2020年7月から始まったラジオ番組『ヴィラ・デ・マリアージュpresents「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年4月のゲストは山梨県勝沼の「マルサン葡萄酒」代表取締役、若尾亮さんです。
山梨出身ではありますが若尾家がご実家ではありません。30歳まで東京でフリーターをされてた若尾さんがなぜワイン造りをすることになったんでしょう?
(全4回 1回目)
辰巳:さぁ新年度が始まりました!4月のお客様は、山梨県甲州市からお越しいただきました、「マルサン葡萄酒」の若尾亮さんです。さっき話してましたらお会いするのは10年ぶり!?
若尾:ご無沙汰しております。
辰巳:以前は”若手醸造家”とご紹介しましたが、
若尾:もうぜんぜん若手じゃないです笑。
辰巳;今よんじゅう、、、?
若尾:今年47歳になります。今ギリ46歳。
辰巳:誕生日はいつですか?
若尾:6月です(←ぉ、今頃は多分47歳になっていらっしゃいますね)
辰巳:すぐ50ですよ爆、そしてすぐ60爆。
若尾:みんな言います。
辰巳:でしょ。この番組に来られる皆さんも、(昔は若かったんですけど)今ベテランなんすよ笑笑。ほんと早い。でもワイン造りも年に1回だし、そういう意味でも早いんでしょうね。あれから(前回お会いした10年前から)10回しか造ってないんですもんね。(ブドウ作りは)地に足をつけたいい仕事だなと改めて思います。
若尾:ありがとうございます!
辰巳:そして今日も「Villas des Marriages 多摩南大沢」にお邪魔しています。井村貢シェフです。
全員:よろしくお願いします!!!
辰巳:シェフももうベテランでしょ?笑。いつからベテランと言われるように?
井村:40ぐらいからですかねー。
辰巳:元々老けてますからね笑(←ひどっ!)今いくつ?
井村:51です(←6月で52歳になられました)。
若尾:・・・どうリアクションしていいか汗。
辰巳:ではまず乾杯したいと思います、今日は白ワインです。
全員:カンパ〜イ🎶
【甲州百 2013】
辰巳:これはどういうワインでしょうか?
若尾:はい「甲州百」という、うちの名刺代わりになるワインなんです。現行ヴィンテージは2022年なんですけど、今日は2013年のバックヴィンテージです。当時売ってたのは2014年ですが、300本ぐらい残しておいたのを年1ぐらいでチェックして、去年また再リリースしました。
辰巳:美味しいすね♡琥珀色まではいかないですけどすごいゴールド✨っぽい色。
井村:柑橘のような酸もありますけど、熟成してるからか、栗のようなまろやかな味がします。
辰巳:旨みとかね、出汁系の味しますね。
井村:ふか〜い味わいです。
辰巳:甲州の熟成って色合いも含めて大好きで。この色合いになるってことは酸化防止剤もあんまり入ってない?
若尾:必要最低限入れてますけどそれほど強くはないです。造りはスタンダード、シュール・リーでもないです。収穫の時期は勝沼の甲州の中では少し遅めの10月中旬ぐらい。皮の渋みも少し出したいので、強めに搾って皮っぽさも出るようにしてます。
辰巳:「甲州百」のラベル、最初「白」かなっと思いましたよ笑。まぁ甲州の白ワインだからそうなのかなぁと。
若尾:『甲州の「白」ください』とたまに言われます笑。
辰巳:勝沼の甲州が100%って意味?
若尾:そうです。あとうちはぶどう狩りもやっているので、お百姓さんの「百」っていう意味も。
辰巳:その話もそういえば10年前に聞いた、ような笑。
若尾:した気が、します笑。
辰巳:最近記憶力が・・・誰と会った、とかきのう何食べた、とか、特に直近が。ほんとにマズイ💦笑。
若尾:僕もだんだんそうです。
辰巳:いやいやまだまだ。で、若尾果樹園っていう観光農園をしてらっしゃいますが、100%自社畑ってわけじゃないんですよね?
若尾:、じゃないです。場所としては3箇所に分かれてますけど、トータルしてもそんなにはなくて、生食用醸造用ブドウも合わせて全部で1haちょっと。
辰巳:そんなもんなんですよね、甲州って分業っていうか。ワインの原料用のブドウは買ってくる。(買いブドウは)契約農家さん?JA?
若尾:JAからはとってないです。契約農家さん、は僕の友達だったり幼馴染だったり父親に近い人たちからだったり。少しずつ譲ってもらってますね。
辰巳:なるほど。ちなみにこれはおいくらでしょうか。
若尾:バックヴィンテージなので税込3850円です。現行ヴィンテージは1848円。
辰巳:倍なんですね。でも(熟成して)価値が高まるのはいいことだと思います。
若尾:少しだけ盛らせていただいてます。
井村:価格的には安すぎるより安心感があります。金額と味がともなってるというか。
辰巳:これは熟成は?
若尾:瓶で。
辰巳:一升瓶に入れて熟成させるところもありますけど?
若尾:うちはこのままの瓶(720ml)で熟成させてましたね。
辰巳:さ、この「甲州百 2013」に合わせたお料理はなんでしょう?
井村:今日は株葱を使ったブルーテです。
辰巳:カブネギ?これは蕪(かぶら)じゃなくてネギなんですね?
井村:ネギです。ポア〜ンと生えてくる葱の株の部分。それにせとかというみかんを添えてちょっと春をイメージしてあります。(後で辰巳さんがせとかについて調べたところ、「原産は瀬戸内海ではなく、長崎の島原、生産量が多いのは愛媛」だそうです)
辰巳・若尾:いただきます!
【八王子 中西ファームの株葱のヴルーテ】
辰巳:ん、いつもよりさらに出汁が効いてる。
井村:株の旨みだけ、この甘味も。ブイヨンも入ってないです。
辰巳:へぇぇぇ!
井村:きのう取れたばっかりのネギを炒めていくんですけど、その時に蓋をして蒸し焼きにするんです。そうすると繊維がほぐれて甘味がクッと。
辰巳:簡単な(シンプルな)料理なんですけどね。
井村:見極めが難しいんです。
若尾:ほんとネギですね、甘いです。その甘み感じた後柑橘の味もしますし。
井村:出汁みたいな甘味が出てきますし、不思議なんですよ。
辰巳:いろんな造り手さんがいろんなワインを持ってきてくれてそれに合わせた料理を作ってくれる。こんなことをもう4年もやてるんですよ。
若尾:素晴らしい!
辰巳:ではこれ食べながらリクエスト曲を聴きましょう。今日はなんにしましょう?
若尾:細野晴臣さんで「恋は桃色」。
辰巳:細野さんって亡くなられて、、、(ないですっ!)3人のうち(←YMOですね)2人が亡くなられてますもんね。
細野さん、もしも、万が一、聴かれてたらお許しください🙇、まだまだ長生きしてください。
細野晴臣「恋は桃色」(1973年)
https://www.youtube.com/watch?v=Y9xMzctntfk/
辰巳:これは思い入れのある曲なんですか?
若尾:ずっと細野さんのファンでYMOもだし、ソロの作品もけっこう聴いてるんです。今の時期的に’春っぽい’のを選ぼうかなと思って「桃」。
辰巳:山梨は桃の花がね、綺麗なんですよねぇ。桜と桃がだいたい同じ時期に咲くんですよね。
若尾:10年ぐらい前までは桜が散り出してから(桃が)咲いてたんですけど、今はもう一緒になっちゃってますね。
辰巳:っていうことは、桃が早くなった?
若尾:そうですそうです。
辰巳:常識的、一般的には2月が梅で3月が桃で4月が桜のイメージなんですけど?ひな祭りは3月だし。
若尾:今はもう一緒ですね。
辰巳:山梨では”花見”じゃなしに”桃見”っていうんですよね、桃の下にござ敷いて。
若尾:濃いぃピンクなんですごい綺麗です♡
辰巳:こんなこといっちゃぁなんですが、花見はソメイヨシノじゃなく、絶対桃なんですよ笑笑。ヤマザクラや枝垂れ桜もあるのになんでみんなソメイヨシノに統一するのか!?、ここ最近疑問に思ってまして。あれもクローンですからね。
もしご意見やトリビアなどありましたら教えていただけたらと思います。
辰巳:若尾さんの家は結構古いんですって?
若尾:うちの目の前の道が旧甲州街道で、江戸時代からの道だったんですよね。そこから少し降下ったあたりに勝沼宿っていうおっきい宿場町があって(今の中央道勝沼インター降りて2〜3分だそうです)、参勤交代の時に泊まる脇本陣を経営してたって聞いてます。
辰巳:武田信玄の武家?
若尾:残ってるいちばん古い記録で江戸の中期なので、そこから前はわかってないです。織田信長が全国の敵地を燃やした時に、過去帳が燃やされてるのでもう何代前かはわかんなくなってます。
辰巳:信長も酷いことしますねぇ笑。で、ワイン造って60年?
若尾:僕自身は婿養子で若尾家に入ってるんですけど、
辰巳:あ、そうなんですか。それは10年前には聞いてなかった笑。出身はどちら?
若尾:甲府生まれの勝沼育ち、ま、山梨です。僕の妻の実家がマルサン葡萄酒の若尾家。僕が継ぐってことになって婿養子に入りました。元々(苗字)は辻です。
辰巳:結婚される前からワイン・ブドウ作りには興味があった?
若尾:結婚するまではそこまで正直なかったですね。
辰巳:じゃぁ最初に”お付き合い”があって?
若尾:そうです。大学時代2人とも東京に住んでて、
辰巳:大学はどちら?
若尾:埼玉の立正大学です。卒業しても30歳までフリーターやってて31歳になった時、「じゃぁ2人で勝沼戻ろうか」。どうせ戻るなら農業とか物を作る仕事がしたいって言ったら「うち跡取りいないよ」と。
辰巳:1人娘?
若尾:いや、3人娘のいちばん下です。真ん中は社交ダンスのプロというか、それで生計を立てて東京に。(若尾さんの)結婚当時はいちばん上はまだ家にいたんですけど、僕が入って2年目のときに”晴れて”って言っちゃいけないな笑笑、嫁に行きまして。その時点までは若尾とは名乗らず、まだ辻のままだったんですよ。嫁をもらったけど、妻の実家に入ってた。そして(姉妹が)みんな嫁に行ったので「若尾がいなくなった」。それで「僕(婿に)入ります」。長女がもし継いでたら、僕今ここにいない。義理の兄がここに座ってたかもしれない笑笑。
辰巳:こんな話誰かにしたりします?
若尾:まぁ自己紹介を長々とするときにはしたりしますが、あんまりこの話にはならないですね。
辰巳:ワイン造りは?
若尾:2008年に若尾家に来てからなんで、ゼロスタートです。なんーにも知識はなかった。
辰巳:よく東京農大に行ってたりしますけどね。
若尾:そうすね、跡取り息子はだいたいその流れですよね笑。
辰巳:奥さんは?
若尾:なんーにも。普通の大学行って(卒業後は)某大手CDショップの店員やってましたよ。僕もずーっとフリーター笑。
辰巳:そうか、そういう世代か。付き合って何年ぐらいで?
若尾:ぁ、その話になるんですね笑。
辰巳:じゃ、今日はこの辺にしましょう。お客様は勝沼、マルサン葡萄酒の若尾亮さんでした!
全員:ありがとうございました!
【大切なお知らせ】
下記「お断り」の通り、番組内でご紹介した「ゲストのワイナリーのワインと、井村貢シェフが考案したお料理をペアリングさせたメニュー」をこの収録会場「Vellas des Marriages 多摩南大沢」にて提供していただいていましたが、残念ながら2024年6月末日にて同店が閉店されることになりました。
当番組のコンセプトは閉店まで変わっておりませんが、残りの営業日、時間、予約状況、メニュー等は直接お店にお問い合わせください。
なお、当番組は会場を変更して継続する予定ですので引き続きよろしくお願いします!
お断り:番組の収録日、OA日、この原稿の掲載には時差があります。また、この番組はお招きしたゲストのワイナリーのワインと、収録会場の「Villas des Marriages 多摩南大沢」の井村貢シェフが作るお料理のマリアージュをみなさまにもお越しいただき楽しんでいただくのがコンセプトの一つですが、現時点でお店でお楽しみ頂けるワインとお料理のマリアージュの詳細については直接お店にお問い合わせください。)
若尾果樹園・マルサン葡萄酒
https://marusan-wakao.com/
News Data
- ヴィラ・デ・マリアージュpresents 「辰巳琢郎の日本ワインde乾杯!」
2024年4月4日放送回
- ワイナリー
若尾果樹園・マルサン葡萄酒
https://marusan-wakao.com/- 収録会場
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩
https://villasdesmariages.com/tama/