっていうのはあまり求めてないので。
辰巳:おいくら?
若尾:2640円です。
辰巳:良心的!
井村:、、、あまりお金取れない、安くて爆。裏を変えせば「安くてたくさん提供できる」って意味です汗笑。
辰巳:で、今日のお料理は?
井村:豚バラ肉を使った(1週目にも登場した)株ネギのお料理です。今回は株ネギの白い部分を柔らかくして挟んであります。
辰巳:今日初めて株ネギと言う言葉を聞いた皆さん、かぶら(蕪)ではありません。ネギです。
井村:農家さんが、その余ったネギを使った「ネギ味噌」を作るんですけど、それもアクセントに挟んであります。
【豚バラ肉とネギのミルフィーユ 新じゃが添え】
辰巳:ワインが逆にアクセントになってますね。これが加わって一つの世界になってるというか。
若尾:いやぁ、おしし〜い♡
辰巳:普段はどんなもん食べてるんすか?
若尾:農家のうちなんで農家の食事ですね。肉も魚も、もちろん野菜も。もうなんでも食べます。
辰巳:お料理はする?
若尾:一人暮らしが長かったんでできないことはないんですけど、ま、うちの人がたくさん作ってくれるんで。
辰巳:ぁ、奥さんの名前聞いてなかった。
若尾:4回目もこれなんすね爆。さちです。
辰巳:だってものすごく奥さん大事にしてて、
若尾:そ〜ぅなんです笑笑。
辰巳;ではここで最後のリクエスト曲を。今日は何を?
若尾:NOFX、曲はLINOLEUM。
NOFX「Linoleum」(1994年)
https://www.youtube.com/watch?v=0IxYbx4nRCw/
辰巳:リノリウム?って建築の床に敷くあれ?
若尾:なんなんでしょ?僕ちょっと存じ上げませんで・・・。
辰巳:ま、(本番組の)本質にはあんまり関係ないので・・・。
辰巳:曲を聴きながらお料理食べている間に話してたら。亮くんも普段このワインに合わせるお料理として「豚バラの味噌炒め」を推奨してたって?
若尾:そうなんです。もう今日のお料理とドンピシャ!
辰巳:豚バラと味噌って。。。こう言うプロ同士の一致ってうれしいっすね。
辰巳:赤ワインはベーリーAが生産本数いちばん多いんですよね?でもパンフレット見てたらアジロンも作ってる?
若尾:アジロンは全部契約農家さん。
辰巳:これからワイナリーを継いでどうしていく?今3代目として継いで15年目?これからは今までのことを活かしつつどう展開していくか、そういう時期じゃないかと?日本ワインも変わってきてますし、ワイナリーもどんどん増えてきてますしー。実はそこのところがいちばん聴きたかったんですよ、昔付き合ってた彼女がどーのこーのじゃなしにね(ぇw)爆。
若尾:もういよいよ’若手’、とはいえない年代になって、今中堅。そうだなぁ〜、もちろんトライしていきたいところはしていくんですけど、「変えない」ところも僕の中ではあって。基本的に「スタンダードなものは変えない」が僕の性には合っていて、先代のこともありつつ、若尾家として業界のポジションとして日常的に飲むワイン造りのスタンス変えない。
辰巳:ワイン造りの基本は?だって急に(?)マルサン葡萄酒の3代目として入ったわけでしょ?
若尾:2008年に入社、です。うちのすぐ近くに山梨県のワインセンターっていうワイン機関があって、そこで1年研修させてもらいまして、翌年はグレイスワナリー(中央葡萄酒)さんにも丸1年。その2年が僕の中では大きかったです。
辰巳:グレイスの三澤さんのところにはどなたかの紹介があった?それとも自分から?
若尾:流れからいきますと、うちと三澤さんのところは昔からかなり長い付き合いをしてまして。僕婿で入ったんですけど、そのおじいさん(義理の祖父)と、今の三澤社長のお母さん(もう何年か前に亡くなられた大奥様)が飲み友達驚!とか、三澤社長の奥様と僕の義理の母が茶飲み友達だったりとか。
三澤さんのうちでお遣い物として使ってくれてるブドウはうちのだったり(←果樹園の生食用のほうですね)。
辰巳:え〜〜〜!?
若尾:「僕が婿で入った、けど何も知識がない」。ってことで義父が話をしてくれて1年修行させてもらったのが2009年。
辰巳:へぇぇ。じゃ、もう(三澤)彩奈ちゃんが帰ってきてたころ?
若尾:はい、いらっしゃいましたね。明野の圃場ができて1年目か2年目の頃でした。
辰巳:じゃ、明野にも行ってた?
若尾:基本的には勝沼でしたけど、明野も何度も見せてもらいましたね。
辰巳:技術的なことも指導されてもらって?
若尾:それももちろんそうなんですけど、中央葡萄酒が海外にグッと力入れてる時でもあって。今でも憶えてるのが、当時の「中央葡萄酒の事務の女性が、マルサン葡萄酒の存在を知らない」っていう。ほんとに(たった)1キロぐらいの距離なのに「若尾さんのマルサンさんってどこにあるんですか?」って質問されて。
僕はそれがすごく面白くて。中央葡萄酒さんはそのころ、今もですが、ガーーーっとトップオブトップをいっていて、僕の義父は生食用のブドウの管理でそれこそてんてこ舞い。マルサン葡萄酒を”外に出す”って余裕が何もなかった人なんですよね。あと中央葡萄酒ですごくお世話になった土橋(どばし)さんって、あんまり外に出る人ではなかったんですけど、その人が「3年か4年で自分のスタイルを見つけなさい」って言ってくれたのもすごく印象に残ってます。方向性をどうしようか考えだした頃だったので、それを今も続けている感じです、ね。
辰巳:若尾さんはその2年だけ?その前はお義父さんも醸造されてた?
若尾:してました。2008年は一緒にやりましたけど、翌年は「(ワインセンターで研修したから)もう一人でできるでしょ?」、で全部投げられましたね。3年目からは「社長な」って言われて、気づいたらもう登記変わってて笑「あさって(4月1日)から(亮さんが)社長になるからよろしくな」笑笑。
辰巳:このワイン造り初めての婿が入ってきてねー、いつ逃げ出すかわからないしー、(とっとと)縛り付けたかったんじゃないでしょうか〜爆。
若尾:こんなキャラクターが来ちゃったんですもんね笑(←自虐?)それまでのらりくらりとバンドとかね笑。
辰巳:もうやらざるを得ない状況?
若尾:腹は括りましたけどね。ワイン造り任されて会社任されて・・・。
辰巳:32〜33歳のころでしょ?再スタートっちゃ再スタート。
若尾:そうすね。
辰巳:また来週ゆっくり、ってもう来週ないんすよ〜。あと1分ぐらいしかないんですけど何か言っとくことは?笑。今後どうしたい、とか?
若尾:代表になり出した時に、うちと同じぐらいの規模のワイナリーの社長さん(←辰巳レポーター、またもつきつめたところ、機山洋酒の土屋幸三さんでした)から「『やらないこと』を決めなさい」、と。「造り手はどうしても、当然ながら”トライアンドエラー”を繰り返す。時代的にちやほやされるポジションになってしまうから、それもエネルギーになるからいいんだけど、でも「僕たちは文化を創ってる」から『やらないこと』を決めれば『やること』が残る」と。
辰巳:はぁぁぁ、すごいいい言葉。ワイン造りだけじゃなくても響きます。じゃ、なにを「やらない」でおこうと?
若尾:まず「スタンダードを続けよう」と思った。個性を出したくなくはないんですけど、個性は1割出せたら十分個性かなと。10割出したら爆発💥
辰巳:個性出すことをやめたんですか?
若尾:僕ひねくれてるんで、みんなのやることはやりたくなくなるんですよね笑。(←血液型はO)そういえば昔からそうだったなぁ。こないだも同級生から「お前はいつもそうだった」と。でもただただ気を衒うことだけやってたらそれも違うし、ピカソが10代の時に描いた’写真みたいな絵’を見ましたけど、最後の最後に「あの」画風に行き着いたってのはすごく魅力的で。「基礎はバッチリ。でもその時その時で『(個性は)コショウ少々』」。ぐらいでいいんじゃないかと思ってます。
辰巳:個性を前面に出すのはやめよう?
若尾:個性は前面に出したいけど、そこのバランスは自分の中の物差しです。
辰巳:お時間がいっぱいになってしまいました、スイマセン💦。4月のお客様は山梨県勝沼、マルサン葡萄酒の若尾亮さんでした!
全員:ありがとうございました!!!
【お知らせ】
2020年7月から4年間、会場を提供していただいた「Villas des Marriages 多摩南大沢」が6月末、惜しまれつつ閉店されました。
なお、番組は「プリオホールディングス(https://prior.co.jp/)」系列の店舗に会場を移して継続されます。引き続きお楽しみください。
若尾果樹園・マルサン葡萄酒
https://marusan-wakao.com/
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年4月25日放送回
- ワイナリー
若尾果樹園・マルサン葡萄酒
https://marusan-wakao.com/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/