ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」 2024年5月2日OA

2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年5月のゲストは長野県塩尻市の「(株)アルプス」代表取締役社長兼営業本部長、矢ヶ崎学(やがさきまなぶ)さんです。
国内でもトップクラスの『日本ワイン』生産量を誇る「アルプス」の5代目が登場!
ハードロック・ヘビメタをこよなく愛する矢ヶ崎さんが、その勢いのまま(?)5回駆け抜けます。(全5回 1回目)

辰巳:5月のお客様をご紹介します。長野県塩尻市からお越しくださいました「アルプス」というワイナリーの矢ヶ崎学さんです。

矢ヶ崎:こんばんわ、矢ヶ崎です、よろしくお願いします!

辰巳:そしてこの番組の会場「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフです!

井村:よろしくお願いします!

辰巳:アルプスって、山梨にも「アルプスワイン」ってあってね。ま、日本にも北アルプス中央アルプス南アルプスってあって、塩尻のアルプスってやっぱり北アルプスのこと?

矢ヶ崎:だと思うんですけど。創業は昭和2年で、亡くなった祖父が始めたんですけど、そんときに日本アルプスが見えて、当時としては’カタカナ’の名前がシャレてたのか「アルプス葡萄酒醸造所」という名前で始まったんですね。

辰巳:今日は白ワインをお持ちいただいてます。では乾杯しましょう!

全員:カンパ〜イ🎶

【ミュゼドゥヴァン エトワール 塩尻ソーヴィニヨンブラン 2022】
https://www.alpswine.com/products/wine/wine1/555428.html/(←こちらのヴィンテージは2023です)

井村:完熟したフルーツのような、洋梨とかがフワァ〜っと、を連想します。

辰巳:スッキリ爽やか、でもありますが、最近どんどんよくなってる印象がある大好きなソーヴィニョン・ブランです。「Musee du vin ソーヴィニョン・ブラン ナイトハーベスト」。

矢ヶ崎:年によってちょっと違いますが、だいたい9月20日過ぎぐらいに収穫します。ご存知のように、ソーヴィニョン・ブランは日が昇る前に収穫するといわゆる”チオール系の香り、3MH( ←3メルカプトヘキサノール)が残る”ということで。

辰巳:黄色い香り?(←チオールはメルシャンの『きいろ香』発売時に、「甲州にもチオールがある」と一躍脚光を浴びましたね)

矢ヶ崎:当社も自社農園のアルプスファームで、朝の3時半ぐらいからですかね、頭にヘッドライト点けて暗い中2〜30人で6時ぐらいまで収穫します。それをすぐにワイナリーに持ち込んで、その日のうちにプレスして発酵させる。スタッフは苦労してます。
ソーヴィニョン・ブランって、ご存知でしょうけどけっこうセンシティブなブドウで、収穫からボトリングまでかなり気を遣って仕上げる製品なんですけど、辰巳さんおっしゃってくださったように、年々スタッフの苦労がワインに実を結んでしっかりと出てる。とは思います。

辰巳:「日本で無理してソーヴィニョン・ブラン造る必要ないんじゃ?」って昔よく言ってたんです。

矢ヶ崎:ぇ、そうなんですか?

辰巳:だってニュージーランドで世間を席巻してるようないいのがたくさんあるんでね。でも日本らしいソーヴィニョン・ブランもようやくできてきましたね。

矢ヶ崎:ニュージーランドほどの強烈なインパクトはないかもしませんけど、「3MH」の香りを非常に大事にしたいってことで。シャルドネなんかはオークバレルを使って熟成させるんですけど、このソーヴィニョン・ブランに関してはいっさいオークを使わずにステンレスの小樽で仕込んでなるべく早くボトリングするっていうスタイルです。

辰巳:これはどれぐらい生産されてるんですか?

矢ヶ崎:だいたい2〜3000本ぐらい。

辰巳:エトワールって書いてますけど、これはミュゼドゥヴァンの中の種類?

矢ヶ崎:はい、エトワールはフランス語で”星”なので。ナイトハーベストのときに星が輝いてるじゃないですか。

辰巳:じゃ、ナイトハーベストのものはみんなエトワール?

矢ヶ崎:ただナイトハーベストと謳ってるワインはソーヴィニョン・ブラン以外にないので。

辰巳:ちなみにこれはおいくら?

矢ヶ崎:3000・・・

辰巳:ちょっと値上がりしました?

矢ヶ崎:・・・笑笑。

辰巳:いやぁ、アルプスさんのワインってほんとにコストパフォーマンスが抜群で「え〜このお値段でいいの?」というのが多かったんですよ。

矢ヶ崎:非常に心苦しいんですが、少しだけ値上げさせていただいて、税込3424円です。

辰巳:そうでしたか、以前は2700円〜2800円ぐらいだったかな。でもその価値は十分あるかと。

矢ヶ崎:酒税も昨年の10月から上がりましたし汗。

辰巳:さ、お料理です。グリーンのブルーテですね。

井村:八王子のブロッコリーとセロリを合わせて清涼感を持たせてみました。

辰巳・矢ヶ崎:いただきま〜す🎵

【ブロッコリーとセロリのヴルーテ 清見オレンジ風味】

井村:アクセントに清見オレンジを。

矢ヶ崎:ブロッコリーとセロリってけっこう一緒に使うものなんですか?

井村:いや、別に使うことが多いです。ブロッコリーだけだと、まぁ、甘ったるいってほどじゃないんですけどモタって感じになるんで、セロリが補ってくれます。

矢ヶ崎:ソーヴィニョン・ブランに合わせてくださった?

井村:はい、そうですね。

辰巳:ワインの味も一層際立ってきました。

矢ヶ崎:そうですよね、セロリの味が最後にグッと。すごく美味しい♡ソーヴィニョン・ブランって普段は白身のお魚とかなんですけどこれは初めての味。

辰巳:でもソーヴィニョン・ブランって野菜系には合いますよね。グリーンと清美オレンジの柑橘と。

矢ヶ崎:あーそうですね。このワインも柑橘の香りを少し出してるんでいいのかもしれない。

辰巳:先ほど昭和2年にできたワイナリーだと伺いましたが、今代目ですか?

矢ヶ崎:祖父は昭和12年に中国で戦死しまして。祖母が再婚して、その方が会社を継いでくれて、父、二人の叔父(←3兄弟)を育ててくれて。その彼が2代目、うちの父が3代目、叔父が4代目で私は5代目です。

辰巳:3人兄弟のタッグでやってる会社って世界的にも結構あるんですよね。日本ワインだったら勝沼醸造の有賀3兄弟が醸造と栽培と営業みたいな感じでやってますけどね。

矢ヶ崎:兄弟って難しさもありますけど、最終的には”親族”。頼りになるんでしょうね。父と2人の叔父で苦しい時代も乗り越えてきて、

辰巳:苦しい時代っていつごろ?

矢ヶ崎:まずは戦後。ワインの消費がほとんどなかったので、地元のコンコードとナイヤガラを使ってジュースを作る。それをメーカーさんに原料果汁として供給する、とか、他はいわゆるOEM。私は1990年、平成2年に入社したんですけど、その時でもワインは1〜2割で、ほとんどが果汁でした。

辰巳:今やアルプスさんといえばワイン(生産量で)で2位、長野では一番。

矢ヶ崎:大手5社を除けば北海道ワインさんかうち。ぁ、「日本ワイン」でいえばそうですね。

辰巳:一時期神戸ワインもありましたけど。今や長野の横綱と言いますか、存在感抜群のワイナリーです。今日はそんな話をいろいろ聞いていこうと思いますがその前にリクエスト曲を。

矢ヶ崎:今飲んでいただいているのが「エトワール ソーヴィニョン・ブラン」っということで。頭にヘッドライト点けて毎年ナイトハーベストに参加するんですけど、空を見上げると月がまだ煌々と照ってるんでるよ。

辰巳:ナイトハーベストも満月がいいだとか新月がいいだとかいいますけど?

矢ヶ崎:なかなかそこまで選べない笑。ワタシ、ハードロックとヘヴィーメタルがすごく好きで、そのナイトハーベストの最中、オジーオズボーンの「月に吠える」が頭に浮かんで(ヘビロテ)。

辰巳:畑の中でその曲かけてるとか?

矢ヶ崎:そうすると(ブドウの)糖度下がっちゃうんで、頭の中で爆。

辰巳:ではお聴きいただきましょう。「月に吠える」。


Ozzy Osbourne「Bark at the Moon」(1983年)
https://www.youtube.com/watch?v=LplPi2CxNHI/

矢ヶ崎:やっぱカッコイイ♡

辰巳:なんでヘビメタに?世代っちゃ世代?

矢ヶ崎:1963年昭和38年生まれ、ヘビーメタルは80年代から流行ったのでまぁその影響もあるんですけど、、、「なぜ?」を聞かれると話がすごく長くなります笑笑。
(以下、その長い話の始まり〜)中学高校の頃はずっとサッカーやってたんですよ。

辰巳:高校はどこ?

矢ヶ崎:松本深志(ふかし)です。全国大会にも何回も出てる強豪サッカー部だったんで、私もそのつもりで入ったんですけど、入ったらスランプになりまして心に悶々としたものが・・・。中学生の頃は満帆でビートルズとかね、チューリップとかそういう音楽。激しい音楽必要なかった笑笑。試合には出てたんですけど高校2年生のころからちょっとスランプになりまして。
1年下の後輩が「KISSっていうバンドいいっすよ」って言うんです。「化粧して誤魔化してんだろあいつら!?」って思ってたんですけど「そんなこと言わずにとりあえず聴いてください」と。その何年か前に来日してブームにはなってたんですけど、聴いたら一発!そこからもうKISS,エアロ・スミス、Queen、ツェッペリン、、、のほうに入っていきましたね。

辰巳:悶々としてたのが良かった?笑。

矢ヶ崎:悶々としてなかったら聴かなかったと思います。

辰巳:その”悶々”はガールフレンド?

矢ヶ崎:もちろんありましたけど、それはまぁまぁうまくいきました👏

辰巳:この番組にゲストで来てくださる方ってわりとモテる人が多かった、ような。その時その時で彼女が違う、とかね笑笑。

矢ヶ崎:でも言ってる人は言ってるほどではないんじゃないですか?爆。

辰巳:なるほどー、深いですねぇ笑。あれ、還暦?

矢ヶ崎:はい、去年の7月に。

辰巳:5歳年下ですけどすごい貫禄ありますよね。

矢ヶ崎:辰巳さんが若すぎる笑。

辰巳:若作りしなきゃいけない仕事なんでね笑。

辰巳:今や長野県の公安委員長とか?これもすごい話でゆっくり聞かなくちゃいけないんですけど。なんかエライ人なんです。その辺を順番に伺っていきたいと思います。

矢ヶ崎:はい、よろしくお願いします!

辰巳:この続きはまた次回、5月のお客様は長野県塩尻市、長野県でいちばんおっきなワイナリー「アルプス」の社長、矢ヶ崎学さんです。また来週よろしくお願いします!

全員:ありがとうございました!!!

【お知らせ】
2020年7月から4年間、会場を提供していただいた「Villas des Marriages 多摩南大沢」が6月末、惜しまれつつ閉店されました。なお、番組は「プリオホールディングス(https://prior.co.jp/)」系列の店舗に会場を移して継続されています。
引き続きお楽しみください。


株式会社アルプス
http://www.alpswine.com/

News Data

ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」

2024年5月2日放送回

ワイナリー

株式会社アルプス
http://www.alpswine.com/

収録会場

ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/

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